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歯周病で各臓器に障害  ― 藤田医科大学らがマウスで実験

歯周病は骨や筋肉、脳に障害を招く―。藤田医科大学らの研究グループによるもの。歯周病が各臓器の障害を招くエビデンスが得られたことにより、医科歯科の密接な連携が重要であることがあらためて確認された。

 研究では歯周病に罹患させたマウスを構築し、一定期間経過後の状態を解析した。その結果、下肢の遅筋が障害されていた。また、大腿骨の骨密度が低下しており、遅筋の障害と併せてフレイルの病態を呈していた。認知機能についても検証したところ、歯周病により海馬の細胞と神経に減少が生じ、モデルマウスは身体的フレイルと同時に認知的フレイルであることがわかった。
【歯科通信】

「歯が浮いた感じがしたり、変に冷や汗が出たりするんですよね」と言われ…

症例は72歳男性で、外傷歴はないものの、1週間前から左肩関節痛を主訴に時間外外来受診。既往は高血圧、高脂血症、糖尿病がありました。喫煙歴は毎日40本を50年以上続けるヘビースモーカーです。

 左肩腱板損傷、石灰性腱炎を鑑別疾患として思い浮かべながら、まずはX線を撮影しました。X線上で左肩腱板付着部に石灰化を認め、患者さんに「ここに白く写っているのが、カルシウムが沈着しているところです。石灰性腱炎の可能性が高いでしょう。鎮痛薬を処方しますので服用してください」と説明し、帰そうとした矢先のことでした。患者さんが「ありがとうございました。そういえば最近歯が浮いた感じがしたり、変に冷や汗が出たりするんですよね」と言いました。その言葉に引っ掛かった私は、「すいません、ちょっと気になるので検査を追加させていただいてよろしいでしょうか?」とお願いし、患者さんに快諾していただいたので血液検査と心電図を追加しました。

 すると驚くべきことが……。採血上もCK・CK-MBが上昇しており、心電図上でもST変化を認めました。急いで循環器内科の先生に連絡して状況を説明。快く診察依頼を引き受けてくださり、やはり狭心症で間違いない、ということになりました。残念ながら当時の病院は夜間緊急カテーテルをできる体制ではなかったので、他院に紹介して緊急カテーテル検査をしていただくことになりました。

 このときの反省点としては、もし患者さんが「歯が浮いたような感じ」、「冷や汗」というパワーワードを言っていなければ、おそらく見過ごしていました。正直なところ、X線で石灰化を認め、「お、これは石灰性腱炎で間違いないな」と思っていたことは事実です。患者さんは見た目も元気で、自分の足で受診されたため、そこまでの重症感は全くありませんでした。

 しかし、既往歴や喫煙歴、年齢的にもちょっと引っ掛かったところはあったので、やはり問診は大事です。今回のケースでは、もし私が追加の検査のことを言った際に激怒されていたら、そのまま帰していたでしょう。時間外でかなり疲れていたのも事実で、このような時には悪魔が耳元で囁くものです。ですが、何かおかしいなと思ったら、当初の鑑別疾患の所見があったとしても、さらに調べる方がいいでしょう。

ALS:患者で歯科医「ALSな暮らし」 三保さん講演、交流会も 来月2日・佐世保 /長崎

徐々に筋肉が衰えていく進行性の難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者で歯科医の三保浩一郎さんの講演会「ALS恐るるに足らず 歯科医の語るALSな暮らし」が3月2日午後1時、佐世保市常盤町の市まちなかコミュニティセンターである。事前申込制で誰でも参加できる。

 三保さんは広島市で歯科医院を開業していたが、ALSを発症し、2012年に閉院。16年から人工呼吸器を装着し、視線で文字を入力して音声に変換する機器を使い、全国各地で講演をしている。日本ALS協会の理事や広島県支部長を務めている。

 主催する同協会長崎県支部は、患者や理学療法士らの専門家、一般の人の参加を呼びかけている。講演後には交流会もある。申し込みは、長崎県支部事務局長の森本典子さん(090・9406・4546、morimoto@icv-net.ne.jp)。

自公立、高額療養費で協議 予算案修正巡り調整続行

自民党の小野寺五典、公明党の岡本三成、立憲民主党の重徳和彦各政調会長は27日、国会内で非公式に会談し、2025年度予算案の修正を巡って調整を続けた。重徳氏は、医療費の支払いを抑える「高額療養費制度」の利用者負担の引き上げ凍結を重ねて求めたとみられる。自公はこれまでの協議で難色を示している。

 立民は、引き上げ凍結に200億円を充てることを柱とした総額3兆8千億円規模の予算案の修正案をまとめ、与党に受け入れを求めている。

1978年創業の歯科医院が破産、負債1億1057万円

医療法人(大阪市、設立1991(平成3)年12月)は2月5日、大阪地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には弁護士が選任された。

 負債総額は債権者184名に対して1億1057万円。

 1978年創業。「歯科」を経営し、予防を中心とした先駆的な歯科医院として相応の経営基盤を構築してきた。2007年12月期にはピークとなる売上高1億4301万円をあげていたが、採算面は低調で、たびたび赤字を計上していた。

 近時は他のクリニックとの競合などもあり業容が縮小し、2023年12月期には売上高が6233万円まで後退したうえ、多額の赤字計上から債務超過額は4146万円に拡大。この間の2023年2月には創業者で前理事長が死亡し、経営体制が揺らいでいたなか、今回の措置となった。

ラクトフェリンが放射線治療の効果を高め、副作用を減らす可能性

放射線治療は、低酸素環境にあるがん細胞に対して十分な効果を発揮できない

 広島大学は2月3日、ラクトフェリンが放射線を用いたがん治療において、副作用を減らしつつ治療効果を高める可能性を明らかにしたと発表した。この研究は、同大原爆放射線医科学研究所の谷本圭司准教授、村上大徳大学院生、京道人助教、廣橋伸之教授、大学院医系科学研究科の小野重弘講師、相川友直教授、宮内睦美元教授、愛媛大学の深澤賢宏助教らの研究グループによるもの。研究成果は、「Antioxidants」に掲載されている。

 放射線治療は、がん細胞に放射線を照射してがん細胞を破壊する治療法。しかし、その効果はがん細胞の置かれた環境に大きく影響される。多くのがん病巣においてがん細胞は増殖が速いために血管新生が間に合わず酸素が不足している「低酸素環境」になっていることが知られている。この低酸素環境では、放射線が細胞を破壊するために必要な活性酸素種(ROS)が十分に作られないため、がん細胞へのダメージが減少し生き残りやすくなる。このため、低酸素環境は放射線治療において治療効果を下げる主要な原因とされており、そのような環境にあるがん細胞を効果的に破壊する治療法の開発が望まれている。

ラクトフェリンは正常細胞を守り、がん細胞の放射線感受性を高める

 ラクトフェリンは体内での鉄の輸送や貯蔵を助けるほか、細菌の成長を抑えたり、免疫システムを調節したりする働きがあると言われている。また、抗酸化作用を介して健康維持に役立つことが期待されている。最近の研究では、ラクトフェリンががん細胞にも影響を与える可能性が示唆されているが、その具体的な仕組みや放射線治療との関係については未解明の部分が多く残っている。

 今回の研究では、健康な口唇の正常細胞(KD細胞)と口腔がん細胞(HSC2細胞)を用いてラクトフェリンの効果を調べた。まず、高用量のラクトフェリンを投与すると、がん細胞の増殖を抑制することができたが、正常細胞も強くダメージを受けた。また、これまで知られていた通り、低酸素環境で培養しているがん細胞に放射線を照射すると、酸素が十分にある環境のがん細胞に比べて、放射線の効果が弱まることが確認された。このような低酸素環境で細胞に影響の出ない量のラクトフェリンを投与すると、正常細胞ではラクトフェリンが放射線のダメージを軽減する一方で、がん細胞では放射線による治療効果を高めることが分かった。この作用は、放射線被曝後の3時間以内にラクトフェリンを使った場合に特に強く見られた。

 放射線治療では、放射線が直接DNAを破壊する直接効果と、細胞内にROSを発生させて、これがDNAを傷つけることで細胞死が起こる間接効果がある。ラクトフェリンは正常細胞ではROSの量を減らし、DNAの損傷を防ぐ一方で、がん細胞では逆にROSの量を増加させ、放射線によるDNAの損傷を増やした。このように、ラクトフェリンは正常細胞とがん細胞で異なる働きをしていることが確認された。また、RNA-seq解析で網羅的に遺伝子発現量を調べたところ、ラクトフェリンが正常細胞の細胞死に関わる遺伝子を抑制することにより保護的に働き、がん細胞の抗酸化能やDNA修復能を奪うことにより放射線効果を増強していることが明らかとなった。

ラクトフェリンの作用機序は未解明だが、放射線治療補助剤としての可能性が広がる

 この研究によって、ラクトフェリンが正常細胞の細胞死に関わる遺伝子を抑制することにより保護的に働き、がん細胞の抗酸化能やDNA修復能を奪うことにより放射線効果を増強していることが明らかとなったが、なぜ低酸素環境で特に効果を発揮したのか?どのようにして細胞死、抗酸化、DNA修復などに関わる遺伝子の発現量を調整しているか?メカニズムを詳細に解明する必要がある。また、今回は口唇の正常細胞や口腔がん細胞を用いてラクトフェリンの効果を検証したが、これらの効果が他臓器のがん細胞でも再現されるかを評価することで、ラクトフェリンの治療適用範囲を拡大する可能性がある。

 今回の研究で示されたラクトフェリンの細胞ごとの機能(正常細胞の保護とがん細胞への放射線効果増強)は、放射線治療の補助剤としての応用可能性を強く示唆しているが、動物実験や臨床試験を通じて、その安全性と有効性を個体レベルで検証することが求められる。「ラクトフェリンを用いた放射線治療は、がん細胞に対する効果を増強しつつ、正常細胞を保護する画期的なアプローチとして、今後の研究と応用に大きな期待が寄せられる。将来的には、副作用の苦しさが少なく、安全にがん治療を行える手法が開発される可能性がある。」と研究グループは述べている。

金パラ告示価格 3月から3,230円に 歯科用貴金属価格の随時改定で

歯科鋳造用金銀パラジウム合金の告示価格が3月から1グラム3,230円と、現在より220円引き上げられる。15日の中医協総会で報告されたもので、随時改定により歯科用貴金属9品目すべてが引き上げとなっている。
歯科通信

良い入れ歯を使用していると死亡リスクが低い

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良い入れ歯を使用していると死亡リスクが低い!!
 ― 2024年11月29日「Journal of Prosthetic Dentistry」 ―
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[研究のポイント]
☆大阪府の後期高齢者歯科健康診査の受診者186,893人、平均観察期間3.2年のデータを分析した
☆奥歯のかみ合わせが悪化するほどに死亡の頻度が高くなることが明らかになった
☆状態の悪い入れ歯を使用していたり、入れ歯を使用していない人は、奥歯のかみ合わせが良い人と比べて死亡リスクが最大1.8倍になることが明らかになった
☆自分の歯を良好に保つことに加えて、歯を失った場合は適切に入れ歯を使用することが高齢者の健康において重要であることが示された。
https://doi.org/10.1016/j.prosdent.2024.10.037

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