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胃カメラの苦痛が大幅減 マウスピース共同開発

鳥取大医学部付属病院(米子市西町)とイナバゴム(大阪市西区)が胃や食道の内視鏡(胃カメラ)検査で患者の苦痛となる吐き気が大幅に減るマウスピースを共同開発した。U字型で、奥歯でかむとのどの奥が広がり、カメラの接触による咽頭反射が抑えられる。患者の負担軽減で受診率や検査精度の向上につなげる。

 従来のマウスピースは内視鏡保護が目的で、前歯でかむ筒型だった。同病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の藤原和典准教授(43)が、口に力が入り、のどの奥が狭まる分、咽頭反射が起きやすいことに着目し、2年がかりで新型を開発した。

 軟らかい樹脂製で、奥行き55ミリ、幅72ミリ、厚さ23ミリ。奥歯でかむと固定され、口の緊張が和らぎ、舌の位置が下がるため、のどの奥の内視鏡挿入スペースが広がる。

 開発後、10人の臨床検査で咽頭反射の回数は従来型と比べ84%低減されたという。1日に2個2500円(税別)で医療機関向けに販売。5日に同病院で会見した藤原准教授は「広く利用され、多くの患者に楽に検査を受けてもらいたい」と話した。

歯周病の進行が呼吸機能の急速低下に関わる可能性 九大

九州大学は9月20日、歯周病の進行が呼吸機能の急速低下に関わることを明らかにしたと発表した。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、近年世界的に増加傾向で、世界の死因の第4位を占める。

 福岡県久山町の40歳以上成人1,650名の追跡調査データを分析し、呼吸機能検査による一秒量の急速低下との関連を検討した。その結果、喫煙などの影響を加味した上でも、歯周病の進行が最も軽度な集団に比べ、最も重度な集団は3年以内に一秒量の急速低下が起きる割合が1.4倍高く、歯周病が進行している人ほど呼吸機能の経年低下速度が急速化しやすいことがわかった。

いい歯いきいき健康フェア:楽しんで、いい歯に 口内清潔度測定など 来月4日、高砂

幅広い年齢層を対象にした「いい歯いきいき健康フェア」が11月4日午後1時から3時半まで、高砂市高砂町朝日町1の市文化会館と市文化保健センターで開かれる。口の健康度合いを気軽に測れたり、各種相談窓口、ゲームなど多彩な催しを用意した。入場無料。

 加古川、高砂市と稲美、播磨町の歯科医らでつくる播磨歯科医師会(加古川市加古川町篠原町)が毎年開いており、17回目を迎える。前回初登場の「サリバリーマルチテスト」を今回も実施(中学生以上)。ライオンが開発した口内の清潔度を5分で測定できる唾液検査システムで、昨年も人気を集めた。顕微鏡を使った口腔(こうくう)内細菌の観察や、口腔内カメラによる「口の中探検」、3歳から小学生限定のフッ化物塗布コーナー(要予約)も設ける。

 このほか、口臭測定や歯の健康相談、介護相談、ビンゴゲームやダンスチームのパフォーマンスも。播磨歯科医師会事務局(079・421・8100)では「楽しみながら学べるイベントです。家族連れをはじめ、多くの人にぜひ足を運んでほしい」とPRしている。

口臭の原因となる硫化水素を産生する酵素の立体構造と反応機構を解明。

口腔内の硫化水素濃度と歯周病の進行度には高い相関があり、患者の口腔内の硫化水素濃度を測定すれば、口臭や歯周病の程度を判定する指標にもなる。口腔内で検出される硫化水素は歯周病菌が作る硫化水素産生酵素により、主にシステインというアミノ酸から作られる。これらの酵素の反応機構の解明が硫化水素産生の根本的な理解につながると考えられていた。岩手医科大学薬学部の毛塚雄一郎助教、および野中孝昌教授らの研究グループは、健常者を含め多くの成人で検出される歯周病菌Fusobacteriumnucleatum(フゾバクテリウムヌクレアタム)特有の硫化水素産生酵素Fn1055に着目。この酵素の立体構造と反応機構を解明したと発表した。
 酵素反応をミリ秒(1000分の1秒)オーダーで追跡し、この酵素がシステインから硫化水素とセリンを生成する反応機構が明らかになった。反応には酵素構造変化を伴うことが強く示唆されたという。この研究結果は歯周病菌における硫化水素産生機構の理解につながるとともに、新たな洗口液成分の開発への期待がかかる。

AI技術を用いて地域包括的な口腔保健情報サービスを展開。

超高齢社会が進む中、QOL向上の必要性や地域包括ケアの重要性がますます注目されるようになってきた。そんな背景もあり、大規模な医療情報を安全・安心な形で活用し、新たな歯科サービスの創出や社会的課題の解決に役立てようとするする動きが活発化している。大阪大学歯学部付属病院と大阪大学メディカルセンター、NECは、最新のICT技術を活用したAIによる高度な情報データ分析と共有を包含した「ソーシャル・スマートデンタルホスピタル(S2DH)」構想の取り組みを開始。大阪大学歯学部付属病院の診療現場にて、安全かつ効果的な治療方法を、膨大なデータに基づいたAI分析によって導き出し、選択肢の一つとして患者に提供するという。
 具体的な取り組みとして、瞬時に効果的な治療計画を立案する矯正歯科用AI、口腔内写真により病変の早期発見や見落とし防止を支援する舌粘膜病変AI、データ同化技術を用いて歯の欠損をシミュレーションする歯の喪失AIという3領域でのAI活用を始めている。また、サイバーメディアセンターでは、病院のデータを計算機センターで高速処理するためのセキュア・ステージングの研究開発を進行。これらをもとに、2018年度から歯周病AIと一般歯科AIの構築を中心とする実証実験を開始する予定だという。

軟骨細胞の破裂が骨形成の場を作る。骨が出来る新たなメカニズムを発見。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体材料学分野の松本卓也教授と原エミリオ助教と大阪大学の研究グループは、骨が形成される新しいメカニズムをマウスモデルを使って発見したと発表した。研究グループは、二次骨化中心と呼ばれる大腿骨などなどの関節部分に注目。このあまり検討されてこなかった部位や時期を分子生物学的、形態学的さらに工学的といった複数のアプローチで検討。
その結果、大腿骨骨頭部分のほとんどを占める軟骨細胞が次第に肥大化し、細胞の一部が破裂し骨形成に必要なスペースが出来ること、破裂の際に残された細胞膜の断片が骨石灰化の開始点になることがわかったという。また、この細胞破裂は歩行などによって生じる機械的刺激によって誘引されることも判明した。この研究結果により、適度な運動で生じる関節部分の細胞破裂が正常な骨形成に関与していることが明らかになった。細胞膜断片が骨石灰化の起点であることを特定したことで、細胞膜断片を利用した新たな骨再生材料の開発などに繋がるだろう。

世界初、マイクロPHセンサによるう蝕の定量的検査技術の開発に成功。

東京医科歯科大学生体材料工学研究所の宮原裕二教授と田畑美幸テニュアトラック教授の研究グループは、酸化イリジウムを材料とするマイクロPHセンサを製作し、世界初となる歯のPHマッピングによるう蝕の定量的検査技術を開発した。研究グループは、歯科用深針に実装することを目的に、小型化・加工性に優れたワイヤを用い、室温での理論値に近いPH感度を有するセンサを作製。
 このセンサを用いて抜去う蝕歯の表層PH測定を行い、健康な歯根、非進行性う蝕、進行性う蝕はそれぞれ6・85、6・07、5・30のPH値を有していることもわかった。直径300μmの同センサは、凹凸や欠損といった歯表層の形態に左右されず、直接PH測定を行うことが可能であるだけでなく、染色による目視診断やX線による画像診断では識別できない歯間のう蝕進行性も評価することができる。繰り返しの測定や、使用後のオートクレーブ滅菌も可能だという。

間葉系幹細胞の投与で歯周病の進行を抑制。

 愛知学院大学歯学部の本田雅規教授、日本大学歯学部の井口慎也非常勤医員らの研究グループは、間葉系幹細胞が歯周病の進行を抑えることをマウスを使った実験で明らかにした。本田教授らは歯肉溝に糸を巻いて歯周病に罹患させたマウスを用いて実験。
 糸を巻いた同日に、糸を巻いた歯の周囲の歯肉に注射を針で間葉系幹細胞を投与すると、歯槽骨の破壊が有意に抑えられた。間葉系幹細胞はマウスの大腿骨から採取し数日間培養したものを、歯の近心の歯肉だけに投与。近心側の歯槽骨破壊は抑えられたが、遠心側の歯槽骨については投与しない場合と同様に破壊されたという。
 従来、炎症部位への細胞の投与は細胞が死滅するため禁忌とされていた。しかし、今回の実験により、炎症部位に投与した細胞でも数日間にわたり生存できることが判明。今回は骨髄から採取した間葉系幹細胞を使用したが、歯髄や歯根膜など他の組織の間葉系幹細胞でも今後実験していくとのこと。幹細胞を使った再生医療の確立にまた一歩近づいたと言えよう。

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