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いびきから睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングを行う新規システム開発 徳島大

 徳島大学は12月13日、患者に接触することなく録音した睡眠音からいびきを抽出し、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニングを行う新規システムを開発したと発表した。

 高齢者では20%以上がSASとの報告があり、また近年では、認知症患者の多くにSASがあることが判明。初期の段階でSASの診断、治療を行うことが求められている。

 その手法は、睡眠音から有音区間を推定し、有音区間からいびきを抽出、いびきの音響解析によるSASスクリーニングを行い、背景ノイズに埋もれている呼吸信号の検出を目指して、ニューラルネットワークに基づく新たな有音区間推定法を開発したという。

 今後、在宅でも使用可能な非接触の病気検査機器を製品化することができれば、健康寿命の延伸、生活の質の向上につながると期待される。

(医療NEWS 12月15日)

口のケアできる人材増やす 厚労省が研修制度

口腔ケアをするスタッフへの新たな研修制度を厚生労働省は創設する。
 
 歯科医師や歯科衛生士がいない現場でも専門的なケアができるよう、病院や介護施設の看護師や介護スタッフに学んでもらう。研修は、歯科医師や歯科衛生士が講師を務める。

 厚労省は来年度、この研修に約1億円を充て、実施する自治体に経費の半額を補助する方針。介護施設などを訪問する歯科医師や歯科衛生士のニーズは高まっているが、その数は追い付いていない。

 新たな研修制度によって適切なケアができる施設を増やしていく。

(朝日新聞DIGITAL 12月8日)

歯科口腔保健推進室が「省令室」に昇格へ

政府は12月22日、現在訓令室である歯科口腔保健推進室を省令室に昇格することを閣議決定した。

 本推進室は、平成23年8月施行の歯科口腔保健の推進に関する法律のもと、国民保健の向上に寄与するため、歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持の推進に関する施策の総合的な推進に向けて、基本的な事項の策定、財政上の措置、全国の口腔保健支援センターの普及等の役割を担っている。

 日歯は、推進室がこの役割を確実に果たすためには、厚労省内の各部局はもとより、内閣府、文部科学省、経済産業省等、関係省庁との調整、連携が欠かせないとして、同室が司令塔としての役割が果たせるよう、訓令室から省令室への昇格を、平成25年以来の国への「制度予算要望」の中に取り上げてきた。

・プレスリリース・活動報告(日歯HP)
http://www.jda.or.jp/jda/release/171222.html

ちょっと気になる!≪エナメル質形成不全≫

歯の表面の白い斑点・・・気になりますか?
これはホワイトスポットと呼ばれ、
初期むし歯と「エナメル質形成不全」に分類されます。
歯の表面のエナメル質が正常に形成されない状態です。
エナメル質は再生されることがないため、
形成される段階で異常があると、エナメル質形成不全に
なることがあります。

軽度の症状:
・歯の表面に濃い白い斑点がある
・茶色や黄色っぽい色をしている
・生えてきたばかりの歯が他の歯と違う、など

重度の症状:
・象牙質が見えている
・欠けている、不自然なくぼみがある
・上記のような歯の形状の変化が見られる、など
 
原因(乳歯):
・早産により母親からの栄養が不十分だった
・妊娠中の栄養不足による、カルシウム、リン酸、ビタミンD欠乏症
・妊娠初期の母親の抗生剤服薬(アモキシリン)の影響

原因(永久歯):
・生後1歳の時期の熱性疾患等により、エナメル質の元になるエナメル芽細胞が影響を受けた
・乳歯のむし歯や外傷などが原因で、永久歯の成長に影響を与えた
・長期間に亘る高濃度フッ素の摂取によるもの
・乳児期の栄養失調によるもの
・遺伝

治療:
・予防
エナメル質形成不全はむし歯のリスクが高くなるため、
乳歯や初期むし歯は、むし歯予防のためにフッ素塗布をします。

・強化・修復
重度の場合は樹脂(レジン)の充填などにより歯の形成等の
治療を行います。
 
・目立たなくする
ホワイトニング、歯のマニキュア等で色を目立たせないようにします。
 
・MIペースト
カルシウム、リンなどのミネラルの補給をするとともに
酸性に傾いた口腔内を中和する作用があります。
※牛乳アレルギーの方は使用不可

遺伝以外の原因の場合は、乳歯の段階で注意をすることで
防ぐことができるものです。
白い斑点が気になる場合は、早めに歯科医院を
受診することをお勧めします。
 
▼参考:エナメル質形成不全の原因と治療法まとめ
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g01ffwu0bs4p7ze69n37m

咀嚼の話≪胃腸の働きを促進≫

咀嚼での効能を頭文字で表した「ひみこの歯がいーぜ」
「ひ」肥満予防、「み」味覚の発達、「こ」言葉の発音が良くなる。
「の」脳の活性化、「は」」歯の病気予防、「が」がんの予防、に続き
今回は「い」胃腸の働きを助けるお話です。

唾液の成分は99%が水でできていて、残りの1%に
炭水化物を糖に分解する消化酵素「アミラーゼ」が含まれています。

咀嚼をすると唾液がたくさん出て、咀嚼回数が増加すると、
α-アミラーゼ(唾液アミラーゼ)による
糖の生成量も比例して増加します。
直接的な消化作用と同時に、消化管運動を高めて胃酸を分泌するための
間接的な消化作用(消化管から胃液、膵液、ホルモンの分泌)が
十分な咀嚼により促進されます。

唾液は食物を湿らせて一塊にして、嚥下の準備をします。
そして咀嚼して食物を粉砕し、嚥下や消化に適した性状に調整します。

咀嚼によって食物は胃腸への負担を軽減する状態で胃に運ばれます。
さらに、唾液アミラーゼの働きで胃酸の分泌を促し、
胃腸の働きを活発化させます。

消化管粘膜から分泌される消化管ホルモンなどの分泌は、
咀嚼をするほど促進されますが、快感が伴われる必要があります。
それは、食物の美味しさを感じることができるような
豊かな食経験です。

胃腸の活動を活発化させるためにはしっかりと咀嚼することに加えて、
美味しくて楽しい食事を摂ることが大切になってきます。

▼参考文献:日本補綴歯科学会「咬合・咀嚼が創る健康長寿」
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g01fewu0bs4p7ze69n0kR
(クリックするとPDFが開きます)

口腔ケア、連携スタート 済生会宇都宮病院、歯科医師会が診療

歯科医師会による病院への歯科医派遣は全国初

 がんなどで手術を受ける患者の合併症リスク軽減を目的に済生会宇都宮病院(宇都宮市竹林町)が新設した口腔(こうくう)ケアで、診療が始まった。診療に当たるのは宇都宮市歯科医師会の歯科医。同医師会によると、歯科医師会による病院への歯科医派遣は全国初で、拠点病院と地域の歯科の連携推進や退院後の患者ケアの充実なども期待される。

 口内には多くの雑菌があるため、体力が低下する手術後には合併症が懸念される。化学療法や放射線療法に伴い、口内炎や口内乾燥といった症状が現れるケースもある。

 口腔ケアでは手術前から専門的な治療などを行い、こうしたリスクの軽減を図る。同医師会が協力することで、退院後の患者の状態などの情報共有化も見込める。

 診療は、口腔ケアに詳しい同医師会の歯科医13人が輪番で対応する。診療時間は月、水、木曜の午前9時~午後5時。初日は手術を控えたがん患者など6人が診療を受けた。

 同病院の小林健二(こばやしけんじ)院長は「合併症を防ぐことで在院日数を短くし、自宅でも安定した生活ができるようになることが目標」と強調。同医師会の北条茂男(ほうじょうしげお)会長は「口から食べ、かむことで免疫力がアップする。経口摂取の大切さを再認識してもらいたい」と期待した。

歯周病強化治療だけで有意な降圧効果

中等度以上の歯周病を合併する高血圧アットリスク例への歯周病強化治療により、標準的なケアに比べ、有意な血圧低下が得られたとのランダム化比較試験(RCT)の成績が明らかになった。米国心臓協会(AHA)が2017年の年次学術集会における発表演題を紹介した。

 研究グループは中等度から重度の歯周病を有する高血圧前症の中国人男女107人を歯周病の標準的ケア(基本的な口腔衛生指導および歯肉線までの歯石除去)または強化治療(標準治療に加え、歯石を歯根まで局所麻酔下で除去し、必要に応じ抗菌薬治療や抜歯を施行)をランダム化割り付けし、その後の血圧の変化を比較した。

 治療1カ月時点から強化治療群の収縮期血圧(SBP)が約3ポイント低下。拡張期血圧(DBP)の有意な低下はなかった。3カ月時点では、強化治療群のSBPは約8ポイント低下、DBPは約4ポイント低下した。さらに6カ月時点では、強化治療群のSBPは約13ポイント、DBPは約10ポイント低下した。

 研究グループによると、歯周組織への積極的な介入だけで血圧の低下、炎症の抑制ならびに内皮機能の改善を得られる可能性を示した検討は初めて。今後は多様な背景因子別の検討が必要と述べている。

歯磨きほめられ

かかりつけの歯科医院から半年ごとの健診はがきが届いたので出かけた。先生は、歯をみて一番に「きれいに磨かれていますね」と言った。この一言で緊張がほぐれてその後の検査や処置もリラックスして受けられた。「歯ブラシや歯間ブラシでしっかり汚れが取れます」と言われたので、「先生の指導通りにやっています」と少し誇らしく答えた。

 いくつになっても、ほめられるとうれしいものだ。健康の源になる大切な歯磨きを頑張って、次の健診でもまたほめられたい。

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