朝日大学 玄教授の講演が7月1日に開催されます。詳細は、参照を参考にしてください。
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九州大学は6月22日、歯周病原因菌のジンジバリス菌(Pg菌)の菌体成分リポ多糖(LPS)を全身に慢性投与することにより誘発されるアルツハイマー様病態の原因酵素がリソソーム酵素「カテプシンB」であることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院歯学研究院の武洲准教授と中西博教授らの研究グループによるもの。研究成果は「Brain, Behavior, Immunity」に掲載されている。
近年、重度歯周病の罹患と認知機能低下との相関性が報告され、アルツハイマー病患者の脳内でPg菌LPSが検出されていた。このため、Pg菌が脳炎症を引き起こし、認知症の悪化を招くと考えられているが、詳細なメカニズムはわかっていない。
研究グループは、若年・中年の野性型マウスと、炎症反応に関与することが知られているカテプシンBの欠損マウスを用い、全身投与したPg菌LPSが学習行動や脳炎症に及ぼす影響を解析した。その結果、Pg菌LPSを全身に慢性投与した中年マウスでは、ミクログリア活性化による脳炎症、アミロイドβ(Aβ)のニューロンにおける産生・蓄積ならびに学習・記憶能力低下などアルツハイマー様病態を発症することが判明。若齢マウスでは、このようなアルツハイマー様病態を示さなかったという。さらに、遺伝子欠損マウスを用い、カテプシンBがPg菌LPSの全身への慢性投与により誘発されるアルツハイマー様病態に関与する原因酵素であることも明らかになったという。
今回の研究により、カテプシンBは、歯周病から脳への炎症シグナル伝達に関与していることが明らかとなった。歯周病の予防治療に加え、カテプシンB特異的阻害剤は歯周病によるアルツハイマー病の発症と症状悪化を阻む可能性があり、経口投与可能なカテプシンB特異的阻害剤の開発が期待される、と研究グループは述べている。
マウスガード(MG)の装着でかみ合わせを調整して、体幹やバランス感覚の改善の効果を調べる「九州スポーツ医歯学研究所」(近藤剛史代表理事)が設立3年目を迎え、一般社団法人に認定された。今後は、アスリートや指導者に口腔(こうくう)管理の重要性を広めて、スポーツ歯科についての認定制度などを活用した普及啓発が課題となる。
研究所は2015年に九州で初めて開設した。各種スポーツ大会の会場で相談ブースを設置してアスリートへの情報提供、大学での講義や研究会での症例研究などでスポーツ歯学の普及や底上げをしている。
この2年間でサポートする選手も増えており、リオデジャネイロオリンピックのテコンドー日本代表の浜田真由選手や同パラリンピック陸上日本代表の中西麻耶選手の他、野球やモータースポーツ、格闘技など幅広い種目となっている。
近藤代表理事は「スポーツ歯科チームはアスリートが最大限の力を発揮できるように側面的に支援するのが目的」と強調する。今後の課題として、若い選手へのスポーツ歯科の普及を挙げ、「世界で活躍する選手を育てるには、若い時から口腔管理の意識を持つことが重要。ジュニア世代の指導者に理解を深めてもらう活動をしていきたい」と話した。
MGは歯を覆うように装着する。競技中のけがの予防の他、かみ合わせを調整して下顎の位置を安定させることでパフォーマンスの向上にもつながるとされる。アスリート用MGは競技の特性やかみ合わせに応じて専門の歯科医院で作るのが望ましい。バランス感覚の改善は、日常生活の動作改善や転倒防止に役立ち、高齢者の介護予防への応用も期待されている。
唾液腺腫瘍患者を対象に、併存疾患、人種、社会経済的因子の生存転帰への影響を後ろ向きコホート研究で検証。カプランマイヤー生存曲線およびCox比例ハザードモデルで解析したところ、学歴が高校卒業以下の居住者が多い地区での居住、男性、診断時の高年齢、チャールソン併存疾患指数高値が、5年および10年生存率の有意な低下因子だった(順にP<0.05、0.05、0.001、0.05)。人種は生存の影響因子として特定されなかった。
80歳以上の人を対象に、佐世保市と市歯科医師会が毎年開いている「歯の健康優良高齢者コンテスト」で、木村秋時さん(85)=小佐世保町=が前人未到の6年連続金賞の記録を打ち立てた。健康な歯を維持する秘訣(ひけつ)は「毎日4回の歯磨き」。「歯は体の健康に関係している。これからも続けたい」と話している。
コンテストは歯と口の健康週間(4~10日)に合わせて開き、毎年30人ほどが参加。20本以上自分の歯があることが条件で健康な歯の本数や歯並び、歯周病の有無を審査。年齢を加味して順位を決める。24回目になるが、金賞を6回獲得した人は初めて。
歯磨きは朝昼晩に加え、夜中に目が覚めた時もしている。時間は歯間ブラシも使って丁寧に5分間。コンテストに出始めてから、ほとんど行ったことがなかった歯科医院にも定期的に通い検診を受けている。
木村さんは元小学校教員。児童には「歯は健康の窓」と指導し、自らも人一倍虫歯に気を付けていた。年を重ねるにつれ、あらためてそれを実感している。「この年になっても大きな病気をしていないのは歯を大切にしたから。これからも食べたらしっかり磨くことを心掛けたい」と自慢の歯を見せた。
歯や口の健康について考える「歯と口の健康フェスティバル2017」(宮崎市郡歯科医師会など主催)が4日、宮崎市の宮交シティであった。親子連れら約1800人でにぎわった。
歯の健康を意識してほしいと始まり、今年で34回目。会場には、CCDカメラで自分の口の中を見る歯科検査体験や正しい歯磨きを学ぶブラッシング指導など5ブースが、設けられた。
同医師会の公衆衛生担当理事、西村秀一さん(45)は「歯の状態は体全体の健康につながる。日ごろからきれいにしておくことを意識してほしい」と話す。
家族で訪れた宮崎市立大塚小6年の沖晃成さん(11)は「自分の歯をほめられてうれしかった。もっと歯をきれいにしていきたい」と話した。
日本歯科医師会などが提唱する「歯と口の健康週間」が4日から始まったことに合わせ、県内でも、健康で丈夫な歯を願う神事や、動物の標本で歯の働きを学ぶイベントが行われた。週間は10日まで。
県歯科医師会は4日、鹿児島市の松原神社で「歯の感謝祭」を開いた。歯科医ら約50人が出席し、会員から集まった患者の歯約2万本を供養して、歯の健康を願った。
松原神社は、戦国時代の島津家当主・貴久の家臣、平田純貞をまつっている。純貞は急死した貴久に殉じて、生きたまま棺おけに入って海に沈んで死んだが、その際、あごの骨が砕けるほど強く歯を食いしばったとされる。後に、丈夫な歯を願う人から「歯のかんさあ(歯の神様)」と呼ばれ、参拝されるようになったという。
感謝祭では、県歯科医師会の森原久樹会長(74)ら関係者が、祭壇に玉串を奉納。森原会長は「歯が良くなることは全身の健康維持につながる。県民一人ひとりが、歯をきれいにすることを意識してほしい」と話した。
◆動物園ではカバの歯みがき
鹿児島市の平川動物公園では3、4日、動物の歯の標本を使って、歯の仕組みや役割を説明するイベントが行われた。
カバのコーナーでは、若松富男飼育技師が、カバはあごが150~180度開くことや、獲物や敵と向き合う時に使う犬歯は50センチ近くにまで達することを説明。この後、カバに大きく口を開かせ、歯をヤスリで磨く様子を披露すると、来園者たちは興味深そうに見学していた。
厚生労働省は2日、80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合が推計で51・2%に上り、初めて2人に1人以上になったとする2016年歯科疾患実態調査の結果を公表した。40・2%だった11年の前回調査から10ポイント以上増えた。担当者は「歯を強くする成分を配合した歯磨き粉が増えたほか、高齢者らの口腔(こうこう)ケア意識が高まった結果ではないか」としている。
20本は、入れ歯なしにほとんどのものを食べられる目安で、厚労省は「8020運動」として、高齢者の口腔ケアを推進している。
調査は昨年10~11月、全国から抽出した1歳以上の男女6278人を対象に実施し、うち3820人の口の中を歯科医が診察した。
20本以上の歯がある人の割合は、75~79歳で8・5ポイント増の56・1%、80~84歳で15・3ポイント増の44・2%だった。80歳時点での割合は、75~84歳の結果から推計した。
1日の歯磨き回数は1回が18・3%で3・6ポイント減少。一方で2回は1・5ポイント増の49・8%、3回以上は2・1ポイント増の27・3%となり、2回以上の割合は前回より増えた。
調査は6年ごとに実施していたが、今回から5年ごとに変更された。