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終末期、緩和ケア重視 積極治療から転換、学会で相次ぐ

終末期や老衰の患者への積極的な治療を控えることに言及した指針や提言を、亡くなる人が多い肺炎や心不全の専門学会が相次いで発表している。患者本人の意思や生活の質(QOL)を重視する考えの浸透や、高齢化が背景にある。ただ、助かる見込みがないかどうかの判断は高齢者では難しいことが多く、助かる人に必要な治療がされないことへの懸念も聞かれる。

 日本呼吸器学会は4月に肺炎の新たな診療指針を発表した。老衰状態の患者などには、肺炎治療の基本となる抗菌薬(抗生物質)を積極的に使うよりも、苦しみを取る緩和医療を優先する選択肢を新たに加えた。

 肺炎はがん、心不全を含む心疾患に次いで日本人の死因の第3位。基本的に抗菌薬で治るが、老衰やがんなどの病気が末期で、誤嚥(ごえん)性肺炎になりやすい状態の人は、腎障害などの副作用が高い頻度で現れたり、再発を繰り返したりする。

 指針では、介護を必要とする高齢者などの場合、誤嚥性肺炎を繰り返すリスクや、持病が末期ではないかをまず判断し、該当すれば「個人の意思やQOLを考慮した治療・ケア」を選ぶことにした。指針の作成委員長の河野茂・長崎大副学長は「抗菌薬で治らない状態の人にも最大限に治療するのが従来の考えだが、かえって患者を苦しませる恐れがあった」と話す。

 日本心不全学会も昨秋まとめた提言で、75歳以上の慢性心不全を「がんと同様に死に至る悪性病態」と強調。終末期には入院して強心剤を使い続ける治療を見直し、患者の意思決定の支援や緩和ケアを中心とする指針を盛り込んだ。

米国での誤嚥性肺炎による入院は減少傾向

 2002~2012年の間に米国での誤嚥性肺炎による入院数が低下したことが、「Annals of the American Thoracic Society」6月1日号に掲載の研究で報告された。

 この研究は、米ヤコビ医療センター(ニューヨーク市)のChao-Ping Wu氏らが、2002~2012年の米国内における誤嚥性肺炎の傾向を報告したもの。同氏らは全米入院患者標本データベースを用い、誤嚥性肺炎のため入院した患者406,798例のデータを対象とし、発生数、院内死亡率、入院期間、および総入院費用の傾向を調査した。

 患者の20.7%は65歳未満、79.3%は65歳以上であった。1万人あたりの誤嚥性肺炎の全発生数は、2002年の8.2例から2012年には7.1例へと低下し、院内死亡率は18.6%から9.8%へと低下した。65歳以上の患者での1万人あたりの発生数は40.7例から30.9例へ、院内死亡率は20.7%から11.3%へと低下した。総入院費用の中央値は、65歳未満、65歳以上の両群ともで上昇した。65歳以上であること、非教育病院での治療は、院内死亡の独立した予測因子であった。

 「高齢化する米国人集団において、地域社会で誤嚥性肺炎の予防戦略を実施する必要がある」と、著者らは結論している。

北海道障害者歯科臨床研究会からのお知らせ

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朝日大学 玄教授の講演が7月1日に開催されます。詳細は、参照を参考にしてください。

歯周病菌のAD様病態誘発原因酵素発見

九州大学は6月22日、歯周病原因菌のジンジバリス菌(Pg菌)の菌体成分リポ多糖(LPS)を全身に慢性投与することにより誘発されるアルツハイマー様病態の原因酵素がリソソーム酵素「カテプシンB」であることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院歯学研究院の武洲准教授と中西博教授らの研究グループによるもの。研究成果は「Brain, Behavior, Immunity」に掲載されている。

 近年、重度歯周病の罹患と認知機能低下との相関性が報告され、アルツハイマー病患者の脳内でPg菌LPSが検出されていた。このため、Pg菌が脳炎症を引き起こし、認知症の悪化を招くと考えられているが、詳細なメカニズムはわかっていない。

 研究グループは、若年・中年の野性型マウスと、炎症反応に関与することが知られているカテプシンBの欠損マウスを用い、全身投与したPg菌LPSが学習行動や脳炎症に及ぼす影響を解析した。その結果、Pg菌LPSを全身に慢性投与した中年マウスでは、ミクログリア活性化による脳炎症、アミロイドβ(Aβ)のニューロンにおける産生・蓄積ならびに学習・記憶能力低下などアルツハイマー様病態を発症することが判明。若齢マウスでは、このようなアルツハイマー様病態を示さなかったという。さらに、遺伝子欠損マウスを用い、カテプシンBがPg菌LPSの全身への慢性投与により誘発されるアルツハイマー様病態に関与する原因酵素であることも明らかになったという。

 今回の研究により、カテプシンBは、歯周病から脳への炎症シグナル伝達に関与していることが明らかとなった。歯周病の予防治療に加え、カテプシンB特異的阻害剤は歯周病によるアルツハイマー病の発症と症状悪化を阻む可能性があり、経口投与可能なカテプシンB特異的阻害剤の開発が期待される、と研究グループは述べている。

九州スポーツ医歯学研究所 一般社団法人に認定 アスリートの口腔管理推進

マウスガード(MG)の装着でかみ合わせを調整して、体幹やバランス感覚の改善の効果を調べる「九州スポーツ医歯学研究所」(近藤剛史代表理事)が設立3年目を迎え、一般社団法人に認定された。今後は、アスリートや指導者に口腔(こうくう)管理の重要性を広めて、スポーツ歯科についての認定制度などを活用した普及啓発が課題となる。

 研究所は2015年に九州で初めて開設した。各種スポーツ大会の会場で相談ブースを設置してアスリートへの情報提供、大学での講義や研究会での症例研究などでスポーツ歯学の普及や底上げをしている。

 この2年間でサポートする選手も増えており、リオデジャネイロオリンピックのテコンドー日本代表の浜田真由選手や同パラリンピック陸上日本代表の中西麻耶選手の他、野球やモータースポーツ、格闘技など幅広い種目となっている。

 近藤代表理事は「スポーツ歯科チームはアスリートが最大限の力を発揮できるように側面的に支援するのが目的」と強調する。今後の課題として、若い選手へのスポーツ歯科の普及を挙げ、「世界で活躍する選手を育てるには、若い時から口腔管理の意識を持つことが重要。ジュニア世代の指導者に理解を深めてもらう活動をしていきたい」と話した。

 MGは歯を覆うように装着する。競技中のけがの予防の他、かみ合わせを調整して下顎の位置を安定させることでパフォーマンスの向上にもつながるとされる。アスリート用MGは競技の特性やかみ合わせに応じて専門の歯科医院で作るのが望ましい。バランス感覚の改善は、日常生活の動作改善や転倒防止に役立ち、高齢者の介護予防への応用も期待されている。

唾液腺腫瘍患者の生存率に人種差なし

唾液腺腫瘍患者を対象に、併存疾患、人種、社会経済的因子の生存転帰への影響を後ろ向きコホート研究で検証。カプランマイヤー生存曲線およびCox比例ハザードモデルで解析したところ、学歴が高校卒業以下の居住者が多い地区での居住、男性、診断時の高年齢、チャールソン併存疾患指数高値が、5年および10年生存率の有意な低下因子だった(順にP<0.05、0.05、0.001、0.05)。人種は生存の影響因子として特定されなかった。

【長崎】歯の健康高齢者 6連覇の木村さん 毎日4回磨き健康維持

80歳以上の人を対象に、佐世保市と市歯科医師会が毎年開いている「歯の健康優良高齢者コンテスト」で、木村秋時さん(85)=小佐世保町=が前人未到の6年連続金賞の記録を打ち立てた。健康な歯を維持する秘訣(ひけつ)は「毎日4回の歯磨き」。「歯は体の健康に関係している。これからも続けたい」と話している。

 コンテストは歯と口の健康週間(4~10日)に合わせて開き、毎年30人ほどが参加。20本以上自分の歯があることが条件で健康な歯の本数や歯並び、歯周病の有無を審査。年齢を加味して順位を決める。24回目になるが、金賞を6回獲得した人は初めて。

 歯磨きは朝昼晩に加え、夜中に目が覚めた時もしている。時間は歯間ブラシも使って丁寧に5分間。コンテストに出始めてから、ほとんど行ったことがなかった歯科医院にも定期的に通い検診を受けている。

 木村さんは元小学校教員。児童には「歯は健康の窓」と指導し、自らも人一倍虫歯に気を付けていた。年を重ねるにつれ、あらためてそれを実感している。「この年になっても大きな病気をしていないのは歯を大切にしたから。これからも食べたらしっかり磨くことを心掛けたい」と自慢の歯を見せた。

【宮崎】歯と口の健康フェスティバル:親子連れら1800人来場 歯科検査など体験

歯や口の健康について考える「歯と口の健康フェスティバル2017」(宮崎市郡歯科医師会など主催)が4日、宮崎市の宮交シティであった。親子連れら約1800人でにぎわった。

 歯の健康を意識してほしいと始まり、今年で34回目。会場には、CCDカメラで自分の口の中を見る歯科検査体験や正しい歯磨きを学ぶブラッシング指導など5ブースが、設けられた。

 同医師会の公衆衛生担当理事、西村秀一さん(45)は「歯の状態は体全体の健康につながる。日ごろからきれいにしておくことを意識してほしい」と話す。

 家族で訪れた宮崎市立大塚小6年の沖晃成さん(11)は「自分の歯をほめられてうれしかった。もっと歯をきれいにしていきたい」と話した。

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