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歯周病と関節リウマチを関連づける細菌

歯周病と関節リウマチの関連は以前から指摘されていたが、ある特定の細菌によってその関連を説明できる可能性が、新たな研究で示唆された。この発見により関節リウマチの原因も明らかにできる可能性があるという。

 研究著者の1人である米ジョンズ・ホプキンス大学医学部(ボルチモア)のFelipe Andrade氏は、「もしこの知見が正しければ、関節リウマチに対する考え方や治療法はこれまでとは全く異なるものになる」と述べている。

 関節リウマチは過剰な免疫反応による慢性的な関節炎で、関節以外のさまざまな身体システムにも影響を及ぼすことがある。100年以上も前から、関節リウマチ患者に歯周病がみられる確率が高いことが知られており、共通する因子の存在が疑われていた。近年、関節リウマチ患者では歯の数が少ないほど重症度が高い傾向が認められており、歯周病患者は関節リウマチになる確率が2倍であることも報告されていたが、その理由は不明のままであった。

 「一時期までは、関節炎の人は手がよく動かないため歯磨きが十分にできないとも考えられていた」とAndrade氏はいう。近年の仮説では、両方の疾患に細菌が寄与している可能性に焦点が当てられているが、その機序は明らかにされていなかった。

 今回の研究では、関節リウマチ患者の歯肉より採取した約200の検体について、A. actinomycetemcomitansと呼ばれる歯周病関連菌の有無を調べた。関節リウマチ患者のほぼ半数に感染の徴候がみられたのに対し、歯周病も関節リウマチもない集団では11%であった。

 この結果から、歯周病と関節リウマチがいずれもこの細菌に起因している可能性が示される。細菌が歯周病を引き起こした後に一種の副作用として関節の腫れをもたらすか、あるいは逆に歯周病が関節リウマチの副作用であるとも考えられる。

 歯周病と関節リウマチの因果関係を明らかにするにはまだ数十年かかる可能性があるが、それでも、細菌の関与に関する今回の知見は関節リウマチの予防と治療に「いずれ役立つ可能性がある」と、米テキサス大学サウスウエスタン医学部臨床教授のScott Zashin氏は話す。

 同氏によると、細菌を標的とすることは、関節リウマチの発症リスクが高いがまだ症状が出ていない人に特に有用であると考えられるという。Andrade氏は、「この知見は抗生物質が関節リウマチ治療の選択肢となりうることを強く示唆するものだ」と述べている。この研究は「Science Translational Medicine」オンライン版に12月14日掲載された。

金属アレルギー発症原因の解明へ。世界初、マウス実験モデルを確立。

ピアスやネックレス、時計などの装着により起こる金属アレルギー。歯科領域でも詰め物や被せ物、ブリッジ、入れ歯などの金属が原因となり皮膚炎などを引き起こすという症例が多数ある。そんな身近な疾患であるにもかかわらず、その疾患発症メカニズムは解明されていなかった。そんな中、大阪大学大学院薬学研究科の堤康央教授、東阪和馬助教、吉岡靖雄准教授(現 微生物病研究所)、平井敏郎博士らの研究グループは、金属アレルギーの発症において、これまで原因と考えられてきた金属イオンではなく、生体内外で自然発生する金属ナノ粒子が引き金となり発症しえることを発見。マウス実験モデルの確立に成功したと発表した。

インプラント周囲炎の治療法の確立へ。原因となる細菌群集構造を解明。

急速に普及している歯科用インプラントだが、その反面、インプラント周囲炎のトラブルが多発している。その数は治療を受けた患者の4割にものぼるとの報告もある。複合細菌感染症としての病態は歯周炎と類似しているが、インプラント周囲炎の方が進行が早く治療が難しい。口腔内に存在する細菌は培養が難しいものも多く、多くの細菌種がその発症や進行に関わると推測され、インプラント周囲炎の治療法が未だ確立されていないのが現状だ。インプラント周囲炎を引き起こす細菌叢は、歯周炎のそれと比べ、構成する細菌数やその比率、活動性の高い細菌種が異なることが判明。これが、歯周炎と同じ治療法を用いても奏功しない理由の一つであることが考えられるという。インプラント周囲炎に特徴的な細菌の群集構造が明らかになったことで、現行の治療法の見直し、新たな治療の確立につながるのではなだろうか。

脳活動から噛み合わせの違和感を可視化。ODS患者の診断に有効な技術を開発。

明治大学理工学部電気電子生命学科の小野弓絵准教授は、神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔機能修復学講座の玉置勝司教授、宗像源博講師の研究グループと共同で、脳活動からかみ合わせの違和感を可視化し、ODS患者かどうかを精度よく推定する手法を開発した。研究グループは歯を噛み合わせるという行為に対して強い注意が引き起こされるODS患者の特性に着目。脳の活動を計測する近赤外分光法を用いて、歯を噛み合わせた際の能動的な注意によって引き起こされる脳活動を検出。その結果、ODS患者と非ODS患者での違いが明らかとなった。そこで、脳活動波形の変化量からその患者がODS患者であるかないかを判定させる識別器を作成。92.9%の正確さでODS患者を識別することに成功した。

デンタルフロスのう蝕、歯周病予防効果。エビデンスが実証されていないと判明。

う蝕や歯周病の予防に効果があるとされ、歯科業界でも推奨されてきたデンタルフロス。しかし、アメリカAP通信による調査で、その効果を裏付ける十分なエビデンスがないということがわかった。AP通信は過去10年間に実施された25件の研究データについて調査。その結果、どの研究もデンタルフロスの効果を実証するエビデンスが弱く、バイアスが生じている可能性も高いと発表した。

歯周病と関節リウマチを関連づける細菌

歯周病と関節リウマチの関連は以前から指摘されていたが、ある特定の細菌によってその関連を説明できる可能性が、新たな研究で示唆された。この発見により関節リウマチの原因も明らかにできる可能性があるという。

 研究著者の1人である米ジョンズ・ホプキンス大学医学部(ボルチモア)のFelipe Andrade氏は、「もしこの知見が正しければ、関節リウマチに対する考え方や治療法はこれまでとは全く異なるものになる」と述べている。

 関節リウマチは過剰な免疫反応による慢性的な関節炎で、関節以外のさまざまな身体システムにも影響を及ぼすことがある。100年以上も前から、関節リウマチ患者に歯周病がみられる確率が高いことが知られており、共通する因子の存在が疑われていた。近年、関節リウマチ患者では歯の数が少ないほど重症度が高い傾向が認められており、歯周病患者は関節リウマチになる確率が2倍であることも報告されていたが、その理由は不明のままであった。

 「一時期までは、関節炎の人は手がよく動かないため歯磨きが十分にできないとも考えられていた」とAndrade氏はいう。近年の仮説では、両方の疾患に細菌が寄与している可能性に焦点が当てられているが、その機序は明らかにされていなかった。

 今回の研究では、関節リウマチ患者の歯肉より採取した約200の検体について、A. actinomycetemcomitansと呼ばれる歯周病関連菌の有無を調べた。関節リウマチ患者のほぼ半数に感染の徴候がみられたのに対し、歯周病も関節リウマチもない集団では11%であった。

 この結果から、歯周病と関節リウマチがいずれもこの細菌に起因している可能性が示される。細菌が歯周病を引き起こした後に一種の副作用として関節の腫れをもたらすか、あるいは逆に歯周病が関節リウマチの副作用であるとも考えられる。

 歯周病と関節リウマチの因果関係を明らかにするにはまだ数十年かかる可能性があるが、それでも、細菌の関与に関する今回の知見は関節リウマチの予防と治療に「いずれ役立つ可能性がある」と、米テキサス大学サウスウエスタン医学部臨床教授のScott Zashin氏は話す。

 同氏によると、細菌を標的とすることは、関節リウマチの発症リスクが高いがまだ症状が出ていない人に特に有用であると考えられるという。Andrade氏は、「この知見は抗生物質が関節リウマチ治療の選択肢となりうることを強く示唆するものだ」と述べている。この研究は「Science Translational Medicine」オンライン版に12月14日掲載された。

嚥下食、雑煮も楽しく 阿知須共立病院、全国最優秀のレシピ公開

 食べ物をのみ込むことが難しい人向けの嚥下(えんげ)食の大会(日本医療福祉セントラルキッチン協会など主催)で、山口市の阿知須共立病院の雑煮が最優秀に輝いた。喉に詰まりやすい餅の粘り気を抑え、5年前から正月に提供してきた。「多くの人に試してほしい」とレシピを公開している。

 昆布だしの雑煮は、粘り気を抑えた餅、ふわりと仕上げたかまぼこ、柔らかく加工したカブとニンジン、鶏肉が入る。主に献立作りを担う栄養科の片山さつきさん(38)、河野妙子さん(57)、久冨好美さん(30)が開発した。

 きっかけは医師から、正月の雑煮をやめてほしいと言われたことだ。もともと「食事で季節を感じてほしい」と雑煮を出していた。「楽しみにしている人をがっかりさせられない」と河野さんは思案した。

 餅の味わいを残しながら粘り気を抑える方法を考え、水分の多い豆腐を、白玉、上新粉に混ぜ込む製法にたどり着いた。カブ、ニンジンはミキサーにかけてから寒天で固め喉越しを良くした。高温でも溶けづらい寒天を使い、野菜らしい形にもこだわった。

 大会には全国の病院や福祉施設から107品の応募があった。書類審査を通過した6団体が9月、東京都で調理や質疑の決勝に挑んだ。同病院の雑煮は審査員から「餅の喉越しが素晴らしく野菜の形も良い」と高い評価を受けた。

 片山さんは「お年寄りだけでなく子どもにも使える。家庭や施設で役立ててほしい」と話す。レシピを公開している同病院のウェブサイトhttp://www.kyoai.or.jp/deli/(

歯周病やむし歯菌を抑制するL8020乳酸菌商品が話題に。

L8020菌の歯周病菌抑制における効果は、ヨーグルトでも実証済み。広島大学の学生ボランティア50名を対象に、2週の間、毎日昼休みみ1個食べたところ、むし歯菌が80%以上、4種類の歯周病菌は40~90%も減少させる効果が見られた。また、カンジダ菌の抑制効果も認められており、バイオフィルムの抑制にもつながるという。

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