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マウスウォッシュは効果的か?

高齢者施設のスタッフ様からよくある質問
「マウスウォッシュを使えば歯みがきをしなくてもいいか?」

答えは…
「マウスウォッシュでは不十分なので、
 きちんと歯みがきをしてください」です。

歯の汚れ、プラークは細菌です。
細菌は残念ながら歯ブラシで磨く=はがし取る
という行為が行われないと取り除くことはできません。

殺菌力の高いマウスウォッシュでうがいをしても
こすり取る、はがし取るといったことをしていないので
プラークは落としきれないということになります。

もちろん歯みがきに併せてマウスウォッシュを使うことは
効果的だと思いますが、うがいだけでお口の汚れの撃退は
難しいです。

義歯の種類

一口に義歯と言っても、さまざまな種類があります。
見慣れていても使ったことがないと分かりにくいと思いますが
それぞれにメリット、デメリットがあります。
大きく分類すると、まず、総義歯と部分義歯があり
更に材質等で保険適用と適用外に分かれます。

○総義歯・部分義歯
・保険適用・・・レジン床
メリット:安価、熱に強い(煮沸消毒可能)
デメリット:臭いや汚れが付きやすい、きちんと清掃する必要がある
        
・保険適用外・・・金属床(金、チタン等)、シリコン
メリット:液体飲食物の味を感じやすい(多孔質金属メッシュプレート)、
     腐食による変色が起こらない、
薄い、軽い(口腔内で違和感が少ない)、
耐久性に優れる、審美性が高い
デメリット:高価、部分義歯不適用のものもある、
      修理が大変になるものもある

・部分義歯・・・クラスプ使用不使用がある

※メリットデメリットはそれぞれの特徴であり、
共通の特徴ではありません。

歯根の部分に小さな磁石を取り付けて磁石の力で固定する<磁石式>や、
残っている歯に金属冠を被せ、
その上から金属冠のついた義歯を二重に被せて
摩擦により固定する<テレスコープ>などもあります。

義歯を使用するのは高齢者の方だけとは限りませんが、
高齢者の方にとって安全性や介護者への負担を考えると
やはり欠かせない道具です。
後期高齢者(75歳以上)で総義歯使用者は3人に1人、
総義歯部分義歯(ブリッジ含む)使用者は実に89%に上ります。
義歯は使用中のメンテナンスも非常に重要になってきますが
より快適に生活するために自分の生活スタイルに合った義歯作製を
検討するうえで、義歯の種類を知っておくことも
大切になってくるのではないでしょうか。

▼義歯の種類やお手入れについてはこちらをご覧ください
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/f035uiv0nqse62wjh3bjz

骨粗鬆症と歯周病

骨粗鬆症とは、骨がスカスカになり骨折しやすくなる病気で
自覚症状がありません。
閉経期以降の女性や高年齢の男性に多くみられ
長年の生活習慣が原因であることから
生活習慣病の1つと考えられています。
歯周病もまた、自覚症状がなく、生活習慣が原因の1つであり
本質的には骨の病気です。

骨粗鬆症は女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量と関係が深く
急激に減少すると骨密度も急に低下します。
これは同じように歯を支える歯槽骨に対しても
危険因子になっていることが分かってきました。
骨粗鬆症やエストロゲン分泌低下並びにカルシウムの
摂取不足が歯周病を引き起こすわけではありませんが、
カルシウム摂取量が少ないと歯周病になりやすい
という報告がされています(米国全国健康栄養調査)。

歯周病治療を含め口腔環境を整えることにより
食事をきちんと摂ることができると
体力の向上に繋がり、運動が可能になってきます。
運動をすると骨が弱いマイナス電気を発生してカルシウムを呼び寄せたり
骨の血流が良くなり骨をつくる細胞の働きを活発にするなど
骨粗鬆症予防に効果的です。

和食では出汁を取ったり小魚を素材にした料理などはありますが、
乳製品を使った料理はあまりありません。
その上、日本の水は軟水が多くカルシウム含有率が低いため
植物も硬水で育ったものに比べカルシウムの含有率が低い傾向にあります。
更にストレスを感じると尿中にカルシウムが放出されてしまいます。
こういったことはカルシウム摂取量の低下につながり、
歯周病の危険因子の1つになりえます。
カルシウムの積極的摂取など食生活・栄養面からも
歯周病に取り組むことはとても重要になってきます。

歯科医、2029年には1万4千人過剰…合格基準引き上げも検討

歯科医師が2029年に約1万4000人過剰となるという推計を厚生労働省がまとめた。厚労省は文部科学省と連携し、歯学部定員の削減や国家試験の合格基準引き上げを検討する。

 歯科医師は14年で約10万人おり、20年間で約2万人増えた。開業する歯科医師も多く、診療所数は約6万9000で、「(5万店超の)コンビニエンスストアより多い」と指摘される。競争激化から診療所の経営が厳しさを増す中、不必要な診療が行われたり治療が長引いたりする懸念がある。

 厚労省は、将来の歯科医師の過不足を把握するため需給見通しを試算した。現行の歯科医師数や国家試験の合格者数から、将来の歯科医師数を推計。少子高齢化を踏まえた推定患者数や歯科医師が1日に診る患者数などから、必要となる歯科医師数を算定した。

 1日に診る患者数を厚労省や日本歯科医師会の調査を基に3段階で想定すると、17年は3100人不足~1万5600人過剰、29年は600~1万8100人過剰と幅が出た。厚労省の有識者検討会が、中間的な想定が精緻で妥当と結論づけたため、最終的な推計値は17年で1万1300人、29年で1万4100人過剰になるとされた。

腸閉塞の男性、医療事故で死亡…蕨市立病院 遺族に2567万円補償

蕨市は24日、腸閉塞(へいそく)で市立病院に入院した市内の無職男性(67)が死亡した医療事故で、男性の遺族に対し補償として2567万円を支払う内容の示談が成立したと発表した。議会の同意を得て支払われる。

 市によると、男性は2014年10月20日午前、おう吐を訴えて入院。深夜におう吐が激しくなり、翌21日午前0時20分に死亡が確認された。直接の死亡原因は吐しゃ物が気道に詰まったことによる窒息死だった。同病院の50代の医師は軽い腸閉塞の可能性があると判断し、翌日に精密検査を行う予定だったという。

 男性の姉ら遺族に対し病院側による説明が行われたが、遺族側は納得できないとして15年11月から病院側に補償を求め、交渉が行われてきた。当初の診断とその後の措置について、全体として不十分な点があったと病院側が認め、和解が成立した。

 同病院の伊藤浩一事務局長(54)は「この医療事故を重く受け止め、同じことが二度と起こらないよう務めたい」と話している。

歯と口の健康アラカルト 4人に1人酸蝕症

疫学調査によると罹患(りかん)率は26・1%、約4人に1人が酸蝕症といわれています。酸によって歯の表面がすり減り、なめらかになったり、歯の色の黄色味が強くなったり、歯のつやがなくなったり、奥歯がクレーター状に穴があいたり、歯の先端がかけたりするのが酸蝕症です。

 昔、メッキ工場やバッテリー工場などであった、酸性ガスの影響で歯の表面が溶けたようになる職業病も酸蝕症の一種です。

 現在考えられる原因には逆流性食道炎や過食症、アルコール依存症による自発的反復性嘔吐(おうと)による胃酸の影響がありますが、この場合、内科受診が必要となります。

 最も多い原因は酸性飲食物の過剰摂取によるものです。酸性飲食物とは炭酸飲料、スポーツドリンク、ヨーグルト、酢、柑橘系果物、梅酒などがあります。健康に良いと考え、日常的に摂取しているものが歯を弱める原因になることもあるので注意が必要です。

 予防法は酸性飲食物摂取後、まず数回お水でうがいをし、口の中の酸を洗い流して下さい。虫歯予防のためにはすぐ歯磨きをする方がいいのですが、酸性飲食物摂取後すぐは、酸によって歯の表面が軟らかくなっているため、唾液で口の中の酸性度が回復するのを待ってから(摂取後約30~60分)歯を磨くようにしてください。

 他にもかみしめ癖や磨きすぎなどが酸の影響と重なり、症状を著明にすることもあります。

 酸蝕症の進行は緩やかなことが多く欠損が大きくなって気付くことが多いので、心当たりのある方は歯科医院でご相談されることをお勧めします。

歯科口腔外科を再開 富士吉田市立病院

富士吉田市立病院は7日、休診していた歯科口腔外科の診療を再開する。当面の間、毎週水曜日を診療日とする。

 同科は、女性歯科医師が診療拒否やパワハラ行為をしたとして市が懲戒免職としたことから、歯科医師が不在となり、11月16日から休診していた。予約済みだった患者は大月市立中央病院や山梨赤十字病院(富士河口湖町)を紹介していた。

 富士吉田市立病院によると、山梨大医学部から週に1回、歯科医師の派遣を受けることが決まり、診療を再開する。同病院の歯科口腔外科は、歯科医院から紹介された患者を受け入れていて、富士吉田歯科医師会などを通じて各医院に診療再開を伝える。休診前に予約済みだった患者については、病院から直接連絡をする。

 病院担当者は「多くの人々に迷惑を掛けた。今後、診療日数を増やす努力をして、信頼を回復したい」と話している。

歯型 進むデータベース化 各地の歯科医会、身元確認に備え

災害時に遺体の身元確認で活用するため、地域の歯科医師会が独自に歯型の「生前データベース(DB)」化を進めている。歯科検診などの際に同意を得て治療記録やレントゲン写真を登録し、万一の場合、遺体の照合用に使う。個人情報保護の課題もあるが、認知症などによる高齢の行方不明者も増加しており、早期の身元確認に役立つことが期待されている。

 歯型は遺体の損傷が激しくても治療痕などの特徴で照合できる場合が多く、地震や津波の際に有効とされる。警察庁によると、東日本大震災(2011年)で警察が調べた岩手、宮城、福島3県の遺体1万5824人のうち、歯型で身元確認できたのは1250人。指紋・掌紋(373人)やDNA型鑑定(173人)を大きく上回る(9月9日現在)。

 ただ、津波で流された歯科医院や診療所も多く、カルテやレントゲン写真が流失。福島県では原発の警戒区域内の医院もあり、身元確認は難航した。こうした経験を踏まえ、患者の歯科記録をDB化して一括管理する動きが各地の歯科医師会に広がっている。

 岡山県歯科医師会は昨年1月から、歯の検診イベントなどで希望者の歯科記録を無料で取っている。差し歯や詰め物などのデータを専用ソフトに入力し、これまでに約8000人が登録した。記録は事務局で管理し、災害時に身元不明遺体と歯の状態が似た人を端末で検索できる。同会の黒住正三副会長は「歯の記録は、万が一の時に遺体と家族を結ぶ絆になる」と話す。

 東京都港区警察歯科医会は12年からDB化に取り組み、遺体の歯のレントゲン写真と照合できるシステムを開発した。歯科医院で患者の同意を得て撮影したデータは約2000人分に達し、歯科医会で保管。警察から依頼があれば照会に応じる。兵庫県警察歯科医会なども勉強会を開いてDB化を検討している。

 一方、日本歯科医師会は今年度から、将来的なDB化を目指し、現在は形式が統一されていない電子カルテの標準化を進めている。 日本歯科医師会の柳川忠広副会長は「標準化できれば、全国の医療機関にあるカルテのDB化も可能になる。データの保存先や個人情報の取り扱いなどの課題もあるが、検討を進めたい」と話す。

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