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口腔内細菌が大腸がんの発生に関与!

 2024年2月1日にCellular and Molecular Gastroenterology and Hepatologyに掲載された研究で、わが国の研究者らによる成果。

[研究のポイント]
☆口腔内細菌の一種であるアクチノマイセス・オドントリティカス(A. odontolyticus)が大腸がんの初期段階の発がん過程に関与することを明らかにした
☆A. odontolyticus が菌体外に放出する細胞外小胞が、大腸上皮細胞での炎症や DNA 損傷を惹起し、発がんに関わることを証明した
https://doi.org/10.1016/j.jcmgh.2024.01.010


【山田宏のデンタルマガジン-Evidence Check!-】

少量でも強い口臭、阪大などが仕組み解明 予防や治療薬の開発に期待

口臭の中でも特に強い臭気の原因として知られるメチルメルカプタンという物質が増えて口臭が悪化する仕組みを、大阪大と化粧品大手のマンダムなどの研究チームが解き明かした。

 歯周病の原因としても知られるFn菌と呼ばれる口腔(こうくう)細菌がこの物質を最も多くつくり出していて、Sg菌と呼ばれる別の細菌と共生するとその作用が強まることを突き止めた。

 チームの久保庭雅恵・阪大准教授(予防歯科学)は「Fn菌を選択的に抑制する物質をさがすなど研究を発展させ、口臭や歯周病の効果的な予防法や治療薬の開発を進めたい」と話す。

 メチルメルカプタンは口臭の代表的な原因物質の一つ。硫黄分が含まれ、微量でもにおいがとりわけ強く、歯周病とも強く関係しているとされる。

 チームはまず、代表的な六つの口腔細菌が酸性度に応じて、メチルメルカプタンをどのくらいつくる能力があるかを実験で調べた。その結果、Fn菌がほかの細菌より10~数千倍もつくり出し、Sg菌と一緒だとさらに約3倍に増強することがわかった。

 メチルメルカプタンをつくる原料は何か、硫黄を含む化合物を探し、食事から摂取できるメチオニンというアミノ酸だと突き止めた。

歯磨きは入院患者の肺炎リスクを低下させる

院内肺炎(hospital acquired pneumonia;HAP)は入院患者に発生する肺の感染症で、死亡率の上昇や入院期間の延長、医療費の増大などを招く恐れがある。しかし、毎日、歯を磨くことでHAP発症リスクを低減できる可能性のあることが、新たな研究で示唆された。集中治療室(ICU)入室患者では、歯磨きにより死亡リスクが有意に低下する傾向も示された。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院内科のMichael Klompas氏と米ハーバード大学医学大学院Population Medicine分野のSelina Ehrenzeller氏によるこの研究結果は、「JAMA Internal Medicine」に12月18日掲載された。

 Klompas氏は、「歯磨きが死亡リスク低下に対して驚くほど効果的なことが示唆された」と述べ、「病院での予防医学において、このような安価なのに高い効果を見込める方法は珍しい。今回の研究結果は、新しい機器や薬剤ではなく、歯磨きのような簡単なことが患者の転帰に大きな違いをもたらす可能性があることを示唆するものだ」との考えを示している。

 Klompas氏らは、毎日の歯磨きが入院患者のHAP罹患やその他の患者転帰に与える影響を検討するために、総計1万742人の対象者(ICU入室患者2,033人、ICU非入室患者8,709人)から成る15件のランダム化比較試験を抽出。ICU以外の患者を対象にしたクラスターランダム化試験を有効なサンプルサイズに削減し、最終的に2,786人の患者を対象にメタアナリシスを行った。

 その結果、毎日歯を磨いた患者ではHAP発症リスクが有意に低下し(リスク比0.67、95%信頼区間0.56~0.81)、またICU入室患者では、歯を磨くことで死亡リスクも有意に低下することが明らかになった(同0.81、0.69~0.95)。人工呼吸器装着の有無で分けて歯磨きによるHAP発症リスクの低下を見ると、人工呼吸器装着患者ではリスク低下は有意だったが(同0.68、0.57~0.82)、非装着患者では有意ではなかった(同0.32、0.05~2.02)。さらに、ICU入室患者では、歯磨きを行った患者では、歯磨きを行わなかった患者と比べて、人工呼吸器装着期間(平均差−1.24日、95%信頼区間−2.42~−0.06)とICU入室期間(同−1.78、−2.85~−0.70)が有意に短縮していた。

中央社会保険医療協議会総会パブリックコメント

厚生労働省は2月7日の中央社会保険医療協議会総会で、「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」に募ったパブリックコメントの総数が2,084件だったことを明らかにした(意見提出件数は553件)。受付期間は1月12日から19日の1週間で、意見を寄せた人の職業で最も多かったのが歯科医師で全体の47.4%だった。 次いで多かったのが医師で24.4%、その他の医療従事者9.2%、薬剤師5.1%、会社員(医療関係の企業)3.8%となっており、看護師0.9%を含めれば医療関係者で90.8%を占めており、今回の診療報酬改定が医療現場に大きな影響を及ぼすことが浮き彫りになったといえる。

発達障害抱える学生が増加、優先席や休憩室の確保で配慮…支援の専門部署ある大学は3割未満

私立大学で発達障害を抱えた学生が増え、支援体制の整備が急務となっている。4月には改正「障害者差別解消法」が施行され、障害のある学生の困難を軽減する「合理的配慮」が国公立大学に続き、私立大学でも義務づけられるためだ。発達障害は周囲に気付かれにくく、一人ひとりに応じた支援が求められるが、大学間で取り組みに差が出ている。(松本将統)

私大にも配慮義務

 「卒論の実験は、データ取得に苦労しながらも頑張っています」

 東京都日野市の明星大で昨年12月上旬、発達障害のある理工学部4年の女子学生(22)が、臨床心理士と面談をしていた。

 女子学生は対人関係を築くのが苦手な「自閉スペクトラム症(ASD)」を抱え、集団行動が得意ではない。入学後、「グループでの実験では他の人に迷惑をかけてしまう」と悩んだ。

 大学に相談すると、2年時から大学院生のサポートが付き、一人でも実験に取り組めるようになった。聴覚が過敏なため、授業では空調音などを低減させるヘッドホン型の防音保護具の使用が認められている。女子学生は「勉強に集中できる環境を整えてもらったので、なんとか卒業できそう」と話す。

 明星大では2015年、障害のある学生の相談窓口「ユニバーサルデザインセンター」を設けた。臨床心理士などの専任スタッフ3人が学生と面談を行い、個別の支援計画を立てる。

 センターは、4月の改正法施行を前に、障害のある学生への支援内容をまとめた教職員用ハンドブックを作った。林貴雄マネジャー(61)は「学生のニーズに応えられるように大学全体で支援していきたい」と話す。

10年間で5倍

 日本学生支援機構によると、22年度に大学や短大などに在籍する障害のある学生は4万9672人で、12年度の約4倍に増加した。このうち発達障害のある学生は1万288人で、10年間で約5倍に増えた。

 背景には、発達障害への理解が深まり、診断を受ける子どもが増えたことなどがあるという。大学は高校までと異なり、履修登録などを自分で行わなければならず、大学生活で初めて発達障害に気づく学生もいる。

 一方で、大学生活に困難を抱えた学生が休学、退学するケースも少なくない。

個人立歯科診療所の損益差額がダウン。歯科診療所間の格差も広がるばかり。

厚生労働省が公表した、第24回医療経済実態調査によると、令和4年度の損益差額は個人立歯科診療所が1238万円、医療法人は962万3千円と、共に前年度を下回ることとなった。
 個人立歯科診療所の医業収益4719万円、介護収益は21万3千円で、それぞれ前年度からの伸び率がマイナス1.6%、マイナス1.8%。反対に、医業・介護費用は3502万3千円で0.1%プラス。特に、水道光熱費が12.6%アップの75万円となり、経営を圧迫している。

口腔がん細胞による腫瘍形成を抑制する副作用が少ないがん治療薬の開発に光。

東京医科歯科大学大学院医 歯学総合研究科病態生化学分野の渡部徹郎教授らの研究グループは、TGF-βを阻害する新規Fc融合タンパク質を開発した。
 このTGF-β阻害剤は、がん細胞や腫瘍血管に作用し、腫瘍形成を促進する様々な因子の発現を低下させることで、がん微小環境ネットワークを遮断する。副作用も少なく、腫瘍形成を阻害できるとのことが分かった。

入れ歯を毎日洗浄していない人が32.1%。正しい洗浄方法を行っている人は半分以下。

歯科技工所運営などを行うお守り入れ社が、入れ歯の洗浄と就寝時の利用状況についてアンケートを実施ところ、38.1%もの人が毎日洗浄していない実態が明らかになった。しかも、その内の12.8%が入れ歯を全く洗浄していないと回答。
 洗浄方法については、ブラシで食べかすを取り除いた後、洗浄液で一晩しっかり除菌することが推奨されているが、正しい洗浄方法を行っている人は42.1%にとどまった。
 洗浄液に浸す時間については、57.9%が一晩中と回答した一方、30分以内が19.8%と二番目に多く、全体の42.1%で除菌が不十分であることが分かった。

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