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乳児の生歯と発熱は無関係【米国小児科学会

米国小児科学会(AAP)は2月18日、乳歯の萌出で発熱は起こらないことを明らかにした研究を紹介した。同日、Pediatrics誌の3月号(2月18日刊行)に掲載された。

 生歯期に伴う症状として一般的に発熱などが現れると考えられていたが、同研究では生歯期の症状を特定するために、10研究のメタ解析で検証した。

 その結果、乳歯の萌出時にはイライラする、歯茎の炎症、よだれを垂らす、といった症状が高頻度に認められたが、体温は僅かな上昇が見られた程度で、発熱と認められるケースはほとんどないことが分かった。また、生歯期の症状は、通常生後6-16カ月の前歯や切歯が生えるころをピークに、年齢とともに減少することも確認された。

 研究者らは、小児で38℃を超えるような発熱が認められた場合は、生歯による発熱という思い込みから、治療が必要な感染症などの疾患を見逃す危険性があると注意を促している。

入れ歯で寿命が延び縮み? 歯と口の健康アラカルト

2011年の調査で、80歳で20本以上の歯が残っている「8020」の達成者は38・3%となりました。05年にあった前回調査の24・1%から大きく伸び、大変喜ばしいことです。では残る歯が増えることで、取り外しができる部分入れ歯や総入れ歯(以下入れ歯)を使う人は減っているのでしょうか? 推計によれば、入れ歯を使用する人の割合は減ってきているのですが、高齢者人口増により入れ歯を使う人の総数はまだしばらく増えていくようです。

 そもそも入れ歯は何故必要なのでしょうか? それは多くの歯が無くなると、奥歯なら「噛(か)みにくい」、前歯なら「見た目が悪い」「しゃべりづらい」などの不便さが生じるためです。失われた機能や形を回復し、残りの歯を守る意味でも歯を補う必要があり、保険治療では入れ歯が選択される場合が多いのです。

 では、不便がなければ入れ歯は必要ないのでしょうか? 現在世界中で歯の数と寿命との関係について研究が行われています。その結果、研究により差はあるものの、歯があるほど寿命が延びることが分かってきました。さらに別の研究では、歯が少なくても入れ歯で補うことで寿命を延ばす効果があることがわかりました。入れ歯ってすごいですね。

 しかし、入れ歯が逆効果になることもあります。実際にあった話ですが、介護施設から最近入所された方の歯が動くので診てほしいと依頼がありました。お口の中を見ると、何カ月も外されていない、汚れたままの部分入れ歯が隣の歯と共にグラグラと動いていました。着けたままの入れ歯が汚れをため込み、隣の歯も痛めつけていたのです。

 社会の高齢化が進むと、入院や認知症など様々な理由で自分の入れ歯を管理できない人が増えていきます。汚れた入れ歯を着けたままでいると、誤嚥性(ごえんせい)肺炎になる危険性も高まります。ご家族を介護されている方や、病院、介護関係者には注意して頂きたいものです。(府歯科医師会学術部)

歯型情報、電子ペンでスピード入力…広島大などシステム開発

 事件や事故、災害の際に遺体の身元確認に使われる「歯型照合」に必要な情報について、電子ペンで迅速にデータ入力できるシステムを広島大や神奈川歯科大が開発し、23日、広島市内で報道陣に公開した。

 従来、災害現場などで紙に記入した歯の情報を清書して鑑定書を作り、歯科医から取り寄せた治療記録とつきあわせるが、鑑定書作成や照合がしやすくなり、身元確認に必要な時間が短縮できるとしている。

 広島大の貞森拓磨助教(救急集中治療医学)らが開発。東日本大震災で多数の身元確認をする際、データ整理に時間を要したと聞いたことがきっかけという。

 上下の歯が描かれた専用用紙に電子ペンで「残存」「穴埋め」「義歯」など歯の状態を記入すると、タブレット型端末にデータが送られ、図や情報が電子データとして保存される。

 遺体の歯の情報と、治療記録をともに電子データ化して照合ができる、東北大開発のソフトと組み合わせた利用も想定している。

 76人が犠牲になった2014年の広島市の土砂災害の際、試験的に運用したところ、1人の鑑定書作成に約1時間かかっていたのが半分に短縮できたという。
 今後、広島県歯科医師会が検視の際に活用する。

虫歯の6歳児が6割超 福島県、全国ワーストで緊急対策へ

県内の虫歯のある6歳児の割合が2014(平成26)年度は65.5%となり、47都道府県で最も多かったことが12日、分かった。全国平均の47.34%を18.16ポイント上回った。県は新年度、虫歯予防の緊急対策として、予防に有効とされるフッ素化合物で口をゆすぐ「フッ化物洗口」の導入促進を図る。

 データは、県が文部科学省の学校保健統計調査などを基にまとめ、福島市で同日開かれた県歯科保健対策協議会で示した。県内の虫歯のある6歳児の割合は減少傾向にあったが、13年度から増加に転じた。

 県によると、虫歯のある子どもの割合は減少傾向にあるが、他の年代を全国と比べると、1歳6カ月の幼児は2.49%(13年度)で全国38位、3歳児は27.37%(同)で全国45位、12歳児は46.2%(14年度)で全国32位と、全体的に高い割合にある。

 県健康増進課は虫歯の子どもが多い要因について、震災や原発事故に伴う長期避難などで生活環境が変化し室内で生活する時間が長くなり、菓子類を食べる機会が増えたのではないかとしている。また、3世代同居世帯が多く、祖父母らが幼児に菓子類を与える機会が多いことも影響しているとみている。

 県は歯磨きや食生活の指導に加え、フッ化物洗口で重層的な対策を講じる考えだが、県内でフッ化物洗口を実施している保育所や幼稚園、小学校の割合は1割に満たない。

 このため県は緊急対策で実施主体となる市町村の薬剤購入費用などを全額補助するほか、フッ素化合物による健康影響を心配する保護者らへの説明会も開き、導入を促進する。

唾石症患者では歯周炎の既往多い

唾石症患者987人と性年齢をマッチさせた対照者4935人を対象に、慢性歯周炎(CP)と唾石症の関連を症例対照研究で検証。CP既往率は唾石症症例群で36.8%、対照群で29.7%と有意差が見られた(P<0.001)。唾石の位置および喫煙状況で調整後の条件付きロジスティック回帰解析の結果、対照群に対する症例群のCP既往オッズ比は1.37(95% CI, 1.19 - 1.56)だった。

ナニコレ珍百景 「日本できっとここだけ!?歯医者さんの珍百景大連発」【2月6日放送】

男性は行きづらいかも…

 埼玉県草加市の歯医者「ハーツデンタルクリニック」を紹介。入り口にはマイメロディの絵が描かれ、内部もメルヘンの世界で統一されている。歯医者を嫌がる子どものため許可を得てマイメロデザインにしている。

遊べる歯医者さん

 愛知県名古屋市守山区の遊べる歯医者さんを紹介。シャボン玉が飛び交い、スベリ台が設置されスタッフも奇抜な服を着ている。中学生までしか通院できない。

何でこんな場所に!?

 徳島県神山町の歯医者を取材。路線バスで1時間走り、人里離れた山の中へ入っていった。そこにある歯医者「COCO歯科(ここしか)」を紹介。不便な山中で営業する理由について手島恭子先生は景色とか場所の雰囲気で行ってみたいとか、ただ怖いイヤなところではない、よい歯医者にしたいという思いがあったと話した。

スカウトされた院長先生

 以前取り上げた愛知県弥富市の歯医者「エムデンタルクリニック」で、オリジナルソングを披露する原田聡さんが吉本から、芸人としてスカウトされていた。

 番組がきっかけで吉本にスカウトされた歯医者さんについて千原ジュニアは「ボクの後輩ですよね。どやしつけておきます!」とコメント。

この記事はテレビ放送ログデータ提供Webサービス「Live on TV」の情報で作成されています。

発声可能にする人工舌開発 がん患者に朗報、岡山大

がんなどで舌を摘出し、発声が困難になった人の口の中に取り付け、明瞭な発声を可能にする「人工舌」の開発に、岡山大歯学部の皆木省吾(みなぎ・しょうご)教授(58)らのチームが31日までに成功した。

 チームは、舌の機能を人工的に再現した可動式器具の開発は、世界で初めてと説明している。

 日本癌(がん)治療学会によると、国内の口腔(こうくう)がんの年間の発症者は、1975年には約2100人だったが、2005年には約6900人と3倍以上に増加。交通事故や労災事故で舌を失うケースもあり、人工舌開発は、患者らに朗報となりそうだ。

 人が声を発する際には、口の中の天井部分(口蓋(こうがい))に舌が触れることが必要だが、舌を摘出すると接触できず、発声が困難になる。

 チームは、歯科治療などに用いる樹脂を使い、患者の歯型や口の中の形に合うように舌を作製。奥歯にワイヤでつないで上下に動くようにしてあり、わずかに残った本来の舌が人工舌をはね上げ、口蓋に触れる仕組み。

 口蓋にはPAPと呼ばれる詰め物をはめ込んで厚みを増し、人工舌が口蓋に触れやすくする。

 皆木教授は「既に歯科の現場で使われている材料を用いており、歯科技工士なら簡単に作ることができる。技術を全国の医療機関に提供して、一人でも多くの人の役に立ちたい」と話している。

 舌がんで舌を摘出した岡山大の小崎健一(こざき・けんいち)教授(51)が開発に協力した。

無免許でがん治療の疑い 警視庁、歯科医ら逮捕

医師免許がないのにがん患者らに注射などの医療行為をしたとして、警視庁生活環境課は25日、医師法違反の疑いで、歯科医師、指定暴力団山口組系組員ら男女3人を逮捕した。

 同課によると、3人は2014年3月までの半年間に患者16人に医療行為をし、2500万円以上の収益があったという。
14年3月、同課に「医師でない者ががん遺伝子治療と称して治療している」と情報提供があった。容疑者は歯科医師の免許しか持っておらず、任意の調べに「口腔(こうくう)がん予防のためにやった」と説明していた。

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