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無免許助手が医療行為容疑 歯科医院長ら逮捕

歯科医師免許を持たない助手に医療行為をさせたとして、警視庁生活環境課は15日までに、歯科医師法違反の疑いで、院長と、歯科助手を逮捕した。

 逮捕容疑は2014年3月~昨年5月、容疑者が16回にわたり、30~40代の女性患者5人の歯型を取るなどの医療行為を無免許でさせた疑い。

 同課によると、患者5人は治療後、歯茎が痛むなどの健康被害を訴えたという。容疑者は「違法性の認識はなかった。

 容疑者はクリニックに来ずに、治療をすべて歯科助手の容疑者に任せる日もあったという。クリニックは09年以降、約4億8千万円の収入があった。

私立大授業料は86万4千円 3年連続増、文科省調査

2014年度に入学した私立大学生が支払った授業料の平均額は86万4384円で、前年度から0・5%増えたことが19日までの文部科学省調査で分かった。授業料増は3年連続。

 入学金は1・3%減の26万1089円、施設整備費は0・9%減の18万6171円で、実験実習料などを含めて入学初年度に支払う合計額は、前年度の143万4329円とほぼ変わらない143万4996円だった。

 調査は全国の578校を対象に実施。授業料を学部別にみると、最も高かったのは歯学部の304万8247円で、医学部の254万7939円、薬学部の141万2252円と続いた。

 逆に最も安かったのは、神・仏教学部の71万4308円。続いて法・商・経済学部の73万8020円、社会福祉学部の73万9060円だった。

 入学金は1999年度の29万815円がピークで、その後は減少傾向となっている。

防菌24時間の入れ歯・歯ブラシスプレー

広島大学大学院医歯薬保健学研究院の二川浩樹教授とエーザイ、歯科医療情報システムが主力事業のメディア(東京都文京区)は、入れ歯や歯ブラシを24時間防菌できる防菌スプレーを共同開発した。二川教授の開発した固定化防菌成分「Etak(イータック)」の成果を応用し、吹きかけるだけで、防菌効果が持続する。歯科医院ルートを活用し今月から販売に乗り出し、従来にない衛生用品として普及を目指す。

 今回開発したスプレーは、入れ歯用「Etak義歯防菌スプレー」と歯ブラシ用「同防菌スプレー」の2品を揃え、販売展開を図る。

札幌の歯科医、矯正途中に閉院 「特別価格」と宣伝 院長と連絡取れず相談相次ぐ

小中学生の歯の矯正を特別価格で行うと宣伝していた札幌市内の歯科医院が2015年4月に閉院し、治療中だった患者の保護者が男性院長と連絡を取れなくなっていることが12日に分かった。治療開始時に10万円以上を前払いした人もいて、札幌市保健所には4月以降、延べ49件の相談が寄せられている。

 連絡が取れないのは、札幌市中央区で2005年に開業した歯科医院の院長。同医院は、13年から15年3月にかけて札幌市内で配布されるフリーペーパーの広告で、一般的に保険外診療で20万円以上はかかるとされる矯正費用について、「特別価格」として小学生12万8千円、中学生19万8千円(いずれも税別)と掲載していた。

 中学1年の長女(12)が同医院で矯正の治療を受けていた札幌市中央区の男性(44)は、14年夏の治療開始時に一括で約14万円を支払った。他の保護者とともに治療費の返還を求め、弁護士に相談することも検討している。患者が放置されている状況について、市保健所は「医療法上の違反はなく、保健所に指導する権限がない」と話す。

天然歯と同様の歯胚分割技術を開発

理化学研究所と東京医科歯科大学の研究グループは、マウスを使って歯の基となる歯胚から複数の歯胚を発生させる「歯胚分割技術」を開発した。発生した歯胚は天然の歯と同様の構造を持つ再生歯となり、神経機能も含め機能的にも天然歯と同等という。

 研究グループは、マウスから摘出した胎齢14・5日の臼歯歯胚の真ん中を細いナイロン糸で結んで器官培養した。その結果、6日後には上皮組織に囲まれた完全に分断された2つの歯胚が発生した。また、分割歯胚を口腔内に移植し、歯根機能など天然歯と同等に機能することも確かめた。

 胚分割技術は歯胚以外の器官にも適用の可能性があることから、新たな再生移植医療への展開も見込んでいる。

お口の乾き大丈夫? 歯と口の健康アラカルト

最近お口が乾いて仕方がない、食事の際に痛みがあり飲み込みづらい、入れ歯ががたついてよく落ちるなどの症状をお感じになった事はありませんか?

 それは最近話題になっている口腔(こうくう)乾燥症が原因かも知れません。現在、口腔乾燥症の潜在患者数は推定800万人ともいわれています。原因としては加齢による唾液腺の機能低下、特定薬剤による副作用、放射線治療の後遺症などが考えられ、唾液分泌量の目安は安静時は15分当たり1・5ミリリットル以下、刺激時は10分当たり10ミリリットル以下とされています。

 ただ、前述のような症状を感じてもさほど重篤な症状ではないため、患者の方自身があきらめ、放置される傾向があります。

 歯科としても、これまではあめ、ガムなどを用いて唾液腺に刺激をあたえることや、うがいの励行、こまめに水分摂取、保湿剤の使用などを指導するぐらいでした。しかし、最近の研究から口腔乾燥症により虫歯が進行し、また歯周症(歯槽膿漏(しそうのうろう))の重症化を引き起こし、内蔵や循環器の疾患の遠因ともいわれるようになっているため、歯科からの取り組みとして従来からの対症療法だけでなく、装置をお口の中に用いて積極的に水分補給する事ができないかと考えられています。

 具体的には、マウスピースに給水袋を取り付けたものや、入れ歯やかぶせに空洞部分を作り貯水槽として水分を注入し、お口の中を常時湿潤状態に保とうとするものです。ただ現段階では装置自体が大きいため、違和感が非常に強かったり、給水量が十分でなかったりと、お口の乾燥状態を解消するには至らないといった問題点や改善箇所が多いので、これからの研究課題となっています。

のみ込むリハビリ支援地図 「医療新世紀

食べてのみ込む機能の検査やリハビリが受けられる全国約千カ所の医療機関を日本地図上に示した「摂食嚥下関連医療資源マップ」がインターネットで公開された。戸原玄・東京医科歯科大准教授を中心とする厚生労働省研究班が作成した。

 のみ込む機能が衰えると、食べ物などが誤って気管から肺に入って起きる「誤嚥性肺炎」の原因となり、特に高齢者では命取りになるため、こうしたリハビリは重要。

 マップは内視鏡検査やリハビリ、訪問診療などを行う医療機関名を表示。住所で検索もできる。サイトへの掲載を希望する医療機関も受け付け中。問い合わせはメールでswallowing.link@gmail.comへ。

医歯工学研究で4大学連携へ 静大など2016年度から

静岡大電子工学研究所(浜松市中区)は来年度から、東京医科歯科大、東京工業大、広島大の各研究所と連携し、歯科を含む医療分野での技術開発、人材育成に向けたネットワーク構築に乗り出す。1月中にも文部科学省の「生体医歯工学共同研究拠点」として認可される見通しで、医療機器の素材開発から医療現場での臨床応用までを共同で進める。

 複数の大学が施設や研究成果を共有する文科省のネットワーク型拠点は本年度、海洋生物学や物質・デバイス科学など3分野が認可されている。しかし、工学と医療を組み合わせた連携拠点はなく、高齢化社会が進む中で予防医学への応用、患者の負担が少ない低侵襲治療につながる技術開発が期待される。健康と密接な関係が指摘される歯科も含め、幅広い研究を進める。

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