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所得低いほど高い喫煙率、歯少なく肥満者多い

世帯の所得が低い人ほど、健康診断を受けない割合や喫煙率が高いなど、健康作りに積極的ではないとする国民健康・栄養調査の結果を厚生労働省が発表した。

 厚労省は、低所得層は健康管理を意識する余裕がないことが背景にあると分析、生活習慣の改善を後押ししていく考えだ。

 調査は、昨年11月に5432世帯を対象に実施。回答のあった3648世帯を、世帯所得別に200万円未満の低所得層、200万円以上600万円未満の中所得層、600万円以上の高所得層の3群に分け、生活習慣を分析した。

 低所得層では健診を未受診の人の割合が男性で42%、女性で40%と、高所得層のそれぞれ16%、30%よりも高かった。習慣的に喫煙する人の割合も男性で35%、女性で15%と、高所得層のそれぞれ29%、5%を上回った。さらに歯が20本未満の人や肥満者の割合も、低所得層は男女ともに高い傾向があった。

心身障害者口腔保健センター開設30周年

東京都立心身障害者口腔保健センターは、昭和59年6月に公設民営の施設として開設され、現在、東京都歯が東京都の指定管理者として管理、運営を行っている。そして昨年、30周年を迎え、記念講演・式典を本年2月に開催した。記念講演では、向井美惠・昭和大学名誉教授が「障害者歯科のこれまで、これから」と題して講演した。また、記念事業として、20周年時に発刊した『障害者歯科医療ハンドブック』の改訂版、『スペシャルニーズデンティストリーハンドブック』を発刊した。
               日歯広報 2015.11.15

東京オリンピックに向けて新たな課題。外国人の7割が日本人の口臭に不快感。

開催に向けて様々な問題が浮き彫りになっている東京オリンピックだが、意外なところに新たな問題があることがわかった。歯ぐきの健康を通じたカラダ全体の健康を推進する団体「オーラルプロテクトコンソーシアム」が実施した「オーラルケアの実態調査」によると、100名の在日外国人の約7割が日本人の口臭にがっかりした経験があり、不快感を持っていることが明らかになったのだ。さらに、東京オリンピックに向けて口臭とオーラルケアにまつわる調査を実施したところ、約4割の在日外国人が「日本人は口臭の改善を試みるべき」と回答したのである。厚生労働省の調査によると35歳以上の日本人の約8割以上が歯肉炎を含めた歯周病にかかっているという。しかし、日本人600名を対象にした、歯周病についての調査の結果、約9割が自己診断で「自分は歯周病ではない」と回答。口臭の要因の一つである歯周病について、ほとんどの日本人に自覚がないという結果となった。
 

イソジン、塩野義が販売へ カバくんは明治が継続使用

塩野義製薬は9日、うがい薬などで知られる「イソジン」ブランドの殺菌消毒薬の国内販売を、来年4月から始めると発表した。50年以上イソジンを製造・販売してきた明治グループと、商標を持つ米系製薬会社ムンディファーマの契約が切れ、塩野義がイソジンブランドの一般医薬品の独占的な販売契約を結んだためだ。

 1985年にイソジンのテレビCMに登場し、包装にも使われているキャラクター「カバくん」は、明治が継続使用する。来年4月に明治が発売する同じ有効成分のうがい薬など12製品の容器などに登場するという。明治の担当者は「今後もカバくんのことを愛してほしい」と話した。

 来春からはムンディファーマが製品の開発や製造を担い、塩野義の子会社「シオノギヘルスケア」がイソジンのうがい薬や傷薬、手洗い剤などを販売する。価格は未定。

 イソジンは、ムンディファーマが殺菌成分ポピドンヨードを開発。日本では旧明治製菓が1961年に医療用消毒剤として発売した。

プロフェッショナル 仕事の流儀 「ぶれない志、革命の歯科医療 歯科医・熊谷崇②

世界が驚く 革命の歯科医 子ども8割 20歳で虫歯ゼロ!

 熊谷の診療所に通う患者の1人に神経にまで達する虫歯ができた。定期的なメンテナンスを行っていたのに、なぜ防げなかったのか、熊谷は患者の15年分の資料を見直し原因を探ると、ひとつの傾向が見えてきた。

 患者がやってくると、熊谷は虫歯を見過ごした落ち度を詫び、問題点を一緒に話していく。今後の対策としてよりチェックを厳しくすることにし、患者にも日頃のホームケアを確実に行うことを求めた。歯科医は患者の歯を守るパートナー。その責任感が熊谷を突き動かしている。

 人口11万人の酒田市、その1割以上が熊谷のもとに定期的にメンテナンスに通っている。

 熊谷は同じ歯科医の妻と2人暮らし。1度気に入ると突き詰めないと気がすまない性格。納豆の食べ方も35年研究を繰り返し、お気に入りの食べ方を編み出してきた。

“歯を守り抜く” そして世界が驚いた 革命の歯科医 闘いの35年

 熊谷は、東京下町の生まれで、父が歯科医だったことから同じ道に進んだ。その仕事に興味が湧いたのは大学5年の時に欧米の最新技術を教わった時。夢中で腕を磨き横浜に診療所を開業、難しい治療を専門に行うと患者が殺到するようになった。

 転機が訪れたのは38歳の時。開業医をしていた妻の父親が亡くなり、酒田市で歯科医院を開くことになった。しかし虫歯が多く、治療後も再発することが目に見えていた。その現状に闘志が湧いた熊谷は、歯の清掃とメンテナンスが終了するまで虫歯治療を進めないと宣言した。

 患者からすさまじい反発を受けたが方針を変えなかった。患者の多くは、初診後に来なくなり、スタッフの給料は貯金を崩し払っていた。しかし考え方を変える事が出来なかった熊谷は、予防の意識を高める資料を手作りし、最新の技術や治験を学んだ。

 患者の半数が納得するのに15年、多数派になるのにさらに5年、信念を曲げずに35年戦った成果がここにある。そして熊谷は今も模索を続け、患者の唾液からガンを発見する取り組みを共同研究している。

“虫歯にさせない”革命の歯科医 全国にネットワークを広げる

 熊谷が診療の他に力を入れているのは次世代の歯科医を育てること。熊谷のセミナーには若い歯科医が集まり2日間かけて熊谷が築いてきた予防医療を伝える。セミナーを受けていた1人の歯科医 岡は長年、総合病院で口腔外科として働いてきたが、一念発起し開業医になることを決めた。熊谷のやり方を取り入れた診療所にしたいと考えていた。

 2ヶ月後、福岡の岡は医院の開設前準備に追われていた。開業を迎えやって来た、虫歯を治してほしいという女性に、熊谷の教え通り、口の中を知ってもらうため検査を行った。手間はかかるが虫歯を根本から防ぐために清掃と患者教育を優先する。女性からは前向きな反応があった。

 しかし、一人の患者への対応をめぐり課題が浮かんでいた。部活動があるので早く治療をしてほしいという母親の要望で、決まりの検査を行わず子どもの歯を治療した。患部は取り除いたが再発を防げるか疑問が残る対応となった。

 さらに半月後、最初に訪れた女性が予定していた歯のクリーニングに来なかった。治療前に予防意識を高めるやり方は想像以上に難しい。熊谷のもとにセミナー参加者から報告があがってきた。福岡の岡も治療後にクリーニングに来なくなった女性のケースを報告していた。岡は忙しい患者にいくつもの検査をお願いすることに疑問を感じ始めていた。医療者として患者の希望に沿いたい気持ちも理解できるが、予防医療には重大な覚悟が問われる。

 セミナーに参加した歯科医が再び集まった。この4ヶ月での課題を報告していく。福岡の岡は患者から求められると治療をせざるを得ない事を説明した。すると熊谷は、すぐに治療をすることが患者の将来に本当によいことなのか、歯科医の責任を問いた。患者に予防を説くためには、何よりブレない志が必要になる。熊谷は予防哲学の説明を繰り返し続けた。岡は納得の表情を浮かべていた。

 福岡に戻った岡は動き出した。患者教育に本腰を入れるため、唾液検査の説明の仕方などをスタッフ全員で共有していく。熊谷はこの日も患者と向き合い、患者の未来を守るため戦いを続けている。

プロフェッショナル 仕事の流儀 「ぶれない志、革命の歯科医療 歯科医・熊谷崇」【12月5日放送】

今、日本の80歳以上は平均11本しか歯が残っていない。だが、この町には健康な歯で食べる高齢者が数多いる。この驚きの事実を生んだ信念の歯科医。この歯科医院に通う子どもの8割以上は20歳まで永久歯に虫歯ができない。歯科の世界的権威ダン・エリクソン教授は「世界中のどこにもないすばらしい結果を得ている。彼は何かをすると必ず結果を出せます」と話す。

 山形県酒田市にある診療所、歯科医 熊谷崇の朝は6時前から始まる。診察は朝9時から始まる。熊谷は虫歯治療に歯を削る機械は最小限しか使わない。削り方で歯の寿命は段違いに変わる。世界でも最先端の治療法を身につけ実践してきた。

子どもも大人も歯が元気!世界が驚く 革命の歯科医さん

 だが、熊谷が世界から注目される理由は虫歯や歯周病を予め防ぐ独特な取り組みにある。初めて熊谷の診療所にやってきた男性、少し痛む程度の虫歯の男性に虫歯治療はせず、変わりに歯科衛生士により歯のクリーニングを行った。あえて治療に入らないのは、治療をしても再び虫歯になる可能性が高いから。

 熊谷が目指すのは、痛くならないための歯医者。熊谷は痛む歯だけではなく、全ての歯のレントゲンを初診で撮る。そして歯や歯茎の写真を様々な角度で撮影し唾液検査を行う。個々人の口の中の状態を知らせ、意識してもらうことを徹底して行う。

 虫歯で通院した男性は歯科衛生士による歯の清掃が続き、初診から半月後、5回目の通院でようやく治療に入った。これまでの清掃で歯茎が引き締まり、歯の表面が清潔で滑りにくく、治療精度は段違いにあがる。治療が終わるまでに患者の意識を変えるのが熊谷の狙いだった。

世界的実績はこうして生まれる 虫歯と歯周病を防げる秘密

 熊谷は患者にあることを義務付けている。治療後も数ヶ月ごとに通院してもらい歯科衛生士のメンテナンスをうけてもらう。この診療所では、20人の歯科衛生士が担当の患者を継続的に診ることになっている。

iPS研究の工程表公表 毛包や歯がお目見え

 文部科学省は4日、さまざまな細胞や組織に成長させられる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療研究の10年先までの目標を盛り込んだ工程表を公表した。

 工程表は2009年に初めて作成され13年に更新、今回は2回目の改定。新たに毛包や歯など5組織が加わり、再生を目指す細胞・組織は19になった。

 昨年9月に実施した世界初の網膜の再生医療に続くと期待される京都大のパーキンソン病治療については、これまでの想定より少し遅れ「1~2年後に臨床応用開始」とされた。毛包は4~5年後、歯は7年後以降の見込み。

 工程表は作業部会が11月11日付で改定。安全性を確認する臨床研究と国の承認を目指す治験とを分けて記載していたが、部会で委員から「分かりにくい」との意見が多く出たため、人を対象にする研究開発段階を意味する「臨床応用」に一本化した。

人工舌を装着して会話ができるように。「夢の会話プロジェクト外来」が開設。

岡山大学歯学部と同大学院医歯薬学総合研究科は、がんの治療などで舌をなくし、会話が困難になった患者が再び話せるように医療支援する「夢の会話プロジェクト」を設立。岡山大学病院に「夢の会話プロジェクト外来」を開設し、医歯工連携で会話の改善に取り組んでいる。舌がんによって舌を部分的に切除した場合、残っている舌の量が多ければ、これまでの舌接触補助床(PAP)という義歯のような装置を用いることで、ある程度の会話が可能となっていた。しかし、舌亜全摘手術(舌の大部分を切除)を受けた場合には、どうしても出せない音があり、会話によるコミュニケーションが困難になる場合があるという。そんな中、偶然にも口腔外科医の経験を持ち、歯科医師でもある岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の小崎教授が舌がんを発症し、舌の大部分を切除するすることとなった。小崎教授は同研究科で入れ歯を作る技術を応用した補助器具を製作していた皆木教授に相談。二人は小崎教授をモデルに何度も試作、改良を重ね、世界初となる人工舌装置の開発に成功した。小崎教授が歯科医師であるため、専門知識を利用した詳細かつ正確な機能観察が可能となったことが実現への手助けになったことはいうまでもないだろう。

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