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健康は歯から~歯科が支える健康長寿~

第35回全国歯科保健大会が11月8日(土)、「健康は歯から~歯科が支える健康長寿~」のテーマの下、大阪府の大阪国際交流センターで開催され、「大会宣言」では「歯科保健の向上と口腔機能の維持が、健康長寿を支えるためには不可欠であることが認識されつつある。超高齢社会において、診療所に通うことができなくなった方々の歯科保健の向上は重要な課題であり、今後、診療所はもとより在宅、施設においても歯科保健の向上を目指し、生涯にわたり質の高い生活を支え続けること」を宣言した。当日の参加者は1200名を超え、大盛況であった。
              日歯広報 2014.12.1 1633号

歯の喪失や歯並びの崩壊につながる無意識の咬みしめは日中にもストレスで。

ストレスや習慣によって起きる咬みしめは、過度になると歯や身体に悪影響を及ぼすことがある。これまで、睡眠中に歯ぎしりをしている人は歯のすり減りが早いと言われてきたが、睡眠中よりも日中の無意識の咬みしめの方が歯の喪失に深く関与していることがわかった。歯を失う原因はう蝕や歯周病がほとんど。そのため、歯科医院ではその治療に重点がおかれている。しかし、それらの治療を行っていても、歯を失い、入れ歯になっても痛みが続く場合がある。川上教授によると、このような歯の喪失に、日中の無意識の咬みしめが関与しているとのこと。日中の咬みしめと歯の喪失が関連づけられたことは、これからの予防歯科学に影響を与えるとともに、義歯の作り方、顎関節症の治療に役立つのではないだろうか。

出産回数が多い女性ほど残存歯数が少ない!?さらなる妊婦への歯科健診の啓蒙を。

出産回数が多い女性は将来、残存永久歯が少なくなりやすいことが、東京医科歯科大の植野正之准教授と国立がん研究センターの共同研究でわかった。植野准教授はこの原因について「妊娠や出産のプロセスに伴い、ホルモンや口の中の細菌のバランスが変化し、免疫力が低下することで、う蝕になりやすかったり、歯周組織の破壊が起こりやすくなったりする。妊娠ごとにそれが繰り返されることで歯の喪失に至るリスクが高まると考えられる」としている。

 「ゆっくり噛んで食べる」の根拠を立証。咀嚼を基盤にした減量手段の開発に期待。

調査したのは東京工業大学大学院社会理工学研究科の林直亨教授らの研究グループ。被験者10名に300キロカロリーのブロック状の食品を与え、急いで食べる試行と、ゆっくり食べる試行とを実施した。前者では平均103秒、咀嚼回数が137回、後者では497秒、702回の結果、また、安静時から摂食、摂食後90分までの酸素摂取量を計測し、食後誘発性体熱産生量を算出。腹腔動脈と上腸間膜動脈の血流量を計測した。その結果、食後90分のエネルギー消費量は、急いで食べた場合は体重1kg当たり平均7カロリーだったのに対し、ゆっくり食べた場合は180カロリーと有意に高い値を示した。この研究結果により、ゆっくり食べることが食後のエネルギー消費量の増加につながることが科学的に確かめられた。林教授曰く「咀嚼を基本とした減量手段の開発に役立つのではないか」としている。

歯科医による「しわ取り」が急増。歯科の領域について賛否両論。

一般的に美容外科医らの医師が手がける、ヒアルロン酸注射による顔のしわ取り。近年、歯科診療の一環として、しわ取りを診療メニューに加える歯科医院が増えている。歯科医向けの美容治療セミナーが毎月開催され、希望者も増えているという。まず問題なのは、歯科医が美容領域であるしわ取りを行うことが違法ではないかということ。厚生労働省が1996年に専門家会議で出した通達では、歯科の診療対象に口唇が含まれている。口唇とは口の周り全体を指すため、ほうれい線のしわ取りも診療の対象になるというのが、ヒアルロン酸注射を行っている歯科医院の解釈だ。医科と歯科との境界線の問題や歯科医師の技術的問題、さらには既得権益の争いもあり、歯科医のしわ取りには賛否両論、様々な意見が出てきている。

動脈硬化に関わる脂質代謝異常と歯周病菌との関連を人間でも立証

歯周病が動脈硬化に関連することが指摘されてきているが、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の工藤値英子助教と高柴正悟教授らの研究で、歯周病患者は動脈硬化に関わる悪玉コレステロールの値が高いことがわかった。今回の研究で、人間においても歯周病菌の感染が脂質代謝異常の原因となることが示された。歯周病が影響を与える疾患として、動脈硬化のほか、心血管障害や糖尿病などが報告されているが、この検査方法を用いることで、歯周病との関連、疾患の原因究明につながると期待されている。

20~60代の7割以上が銀歯を保有。「3万円未満なら白い歯に変えたい」が半数。

先進国の中で驚くほど銀歯を持つ人が多いと言われる日本。『スリーエムヘルスケア』が、全国の20~60代の一般男女2万人に対し、銀歯に関するオンライン調査を実施したところ、銀歯の保有率は全体で71.2%、最も保有率が高かった世代は40代で、79.7%。10年以上銀歯を保有している人は全体で41.6%だった。

歯を失うと認知症のリスクが最大1.9倍に。義歯を使えば40%抑制できる可能性あり。

歯の状態は認知症と深い関係がある。厚生労働科学研究班が65歳以上の健常者4425名を対象に、アンケート及び追跡調査を実施。要介護認定を伴う認知症度Ⅱ以上が発症するまでの日数や歯数、咀嚼能力、かかりつけ歯科医院の有無などとの関係を調べ、分析を行った。その結果、年齢、治療疾患の有無や生活習慣などにかかわらず、歯がない人は認知症発症リスクが高くなることが示された。特に、歯がほとんどないにもかかわらず義歯を使用していない人は、歯が20本以上残ってる人の1.9倍も認知症発症リスクが高い。しかし、歯がほとんどない場合でも、義歯を使用することで、認知症の発症リスクを4割も抑制できる可能性があるとのこと。また、かかりつけ医院をもっている人に比べ、持っていない人の認知症発症リスクは1.4倍にのぼり、歯の状態が脳の働きを含め身体全体の健康に大きく影響を及ぼしている。

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