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【栃木】災害時の歯科医療救護協定 鹿沼市と歯科医師会、締結

大地震や台風などの災害時に市は歯科医療救護班派遣を要請し、歯科医師会は、負傷者の症状判定▽歯科治療▽検視で個人識別する際の協力▽被災者の口腔(こうこう)ケア活動――などの救護活動にあたる。

 佐藤信市長と佐川会長が市役所で調印を交わし、災害有事の救護について迅速かつ的確に行動する認識を共有した。佐藤市長は「災害の被害を最小限にとどめる心掛けが必要であり、歯科医師会との協定で対応を強化したい」と話した。佐川会長も「準備を遺漏なく進め、要望に応えていきたい」と応じた。

肺炎発症のリスクファクターは?

栄養状態と肺炎発症の間に有意差を認めた。頸部聴診法により呼吸音の湿音を聴取した者を嚥下機能低下者とし、嚥下機能低下を示した335名のうち、87名が肺炎を発症し、摂食嚥下機能と肺炎発症の間に有意差を認めた。

介護高齢者の口腔内状況

ひとたび口腔ケアの自立が困難になったり、全身さらには口腔にも運動障害がみられるようになったりした場合、その様相は一変する。口腔機能の低下とともに口腔内の自浄作用が低下すると、残存した歯は食物残渣やバイオフィルムに覆われる。バイオフィルムを除去するために必要な上肢手指機能の低下、さらには認知機能の低下も認められるようになると、口腔内は容易に崩壊する。歯冠部が崩壊し放置された歯は、歯根を通じた病巣感染の原因にもなりうる。バイオフィルムは、細菌みずからが分泌した菌体外多糖を介して、歯や義歯に共凝集する。よって、歯の増加に従い口腔内の細菌数の増加が認められることが予想される。私たちは、要介護高齢者の唾液中の細菌数を新しく開発した細菌カウンターを用いて測定し、残存歯数との関連について検討した。その結果、現在歯の増加に伴い、唾液数の細菌数を多くもつ者が増加することがわかった。これらは、齲蝕や歯周病の原因ばかりでなく、時として、誤嚥性肺炎の引き金にもなる可能性も考えられる。歯の存在が誤嚥性肺炎発症などのリスクファクターにならないように徹底した口腔管理が必要となる。

口腔ケアと肺炎予防

肺炎の発症メカニズムには「口腔・咽頭の細菌叢」、「誤嚥」、そして「個体(患者)の抵抗力」が関与する。かねてより、看護や介護の現場では口腔ケアの実践によって、肺炎の発症を抑えうることが経験的に知られていた。しかし、その抑制率などについてはっきりとしたEBMが得られていたわけではなかった。そこで、Yoneyamaらは介入疫学研究によってその効果を明確に示した。この研究は、全国11ヵ所の介護老人福祉施設の入所者を対象に行われ、歯科医療者によって口腔ケアを積極的に行った口腔ケア群と今までどおりの口腔ケアにゆだねた対照群の間で期間中の発熱発生率、肺炎発症率、肺炎による死亡者数を比較している。その結果、25ヵ月間にわたって検討が行われ、肺炎の発症率を40%に減少させ、肺炎による死亡者数をも50%に減少させたことを示している。

平成26年度「親と子のよい歯のコンクール北海道大会」開催

平成26年度「親と子のよい歯のコンクール北海道大会」の最終審査会
と表彰式が7月11日(金)かでる2・7にて行われた。対象となったのは、
前年度道内で3歳児歯科健康診査を受けた約37,460名の親子で、各市町
村・保健所・保健センターから推薦された中から、書類審査で6組の親
子にしぼり、最優秀賞を競った。

最優秀賞は田村雪絵さん、羽菜ちゃん親子(岩見沢市)で「親と子のよい
歯のコンクール」全国大会に推薦される。

第67回北海道学術大会開催について

本年は、8月23日(土)、24日(日)の2日間、札幌パークホテルにて開催、
メインテーマは「健康長寿のためのCare & Cure」です。少子高齢化に
よる疾病構造の変化、一生を通じた健康管理と歯科医療サービスの提
供について考える良い機会であると思われます。

特別講演は以下の2題です。
23日 演題名:長期経過から振りかえる「咬合保全」
講 師:東京歯科大学臨床教授 東京都開業 宮地建夫 先生
24日 演題名:歯科医療は生涯メインテナンス
   講 師:大阪府開業 岡賢二 先生

本年は診療報酬改定があったので、社保講習会もあります。
23日 演題名:今後の歯科医療のあり方 ~平成26年度歯科診療報酬を踏まえて

講 師:厚生労働省保険局 田口円裕 歯科医療管理官

さらにセミナー、一般口演、ワークショップ、ポスターセッション、
テーブルクリニック等、明日の臨床に役立つ多くのプログラムを用意
しています。デンタルショーでは器材展示、歯科専門書籍の販売も行
われます。多くの皆様の参加をお待ちしております。

平成26年度 北海道・東北地区歯科医師会担当理事協議会から

7月19日(土)ホテル青森にて開催された。日歯 堀常務理事から最近の
診療報酬改定からみる歯科医療の将来像とのタイトルで時局講演。ま
た日歯 瀬古口常務より医療の安全という観点から、地域住民との信
頼関係・マスコミ対応等の講演があった。日歯 大久保会長より「国際
情勢の雲行きが怪しいが、公的保険抑制にめげずに日本の歯科医療を
守っていかなければならない」という主旨の挨拶があった。

免疫不全のサイン「口腔カンジダ」【研修最前線】

ステロイド投与時の免疫状態をどう把握するか。
数値化されたモニタリング指標がない中で、注目すべきことは。
国立国際医療研究センターエイズ治療研究開発センターの渡辺恒二氏が解説する。


ステロイド投与時の口腔カンジダ

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渡辺 では、SLEでステロイドを導入した症例7の経過を追っていきましょう。ステロイド開始3週目に入り、ここまでは順調にいっています。しかしここで実習生が朝、先生方に話しかけました。「カンジタがある」と。

 では対応はどうすべきでしょうか。カンジタの特効薬であるフルコナゾールを飲ませておけと答える。それからカンジタの診断のために培養をとりあえず取っておこうと言う。カンジタ菌血症も念頭に血培培養を指示する。食道病変のリスクを考えて上部消化管内視鏡をオーダーする。それとも、気持ちを新たにして身構える。さて、どのような対応が考えられるでしょうか。


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 答えはこんな感じです。フルコナゾールは別に飲んでもいいと思いますが、一番大事なのは、気持ちを新たにして身構えるということですね。好中球減少であれば血液検査で好中球を数確認できるのですが、ステロイド投与時、細胞性免疫不全の患者さんを診療する点で難しいのは、免疫状態を(血液検査の)数値では測れないという点です。ですから、予防のうがいでフロリードゲルを使用しカンジタを消してしまうと、それは免疫不全のサインを消してしまうことになってしまいます。繰り返しになりますが、最初の質問で提示した抗真菌薬でのうがいはあまり良いことはないということになります。


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 ステロイド投与時の免疫状態については、数値化されたモニタリング方法がありませんので、モニタリングが難しいのが実情です。どうやってモニタリングするかというと、カンジダのような口腔感染もそうですし、カリニ肺炎を発症した場合には(それだけ細胞性免疫が低下していることを意味しますので)他の日和見感染症を発症する率も高くなります。発症した日和見感染や reactivation されている病原体から免疫状態を類推します。

 一方で、ステロイドの総投与量や投与期間からどのような日和見感染症に注意すれば良いかある程度予想でき、各領域のガイドラインでは解説されています。それを参考にまずはステロイドを始める前から、どう診療していくか大まかに計画していくことも大事になります。

 たとえ無症状であっても、reactivation の血清マーカー測定や画像検査を計画する。早め早めに、何か出てくる前に、「これに今度は注意したほうがいいな」と考えていく。その心構えが大切です。

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