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歯磨きしているのに虫歯になる…という人のための、正しいデンタルケア

ちゃんと歯磨きしているのになぜか虫歯になってしまう!――それ、ひょっとすると歯磨きのやり方が間違っているのかもしれません。

そこで今回は、歯科医師で「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」代表の西真紀子先生に虫歯にならないための正しい歯磨きのやり方などを聞きました。

目次
私たちの歯は毎日「目に見えない虫歯」になっている!?
歯ブラシ・歯磨き粉の選び方
歯磨きのベストタイミング
虫歯にならないための歯磨きポイント
歯磨き以外にも!すべき虫歯予防

私たちの歯は毎日「目に見えない虫歯」になっている!?

私たちの歯は常に歯垢(プラークまたはバイオフィルム)に覆われています。歯垢の中には虫歯菌が1mgあたり約1億も潜んでいるといわれています。

私たちが食事をするたび、虫歯菌はその中にある糖類やでんぷんを摂取して酸を出し、歯の表面をうっすら溶かし始めます。このように、虫歯菌により歯の表面が溶けだしている状態のことを「脱灰」といいます。この脱灰状態を少しの間でも放置していると「初期虫歯」になってしまいます。

脱灰は、食後に分泌される唾液によって修復され元の健康な歯に戻ります(再石灰化)。つまり、私たちの歯は食事のたびに目に見えない虫歯状態になり、その後、唾液で修復されるという流れを繰り返しているのです。

ただし、脱灰は唾液で修復されますが虫歯菌が減少するわけではありません。口の中に糖類やでんぷんの食べかすが残っていると虫歯菌は酸を出し続け、脱灰がどんどん進行して唾液のみでは修復できなくなります。すると、歯が溶けた部分が黒ずみ、穴があくなどの症状があらわれます。この状態になると自然治癒は非常に難しいので、専門医による治療が必要です。

虫歯や歯周病を防ぐためにも、毎日の歯磨きは欠かせません。さっそく、虫歯を防ぐための正しいお手入れ方法をチェックしましょう。

未承認の歯漂白剤、ネット販売…薬事法違反疑い

日本では未承認の歯の漂白剤をインターネットで販売したとして京都府警は21日、神奈川県大井町、オンラインショップ経営・遠藤義竜容疑者(38)を薬事法(現・医薬品医療機器法)違反の疑いで逮捕した。

 容疑を認め「海外から輸入した。2年間で約150万円を売り上げた」と供述しているという。

 発表では、遠藤容疑者は昨年11月、ネットのショッピングサイトで、厚生労働大臣の承認を受けていない米国製の漂白剤「OpalescencePF」を大阪府吹田市の女性(50)ら2人に各1個(1760円)販売した疑い。

 漂白剤は歯の表面を削る機能があるため医療機器の扱いを受ける。この商品を含む多くはジェル状で、歯型に詰めたうえで装着して使う。日本でも一部の商品は承認されているという。

健康・長寿は「歯」と「口」から…歯科医師会が冊子

歯や口をきれいに保つことは全身の健康につながることを知ってもらおうと、日本歯科医師会は歯科医療と健康の関連を示す研究成果を集めた冊子を作り、同会のホームページに公開した。

 この冊子は「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔こうくう保健のエビデンス(根拠)」。医学研究で世界最大の米国のデータベースを活用し、歯科医療や口腔保健が生活習慣病の改善などに効果があるか検証した1000以上の質の高い研究論文を選んで分析した。

 その結果、残った歯の数が多い人ほど寿命が長くなることや、歯周病の治療によって糖尿病患者の血糖コントロールに効果がみられることが確認できた。また、歯周病になると、心筋梗塞などを誘発する冠動脈疾患のリスクを高めることなども分かった。

 同会は、こうした内容を国の施策に反映させ、国民の健康増進に貢献していきたい考え。また、口腔保健の普及に力を入れる世界保健機関(WHO)も、近くホームページから冊子の英訳版を読めるようにする。

抜いた歯や脂肪、再生医療の原料に? 有識者会議が報告

手術などで取り出した歯や脂肪などの細胞を加工して他人の治療に使う「再生医療製品」について、経済産業省の有識者会議は19日、原料となる細胞を入手する際の課題や対応策をまとめた。これを受け、経産省は製品開発するバイオ企業の支援を進め、再生医療製品の普及を目指す。

 昨年11月に施行された医薬品医療機器法(旧薬事法)では、再生医療製品という分野を新たに作り、条件付きで早期に承認する仕組みが出来た。この日取りまとられた報告書によると、今後は抜いた親知らずの細胞を培養して脊髄(せきずい)損傷を治療したり、脂肪吸引で集めた細胞を加工して心筋梗塞(こうそく)や肝硬変の手術に使ったりする再生医療製品が開発される可能性があるという。

 製品の原料は、患者本人ではなく他人の細胞を使えば、事前に準備できるためすぐに治療でき、費用も安く済む。一方で、拒絶反応のほか、提供者の同意取得や個人情報の保護など実務的な課題もあり、提供の手続きを仲介する機関が必要になってくるという。

 経産省はこの日、他人の細胞を再生医療製品に使うための工程や品質について検討する企業への支援策を公表。担当者は「再生医療製品が根付くように応援していきたい」とした。(合田禄)

歯医者さんの隣に保育園を開設 福岡県大野城市、乳幼児ケアの充実目指し

歯医者さんのお隣は保育園―。福岡県大野城市白木原のはなだ歯科クリニックが6月1日から、医院に隣接して「キッズガーデン ル・タンデ保育園」を開設する。乳幼児に必要な食事や呼吸指導を行いやすくすると同時に、クリニックに勤める歯科衛生士らの育児を支えるのが狙いだ。歯科医院が保育園を隣接して開設するのは全国的にも珍しいという。

 はなだ歯科クリニックでは、30人近いクリニックのスタッフのうち理事長以外は全員女性。出産を迎えた女性の歯科衛生士が退職すると、新たな人材を見つけるのに苦労してきた。産前産後休暇や育児休業から復帰し、子育てしながら安心して働ける職場にしたいという思いがあった。

 同時に、これまでに3千人を超える歯の矯正に携わった花田真也理事長(46)は、かねて「乳幼児の頃から食べ方を指導したい」と考えていた。矯正が必要になる小学生以上の患者は、かみ方や飲み込み方が不自然だったり、鼻ではなく口で呼吸をしていたりする子が多いからだ。だが歯が生えそろわない子を受診させる家庭は少なく、乳幼児に関わる糸口を探していた。

 そこで思い付いたのが事業所内保育所の開設だった。事業所内保育所は、昨年の規制緩和によって従業員に限らず、保護者が雇用保険に入っている子どもであれば受け入れることが可能になった。当面は従業員と患者が利用できる保育園とするが、将来的には患者以外も利用できるよう体制を整えたいという。

 保育園では、口呼吸を鼻呼吸に変える「あいうべ体操」((1)「あー」と口を大きく開く(2)「いー」と口を大きく横に広げる(3)「うー」と口を強く前に突き出す(4)「ベー」と舌を突き出す)や、子どもの月齢・年齢別の保護者教室を実施していく予定だ。歯の成長に合った離乳食の進め方や食べさせ方もアドバイスする。

 花田理事長は「母乳や離乳食の段階で、歯並びに影響を与える。赤ちゃんから高齢者まで、生涯にわたって関われる歯科にしたい」と話している。

歯の健康、キモかわいく呼び掛け 京都府などがアニメ制作

京都府などはこのほど、歯と口の健康をテーマにしたアニメーション動画「歯っとするアニメ」の第1話を制作し、インターネットで公開を始めた。男性会社員という設定のキャラクターを中心に物語が展開するシュールな仕上がりで、府は「働き出すと歯科健診に行かなくなる傾向がある若い世代に関心を持ってほしい」としている。

 動画は、成長段階に応じた注意点を分かりやすく説明しようと企画し、歯周病予防や歯科健診受診、乳幼児期の注意点などを盛り込んだ全5話を制作予定。専門家以外の視点を大事にしようと、府歯科医師会に府の若手職員を加えた計14人がチームを立ち上げ、大まかな脚本をまとめた。

 アニメーション制作は、京都工芸繊維大に依頼し、中野仁人教授の研究室に所属する4年生7人が担当。キャラクターを考案した豊田真由さん(22)は「シュールな脚本に合わせ、あえて違和感のある『キモかわいい』デザインにした」と説明する。

 第1話は、女性にもてたい28歳の会社員歯山健助が、女性社員の「歯山さんの歯が汚い」という評価にショックを受け、悩んだ末に歯科医を訪れる様子をコミカルに描いた。制作メンバーの藪本拓朗さん(22)は工夫した点について「主人公の動きや受診後の変化、話の展開を強調するため、女性との出会いの場面を、2人がぶつかるように変更した」と話していた。

 動画は約2分40秒。府のネット放送局「ねっとTV京都府」などで閲覧できる。

歯周病と関節リウマチ発症との相関  京都大学

歯周病と関節リウマチの関連性については臨床の場で以前から指摘さ
れていたが、京都大学附属病院リウマチセンターの橋本求 特定助教と
別所和久 医学部附属病院教授を中心とする共同研究グループは、約
1万人の健常人を対象とした疫学調査と、京大病院リウマチセンター
を未治療・未診断で受診した関節痛患者の追跡調査によって、歯周病
の罹患が関節リウマチの発症に影響を与える可能性があることを示し
た。約1万人の健常人を調査し、関節リウマチに特異度の高い抗シトル
リン化蛋白抗体の産生とその力価に歯周病罹患が相関することを明ら
かにした。さらに、2011年5月以降に同センターを受診した未診断・
無治療の関節痛患者98人を対象に、歯周病の合併がその後の治療など
に及ぼす影響についてコホート分析による検討を行い、歯周病を有す
る患者は有さない患者と比較して有意に関節炎の活動性が高く、後に
リウマチ性関節炎と診断され、メトトレキサート治療を導入される可
能性が高いことを明らかにした。上記二つの成果は、「Journal of
Autoimmunity」電子版に2015年3月26日(木)「PLOS ONE」電子版に
2015年4月7日(火)にそれぞれ掲載された。

口腔ケアで認知症予防

日本社会は世界で類のないスピードで高齢化を迎えつつあると言われていますが、これに伴って認知症患者の数も爆発的に増加しています。今年1月に厚生労働省は全国で認知症患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推測値を発表しました。65歳以上の高齢者の、実に5人に1人が認知症ということになります。認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約460万人と推測されており、約10年で1.5倍にも増えることになります。これに対して国は新オレンジプランを初めとする認知症患者支援や認知症の人が住みやすい地域づくりなどの事業を推進しています。
 こうした認知症になってしまった人への様々は対策も大切ですが、認知症にならないようにする、なってしまっても進行を遅らせるといった予防策も同時に必要です。私たちができる認知症の予防としては、①抗酸化物質であるビタミンEやBカロチンを多く含む野菜、果物や、DHAやEPAを含む青魚をよく食べる等の食習慣を見直すこと、②週3日以上の適度な有酸素運動をすること、④人とよくお付き合いをしてよく話すこと、⑤文章を書いたり読んだり、新しい事に好奇心をもつこと、などが挙げられています。こうした認知症予防につながる生活習慣の改善には、口腔の機能がどれだけ健康な状態に保たれているかということがとても重要な鍵となってきます。
 すなわち「よく食べられる口」「よく話ができる口」であり続けることが、認知症を予防する上で、あるいは認知症の進行を遅らせる上で重要になってきます。

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