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保険外併用療養「選択療養」について議論

保険外療養の規制緩和と拡大を目的として、政府規制改革会議より、
「選択療養」という考え方が出されているが、田村厚労相は4日、会
見で保険外併用療養費制度における「選択療養」について、「新しい
制度の仕組みを作る、作らないという話ではなく、保険外併用を希望
する患者に早く使えるよう努力していきたい」と導入には慎重な発言
をした。同相は保険外併用療養費制度の在り方について「将来的に保
険診療を目指してもらうのが目的で、海外で承認されているが日本で
は未承認というものはできるだけ早く保険外併用療養費制度で使える
ようにする」と述べるにとどめた。また、これに先立ち、3日、健康保
険組合連合会、国民健康保険中央会、全国健康保険協会の保険者三団
体は、選択療養について、実質的に有効性、安全性の確認が不十分で
ある医療を提供する可能性があるとして、反対との声明をだした。こ
のような状況の中、日歯大久保会長も「保険外診療における客観的な
安全性が確立されていない段階で医師と患者に判断を委ねるのは危険
で反対」との見解を10日の歯科通信の取材にて示している。

歯周病と糖尿病の関係

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糖尿病の場合は、前述したように高血糖に伴いAGEが増加します。また、高血糖によって虚血状態や細小血管症、好中球やマクロファージ等の細胞機能の低下が起こります。そうしますと、細菌感染に対して無防備になるわけです。すなわち、歯周病原細菌の感染が起こると、LPSによりマクロファージが活性化されて炎症が増悪します。その結果、さらに炎症性メディエーターであるTNF-αやIL-1βの分泌増加が進みます。このTNF-α等は、インスリン抵抗性を上昇させますので、さらに糖尿病の悪化も招き、負のスパイラルが起こるというわけです

歯周病と糖尿病の関わり

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歯周病と糖尿病のメカニズムの重なりを検討してみましょう。糖尿病患者ではAGEsが非常に多く産生されます。これがマクロファージのレセプター(RAGE)に結合すると、マクロファージが活性化します。活性化したマクロファージはTNF-α、IL-1β等のサイトカインやPGE2を産生し、それが糖尿病合併症につながると考えられています。

 歯周病側からも見てみましょう。歯周病原細菌はグラム陰性偏性嫌気性菌のため、LPSを持っています。LPSはマクロファージを活性化し、TNF-αやIL-1β等のサイトカインやPGE2が産生されます。これらのサイトカインやPGE2が破骨細胞を活性化し、歯周病の進行につながると考えられています。マクロファージ、AGE、そしてLPSを軸にして、歯周病の重症化と糖尿病合併症のメカニズムが重なってきました。

糖尿病と歯周病の負のスパイラル

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1996年には歯周病の重症度と糖尿病の関係も報告されています。境界型の患者で2年後に糖尿病と診断された患者の割合を、歯周組織が健康な者と重度の歯周病患者とで比較した論文です。HbA1cが9%以上を糖尿病と判断していますが、歯周組織が健康な人は11.3%だったのに対し、重度な歯周病患者は37%で、3倍以上の開きがありました。このようにバックグラウンドに重症の歯周病がある場合には、それだけ糖尿病に移行しやすいということが報告されています。

47都道府県で在宅に「歯科」行政の認識確認・連携促す

都道府県医療計画及び災害医療における都道府県歯科医師会実務担当者連絡協議会が2月28日(金)、歯科医師会で開催され、恒石美登里・日本歯科総合研究機構主任研究員が都道府県歯及び都道府県行政に対して実施した5疾病・5事業及び在宅医療への歯科の記載状況に係るアンケート調査の結果を報告。都道府県医療計画における「歯科」の記載は「在宅医療」において全47都道府県で見られた他、「がん」及び「災害」で大幅な増加となる45都道府県で記載されるなど、全てにおいて増加を示した。
                              日歯広報 2014(平成26年)3月25日

「食べる」をさせる道北口腔保健センター

私たちが日々口にする食は、健康の源であり、美味しく、楽しい食事をとることは、心までも満たしてくれます。私たちにとって大切な食・・・お口の健康が「食べる」ことをさせ、生活に豊かさをもたらします。道北口腔保健センターは皆様のお口の健康を願って、道北にお住まいの方々を対象に昭和55年7月1日より旭川市歯科医師会によって休日救急歯科診療、歯科予防、障がい者歯科診療の3部門より組織され旭川市民のため一般歯科では非常に困難な患者様に医療を提供しています。
                              メディアあさひかわ 2014.4 №252

【福島】いわきの楢葉町民仮設に歯科診療所 蒲生さん決意

東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難が続いている楢葉町民が暮らす、いわき市の上荒川応急仮設住宅に6月にも、仮設の歯科診療所が誕生する。町内唯一の歯科医院「蒲生クリニック」理事長の蒲生正若(まさわか)さん(53)が開所準備を進める。町によると、仮設住宅に歯科診療所ができるのは県内初。「前向きにできることをやりたい」。蒲生さんは地域の歯科医師としての決意をにじませる。

 蒲生さんは原発事故で会津若松市に避難後、山形県で勤務医として1年9カ月働いた。昨年1月に勤務医を辞め、同県で生活しながら診療再開の準備を進めている。一時帰宅した際、町民が家の片付けをするなど帰還に向けた準備する姿が目に焼き付いた。復興のために「自分も何かやらなければ」。楢葉時代に通院してくれた町民のためにと、親の代から数え、約60年間「町の歯医者」として働いてきた責任感から、大勢の町民が生活する、いわき市での診療再開を決意したという。

 町は5月にも帰町時期の判断を示す。帰町に伴い高齢世帯が増えるとの見方もある。蒲生さんは高齢者のためにと、移動診療車を使った診療も検討。大型特殊や普通2種、大型2種など各種免許を取得。帰還開始後、すぐに使えるようにと診療車を購入した。

 仮設の「いわき仮設歯科診療所」は平日週4、5日営業。蒲生クリニックでは妻裕子さん(53)を含め複数の歯科医師がいたが、仮設では当面、蒲生さん1人。そのため診療できる患者数には限りがある。「震災前のようにじっくり治療したい気持ちがあるが、1人では1日20人くらいが限界かな」と複雑な思いも口にした。

口腔アレルギー

白崎准教授が注意を促すのが、口腔アレルギー症候群だ。シラカバ花粉症と同じ抗原を持つ果物などを食べると、数分で舌やくちびるがはれてかゆくなったりする。シラカバ花粉症患者の50~70%がかかるという。関係するのは、リンゴ、モモ、サクランボなどバラ科の果物と豆乳。重症化すると、これらを食べたり飲んだりすることができなくなる。白崎准教授は「豆乳は一度に大量に飲み込んでしまうので、呼吸困難などの重い症状が出ることがある。」
                              北海道新聞 2013.3.19

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