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2050年まで薬剤耐性菌の死者3,900万人-米大が推計

抗菌薬(抗生物質)の効かない薬剤耐性菌による死者は2050年までの25年間、世界で3,900万人を超えるとの推計を、米ワシントン大などの国際チームが17日、英医学誌ランセットに発表した。

 急速な高齢化が原因で、チームは「(免疫力の弱い)高齢者への脅威は今後増大する一方だ」と警鐘を鳴らす。感染対策や抗生物質の適切な使用が進めば、多くの死亡を防げる可能性があると指摘している。

 薬剤耐性菌を巡る過去の傾向を踏まえた世界的影響の詳細な予測は初めてという。薬剤耐性菌は、ひそかに広がる「サイレントパンデミック」と呼ばれ、高齢化が進む日本でも喫緊の課題の一つ。政府は昨年、新たな「行動計画」を策定し、抗生物質使用量を27年までに20年比で15%減らすとの目標を掲げている。
【メディファクス・共同】

診療報酬詐取疑い5人逮捕 留学生の保険証悪用か

外国人留学生らの健康保険証情報を悪用し、歯科治療をしたように装って診療報酬をだまし取ったとして、警視庁国際犯罪対策課は2日までに、詐欺の疑いで千葉県、歯科医師と愛知県、外国人派遣を手がける団体職員ら計5人を逮捕した。

 同課によると、容疑者が、提携する日本語学校に「無料で歯科健診ができる」と持ちかけ、容疑者が留学生らを健診した際に保険証情報を入手。実際には行っていない治療の診療報酬を請求していたという。昨年に計約2千万円をだまし取ったとみて調べる。

 逮捕容疑は昨年6月上旬、容疑者が設立した歯科医院で、外国人留学生らが治療を受けたように装い、診療報酬として計約165万円を詐取した疑い。同課は認否を明らかにしていない。

糖尿病集中治療により歯周病が改善!-大阪大学

大阪大学大学院歯学研究科の井上 萌 大学院生、久保庭雅恵 教授、同大学大学院医学系研究科の片上直人 講師、西澤 均 准教授、下村伊一郎 教授、同大大学院工学研究科の福崎英一郎 教授らの研究グループは、糖尿病集中治療のみで歯周病の炎症状態が改善すること、また、糖尿病治療前の全身状態によって糖尿病集中治療に伴う歯周組織の反応性が異なることを明らかにした。

 これまでの研究で、糖尿病と歯周病は相互関係にあり、歯周病治療により血糖コントロールが改善することが明らかになっていた。しかし、糖尿病治療による歯周病への影響についてはほとんど解明されていなかった。

 今回、研究グループは、2型糖尿病患者に対し、入院下での糖尿病集中治療を行い、糖尿病治療前後の全身的な臨床指標や歯科的指標を計測し、詳細に解析した。その結果、糖尿病治療により、血糖コントロールだけでなく、歯周病の炎症状態の指標であるPISAが改善した。
【歯科通信】

平野裕之氏が FDI 歯科開業委員会委員に 鶴田潤氏が FDI 教育委員会委員に当選 FDI 世界歯科大会 2024

9 月 9 日からトルコ・イ
スタンブールで行われた
FDI(世界歯科連盟)世界
歯科大会に参加していた日
本歯科医師会(以下、日歯)
代表団は、全日程を終え、
16 日に帰国しました。
14 日の総会で執り行われ
た FDI 教育委員会委員選挙
では、日歯が推薦した鶴田
潤氏(国際渉外委員会委員)
が各国の支持を得てトップ
当選しました。

半数以上がアフターフォロー連絡を希望。約8割が再受診の動機付けになると回答。

歯科医院の検索・予約ポータルサイト「歯科タウン」が実施した、歯科医院からのアフターフォロー連絡についての意識調査によると、治療後のアフターフォローの連絡を「ほしい」と答えた人は22.0%で、「どちらかというとほしい」と合わせると52.9%に上った。
 アフターフォロー連絡を希望する理由としては、「アフターフォローされることが定期的な受診に繋がりやすい」という声が多く、定期的な歯科医院でのチェックやクリーニングが歯の健康維持にとって大切であるとの認識を持っている人も多いようだ。

唾液がうま味の感じ方に影響。緩衝能と味覚の感受性に関連あり

岡山大学学術研究院歯薬学域(歯)口腔生理学の吉田竜介らの研究グループは、緩衝能が酸を和らげることから、酸味も抑制するのではと考え、唾液緩衝能と味覚感受性との関連について調べた。研究では、唾液緩衝能の低い群と高い群で、ショ糖(甘味)、NaCl(塩味)、クエン酸(酸味)、キニーネ(苦味)、グルタミン酸ナトリウム(うま味)の認知閾値を比較。
 その結果、唾液緩衝能が高い人ほどうま味の感受性が高いことが判明。一方、酸味を含む他の味にはそのような相関関係は見られなかった。また、安静時唾液量も唾液緩衝能が高い群の方が低い群よりより多い傾向が見られたという。

フーセンガムトレーニングで、咀嚼能力、口唇閉鎖不全、いびきなどが改善

近年、歯応えのある食物を噛めない、上手に飲み込めないといった子どもが増加しており、2018年に口腔機能発達不全症の管理が保険収載されるなど、口の発達の重要性が高まるばかりだ。特に、口唇閉鎖不全、通称お口ポカンは、むし歯や歯周病、鼻閉、アレルギー、歯並びの悪化など様々なトラブルの要因となっている。
 このような中、山口県歯科医師会とロッテは口腔機能の向上を目指し、山口県内44園の年長園児約1300名を対象に、園や家庭でのフーセンガムトレーニングを実施。咀嚼チェックガムを用いて、「唾液の量」、「咬み合わせの面積」、「舌の力」、「唇・舌・顎関節の運動機能」などの複合的な因子で総合的に咀嚼能力を評価したところ、2ヶ月のトレーニングによる改善率が58.6%に達した。

クロルヘキシジン配合マウスウオッシュを用いたうがいで2型糖尿病患者の病態が改善。

歯周病は糖尿病の主要な合併症の一つに歯周病があり、相互に悪影響を及ぼすことが知られている。歯科医院での歯周病治療により、糖尿病患者の血糖コントロール状態が改善されることも周知の通りだ。
 そんな中、大阪大学大学院歯学研究科口腔全身連関学共同研究講座の仲野和彦教授らの研究グループが、2型糖尿病患者がクロルヘキシジン配合マウスウオッシュを用いてうがいを行うことで、口腔内に存在する悪性度の高い歯周病菌種が減少
 するとともに、血糖コントロール状態が改善することを明らかにした。

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