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歯科診療医療費2兆6757億円 前年度比737億円、2.8%増

 平成23年度国民医療費の概況が11月14日(木)、厚労省より公表され、歯科診療医療費は2兆6757億円で前年度から737億円、2.8%増加した。構成割合7.0%から6.9%に減少した。一人当たり歯科診療医療費は2万900円で600円増えた。
                              日歯広報 11月25日

歯ぎしりにご注意

寝ている間に歯をこすり合わせてしまう歯ぎしり。音が周囲に迷惑をかけるほか、ひどい場合は歯が割れることもある。
 どのような問題を起こしますか。
  「歯が削れる、折れる、割れる、歯のかぶせ物が外れるといったことが起こります。歯茎に接する歯の根元がえぐれたように減ることもあります。歯に無理な力が加わると、歯の根の周りの骨が減って歯周病が進行します。また、あごの関節や筋肉が痛む顎関節症を併発し、食事や会話に支障が出ることもあります。頭痛を併発することもあります。その一方で、歯ぎしりはストレスを発散させるという指摘もあるのです。」
 原因は何でしょうか。
  「明確な原因は分かっていませんが、睡眠の質の悪さや精神的なストレス、遺伝、さらには他の病気があるのではといわれています。かみ合わせの悪さは、以前は原因とされていましたが、かみ合わせの正常な人でも起きることが分かり、直接の原因ではないと考えられるようになってきました。」
 治療法はありますか。
  「歯ぎしりを完全に止める療法は、今のところありません。最も使われているのは歯の形に合わせて作るマウスピースで、歯やあごへのダメージを防ぐことができます。保険適用されており歯型を取る料金も含めて約6千円です。次に生活のストレスを減らし、よく眠れるよう工夫することです。日中に歯ぎしりを起こしている人は、そのことを自覚して、歯ぎしりしないようにする注意が必要です。周囲からひどい歯ぎしりを指摘されたり、自覚したりしているなら、歯科で診てもらうと良いでしょう」
                              北海道新聞 2013.12.2

日歯の事業等で意見交換

都道府県歯専務理事連絡協議会が11月13日(水)、歯科医師会館で開催され、日歯役員が所管報告を行うとともに、各都道府県歯より事前に寄せられた▽日歯における今後の事業と伴う予算▽広域災害時における都道府県歯間の協定▽がん医科歯科連携のナショナルテキスト及びその研修▽新型インフルエンザ等対策特別措置法に関する行動計画の策定の進歩状況▽エステサロン等におけるホワイトニングの実態ーなどの質問事項について意見交換した。
                              日歯広報 11月25日

Q 63歳女性。3年前から顎関節に痛みがあります。

Q 63歳女性。3年前から顎関節に痛みがあります。会話をするには問題ないのですが、口を開けると、あごが曲がって痛く、指が3本も入りません。今は歯科で教わったあごのストレッチで対処しています。どんな治療があるのでしょうか、どこにかかればよいのでしょうか。
A 顎関節に痛みがあり、曲がって開くという状況から一番考えられるのは顎関節症です。おそらく、あごの間接のクッション(関節円板)が前方にずれていて、そこのあごの関節の骨がひっかかり動きが悪くなっていると思われます。クッションのひっかかりで軽いものは、自然になじんだり消炎鎮痛薬や簡単なあごのストレッチで治ります。しかし、関節の中が癒着している場合など、状況によっては道具を使った本格的な開口訓練や関節鏡手術が必要です。3年前から開きづらい状態があまり変わっていないのでしたら、まずは関節の中の状態をよく調べるといいと思います。
  関節円板は通常のエックス線検査では映らないので磁気共鳴画像装置(MRI)による検査が用いられます。顎関節症専門の歯科や口腔外科に相談されるといいでしょう。
                              北海道新聞 2013.11.27

DMの歯周炎治療でHbA1c改善せず

文献:Steven P. E,et al.he Effect of Nonsurgical Periodontal Therapy on Hemoglobin A1c Levels in Persons With Type 2 Diabetes and Chronic Periodontitis A Randomized Clinical Trial.JAMA. 2013;310(23):2523-2532.

 慢性歯周炎を有する2型糖尿病(DM)患者514人を対象に、非外科的歯周炎治療のHbA1c改善効果を無作為化比較試験で評価(DPTT試験)。ベースライン時から6カ月時までのHbA1c値の変化量は、治療群と無治療群で有意な群間差は見られず(0.17%対0.11%、P=0.55)、本試験は早期無効中止となった。

【宮城】5-17歳 体重、虫歯全国平均上回る

県は、2013年度の学校保健統計調査結果(速報)を発表した。県内の子供(5-17歳)の平均体重は男女とも各年齢で全国平均以上だが、虫歯の割合も全国より多い傾向が見られた。13年4-6月、165の幼稚園と小中高校を対象に、抽出調査を行った。

 平均体重は、男子が6、12-14、16-17歳、女子が5-6、8-11、13、17歳で前年度より重いという結果が出た。全国順位は、男子の13歳(51・3キロ)と女子の10歳(35・9キロ)が1位だった。

 平均身長は、男子が5-8、10、13-14、16歳、女子が5-11、14、17歳で前年度より高くなった。全国との比較では、男子の15-17歳、女子の15歳を除き全国平均を上回り、男子の6歳(117・3センチ)は1位だった。

 肥満傾向児の出現率は、男子の5歳(2・37%)を除く全年齢で全国の値より高かった。特に、男子の12歳(16・79%)、女子の5歳(5・35%)は全国1位だった。

 虫歯のある子どもの割合は、幼稚園が56・5%、小学校が58・8%、中学校が51・2%、高校が63・6%で、いずれも全国平均より多かった。

 県教委スポーツ健康課は、「従来から東北地方には、肥満傾向児の出現率が高い傾向にある。早寝・早起き・朝ごはんを徹底させ、基本的な生活習慣を身につけることで、改善していきたい」と話している。

永久歯「再生」に道 九州大グループが成功

大人になると二度と生えてこない歯が、遺伝子操作を使った培養技術により、自分の歯肉細胞から再生できるようになるかもしれない―。九州大大学院の坂井英隆教授(口腔(こうくう)病理学)らの研究グループが、ヒトの皮膚細胞を遺伝子操作して、歯の生成に欠かせないエナメル質を作り出すことに成功した。虫歯や歯周病で欠損した歯の再生医療の確立に向け、第一歩を踏み出す研究成果といえる。

 ヒトの歯は象牙質とセメント質をエナメル質が覆う構造。象牙質とセメント質は体内でいつでも生成されるが、永久歯ができる際に、エナメル質を作り出す「エナメル芽細胞」が消失するため、エナメル質は体内で作られなくなる。このため、ヒトの永久歯が生えるのは一度きりだ。

 研究グループは、マウスの胎児に歯が形成される際、「サイモシンβ(ベータ)4」と呼ばれる細胞の骨格に関わる遺伝子が多く出現していることに着目。ヒトの背中の皮膚から作られた研究用細胞にこの遺伝子を注入して3週間培養したところ、エナメル芽細胞と同じ性質の細胞に変わり、タンパク質やリン酸カルシウムを含む石灰化物(エナメル質)が作り出された。

 研究グループは年明けにも、臨床研究の実施を学内の倫理委員会に申請する。今後、患者が抜いた親知らずなどの歯に付着した歯肉の粘膜細胞を、口腔内に近い環境の下で遺伝子操作し、象牙質やセメント質も含めた歯の形成を目指す。形成された小さな歯を患者の顎の骨に埋め込めば、やがて歯茎に定着して新しい歯ができる見通しという。

 ヒトは永久歯を失うと、入れ歯やインプラント(人工歯根)でしか代替できない。坂井教授は「この医療の実用化には10年以上かかりそうだ」とするが、技術が確立されれば、高齢者の生活の質の向上に大きく貢献しそうだ。

超高齢化社会における食への取り組み フレンチ、おせちが変わる

今年のお歳暮商戦で特に目につくのが「ソフト」「やわらか」と
銘打った肉、魚介類の高級食品の贈答品である。酵素で処理したり、
調理法を工夫することにより、咀嚼能力の低下した高齢者にも、美味
しく味わえる、歯に優しい食材が多く見られる。このような取り組み
はすでに飲食業界でも始まっている。
以下はその一例
ホテルニューオータニ大阪内のフランス料理店『サクラ』は現在、
高齢者にもフレンチを楽しんでもらうための「摂食支援プロジェクト」
を行っている。同店では以前から咀嚼に不安を抱える高齢の客などに
対し、メニューを食べやすくアレンジして提供するなどのサービスを
行っていたが、今夏から「摂食支援プロジェクト」として取り組みを
強化した。オーダーに応じて、肉料理は肉自体の味を味わえるように
工夫しながら細かく切り、付け合わせの野菜もピューレ状に食べやす
くして提供する。「高齢者向けに柔らかい調理を心がけ、個人の体調
に合わせ切り方や大きさも工夫、食材の持ち味は生かした調理方法に
している」と永井義昌料理長は話す。「家族と同じメニューで、素材
の形状を変えたりすることで一緒に食べる楽しみを味わってもらった
り、食べる意欲につなげたりしてもらえたら」としている。
一方、高齢者用食材メーカーの『ふくなお』は2014年の高齢者用の正
月おせち料理として「やわらかおせち重」の予約販売を開始した。
同社は、創業60年の水産加工、惣菜製造・販売を行う『大市珍味』を
親会社に持つ高齢者食専門のメーカー。見た目と味にこだわったやわ
らかい商品開発を10年以上実施してきた実績をもつ。今回販売する高
齢者用やわらかおせち重は、咀嚼障害の高齢者でも家族と共に自宅で
食事を楽しめるのがコンセプト。同社通販サイト『ふくなおネットシ
ョップ』で販売する。「やわらかおせち重の販売を機に、自宅で介護
するご家族にも楽しく食べられる、一緒に楽しめるという商品がある
ことを知って頂きたい」「より良い介護、頑張らない介護をサポート
したい」とし、高齢者食品の販売増加につなげたい考えとのこと。

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