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摂取制限で死亡リスク増 炭水化物と脂質、名大調査

 近年、炭水化物や脂質の摂取制限が体重減少や血糖値の改善を促し健康的だともてはやされているが、極端な摂取制限は死亡リスクを高めるとの研究結果を、名古屋大の田村高志(たむら・たかし)講師(予防医学)らのチームが米専門誌に発表した。男性の低炭水化物摂取と女性の高炭水化物摂取は死亡リスクを高めることが分かったという。

 チームは、日本人でがんや心臓血管系の病気のない男性約3万5千人と女性約4万6千人を追跡したところ、平均約9年間で男女計2783人が死亡した。食事のアンケートに基づき、炭水化物や脂質の摂取量と死亡リスクとの関係を分析、喫煙や飲酒は影響がないよう統計的に調整した。

 その結果、男性では全エネルギーに対する炭水化物の摂取割合が50%以上55%未満(50~55%)の人を基準にして、40%未満の人は、全ての原因による死亡リスクが1・59倍、がんによる死亡リスクに限ると1・48倍になった。循環器病の死亡リスクは45~50%と、基準よりやや少ないだけで2・32倍となった。脂質は摂取割合が20~25%の基準と比べて、35%以上の人はがんの死亡リスクが1・79倍となった。

 女性については、炭水化物の摂取割合が65%以上と多めの人は5年以上の追跡で、全死亡リスクが1・71倍となった。45~50%と少なめの人は5年未満の追跡で、循環器病による死亡リスクが4・04倍、60%以上と多い人は3・46倍となり、多すぎても少なすぎてもリスクが大きく高まった。また、脂質摂取量が増えるほど死亡リスクが減少する傾向がみられた。

武見厚労相が就任会見で 認知症やマイナ保険証対策・普及の意欲示す

武見敬三 新厚労大臣は14日、就任後の共同記者会見を開催した。あくまで国民の立場に立って政策を進める構えを見せ、トリプル改定やマイナ保険証への考えなどを述べた。

 同氏は、「私は決して医療関係団体の代弁者ではない。国民の立場に立って、どのような政策を実現していくかという、一貫した基本的な姿勢をご理解いただき、さまざまな課題について全力で取り組んでいきたい」と述べた上で、今後の取り組みについて、「来年は6年に一度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス報酬の同時改定が行われ節目の年だ。いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年以降、また高齢者人口がピークを迎える2040年ごろを見据えて医療と介護の連携含め、さまざまの視点からの検討が必要と考えている。物価高騰や賃金の上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者医療者負担、保険料負担への影響を踏まえて、患者、利用者が必要なサービスを受けられるよう対応を行なっていくべきと考えている」と話した。


【歯科通信】

日歯 高橋執行部初の代議員会

 日本歯科医師会(高橋英登 会長)は14日、第201回臨時代議員会が行われた。新執行部初の代議員会で議長には群馬県の村山利之 氏、副議長には京都府の安岡良介 氏が就任し、「予算決算特別委員会委員」「議事運営特別委員会委員」「裁定審議会委員の欠員補充」と合わせて全4議案が承認された。

 高橋会長はあいさつで、執行部発足から3か月が経ったとし、会員の声を聞くことに注力していると説明。トリプル改定や物価高騰への対応、キャッシュレス決済の推進、FDIへの役員派遣、国民皆歯科健診の推進についての考え方などを述べた。

 来賓では、比嘉奈津美 参議院議員、日本歯科医師連盟の太田謙司 会長、日本歯科医学会会長の住友雅人 会長、日本学校歯科医会の柘植紳平 会長があいさつ。

 そして、前回の代議員会で決まった「前代議員会議長・副議長、前役員への感謝状の贈呈」では、前会長の堀 憲郎 氏、議長を務めた阿部義和 氏に感謝状が手渡された。


【歯科通信】

歯の治療情報をデータベース化へ、災害時の迅速な身元確認に活用…厚労省

大規模災害や事故が起きた際、遺体の身元確認に活用するため、厚生労働省は今秋から歯科診療情報のデータベース化に乗り出す。2011年3月の東日本大震災では、遺体の身元を割り出すのに役立ったが、体制の不備などで作業は難航した。このため全国的なデータベースを整備し、身元確認を迅速に進められるようにする。レセプト(診療報酬明細書)を使い、数年以内の実用化を目指す。 

 ただし、患者の診療情報を外部に提供するには個人情報保護法に基づき、患者本人の同意が必要になる。政府の個人情報保護委員会などと調整を進め、実用化に向けた課題を整理し、必要に応じて法整備なども検討する。

「歯を生やす薬」実用化へ-来夏に治験開始・京大ベンチャー「世界初」

 歯を生やす「歯生え薬」の実用化に、京都大発のベンチャー「トレジェムバイオファーマ」(京都市)などのチームが取り組んでいる。令和6年7月ごろから健康な成人で薬の安全性を確かめる臨床試験(治験)を始め、12年ごろの実用化を目指す。チームは「世界初の試み」としている。

 チームは、歯の成長を抑制するタンパク質「USAG-1」の働きをなくす抗体薬を開発。人には乳歯、永久歯とは別に、新たな歯になり得る「芽」のようなものがあるが、通常は生えずになくなる。薬はこの芽に働きかけ、成長を促す。

 平成30年、歯の数が少ないマウスに薬を投与し、歯を生やすことに成功した。人と同様、乳歯と永久歯があるフェレットでは永久歯の内側から新たな歯が生えた。令和7年からは生まれつき永久歯の数が少ない「先天性無歯症」の2~6歳の子どもを対象とした治験を始める予定。歯の芽の成長を狙い、静脈注射で薬を1度投与する。むし歯などで歯を失った成人の治療も視野に入れている。
【歯科通信・共同】


【歯科通信】

北海道医療大、Fビレッジ移転を検討…当別町「損失計り知れない」と断念要請

北海道当別町にある北海道医療大が、北広島市への移転を検討していることが町などへの取材でわかった。後藤正洋町長は26日、同大を訪れ、移転を断念するよう求める要望書を出した。大学側は27日に開かれる学校法人の理事会で移転について意思決定する見通しだ。

 関係者によると、同大は2028年度にプロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地球場を核とする複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」への移転を目指している。

 同大は取材に応じていないが、町によると、移転の理由については、少子化に伴い学生の確保が難しくなっていることが挙げられたという。キャンパスはJR札沼線の「北海道医療大学駅」と直結するが、周辺に商店や飲食店はほとんどない。Fビレッジは新駅建設が予定され、移転すれば通学の利便性が上がるほか、学生のアルバイト先が見つけやすいといったメリットがあるとみられる。

 一方、当別町では困惑が広がっている。町は1978年に歯学部が設置されてから半世紀にわたり大学と連携したまちづくりを進めてきた。人口約1万5000人の町には約3500人の学生の大半が通い、うち約900人は町内に住んでいる。2013年には包括連携推進協定を締結し、20年に策定した町総合計画の審議会長は同大副学長が務めた。現在も「町まち・ひと・しごと創生総合戦略推進委員会」の委員長に同大関係者が就いている。学生もボランティア活動で地域に貢献してきた。

 後藤町長は1週間ほど前に移転に関する話を聞き、同大に問い合わせたが回答はなかったという。26日は同大を運営する学校法人東日本学園の鈴木英二理事長と約10分間面会した。

 要望書は、大学がまちづくりや地域コミュニティーの維持発展に重要な存在と強調。「移転計画が実行された場合、町の経済的、文化的損失は計り知れない」として、移転を断念するよう強く求めている。提出者には町や町教育委員会のほか、当別アパート組合、当別料飲店組合など各種団体が名を連ねた。

 面会後、取材に応じた後藤町長は「これまで大学との連携はしっかりできていた。移転について、事前に相談をしていただきたかったという思いはある」と語った。

 学校法人は27日の理事会で意思決定する考えを崩していない。

オーストラリアで FDI 世界歯科大会 日歯代表団、各国と意見交換し交流深める

オーストラリアのシドニーで開催されている FDI(世界歯科連盟)世界歯
科大会に出席している日本歯科医師会(以下、日歯)代表団は、9 月 21 日
から公式行事に臨みました。
21 日午前の 7 カ国歯科医師会会議(日本、アメリカ、イギリス、カナダ、
オーストラリア、ニュージーランド、韓国)では、各国の抱えている課題を
共有するとともに、それらの解決に向けて意見交換を行いました。日歯から
は、「各国の歯科医療費の現状」を議題に挙げ、各国においても関心の高さ
がうかがえる活発な情報交換がなされました。これを受け、日歯代表団は、
疾病予防が保険給付の対象とされていない国も多く見受けられることから、
予防に対する予算措置がなされるよう FDI として政府に提言を行うことを
提案しました。また、他の参加国からは
「ヘルスケアデータに関する利用規則
と権利」、「広く国民の歯科保健を網羅
する制度」、「各国歯科医師会と政府/
保健省の関係」等の議題が挙がり、日歯
からも情報提供しました。次回の 7 カ国
会議は来年の FDI 世界歯科大会(トル
コ・イスタンブール)の際に開催される
ことが決まりました。

令和5年度「医療安全推進週間」について

令和5年11月19日(日)~11月25日(土) (毎年度11月25日を含む1週間)

厚生労働省では、「患者の安全を守る」ことを中心とした総合的な医療安全対策を推進するため、2001年から各関係者の共同行動を「患者の安全を守るための医療関係者の共同行動(ペイシェント・セーフティ・アクション)」と命名し、様々な取り組みを推進しています。その一環として、医療機関や医療関係団体等における取り組みの推進を図り、また、これらの取り組みについて国民の理解や認識を深めていただくことを目的として、11月25日(いい医療に向かってGO)を含む1週間を「医療安全推進週間」と定めています。

行政機関、医療関係団体、医療機関等においては、この週間を中心として、医療安全向上のため、ワークショップやセミナーの開催、研修の実施など様々な取り組みを進めています。

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