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口腔管理で医科歯科連携推進を

社会保障審議会の医療部会が10月4日(金)、都内のTKP赤坂ツインタワーで開催され、来年の通常国会への提出を目指している医療法等改正法案に盛り込まれる予定の医療サービス提供体制に関する課題について議論が行われた。
                           日歯広報 10月15日

「認知症患者さんと向き合うときのコミュニケーション」

■過去・未来ではなく、今を大切にする
  歯科医師が「昨日息子さんが来たそうですね」と過去の話をすると、患者さんは過去の記憶に曖昧なことが多いため、「息子は来ていない」などと混乱を起こすことがあります。そうではなく、「昨日いいことがありましたか?」という聞き方をすると、患者さんは「そうなんだよ。昨日息子が来たんだよ」などと答え、歯科医師は「それは良かったですね」というように、スムーズに会話が展開していくことが多いといいます。
 ■歯科医師が患者さんをどう見るかではなく、歯科医師が患者さんからどう見られているかを意識する
  患者さんの心理に合わせて、白衣を着て堂々と診察するケースや、私服で親近感を作り診察するケースがあります。患者さんの心の模様に歯科医師が合わせていくことが大事です。

2割負担問題を審議会に要望 社保審・医療保険部会

社会保障審議会の医療保険部会が10月7日(月)、厚労省で開催され、高額療養費の見直しについて議論が行われた。厚労省から高額療養費の区分・上限額を平成27年1月から見直す3つの案が示された。高額療養費の見直しは70~74歳の高齢者の窓口負担を本則の2割に引上げることを前提に議論されることから、日歯常務理事の堀憲郎委員は同部会に資料を提出し、国民の健康寿命が70~74歳の間で尽きることや、国民が質の高い生活を送るために20本の歯を残そうとする8020運動についても、平均20本の歯を有しているのは65歳~69歳の年齢層までで、70~74歳では20本を切ることを説明。「70~74歳までの時期が健康寿命の延伸の観点で極めて重要である」と訴えた。
                           日歯広報 10月15日

「認知症患者の歯科受診の条件」

 ①自分で歯または義歯を清掃できるか
 ②口腔内に関する問題点や不満を表現できるか
 ③歯科医師の指示が理解できるか
 ④最大開口位と中心咬合位を10秒間維持できるか
 ⑤治療時に術者の指を噛む、爪をたてるなどの暴力行為があるか
「最高度の認知症を除いて、十分な介助と注意深い観察下であれば、80%の認知症高齢者へは歯科治療が可能である」としています。

平成25年度健康普及公開講演会

平成25年9月21日(土)に旭川トーヨーホテルにて、健康普及公開講演会が行われました。講師は、旭川市旭山動物園の飼育展示係長の中田真一氏でした。表題は「食べる力は生きる力」で、中田氏に今までに飼育人生におけるエピソードをユーモアや涙を交えて熱く語っていただきました。特殊な歯を持つ動物はワニで、一生涯で何回も生え変わるそうです。いずれの動物も、歯がなくなる=食べられない、つまり「歯の寿命=命の寿命」となり、歯がなくても生きられる動物は人間だけで、「歯医者さんのおかげ」だそうです。最後に人も動物も「健康第一!」、食べるためには「歯が命」、それと「笑顔」があれば「人生何とかなる」とおっしゃっていました。面白い講演会をありがとうございました。
                             メディアあさひかわ 2013.11 №247

口腔ケア がん患者に効果

口内を清潔に保つ口腔(こうくう)ケアをがん患者らに行うことで、合併症を防いだり、入院日数が減ったりするなどの効果が見込まれるとの調査結果がまとまった。

 調査チームを率いた信州大付属病院は県歯科医師会と連携し、在宅療養のがん患者が自宅近くの歯科医院などで口腔ケアを継続して受けられるような態勢づくりに乗り出す。

 口腔ケアとは、虫歯を治したり、歯垢(しこう)を除去したりして口の中を清潔に保つこと。がん患者の場合、抗がん剤や放射線治療の副作用で口内が荒れやすい。口内を清潔に保たないと細菌が増え、細菌が血液に入る「菌血症」や肺炎などの合併症を引き起こしやすい。

 調査チームは、信大付属病院のほか相沢病院(長野県松本市)、長野市民病院の歯科医らで構成。2011~12年度に、3病院に入院するがん患者を対象に行った。

 信大付属病院が食道がん患者に手術前から口腔ケアを実施したところ、しない場合と比べ、術後の絶食期間が18・8日から13日に、入院日数も32・8日から25日と約1週間短くなった。

 相沢病院の調査では、術後の合併症発症率が、実施しない場合に比べ32・2%から4・3%に低下。長野市民病院の調査では、口内の粘膜炎が原因で化学療法をやめなければならない患者の割合が減った。

 チームリーダーの信大医学部の栗田浩教授(50)は「がん治療と並行して口腔ケアを行うと、回復が早まり、合併症のリスクも減らせるという貴重なデータを得られた」と話す。

 県歯科医師会と信大付属病院は、同病院のほか県内七つの「がん診療連携拠点病院」でも口腔ケアの取り組みを広げていく方針。歯科医師会の笠原哲三歯科医師(56)は「県内全域で口腔ケアの大切さについて意識を高め、患者のQOL(生活の質)の向上が図れれば」と期待している。
読売新聞 2013年11月1日(金) 配信

【高知】唇裂・口蓋裂の治療連携のために診察手帳を作製

胎児の段階で唇や上顎がくっつかないまま生まれる「唇裂・口蓋(こうがい)裂」。複数の診療科が携わる治療の方針を共有し、連携を深めようと、高知県内外の医師らでつくるグループ「高知口蓋裂カンファレンス」がこのほど、診察手帳を作製した。

 唇裂・口蓋裂は約500人に1人の割合で生まれるとされている。通常は生後3カ月ごろに唇裂の手術、1~1歳半ごろに口蓋裂の手術を実施。成長に合わせて歯並びなどを治療するほか、口蓋裂の子どもの一部は言語訓練が必要になる。

 総合的に治療できる施設のない高知県では、高知口蓋裂カンファレンスの医師や歯科医師、言語聴覚士、臨床心理士らが毎年、療育相談会を開き、チーム医療を行っている。この連携をさらに広げようと、新たに手帳を作製した。

 B5判36ページ。診察や相談、支援を行った担当者がその日の内容を記録し、他科への連絡事項を書き込む。言語訓練の状況も記録する。「生命(いのち)の基金」の助成を受けて200部作製し、無料で配布している。

 事務局を担当する大崎聡さん=土佐市高岡第一小学校「ことばの教室」教諭=は「どの科でどんな治療をしているのかを普段から把握できる。保護者も手帳を読み返すことで、わが子の成長を実感できるのでは」と話している。

▼12月1日に相談会

 県立療育福祉センター(高知市若草町)などが主催する唇裂・口蓋裂の子どもの療育相談会が、12月1日午前8時半から同センターで開かれる。参加無料だが、11月22日までに予約が必要。申し込み、問い合わせは高岡第一小、大崎教諭(088・852・3356)へ。

◇虫歯治療での不快音を解消―歯科医が考える「おもてなし」

虫歯治療のときに歯を削るタービンから聞こえてくる「キュイーン」という
音が嫌で、治療を苦痛と感じる人は少なくないだろう。歯科医院過剰の時代、
技術だけでなく患者をいかに満足させ、再び来院してもらえるかが歯科医の
大きな課題となっており、独自の工夫で患者に「おもてなし」をする歯科医院
が増えてきている。そうした中、治療時のあの不快な音を軽減することに成功
している歯科医院があるいう。

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