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フッ化物洗口の実施向上で全国ワースト2位から脱却。

当時、秋田県の12歳児の1人平均のむし歯の本数は、全国最下位レベル。秋田県内の幼稚園や保育所、小中学校に粘り強く働きかけ、危機感を共有し、、様々な連携の中で、フッ化物洗口の実施率の向上を促した。フッ化物洗口を実施した地域では、12歳児のむし歯の本数が激減。2008年には全国ワースト2位だった秋田県の12歳児のむし歯本数の軽減を後押しすると見られる数値もマークしている。
 フッ化物洗口といえば、全国に先駆けて学校等で集団フッ化物洗口を展開してきた新潟県のお家芸。なんと新潟県では、12歳児1人平均むし歯本数を全国平均1.20本を大きく割り込み(0.68本)、12年連続で全国1位を獲得している。フッ化物洗口に遅れをとっている都道府県は、今回の松野才さんの受賞により、取り組みを見直すきっかけにしてみてはどうだろう。

患者さんに喜んでもらうために大切なこととは?

看護師のKさんは、急性骨髄性白血病の方の口腔ケアについて悩んでいました。
病気に対しての不安や恐怖を抱えている患者さん。さらに上唇内面に大きな潰瘍
もあり、痛がって口を開けてくれません。そこで、同じ病院に勤務している歯科
医師と共に患者さんの病室へ行きました。

 患者さんと対面した先生は、まず抱えている不満や愚痴を聞き続けたそうです。
「もう田んぼも続けられないよ」と嘆く患者さんに「来年も自分で作ったお米を
食べられるよう、僕たちが全力でサポートしていくからね」と話す先生。そして
患者さんの目をじっと見て、こう続けたのです。

 「絶対に痛いことしないからお口の中を診せてくれるかな。今より確実によく
なるよ。本当だったら傷口に軟膏を塗った方がいいんだけど、痛いところは触ら
ないようにするね。潰瘍の原因を作っている歯のほうに塗れば大丈夫だから」

 患者さんが痛がらずにケアする方法を探した先生。Kさんは患者さんの気持ち
を理解し、ベストな方法で処置をしている姿にとても驚いたそうです。さらに、
口腔ケアをすることばかりに目を向けていた自分を恥ずかしく感じたといいます。

 以来、常に先生が行なったことを思い出しているとのこと。Kさんは患者さん
の気持ちを理解したうえで、ケアをするよう努めています。「これからも“患者
さんに気持ちいい”と思ってもらえる口腔ケアをしていきます」と笑顔を見せて
くれました。

患者さんが日ごろ使っている口腔ケアグッズを知っていますか?

口腔ケアをする前、Sさんは必ず患者さんに聞くことがあるそうです。それは、
“日ごろ使っている口腔ケアグッズ”について。ある患者さんへのアプローチが
きっかけとなり、このステップを踏むようになったといいます。

 Sさんが口腔ケアを始めたばかりのころ、70代の男性患者さんを訪ねました。
「お口の中をサッパリさせてあげたい」と新発売のミント味ペーストを使ってブ
ラッシングしたところ……。

「あれ? 患者さんの様子がおかしい!」

 そして突然、患者さんが「気持ち悪い」と訴えて嘔吐してしまったのです。す
ぐに、今まで口腔ケアを行なっていた奥さんに心当たりがないか尋ねました。す
るとミント味が苦手で、塩入りの歯磨き粉を愛用していたことがわかったのです。

 その話を聞いて、「いつもと違う味に驚いてしまったんだ」と気づいたSさん。
前もって、どんな歯磨き粉を使っているのか、どんな味が好みなのかを把握して
おくべきだったと反省したそうです。

 患者さんは些細な変化にも敏感に反応します。できる限り、慣れ親しんだ材料
や味を選ぶこと。それが、患者さんのことを考えた口腔ケアにつながるのですね。

餅で窒息 どう対処 高齢者の救急搬送新年に多発

 道によると餅と詰まらせての窒息による救急搬送の全道集計はしていないが、札幌市消防局は2007~2010年に計61人を搬送。うち4人が死亡し、27人が重症だった。3分の一は1月の発生で、年齢は70代が36%、80代以上が40%を占める。「高齢者は飲み込む力が弱くなる」。市立札幌病院救急救命センターは喉詰まりを防ぐために持ちを小さく切り分けるほか、良く噛んでお茶や汁と一緒に食べるように勧めている。また、年齢に関係なく泥酔状態だと餅を詰まらせる危険性があるという。一般的に噛んだ食べ物がしたで喉に送られると、喉が収縮し喉仏が上がることで気管の入り口が閉じる。この動作がうまくいかないと食道ではなく気管に入ってしまう。特に粘り気の強い餅は気管に完全に塞がり、重大な事故につながりかねない。無事に餅を吐き出したとしても、残りかすに付いた雑菌が肺炎を起こす恐れもあり、念のため病院で診察を受けた方が良い。
                 2012.12.29 北海道新聞

薬25錠誤飲、兄と妹入院 家庭での事故に注意を

厚生労働省は27日、子どもがたばこや薬などを誤って飲み込む事故が、2011年度に5都県の7病院から計348件報告されたと発表した。中には3歳の兄と2歳の妹が薬を計25錠飲み、意識がもうろうとした状態となって入院した事例もあった。同省は「甘くて口の中ですぐ溶ける薬は、お菓子と間違えて大量に誤飲しやすいので注意が必要」としている。

 厚労省によると、死亡例はなかったが、入院が32件あった。

 誤飲で最も多いのはたばこで105件。医薬品などの73件が続いた。ほかはプラスチック製品32件、玩具22件、金属製品22件、硬貨15件など。

 具体例では母親が消毒剤を溶かして哺乳瓶に入れた後、そのまま生後5カ月の男児に飲ませてしまったり、父親が仕事用に保管していたペットボトル入りのシンナーを2歳男児が飲んだりした。

 子どもの誤飲とは別に家庭での事故として、塩素系洗剤と酸性物質を混ぜて発生した有毒ガスを吸い、健康被害が出た事例が日本中毒情報センターから14件報告された。お酢を使ってドアのサッシを拭いた後、塩素系洗剤を吹き付けてしまったケースなどで、同省は「大掃除の時期だけに気を付けて」と呼び掛けている。

口元ケア不足で老け顔に?アンチエイジングの盲点は歯

「自分の口元は若々しい」と前向きに考えている人はごくわずか。【ライオン株式会社】が全国の20~50代の男女800人を対象に実施した「口元に関する意識調査」によると、「自分は実年齢より若い」と思っている人は男女とも6割近くいるのにもかかわらず、口元への自信のなさが窺える結果が出た。若さや健康を保つ人が増え、歯に対するケア意識も高まっている昨今だが、「どうケアしたらいいか分からない」と悩んでいる人がまだまだ多いようだ。
 各パーツの見た目年齢への影響に対する意識も興味深い。肌のツヤやくすみ、乾燥などと同様、またはそれ以上に、歯のくすみや歯茎の色、口元のほうれい線が見た目に影響すると考えられていることが判明。ケアを怠った口元は+7歳以上の老け顔に見えるという。肌や髪よりは一見目立ちにくい印象の口元が、実は若々しさを保つ鍵を握る。アンチエイジングに歯のケアは必須という訳だ。また、多くの男性が「女性の口元に魅力を感じる」としているが、口元を重要パーツとして捉えている女性は少数派という男女差も気になるところ。若々しい見た目のポイントともなり、意外と見られている口元のケアの大切さを、改めて実感する意識調査である。

長崎大、嚥下ケアハンドブック作成へ- 福島の被災者支援の医療・介護関係者向けに

長崎大は、福島県南相馬市などで東日本大震災・福島第1原子力発電所事故の被災者の支援活動を続ける医療・介護関係者を対象に、地元の相双保健福祉事務所と共同で、摂食嚥下のリハビリ指導などの内容をまとめたハンドブックを作成する。来年3月に完成の予定で、南相馬市などで支援に当たる医療・介護関係者への配布を計画している。


南相馬市などの相双地域で行われた嚥下ケア研修会(写真提供=長崎大)
 阪神大震災では、口の細菌が肺に入って起こる誤嚥性肺炎が震災関連死のうちで最も多かった。口の中を清潔に保つことが難しい避難生活では、食物を飲み込む機能が低下する高齢者の口腔ケアが、肺炎防止に不可欠だ。

 南相馬市などの相双地域では、相双保健福祉事務所の歯科衛生士らが、仮設住宅を巡回し、口腔ケアを続けているが、口腔の問題に加えて嚥下機能の低下や誤嚥の訴えに接する機会が多いという。近隣に嚥下ケア専門施設がない相双地域では、巡回支援している医療・介護関係者の嚥下ケアの知識と技術習得が課題となっている。

 長崎大は相双保健福祉事務所の要請を受け、被災者が仮設住宅で暮らす南相馬市で、今年9月から11月にかけて計3回、医療・介護関係者向けの嚥下ケア研修会を同事務所と共同で開催。歯科医師らが中心となって運営している同大の嚥下ケア専門機関「口腔ケア摂食嚥下リハビリテーションセンター」のスタッフらが、嚥下機能低下者のためのリハビリや食形態の工夫などを伝えた。

 長崎大と相双保健福祉事務所は、この研修会の内容をまとめたハンドブックの作成を企画。地元の医療・介護関係者を集めた検討委員会を立ち上げ、現地の実情を織り込みながら、分かりやすく嚥下ケアのノウハウが伝わるよう協議を重ねている。支援活動に参加している同大の小山善哉助教は、「地元支援者の嚥下ケアのスキルアップに少しでも役に立てばと考えている。被災者の誤嚥防止につなげたい」と話している.

飲んでもOK、洗浄剤開発 虫歯予防に、九大グループ

 九州大農学研究院などのグループは19日、天然素材である乳酸菌とウメのエキスを使った抗菌剤を開発し、口腔(こうくう)洗浄剤として製品化したと発表した。強い殺菌力で虫歯や歯周病を予防するだけでなく、飲み込んでも安全なため、重度の身体障害者や要介護の高齢者への販売を目指す。

 研究グループには、鹿児島大と国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)、福岡県久留米市の化粧品メーカーも参加。

 研究グループによると、乳酸菌研究が専門の園元謙二(そのもと・けんじ)・九州大教授らは、乳酸菌が作り出すタンパク質の一種「ナイシンA」の抗菌効果に注目した。ウメエキスと組み合わせたところ、効果がさらに高まった。

 園元教授は「既存の合成洗浄剤は、誤って飲み込むと胃の中の良性の細菌まで殺し、腹を下すが、乳酸菌由来の洗浄剤は、飲み込んでもアミノ酸に分解されるため安全」と話している。

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