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食事指導で医療費抑制 日本歯大が往診で研究

日本歯科大(東京都千代田区)は東京都小金井市に17日オープンする「口腔(こうくう)リハビリテーション多摩クリニック」を拠点に、歯科医師が往診で高齢者に食べ方を指導し栄養状態を改善することで、医療費の抑制効果があることを実証する研究を始める。

 多摩クリニックの歯科医師2人のチーム2組が常時、小金井市周辺の老人ホームや個人宅などを往診する。かむことや、のみ込むことが難しい要介護の高齢者の症状を診断。患者に応じたリハビリのほか、食事方法の改善や栄養指導などを行って、高齢者に健康を取り戻してもらうのが狙い。

 院長の菊谷武(きくたに・たけし)教授によると、口や舌の機能が衰えても、普通の硬さの食事を3、4時間かけて食べようとする高齢者が多い。この場合、食べられずに栄養不足で体重を減らす人もおり、無理に食べて窒息事故も起きている。症状に応じて、やわらかい食事に変えるなど、患者に合った方法で栄養を取ることを勧める。

 高齢者が食べられるようになれば、免疫力が高まり、病気になりにくくなる。菊谷教授は「この取り組みが医療費抑制に効果があることを実証し、栄養指導などを保険点数として認めてもらえれば、歯科医師が働く場も増える」と話している。

 オープンする多摩クリニックは、鉄筋コンクリート3階建て。診察室、検査室のほか、介護食の作り方を教える調理室、高齢者向け食品の専門ショップなどがある。スタッフは歯科医師、看護師、歯科衛生士、言語聴覚士、管理栄養士など計26人。

デンタル・ラボに政府系会社が出資

政府系投資会社の東京中小企業投資育成(東京)は19日、歯科技工業の札幌デンタル・ラボラトリー(札幌)に出資したことを明らかにした。出資額は2千万円で、8月末に第三者割当増資を引き受けた。札幌デンタル・ラボラトリーは歯科医向けに入れ歯製作などを手がけており、従業員110人、年商10億円と道内トップ級の規模。最先端機器を積極的に導入するなど、生産性向上に力を入れている。東京中小企業投資育成は安定株主として株式を長期保育し、中小企業の成長を支援している。道内の出資はこれで45社となった。
                   北海道新聞 2012.9.20

誤嚥しにくいコップ

高齢者は脱水しやすく水分補給はとても大切です。ただ、誤嚥に気をつけなければいけません。誤嚥とは、食道を通って胃の中に入るはずの飲食物が、誤って気管に入ってしまうことです。誤嚥性肺炎を引き起こすこともあり、危険です。誤嚥を防ぐには、料理や飲み物に手を加えて摂取しやすくなる、姿勢を変える、唾液の分泌を良くするなどの方法があります。今回は、誤嚥を防ぐために開発されたマグカップを紹介します。横から見るとペリカンのくちばしのような変わった形で、足が付いています。普通のコップでお茶やジュースを飲むと、液体を口に流し込むのにあごを上げるので、誤嚥が起こりやすくなります。このマグカップは独自の形状をしているので、あごを上げずに飲むことができます。 
 ▽お問い合せ先 日本福祉用具供給協会道支部事務局 ℡011-663-0732。受付は平日の午前9時~午後5時。
                    北海道新聞 2012.9.27

東日本大震災の特例措置 3月末まで延長

中医協総会が9月19日(水)、厚労省内で開催され、東日本大震災に伴う診療報酬等の特例措置を平成25年3月末日まで延長することを承認した。原則として、特例措置を現に利用している保険医療機関が対象。特例措置は9月末日までとされていた。平成25年4月以降の延長措置については、利用状況等を踏まえて改めて検討する。
                   日歯広報 9月25日

ビスフォスフォネート関連顎骨壊死発生の現況と歯科診療における対応

ビスフォスフォネート関連顎骨壊死とはpubMed検索によるFilleulらの検討では、2003年1月~2009年9月までのBRONJ症例2,408例のうち、BPが投与された疾患は悪性9割、良性1割で、剤型は注射薬9割、経口薬1割であった。男女比は4:6、発生部位は下顎骨が2/3、上顎骨が1/3である。進行度はStage2が2/3を占め、進行例では上顎洞炎、皮膚瘻孔、病的骨折などを伴っていた。抜歯を契機に発症したのは67%、自然発症は26%であった。治療法には抗菌薬投与(ペニシリン系など)等々があるが、治癒率は35%と非常に治りにくい病態である。そのため、治療よりも予防を重視し、口腔衛生状態を良好に保ち、BP治療に先行して外科的処置を行うことが重要とされている。
 日本におけるBRONJの現状
  いま日本で使われているBP製剤は注射薬4種類、経口薬7種類で、骨吸収抑制効果の高い新薬が次々に開発されている。日本では2006年に最初の症例報告がなされ、2008年の調査では263例が表1の基準に合致していた。このうち経口薬によるものが39.5%を占め(欧米では5~10%)、34%が治癒した。治癒率は外科治療例で高く、注射薬によるものや進行例では治りにくかった。なお、2010年のBP関連顎骨壊死検討委員会による日本でのBRONJ推定発症頻度は、注射薬1~2%、経口薬0.01~0.02%である。
浦出雅裕 兵庫医科大学 歯科口腔外科学講座

歯周病活動期における抗菌薬の投薬方法

歯周炎は一般的に慢性的経過をたどる疾患である。しかし、患者の内科的疾患の進行やその他の要因による体力低下などの全身的因子、あるいは口腔内局所環境や細菌学的因子の変化のために亜急性活動期(急性発作)に陥ることがある。もちろん、こうした急性期に特有な腫瘍形成に対し、腫瘍切開・排膿という外科処置を施すことは局所症状を改善するために必要な療法である。慢性歯周炎は嫌気性菌(群)が起因菌とされ、上述のような活動期病変では侵襲性歯周炎と同様、歯周組織内に細菌が侵入していると考えられている。そこで活動期病変と診断されれば、組織内の細菌に対応するため、とりわけ嫌気性菌に有効な抗菌薬の経口投与を選択することが望ましい。この際に使用する抗菌薬はポケット内の細菌にも作用することが望ましく、歯肉溝滲出液への移行性の高いテトラサイクリン系製剤が頻用されている。しかし、ポケット内の細菌に経口投与にだけ頼って対処しようとすると、多量の薬をしかも長期間にわたって使用しなければならず、こおため副作用や耐性菌の出現をみる危険性が高い。したがって、この方法ではポケット内の細菌に対しては、洗浄により局所の細菌数を減少させた後に必要最小限の薬物の局所投与で対処すべきであり、そのための薬物搬送システムが開発され、臨床応用されている。
 ポケット内で有効濃度を1週間維持するためには、局所投与は経口投与の1/1000以下の薬物量ですむことが示されている。この薬物搬送システムを利用した局所薬物療法は、ポケット内の掻爬やルートプレーニングによる治療効果を凌駕するものでは決してない。すなわち、歯周治療の成功は、歯周基本治療を確実に実施することによりもたらされることを忘れてはならない。また逆に、ルートプレーニングまでの歯周基本治療が奏効しない難治性の場合には、経口投与を含めた薬物療法も行われることもある。

歯科需要は高齢型に 医科歯科連携の準備必要

10月6日(土)午後3時より道歯会館2階大講堂において、道歯会主催の
社保講習会が開催され、第一部は「平成24年度改定の詳細と留意点」
「Pの流れをマスターする」第二部は「レセ電と日付情報」「指導経過
報告」と題し、山田常務理事と龍方常務理事が講師として説明した。
厚労省の資料では、歯科診療所の患者数の65歳以上の割合が大きく上昇
し、歯科通院患者の高齢化が顕著であること、また12歳児の一人平均む
し歯数が大きく減少してきていることから、歯科需要が高齢化型に変化
していることが明らかである。高齢者は様々な疾病を抱えているため、
医科歯科連携の準備、施設基準の取得が必要となってくる。具体的には、
歯科治療総合医療管理料(医管)における施設基準の要点、特疾管、外来
環、再外来環算定における注意点など。その他疑義解釈、返戻、査定事例
について細かな説明があった。

ステロイド剤に関する留意事項について

一般的にステロイド剤という場合は、副腎皮質の束状帯により分泌されるコルチゾンやヒドロコルチゾンなどの糖質コルチコイドあるいはその合成アナログを含有する製剤を指す。ステロイド系抗炎症薬として用いられ、代表的な薬物にプレドニゾロン(プレドニン)、デキサメタゾン(デカドロン)、ヒドロコルチゾン(コートリル)がある。これらの適応疾患は慢性副腎皮質機能不全、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、ネフローゼ、紫斑病、潰瘍性大腸炎、慢性肝炎、サルコイドーシス、蕁麻疹などであるのでこのような疾患の場合はステロイド剤を使っていることを頭に入れておく必要がある。本剤の副作用として感染症の増悪、副腎皮質機能不全、糖尿病、月経異常、消化性潰瘍、膵炎、骨粗鬆症(ビスホスホネート製剤常用の可能性あり)、骨頭無菌性壊死、満月様顔貌、ミオパチー、野牛肩、低カリウム性アルカローシス、緑内障、白内障などがみられる。自覚的症状としては下痢、悪心、嘔吐、胃痛、胸やけ、食欲亢進などの消化器症状、精神変調、うつ状態、多幸症、不眠などの精神症状、そのほか?瘡、多毛、色素沈着、脱毛顔面紅潮、紫斑、皮膚線条、皮下溢血、皮膚菲薄化などの皮膚症状がみられる。
 歯科医師が神経麻痺や天疱瘡などの粘膜疾患の治療のためにステロイド剤を投与する際にも上記の副作用に注意が必要である。特に既存の感染症の増悪には注意を要する。長期間投与していて中止するときは漸減する。急に中止すると離脱症状があらわれるので注意を要する。外用剤のデキサメタゾン(アフタゾロン口腔用軟膏)やトリアムシノロンアセトニド(ケナログ口腔用軟膏)の場合、広範囲い大量に用いなければ、上記お留意事項に対する懸念は少ない。

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