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がん治療と口腔ケア 怠ると口内炎や歯肉炎も

外科療法、特に消化器の手術の場合、口からの食事が制限されるため、口の自浄作用が弱まり、がんが治ったときに、いざ口から食事を取ろうと思うと、思うように取れないこともあります。化学療法や放射線療法は、その治療そのものによる粘膜炎などの副作用が出ることが多く、口内炎もまれではありません。
 免疫機能も弱くなることじゃら、歯肉の炎症を起こしやすくなり、口腔ケアを怠ると、重症化してしまいます。最近、これらの問題を解決する目的に歯科医師会とがん治療を担当する総合病院などの医療施設が連携することにより、少しでも、これらの副作用が少なくなるような取り組みがなされ、この4月には、そのシステムが構築されました。今まで以上に口腔ケアを受けやすい環境が整備されてきたので、がんの治療を受ける患者さんは、事前に、がん治療を担当する先生、またはお近くの歯科医院にご相談ください。
             福島民友 2012.4.13

初期虫歯修復の効果

東京医科歯科大学の北追勇一助教らは、フッ素とカルシウムを含むガムに初期の虫歯を修復する効果があることを実験で確かめた。1日3回、20分ずつガムをかむと、虫歯で柔らかくなった歯の表面を硬く戻せた。手軽な虫歯予防になるとみており、歯科医向けにガムを製造している江崎グリコは特定保健食品などへの申請を検討し、認知度の向上を目指す。
 ▼虫歯の修復
   歯の表面のエナメル質から抜けたカルシウムなどのミネラル分を再び補給し、元に戻すこと。この働きはだ液などに備わっているが、ガムなどでカルシウムを供給すると効果が上がる。フッ素も合わせてとると、より硬くて丈夫な結晶構造ができる。
   カルシウムなどが抜けて歯の表面が柔らかくなった段階は初期虫歯。修復されずにその部分がはがれると、穴やくぼみがあく。この段階まで進むと修復は難しく、歯科医による治療が必要になる。初期虫歯の段階で進行を止めることが歯の維持につながる。
             日経産業新聞 2012.4.13

歯科口腔保健の推進へ基本的事項案 10年後の達成に向け目標・計画示す

厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会が6月1日(金)、厚労省内で開催され、概ね10年後を達成時期とする口腔の健康の保持・増進、歯科口腔保健に関する健康格差の縮小に関する目標及び計画を盛り込んだ「歯科口腔保健の増進に関する基本的事項」の案が示された。今後、第二次健康日本21との調和を取りながら、6月10日(日)まで行っているパブリックコメントへの意見等を踏まえ、大臣告示を目指す。
               日歯広報 6月5日

金属床義歯 ワンランク上の入れ歯

金属床義歯とは、主要部分を金属で作った入れ歯です。健康保険で総入れ歯を作ると、普通は全てがレジンといわれる合成樹脂で作られます。それに対して金属床義歯は丈夫な素材である金属を「義歯床」という部分に使うため、快適で、たわまず、丈夫な入れ歯が可能になります。合成樹脂のレジンに比べ金属が強度的に優れているため、薄く仕上げることができ、違和感が少なく、口の中が広くなります。さらに、熱の伝わりもよいので食事を一層おいしく楽しむことができます。一度金属床義歯を使ったらもう分厚い合成樹脂の入れ歯には戻れないといわれるくらいに差があります。
 ただし金属床義歯は、総入れ歯の場合で治療費の一部が健康保険適用となることがあるのを除き、原則的には健康保険が適用されません。保険で入れ歯を作る場合に比べ費用がかかるのです。金属はそれぞれの歯科医院によって異なりますので、一度院長先生に聞いてみてもいいですね。
          福島民報 2012.4.2

口の中 清潔保とう 舌磨きなどが効果

口腔ケアとは、歯磨きをはじめ、フロスなどを使った歯間ケア、舌ブラシによる舌磨き、自分に合った入れ歯や義歯を使うことなどが含まれ、内容は多岐にわたる。食べる、話すなど顔に関わる脳の領域は手足に関わる部分より多い。口を動かすことは脳に刺激を与え、さらに認知症予防にも効果があるといわれている。特に食事は有効だ。高齢者の中には食事の際、誤って食べ物が気管に入る人もいる。むせたり、肺に入っても抵抗力があれば症状が出ない場合もある。しかし高齢者は機能が衰えるにつれてむせなくなる。
 不潔な口腔内の細菌が入ると誤嚥性肺炎になることもある。肺炎は要介護高齢者の死因第1位で、中でも誤嚥性肺炎の割合は大きい。肺炎になると高額な医療費がかかる上、4割が死に至る。口腔内を清潔に保つことは、肺炎による死亡リスクを減らす手段の一つといえる。さまざまな口腔ケアの中でも、舌ブラシによる舌磨きは重要だ。舌は味覚を感じるところで汚れもたまりやすい。傷つけないように専用の舌ブラシで取り除く。舌がきれいだと味が分かり、食事も楽しくなる。
          新潟日報 2012.3.26

人工歯自然な色に

東ソーは入れ歯・差し歯向けの高品質素材を開発した。耐熱性セラミックス材料であるジルコニアの粉末を細かくして光沢感を高めると同時に、鉄分を混ぜることで自然な黄色みも実現できる。審美歯科向けに4月から販売を始める。同社は約20年前からジルコニア系の高品位歯科材料を手がけ、現在は世界で唯一のメーカーとなっている。同材料は金など貴金属の歯科材料に比べて磨耗しにくく、堅い食べ物をかみ続けても10年以上は割れないといった特長がある。ただ色が真っ白で光沢がなく、前歯に使うと不自然になるなどの問題点があった。
 新開発した「Zpex Yellow」は、ジルコニアの粉末を従来より2割程度細かくして純度を高めた。1㌘の粉末を13平方㍍まで伸ばせるという。高密度で強度のある入れ歯・差し歯に加工でき、輝くような光沢感を引き出せるという。
          日経産業新聞 2012.4.2

口の中 清潔保とう 舌磨きなどが効果

口腔ケアとは、歯磨きをはじめ、フロスなどを使った歯間ケア、舌ブラシによる舌磨き、自分に合った入れ歯や義歯を使うことなどが含まれ、内容は多岐にわたる。食べる、話すなど顔に関わる脳の領域は手足に関わる部分より多い。口を動かすことは脳に刺激を与え、さらに認知症予防にも効果があるといわれている。特に食事は有効だ。高齢者の中には食事の際、誤って食べ物が気管に入る人もいる。むせたり、肺に入っても抵抗力があれば症状が出ない場合もある。しかし高齢者は機能が衰えるにつれてむせなくなる。
 不潔な口腔内の細菌が入ると誤嚥性肺炎になることもある。肺炎は要介護高齢者の死因第1位で、中でも誤嚥性肺炎の割合は大きい。肺炎になると高額な医療費がかかる上、4割が死に至る。口腔内を清潔に保つことは、肺炎による死亡リスクを減らす手段の一つといえる。さまざまな口腔ケアの中でも、舌ブラシによる舌磨きは重要だ。舌は味覚を感じるところで汚れもたまりやすい。傷つけないように専用の舌ブラシで取り除く。舌がきれいだと味が分かり、食事も楽しくなる。
          新潟日報 2012.3.26

国際フェーズ3試験の統合解析でデノスマブとゾレドロン酸の顎骨壊死の頻度は少なく、3割以上が8カ月で消失

近年実施された、骨転移に対するデノスマブとゾレドロン酸の有効性を比較検討する国際大規模フェーズ3試験3件の統合解析から、顎骨壊死(ONJ)の3年間の累積発生率は2剤とも2%未満で、そのうち3割以上は骨露出が消失することが示された。がん研究会有明病院化学療法科の高橋俊二氏が、6月28日から熊本で開催された第20回日本乳癌学会総会において統合解析結果の詳細について紹介した。

 骨転移に対するビスホスフォネート製剤の重大な副作用としてONJ(Osteonecrosis of the Jaw)がある。ONJとは、頭蓋および顔面への放射線治療歴がなく、顎骨の露出が8週以上持続している状態と定義される。侵襲的歯科処置をしていない場合や、抗RANKLヒト型モノクローナル抗体であるデノスマブにおいても発生する可能性があることがわかっている。

 ゾレドロン酸などのONJ発現頻度のデータは後方視的研究しかなく、大規模試験での検証が待たれていたが、今年、骨転移を有する乳癌、前立腺癌、その他固形癌または多発性骨髄腫それぞれを対象に、デノスマブ、ゾレドロン酸の骨関連事象(SRE)に対する効果を比較検討した3件の国際ランダム化二重盲検フェーズ3試験におけるONJの統合解析データが報告された(Saad F et al. Ann Oncol 2012 May;23(5):1341-7)。

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