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日本顎咬合学会 公開フォーラム、歯科医師ら1100人参加

NPO法人の日本顎咬合(がくこうごう)学会主催の公開フォーラムが10日、千代田区の東京国際フォーラムで開かれた。「命の入り口 心の出口~健口長寿~ライフステージに応じた口腔(こうくう)機能の回復で幸せな人生を」をテーマに一般を含め、歯科医師ら約1100人が参加した。

 公開フォーラムは、乳幼児からお年寄りまで、元気で明るい生活を送る上で口腔ケアの大切さを強調。日本歯科大学の小林義典教授らがディスカッションなどを通じ、口全体を使ったかみ合わせの「咬合」と、食べ物をかみ砕き味わう「咀嚼(そしゃく)」が脳の機能と深くかかわるなど「お口の健康」を分かりやすく説明した。同学会は歯科医師だけでなく、歯科技工士、歯科衛生士の技能向上などを目指し、独自の認定制度をスタート。公開フォーラムは研修会を兼ねており、熱心にメモをとる姿が見られた。
毎日新聞社 6月12日(火)

歯科に月20回、2ちゃんねるにストーカー日誌

福岡県警柳川署は4日、大牟田市柿園町、無職森光博容疑者(33)をストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。

 発表によると、森容疑者は4-5月に計4回、県内の女性(24)を待ち伏せするなどの行為を繰り返した疑い。黙秘しているという。

 森容疑者は、女性が勤務していた歯科医院の患者で、多い時は1か月に約20回通院していた。昨年7月頃から医院の外で帰宅を待つようになり、女性の相談を受けた県警が同9月、警告を出していた。

 森容疑者はインターネットの掲示板「2ちゃんねる」に「ストーカー日誌」と称し、女性の様子などを数十回にわたって書き込んでいたという。

読売新聞 6月5日(火)

歯科医療実習 長崎大生、離島巡り

長崎大歯学部の6年生4人が4~8日、五島市内で歯科医療実習に取り組んでいる。歯学部は09年、同市営歯科診療所を「離島歯科保健医療研究所」に改装。ここを拠点に離島歯科医療の実態調査や実習、研修活動を続けている。こうした取り組みや、離島での医療実習は、全国でも珍しいという。

 5日は特別養護老人ホーム「只狩荘」で実習した。実習生が入所者50人の部屋を訪ね、口内の清浄、歯磨きなど口腔(こうくう)ケアをした。同施設の歯科衛生士、中野美智子さんは「入所者の刺激になり、医療のあり方を見直す機会にもなった」と歓迎した。

 6日は福江島の二次離島、椛島の伊福貴歯科診療所で介助実習をした。同診療所は11年9月から同学部の派遣医が週1回診療し、島民に喜ばれている。実習を引率した井川一成助教は「実習で歯科医療のあり方を福祉の面からも捉えてほしい」と話した。
毎日新聞社 6月8日(金)

歯の衛生週間イベント 親子連れら、歯磨き指導 高松市歯科医師会

歯の衛生週間(4~10日)を前に3日、高松市歯科医師会による衛生週間イベントが市歯科救急医療センター(高松市福岡町3)と牟礼老人福祉センター(同市牟礼町牟礼)で開かれた。親子連れら計約2400人が参加し、歯磨き指導などを受けた。

 歯の衛生週間イベントは、虫歯や歯周病などを予防する習慣を身に着けてもらおうと、日本歯科医師会が各地で開いている。同センターでは歯科医や歯科衛生師ら約200人が、来場者にブラッシングのコツなどを指導。歯に関する相談やフッ素の塗布などが行われた。また、歯型を採取する治療用のゴムで取った子どもたちの手型に流し込んだ石こうの手型をプレゼントする企画もあり、人気を呼んでいた。

 歯磨き指導を受けた同市牟礼町牟礼の幼稚園児、多田葵(あおい)ちゃん(3)は「すっきりして、気持ち良かった」と笑顔だった。
毎日新聞社 6月4日

歯周病は放置するとどうなる?

骨が溶け、すべての歯が抜け落ちるまで進行してしまう
  歯周病は、歯周ポケットの深さや骨の溶けている度合いによって、軽度、中等度、重度に分かれますが、治療をせず放置しておくと、歯が抜け落ちるまで進行してしまいます。進行を食い止めるのは、細菌のすみかとなるプラークをコントロールすることが基本。抗生物質の内服による治療や、歯石を取るケアなどを定期的に行うほか、必要であれば歯周病を悪化させる原因となっている虫歯や噛み合わせの治療、さらには溶けてしまった骨を再生させる治療を行うケースも。また、歯周病菌を増やさないための予防としてセルフケアも重要。

虫歯 新潟県内、全国最少12年連続 12歳児、昨年平均0.68本

子どもの虫歯の本数で全国都道府県別で全国最少を続ける本県は11年の調査でも、子ども1人当たりの平均本数が0・68本と全国最少で12年連続トップとなった。文部科学省調査によると、全国平均は1・2本だった。

 調査は永久歯がほぼ生えそろう12歳児を対象に実施。県健康対策課によると、県が統計を始めた80年の虫歯平均本数5・03本に比べ、11年は7分の1以下に減った。新潟は国が全国順位をつけ始めた00年から最少を更新している。

 県では70年に全国で初めて弥彦村立弥彦小学校で歯の質を強くするフッ素液体での週1回のうがいが実施された。その後県内各地の幼稚園や小、中学校などに普及した。虫歯になりやすい子どもに対して学校が医療機関に受診を勧めるといった全国的にも珍しい予防への取り組みもある。

 その結果、治療済みも含めて虫歯ゼロの12歳児の割合は、80年が6・82%だったのに対し、11年は71・2%にまで高まっている。
毎日新聞社 6月6日(水)

食べこぼし減らすには 姿勢正しく 皿は口の近く

高齢になると口や手の機能が衰えて、食事の際の食べこぼしが増えがちだ。食事の姿勢に気を配るなど、周囲が工夫して上手に支えたい。
 まず大事なのは、食事中の姿勢を安定させることだ。いすに座った時に、足裏がかかとまでしっかり床に着くように。足が浮いている場合は、足元に踏み台やすのこなどを置く。また、背もたれやひじ掛けと体の間にクッションを挟んで体を安定させること。正しい姿勢は、誤嚥のリスクを減らすことにもつながる。皿と口の距離も大切だ。もし手で皿を持ち上げられない場合には、皿を置く位置を少し高くしたい。
 口からこぼれてしまうのなら、口腔機能に詳しい歯科医や言語聴覚士に相談するといい。例えば、口にしたものを喉の奥へ送り込む舌の機能が衰えているケースなら、食べ物を舌の奥の方に入れるなどの工夫をするだけで、食べこぼしが減ることもあるという。
               読売新聞 2012.3.2

口腔がんを早期発見 歯科医院でチェックを 超高齢化で患者増加

舌や歯肉、頬の内側などにできる「口腔(こうくう)がん」の患者が増えている。特に目立つのは高齢者の増加で、超高齢化社会の進展が背景にある。だが、口腔がんは痛みなどの自覚症状が乏しく、発見が遅れるケースも少なくない。進行がんでは生存率が大きく低下し、治療後も食事や会話など生活の基本となる機能が著しく損なわれる。どうすれば早期かつ効率的にがんを発見できるのか。一つの方策は、国民の多くがかかる歯科医院の日常診療を利用し、口腔内を徹底チェックすることだ。

 ▽システム

 2009年11月、千葉県市川市内の歯科医院。義歯を作るために来院した80代女性が「ほっぺたの内側をよくかむんです」と話した。歯科医が口の中をよく観察すると、左頬の内側が少しただれていた。ブラシのような器具で粘膜の表面をこすり、採取した細胞を検査のために東京歯科大市川総合病院に送った。結果は、悪性が疑われた。

 報告を受けた歯科医は女性を同病院の口腔がんセンターに紹介。女性は病変の一部をメスで切り取って調べる組織診で「頬粘膜の扁平(へんぺい)上皮がん」と診断された。進行の程度は、比較的早期のステージIIだった。

 実は、市川市では07年以来、地元歯科医師会と同病院が連携した「市川市口腔がん早期発見システム」が稼働している。現在は歯科医師会から100人を超える開業歯科医が参加。日常診療で何らかの病変を見つけた場合は細胞診を実施し、悪性が疑われれば2次医療機関に紹介している。月に1回、同病院とともに口腔粘膜の診察方法などについて研修会も開く。

 ▽死亡者急増

 がんと診断された80代女性は、口腔がんセンターで手術を受けた。2年半後のいま、経過は順調で、食事など日常生活に支障はないという。「システムがうまく機能した実例です」と同センターの佐藤一道(さとう・かずみち)講師は話す。

 佐藤さんによると、国内の口腔がん患者は05年に6900人、15年には7800人になると予測されている。すべてのがんの1~2%に当たる。部位別では舌が最も多く、歯肉が続く。

 特徴的なのは、患者数のピークがより高齢側に移ってきたことだ。「かつては喫煙や飲酒が口腔がんの要因として問題にされました。しかし最近は、酒やたばこの経験がない高齢の女性患者も多い。加齢の影響を考えなければなりません」と佐藤さんは指摘する。

 死亡者数について口腔がん単独のデータはないが、厚生労働省の人口動態統計によると、咽頭がんと合わせた数字はこの10年余りで急増した。米国などで口腔がんの死亡が減少傾向にあるのとは対照的だ。

 ▽進化形

 「早期のステージIとIIなら5年生存率は90%前後。しかし、進行がんのステージIIIとIVでは50%前後まで下がります。早期発見の意味は大きいが、実際には早期に見つかるのは半分程度です」と佐藤さん。

 早期発見を目指し、各地で口腔がん検診も行われている。東京歯科大も1992年から千葉県内で集団検診を実施してきた。口腔がんの認知度向上に大きな役割を果たす一方で、問題点も浮かび上がったという。

 1年に1度の検診では進行の早いがんを発見できない恐れがあること。受診率が低いこと。さらに受診者は健康への関心が高い人たちで、高いリスクを抱える人の受診が少ないことだ。こんな問題を解消する進化形が早期発見システムだった。

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