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口腔ケアで、おいしく食べる!

Tさんが驚いたのは、義男さんの口のなかのあちこちにファンギゾンが残り、
付着していたから。
「せっかくカンジダは改善しているのに。このままでは味を感じにくくなってし
まう」
 Tさんはこう思い、食欲について尋ねました。すると予想通り、「あまり食が
進まない」と回答が。すぐにTさんは保湿剤で汚れを浮かし、モアブラシで除去。
ご家族に説明し、毎日口腔ケアをするようにお願いしました。

 その日から2日後に再訪問したとき、Tさんは真っ先に義男さんの口腔内を確
認。すると、前回とは見違えるほどきれいになっていたのです! 
「口のなかがさっぱりして気持ちいいです。ご飯がおいしく食べられるようにな
りましたよ」
 義男さんは笑顔を見せながらこう言いました。

 この日以来、毎日食事を楽しんでいる義男さん。そんな姿を見て、Tさんはこ
う話します。
「食べることは、患者さんにとって大きな楽しみです。口腔ケアでそれを支えら
れるのは、とてもうれしいですね。モアブラシは柔らかくて刺激が少ないので、
カンジダ症の方にも安心して使えます」
 Tさんは、これからも口腔ケアを通じて患者さんの楽しい食生活をサポートし
たいと考えています。

大人にも「フッ素」は必要です!

「フッ素は子供だけに使うもの」と思ってはいませんか?「フッ素(フッ化物)」の応用は現在「最も効果的で科学的裏付けのある虫歯予防法」です。「虫歯」というある程度進行すると「治療しても元に戻らない病気」に重要なのは「虫歯リスク(虫歯のなりやすさ)を下げて予防」という考えです。
 虫歯リスクには「歯の表面のリスク」「食事のリスク」「虫歯菌のリスク」などがあります。「食事」と「虫歯菌」のリスクを下げるには様々な要素が絡んでいるため、全ての人が一様に同じ効果を享受することは事実上不可能です。しかし「フッ素(フッ化物)」は使うだけで全ての人に対し同じ効果で「歯の表面の虫歯リスク」を下げるので他の予防法よりも確実性が高いのです。
              北海道経済 3月号 №519

(岩手)あの日から 〈2〉歯科医院 もう一度

並べられた遺体の一体一体に「死にたくなかったよな」「悔しいよな」と声をかけて作業を進めました。遺族の泣き声が響くたびに、思わず手が止まった。つらかったけれど、正確に診ることが身元確認につながるんだと自分に言い聞かせ、検視に集中しました。

 釜石市の歯科医、工藤英明さん(50)は東日本大震災から4日後、初めて安置所に足を踏み入れた。とにかく寒く、整然と並べられた何十体もの遺体が窓から入る光に照らされている。中には、口に土砂が詰まっていたり、歯に皮膚が張り付いたりしている遺体もあった。他の歯科医が検視に訪れた際の参考になるようにと、歯科技工士の造り方で異なる入れ歯を遺体の脇に残した。

     ◇

 工藤さんは、釜石市出身の医師だった父の影響で、県内の大学に進学し、1995年に同市嬉石(うれいし)町に開業。今回の震災で歯科医院は津波で流された。診療に使うミラー一つ残らず医院の再建も諦め、最初は検視にも、積極的に加わっていたとは言えなかった。しかし、安置所に行ってみて、一人でも多く身元の確認につなげたいという気持ちが増した。

 震災から10日ほどで応援が到着。工藤さんは安置所を離れ、避難所の訪問診療を始めた。以前の患者らと再会し、「また通いたい」と次々に声を掛けられ、頑張れるかもと元気を取り戻した。

 親類を頼り、同市野田町の空き家で昨年7月、仮診療所を開いた。大切な人を亡くし、「涙が止まらない」という人もおり、工藤さんは診療所再開以来、「話をしに来るだけもいいですよ」と、患者たちに気軽に声を掛けた。

 患者さんのおかげで頑張ろうと思えた。助けられることばかりです。震災前、歯科医は歯を治すのが仕事と思っていたが、今は気持ちを話せる場にもなった気がする。それに気付いたからこそもう一度、自分の医院を建てたいです。2月21日、約1か月半ぶりに遺体を検視した。今でも震災直後の感覚は忘れられない。眠っているように見える遺体でも、触れれば冷たい。死を実感する瞬間だ。検視の度に、寂しさにも似た気持ちを思い出し、家族の元に帰ってほしいと切に願う。

 私も、何か状況が違えば診療を再開できなかった。被災の度合いや被災者の気持ち、復興にも差があり、必ずしも前向きになれるわけではないだろう。それでも、助け合って生きていきましょうよ。今はその差を埋めるために少しでも役立てればと思っています。

 工藤さんらは最近、歯科技工士と定期的に会合を開いて交流するようになった。「入れ歯に名前を刻めば非常時の身元判明に役立つのでは」。温めてきたアイデアの実用化を検討している。読売新聞 3月2日(金) 配信

歯の保存、口腔機能維持を評価

中医協総会が2月10日(金)、厚労省内で開催され、平成24年度診療報酬改定案を小宮山洋子厚労大臣に答申した。
 歯科診療報酬では、歯の保存や長期的な口腔機能の維持のための基本的技術料が引き上げられた。
 また、周術期の口腔機能の管理を新たに評価し、在宅歯科医療の充実を図るなど、65歳以上の高齢者人口が約3500万人に達すると見込まれている「2025年問題」に向けた医療提供体制の構築の第一歩の改定となった。
             日歯広報 2月15日

「口の中の乾き」が気になる

 ドライマウスは唾液の減少により起こります。唾液が少なくなる理由の一つは、「分泌量の低下」です。唾液は、主に口の中にある耳下腺、顎下腺、舌下腺から分泌されますが、年齢とともに、顎を動かす筋力の低下、唾液腺の衰えなどにより、唾液量が減ってきます。
 また、ストレスによっても分泌量は低下します。唾液の量をコントロールしているのは自律神経です。強いストレスを受け緊張すると交換神経が活発になり、粘りの強い唾液が分泌され、分泌量が低下します。このほか、薬の副作用や病気による分泌量の低下もあります。たとえば、高血圧やアレルギーなどで、降圧剤、利尿剤、抗ヒスタミン剤などを服用している人は、その副作用で唾液が少なくなることがあります。
 また、糖尿病の人は唾液を分泌する唾液腺が障害を受けやすくなり、唾液が少なくなります。さらに、女性に多いシューグレン症候群という自己免疫疾患(本来自分を守るべき免疫システムが何らかの異常を起こし、自分を攻撃してしまう病気)によっても、口が乾くようになります。シューグレン症候群では、口の中だけでなく、目も乾燥するのが特徴です。

口内炎の原因が実はたくさん!

●細菌やウイルス 免疫力が低下すると、細菌感染しやすく・・・
 ●生理周期 生理が終わったあとは、抵抗力も弱まっている
 ●歯並びや歯の形 頬の内側や舌にできる口内炎の原因
 ●口が乾くこと 口が乾燥すると雑菌の繁殖が加速する
                      美的 2011.11月

口内炎の代表的なパターン

 口内炎には、いろいろな種類があります。ここでは代表的な口内炎の種類を解説。いずれも症状は痛みやはれ、口の中に違和感がある、ものが飲み込みにくいなどの症状に悩まされます。
 ①約70%がこれ アフタ性口内炎
  見た目は、表面が白かったり、黄色く濁った色をしていて、周りが赤っぽくなっているのが特徴。円形や楕円形状をしており、中央が少しくぼんでいます。痛みを伴い、一度に何個もできることも。唇や頬の粘膜だけでなく、歯ぐきや舌などにもできます。
 ②ウイルス感染でおこる ヘルペス性口内炎
  ヘルペスというウイルスの感染によっておこるもので、口の中や唇の周りの皮膚に水疱ができます。ピリピリした痛みが特徴。ウイルス性のもので「カンジダ性口内炎」もあり、これは口の中に白っぽい苔のようなものができたり、赤くはれることも。
 ③とても重大な病気のサイン 前がん病変
  これはがんになる前段階の状態。今、「口腔がん」を発症する人は増えています。口内炎だと思い、放置している間に病状が進行してしまう若い人が多く、注意が必要。痛みを伴わず、口の中が白くなったり赤くなったりしたら、口腔外科を受診してください。
                     美的 2011.11月

全身麻酔し歯科治療

歯科医に恐怖心がある大人や子ども、障害者ら、さまざまな理由で歯科治療が困難な人向けに、東北大病院(仙台市青葉区)は全身麻酔による歯科治療チームを設けた。歯科麻酔科医の管理の下、患者が眠った状態で治療をする。歯科治療部門の各科と連携し、幅広く治療に取り組んでいく。
 歯科麻酔科医が心電図や血圧、呼吸を監視しながら全身麻酔をかけ、小児や障害者、インプラントなど各専門の歯科医が治療する。患者は意識がなくなるため、痛みは感じない。患者は1、2泊入院し、術後に痛みや吐き気が生じた場合、医療スタッフが対応する。
                河北新報 2012.1.4

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