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自分で修復できるのが初期虫歯

虫歯というと、すぐに歯科医院で治療を受けなければと考えがちだが、うれしいことに初期虫歯の段階なら、自分で簡単に修復することができる。歯の表面は常に溶けたり修復されたりを繰り返しているからだ。歯の表面からハイドロキシアパタイトなどのミネラル分が溶け出すことを「脱灰」といい、修復されることを「再石灰化」という。口の中が酸性に傾くと脱灰が進み、中性なら再石灰化が進む。
 口の中を酸性に傾ける最大の原因が食事だ。食事をすると必ず口の中は酸性に傾き脱灰が進んでしまう。一方、それを元に戻す力を持つのが唾液で、口の中を中性に保つ働きがあるため、食後放っておいても口の中は除々に中性に戻る。また。唾液中には歯を修復するためのミネラルであるリン酸やカルシウムがあり、中性に近い状態ではこれらが歯に取り込まれて、再石灰化が進みやすくなる。つまり、常に私たちの口の中では脱灰と再石灰化がシーソーのように行ったり来たりしているが、そのバランスが良く、再石灰化力が強ければ自然と初期虫歯を治せるということだ。
                日経ヘルス 2011.11

口腔ケアへの取組等を評価 次期介護報酬改定を答申

社会保障審議会は1月25日(水)、同日に都内のグランドアーク半蔵門で開催された社会保障審議会の介護給付費分科会の報告を了承し、平成24年度介護報酬改定について小宮山洋子厚労大臣に答申した。介護保険施設の入所者への口腔ケアの取り組みの充実に向けて「口腔機能維持管理加算」において、歯科衛生士が入所者に直接口腔ケアを実施した場合に評価することなどを盛り込んだ。介護報酬改定は3年ごとに行われ、平成24年度は6年に1度の診療報酬との同時改定となっている。
 歯科関係では、居宅療養管理指導を医療保険制度との整合性を図る観点から、職種や居住の場所別の評価を見直した。また、居宅介護事業所との連携の促進に向けて、医師、歯科医師、薬剤師及び看護職員が居宅療養管理指導を行った際の、ケアマネジャーへの情報提供を必須化した。歯科医師が行う「居宅療養管理指導費」は現行の月500単位から、同一建物居住者以外の者に行った場合は据え置く一方で、同一建物居住者に行った場合には月450単位の算定となる。
                日歯広報 2012.2.5

歯周病治療で肝機能改善 非飲酒者も発症の脂肪肝炎

飲酒しない人も発症する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者が歯周病菌を保有する割合は健康な人の約4倍と高く、歯周病の治療で肝機能が大幅に改善することを22日までに、横浜市立大や大阪大などの研究チームが突き止めた。

 研究チームによると、歯周病と心臓病や脳卒中との関連は指摘されているが肝炎では初めて。チーム長の中島淳(なかじま・あつし)横浜市立大教授(消化器内科)は「脂肪肝の人は肝炎に進行させないように、口腔(こうくう)内を衛生に保つことが大切だ」と話している。

 NASHは成人男性の3人に1人程度とされる脂肪肝の人のうち、1~2割を占める。進行すると肝硬変や肝臓がんを引き起こし、肥満との関連が指摘されているが、発症メカニズムは解明されていない。

 研究チームがNASH患者102人の歯周病菌を調べたところ、保有率は52%で健康な人と比べて約3・9倍だった。また肥満状態のマウスに歯周病菌を投与すると、3カ月後に肝臓が平均約1・5倍に肥大化。肝炎が悪化するなどした。

 歯周病のNASH患者10人に歯石を除去したり抗生物質で歯茎の炎症を抑えたりして治療した結果、3カ月後には平均すると肝機能の数値がほぼ正常になった。

 研究成果は16日付英医学誌の電子版に掲載された。

消費税に係る要望まとめる

第12回理事会が1月26日(木)、歯科医師会館で開催され、政府・与党社会保障改革本部が1月6日(金)に決定し、閣議報告された「社会保障・税の一体改革素案」における社会保険診療報酬に係る消費税の取扱いに対し、大網の作成において修正を求める要望書をまとめた。特に修正を求めたのは、医療機関等の行う高額の投資に係る消費税負担に関する消費税率引上げまでの間の手当て。
 素案では消費税率を引き上げる際に、「新たに一定の基準に該当するものに対し区分して手当を行うことを検討する」としていることから、検討するのではなく、引き上げるまでの間は手当てを行うよう求めた。
                日歯広報 2012.2.5

唾液の分泌を促せば口臭予防につながる

子どもの頃に周囲から「口がくさいよ」と言われて傷ついたことはありませんか?実は多くの人がひそかに口臭に悩んでいます。もし口臭を指摘されたことがなくても、知らず知らずのうちに口臭を発しているかもしれません。
 口臭の原因となるニオイ物質は、口腔内にある揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれるものです。これは、口腔内に存在する嫌気性菌が食べかすを分解することで発生します。VSCを発生させないためには、口の中をきれいに保つ必要があります。口臭を予防するためにも、まずは毎食後に歯磨きをして口腔内を清潔に保ちましょう。
 歯と歯茎の隙間に詰まった食べかすは、自分で取り除きにくいので、可能なら年2~4回、歯科医院に通ってクリーニングしてもらうとなおよいでしょう。そしてもうひとつ、嫌気性菌が活動しにくい状態にすること、つまり酸素をたっぷり含んだ新しい唾液を分泌し続けることも大切です。起床時に口がネバネバし、息が臭くなるのは、寝ている間に唾液の分泌が減るからなのです。
 唾液の分泌を促すためには、よく噛んで1日3食とることです。朝に食欲や時間がなくても、リンゴをひときれ食べるだけでずいぶん違います。また、緊張やストレス、睡眠不足で交感神経が活発になると唾液の分泌が抑制されます。ときどき深呼吸をすること、十分に睡眠をとることを心がけましょう。そして口腔内が乾燥しないように、できるだけ鼻呼吸を意識しましょう。
 口腔内の乾燥を防ぐため、水をこまめに飲むことも有効です。あとは意識的に表情をよく動かし、唾液を分泌する唾液腺を刺激するのも効果的です。
                メトロポリターナ 11.6月

抜けた乳歯はどうする?

乳歯が抜けたとき、日本では【下の歯は屋根の上に放り投げ、上の歯は縁の下に投げ入れる】という風習があります。これは新しい歯は抜けた歯のある場所に向かってはえるといういい伝えから、歯がまっすぐきれいにはえてほしいという願いを込めたものです。それでは世界の国々ではどのような風習があるのでしょう。
 アメリカやカナダなどでは、【寝る前に枕の下においておくと、歯の妖精がもっていって代わりにお金やお菓子などのプレゼントをくれる】という話があります。フランスやスペインのように、歯をもっていくのが妖精ではなくネズミという国も多いようです。また、アフガニスタンやバングラディッシュでは、ネズミの巣穴に落とし、エジプトやオマーンでは太陽に向かって投げるそうです。
 チリやコスタリカのように抜けた歯をペンダントやイヤリングにする国もあるんですよ。

うがい液で口腔癌の早期発見 剥離細胞を用いて検討、候補となるバイオマーカーを発見

第49回日本癌治療学会学術集会で、釘本琢磨氏(東京医科歯科大学
大学院医歯学総合研究科顎口腔外科学分野)は、「含嗽による剥離
細胞を用いた口腔癌検出法の開発」と題して発表を行った。口腔癌
の罹患数は、年間約7000人と推計され、他臓器の癌と同様に、進行
癌では生存率は低くなるため、早期発見・早期治療が重要である。
現在、わが国では各自治体を中心として、専門医による口腔癌検診
が実施されているが、一度に多くの対象者を検診することが困難で
ある。一方、広く検診が行われている癌では、自分で検体を採取す
る検診キットが個人で入手可能になり、高い検出率を示している。
そこで、専門医以外も利用できる簡便な検査法の開発を目指し、含
嗽により剥離する口腔粘膜細胞を用いた口腔癌検出法について検討
した。東京医科歯科大学歯学部附属病院において、口腔癌患者94人
(24歳から89歳、中央値62.5歳)、口腔白板症患者18人(31歳から
92歳、中央値61.5歳)、対照として歯周炎など癌を有さない患者お
よび健常者80人(35歳から88歳、中央値58.1歳)、計192人を対象
とした。リン酸緩衝溶液(PBS)10mLで20秒間強く含嗽した液を
回収して行われ、口腔癌性病変(口腔癌および口腔白板症)を検出
する場合、SCCA1がバイオマーカーの一つとして有用であるとの結
果が得られた。実用に耐え得る口腔癌検診キット開発のためには、
より感度の高いマーカーの探索とともに、より確実な腫瘍細胞回収
法の工夫が必要と考えられる。

保湿剤の使い方ひとつで口腔ケアが変わる!

「最初に保湿剤を口腔内全体に塗り、湿潤させましょう。これにより、粘膜に付
着した汚れや乾いた痰・舌苔なども取り除きやすくなります」
 こう書かれているのを読んで、Nさんはハッとしました。“保湿剤はケアの後
に塗るもの”と思い込んでいたからです。

 次の日、Nさんはさっそくガイドブックの手順どおりに栄子さんの口腔ケアを
スタート。そして粘膜ブラシで拭うと、痰がツルンと簡単に取れたのです。「今
までの苦労がウソみたい!」とNさんは目を丸くしました。
 最後にいつも通り保湿剤を塗布し、ケアが完了。ふと時計を見ると、いつもよ
り大幅に時間が短縮されていることに気づきました。この日以来、Nさんは毎日
この方法で口腔ケアをしています。

「保湿剤で汚れをふやかすなんて、目からウロコ。栄子さんも気持ちよさそうで、
ウトウトすることもあるんです。以前では考えられないですね」
 使うケア用品は同じでも、使い方ひとつで負担が減らせることを知ったNさん。
これからは積極的に情報を集め、よりよいケアを目指したいと考えています。

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