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虫歯予防とフッ化物 規則正しい食生活が大切

虫歯は次のようになると発生します。
  ▼脱灰と再石灰化のバランスが脱灰に傾く
  ▼糖分を含む飲食物を回数多く、または長時間にわたって取る(再石灰化の時間が少ない)
  ▼歯垢がたくさんある(酸を産生する細菌がたくさん口腔内の存在する)
  ▼唾液分泌の低下(唾液の浄化・中和作用が低下する)
 一方、虫歯を予防するには、この逆をいけば良いことになります。
  ▼脱灰と再石灰化のバランスを再石灰化に傾かせる
  ▼規則正しい食生活
  ▼プラークの除去
  ▼よくかんで唾液を分泌させる
 間食の回数が多く(常に何か食べている)、口の中に停滞している時間が長い食べ物(あめやキャラメルなど)が好きな子どもは要注意です。
                福島民友 2012.1.13

高血圧を引き起こす動脈硬化と歯周病が関連している可能性

歯周病菌抗体価が高いと、歯周病リスクスコアだけでなく、収縮期血圧や脈波伝播速度(PWV)も高い傾向にあることが報告された。熊本大学循環器内科の花岡洋右氏らが、3月16日から18日まで福岡で開催されていた第76回日本循環器学会(JCS2012)で発表した。

 歯周病はグラム陰性桿菌による慢性感染症であり、一方で炎症は動脈硬化の進行において重要な役割を果たす。歯周病と動脈硬化が関連するという報告は既にいくつかなされているが、今回、花岡氏らは歯周病と動脈硬化、高血圧との関係について検討した。

 対象は、急性冠症候群(ACS)患者40人、安定狭心症患者135人、冠攣縮性狭心症患者64人の計239人。歯周病の原因細菌の1つであるPrevotella intermediaの抗体価(Pi-IgG)は、採血した上でELISA法にて求めた。抗体価の中央値をカットオフ値とし、中央値以上のグループを高Pi-IgG群(平均年齢67.2±9.6歳、男性78人、女性37人)、中央値未満のグループを低Pi-IgG群(平均年齢67.0±9.4歳、男性73人、女性42人)とした。患者背景をみると、年齢、男女比、BMI、喫煙率、高血圧や糖尿病・耐糖能異常、脂質異常症の合併率などにおいて両群間に有意差はなかった。

 動脈硬化の指標としては、PWVと足関節上腕血圧比(ABI)を用いた。歯周病に関しては、以下の5つのリスク因子をそれぞれ0~5点のスコアで評価し、その合計点を歯周病リスクスコアとした。(1)プロービング(歯周病ポケットを測る)時の出血率(0~4%だった場合は0点、5~9%で1点、10~16%で2点、17~25%で3点、26~35%で4点、36%以上で5点)、(2)歯周ポケットが6mm以上の歯の数(0~1本で0点、2~3本で1点、4~5本で2点、6~7本で3点、8~9本で4点、10本以上で5点)、(3)喪失歯の数(0本で0点、1~2本で1点、3~4本で2点、5~6本で3点、7~8本で4点、9本以上で5点)、(4)歯根長の2分の1以上の骨吸収を認める歯の率(0~9%で0点、10~19%で1点、20~29%で2点、30~39%で3点、40~49%で4点、50%以上で5点)、(5)問診により調べた1年に喫煙するたばこの箱数(0箱で0点、1~39箱で1点、40~89箱で2点、90~189箱で3点、190~364箱で4点、365箱以上で5点)。

 解析の結果、高Pi-IgG群と低Pi-IgG群で、収縮期血圧とPWV、脈圧についてそれぞれ比較したところ、いずれの指標でも高Pi-IgG群で有意に高かった(順にP=0.0189、P=0.0101、P=0.0292)。また、高Pi-IgG群は低Pi-IgG群に比べ、歯周病リスクスコアが有意に高いことも分かった(P=0.0183)。

 一方、収縮期血圧とPWV、脈圧は、いずれも抗体価との相関傾向が認められた。抗体価と歯周病リスクスコアの間にも相関傾向を認め、さらに、脈圧と歯周病リスクスコア、ABIと歯周病リスクスコアの間にもそれぞれ相関傾向が認められた。

 これらの結果から花岡氏は、「歯周病は高血圧を引き起こすような動脈硬化と関連している可能性がある。歯周病を予防することによって、動脈硬化や高血圧の予防につながるのではないか」と考察した。
学会ダイジェスト:第76回日本循環器学会
2012年3月16日~18日 福岡
2012. 3. 19

あなたの「ハグキ」は健康ですか? 40代から備えたい歯周病対策

歯を支えるハグキや歯槽骨が気づかないうちに破壊される歯周病。50代以上の日本人に実に9割が罹患しているといわれています。加齢とともに弱ってくるハグキの健康について考えてみましょう。

ハグキの健康度をチェックしましょう!
 □ハグキがムズムズしてかゆい
 □ハグキが浮いた感じがして、腫れぼったい
 □冷たいものがしみる
 □歯を磨くとハグキから出血する
 □朝起きたとき、口の中がネバネバして不快である
 □ハグキを押すと血や膿がでる
 □口臭を指摘された、自分で口臭があると感じる
 □ハグキの色が赤黒い、ハグキが腫れている
 □歯と歯の間に食べ物ははさまりやすい
 □骨粗しょう症またはその傾向があるといわれた
 □歯を押すとグラグラする
 □ハグキが下がり、歯が長くなった感じがする
 □この頃、歯並びが変わったような気がする

あてはまる項目の中に茶色の3つが該当 重度の歯周病・・・即刻、近くの歯科医院を受診し、治療を開始しましょう

5個以上 歯周病 ・・・近くの歯科医院を受診し、歯周病を治療しましょう。
3~4個 歯周病の可能性あり・・・近くの歯科医院を受診し、歯周病をチェックしてもらいましょう。
0~2個 健康 ・・・このままセルフケアにしっかり取り組みましょう。
家庭画報 12.1月

介護報酬改定ポイント作成へ

第13回理事会が2月23日(木)、歯科医師会館で開催され、平成24年度介護報酬改定の周知を図るべく、歯科関連の主な改定のポイントである、▽居宅療養管理指導費 ▽口腔機能向上加算 ▽経口維持加算 ▽口腔機能維持管理加算の4点を中心に、改定のポイントを作成していくことを決定した。
 通知文書等に係る事項は随時日歯ホームページに掲載していく。また、全国7地区日本歯科医師会平成24年度災害コーディネーター(身元確認・災害歯科保健医療)研修会の実施要領案について協議し、全国7地区での開催と研修科目案を確認。総合的な研究を行うことにより、災害時に的確かつ迅速な対応ができる体制の整備を目指す。
 研修科目案は、▽災害時の歯科医師会の行動計画 ▽行政、医療団体、警察時関連機関との連携 ▽身元確認・歯科保健医療活動への歯科医師の派遣 ▽避難所の口腔ケア等、災害時しか保健医療 ▽身元確認作業のワークフロー ▽検索ソフト及び歯科所見データベース ▽支援物資の調達・搬送などとなっている
           日歯広報 3月5日

抜歯にあたり BP系薬剤を中断せず 小樽整形外科医会の統一見解

道歯提供のHBCラジオ番組「カムカムカフェ8020」の収録のなかで、
南樽整形さいとうの斎藤 断院長は、歯科での抜歯の際に骨粗鬆症
患者に投与されているBP系薬剤(ビスホスホネート系薬剤)を、こ
れまでは抜歯前3カ月と抜歯後3カ月、都合6カ月間投与を中断して
いたが、期間が長くその間に骨折をして心身に大きなダメージを受
ける高齢者へのリスクを考慮し、充分な抗生物質の投与を行うこと
によりBP系薬剤の投与を中断しないということが、小樽整形外科医
会の統一見解として示されたと述べた。

「おいしい」かんで感じて

しっかりかんで、おいしく」食べる大切さを伝えようと、甲府市歯科医師会など6団体が食育推進活動として乳児を対象に味覚教育を行っている。地産地消などをテーマに食材教育を実施する食育活動が多い中、味覚や嗅覚などの五感を使い、「おいしい」と感じる体の仕組みを学びながら展開するのが特徴だ。
              山梨日日新聞 2012.1.13

高齢者のケア 歯ブラシを口に入れないときは

歯ブラシを口の中に入れさせてくれない方は、①口の衛生観念が乏しい方②認知症があるため認識できない方③口の中に痛みのある方などが考えられます。口のケアが行われずに問題になるのは、虫歯や歯周病ばかりでなく、口にたまった細菌のかたまり(プラーク)や食べ物のかすが誤って肺に侵入することで起こる、誤嚥(ごえん)性肺炎などの全身疾患を併発する可能性が高くなるからです。
 ①口の衛生観念の乏しい方の場合=口の衛生の重要性を理解し、磨くことの必要性を納得していただくことが大切です。食事がおいしくなったり、口臭が無くなりさっぱりしたりすることなどから理解を深め、根気強い努力と励ましが大切です。
 ②認知症のある方の場合=簡単な方法から慣らしていく方法があります。まずお茶を飲むことからはじめ、次にお茶で口をすすぐことができるようにし、そして綿球・綿棒・ガーゼなどを湿らせ、口唇、口の中と順に清拭(せいしき)を行って、歯磨きまでもっていくようにします。
 ③口の中に痛みがある方の場合=日常生活動作の低下に伴い、口のケアの拒否でしか痛みを訴えられない方もいます。一度専門家にmてもらうことも大切です。いずれも、口に合ったケアを探すことが必要です。
              福島民報 2012.1.9

生きる力を支える歯科医療の実現に向けて

日歯は2月11日(土・祝)、昨年8月2日(火)に成立し、同10日(水)に、公布・施行された「歯科口腔保健の推進に関する法律」(歯科口腔保健法)の成立記念シンポジウム「生きる力を支える歯科医療の実現に向けて」を、都内の東京国際フォーラムで定員の800名を超す856名の参加を得て開催した。
              日歯広報 2月25日

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