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20代でも8割が歯周病 ポケット内の歯垢残さない

健康な歯の歯周ポケットは1~2ミリ程度と浅い。そこに入り込んだ歯垢を残したままにすると歯周病が進み、ポケットは深く、さらに歯垢がたまりやすくなる。最近の調査では20代の8割が歯周病を患い、小学生でも4~5割は軽度の歯肉炎を中心とした歯周病という。歯の表面の歯垢は野菜をかじることなどでも取れるが、ポケット内部の歯垢や歯石は歯科でないとなかなか取れない。
         日本経済新聞 2011.10.1

正しい歯磨き本気で覚える40代 「軽く長く」で10日後効果

指導を受けた後の週末の朝。鏡の前に陣取り、歯磨き剤を付けず上の前歯2本から磨き始める。ところが教わった通りに1~2本ずつ磨くと、思った以上に時間がかかる。10分が過ぎると口を開けっぱなしでいるのが苦痛になってきた。そのうち歯ぐきから出血した。ただ「歯ぐきで炎症を起こしている部分から歯磨き時に出血するのは気にしなくていい」そうだ。ブラッシングで歯垢がとれ、歯ぐきの状態が改善すれば出血も止まるからだ。結局、歯の表裏、奥歯の最奥まで磨き終えた時は21分が過ぎていた。しかし、もっと効率よく磨かないと毎日は続かない。その証拠に日曜の朝はいつものクセで磨き忘れ、夜は夜でアルコールが入り、ついおざなりな磨き方になる。心を入れ替えて集中して磨くうち、今度は歯ぐきに毛先が当って痛くなってきた。知覚過敏だ。そこでそこでライオン歯科衛生研究所(東京都墨田区)の主任歯科衛生士、黒川亜紀子さんを訪ねた。使い始めて数日にして毛先が開いた記者の歯ブラシを見せると、黒川さんは「力を入れ過ぎです」。力加減は「新品の歯ブラシを当てて痛くない程度」が適正という。
         日本経済新聞 2011.10.1

歯科医内科医タッグ 糖尿病と歯周病連携して治療

金沢市の医師会と歯科医師会が、糖尿病と歯周病の患者を連携して治療する事業に乗り出した。地域医療を担う内科医と歯科医が患者のデータを共有するのは全国初の試み。糖尿病の「第6の合併症」とされる歯周病を治療することで血糖値が改善することが確認されており、両会は患者のメリットが大きいとして、全県への拡大を目指している。
         北國新聞 2011.9.25

口の健康に関心高まる

民間市場調査会社の富士経済(東京)によると、2010年の電動歯ブラシ市場は前年比33%増の勢いで、今後も拡大が続く見通しだ。長年、メーカーの依頼で電動歯ブラシの製品評価をしている福岡歯科大の埴岡(はにおか)隆教授(口腔保健学)に、最近の市場動向を聞いた。口腔ケア関連市場が除々に拡大している理由の一つに、電動歯ブラシの性能向上がある。最近は「音波式」と呼ばれ、以前の機種よりもブラシの震動が速く、かつ振幅が微細で、歯垢を取り除く能力が高くなった。かつて私は、普通の歯ブラシを使った歯磨きを薦めていたが、今は電動歯ブラシを薦めている。手で磨く場合、専門家の指導を受けないと、磨き残しなどが出てくるからだ。また、口と体全体の健康の関係が解明されてきたことで、口の健康への関心も高まっている。歯周病菌は、炎症がひどい部位から血液中に入り、全身を回る。この歯周病菌が、心臓疾患や出産異常などに関与するとの研究報告が出ている。口腔ケアの関心が高まれば、全身疾患対策にもなるので、歓迎すべきことだといえる。
         西日本新聞 2011.9.15

携帯電動歯ブラシ人気 口内で転がす円盤形も

携帯用の登場で、電動歯ブラシの売り上げは大幅に伸びています」。福岡市にある天神ロフト販売促進担当の牛嶋典子さんは話す。きっかけは、昨春にパナソニックが発売したコンパクトサイズの電動ハブラシ「ポケットドルツ」。長さ16㌢で持ち運びが楽で、色やデザイン性を重視した結果、女性を中心に人気となった。天神ロフトによると、歯ブラシ以外では、口臭予防に加え、歯の汚れbを落とす「美白」関連商品を購入する人が増加。同店で最も人気があるのは、イシュア(東京)が一昨年3月に発売した「スマイルコスメティック」シリーズのホワイトニングペースト(85ミリリットル、店頭価格税込み1365円。)ポリリン酸ナトリウムなどの洗浄成分が、歯や舌の汚れを浮き上がらせるため、歯ブラシに付けて歯を磨くと除々に効果が出るという。きれいな笑顔は口元から。消費者の関心は虫歯や歯周病の予防や治療だけでなく、美白やアートなど「歯のおしゃれ」にも向いている。歯茎や唾液腺のマッサージで口内の免疫力を高め、口臭や歯周病を改善する「オーラルスパ」(70分1万2800円)や、唇にパックなどでハリや弾力を与える「リップエステ」(20分2940円)などもある。客層は7割が女性で、ほとんどは主婦や会社員。歯の見栄えや口臭を気にして、心から笑えない人も多い。自然な笑顔の秘訣は、口元の健康美です。
 

油断できない口腔がん

口の中にできるがんを口腔(こうくう)がんと呼びます。日本人に多い胃がんや肺がんに比べると、かかる人が少ないので目立ちませんが、高齢化に伴いがん患者が増える中、口腔がん患者も毎年増えています。

 口腔がんは、歯を除く口腔のすべての組織に見られます。口腔がんの中では、舌がんが最も多く、歯肉、頬粘膜、口底、口蓋(こうがい)、口唇そして歯を支える顎骨(がっこつ)にもできます。大小の唾液腺からも唾液腺腫瘍が発現し、がんも混じっています。また、胃がんや肺がんなどが口腔内に転移する場合もあり、油断できません。

 狭い口の中では各組織の粘膜は連続していますので、がんが進むと隣の組織に広がります。歯肉にできたがんは頬や口底へ、さらに舌にも広がり、歯肉に覆われている顎骨の中へも入っていきます。また、口腔がんは、初めてできた部位の大きさにかかわらず、頸部(けいぶ)のリンパ節や肺などに転移することがあります。

 進行したがんは治療範囲も大きくなり、食べる、飲み込む、話すなどの口腔機能が著しく損なわれます。さらに、顔貌も変わり、精神的負担が加わります。

 皆さんは洗顔時に鏡に映る自分の顔を、歯磨きの時には口を見るでしょう。しかし、口の奥まではのぞかないものです。口腔がんは直視でき、指で触ることができるのに、残念ながら早期に発見されないことが多いのです。

 口の中にがんができることを知らないと、がんの初期は痛みがないため気付くのが遅れます。歯肉がんで変化に気づいても歯周病と思い、粘膜が腫れて義歯で傷がついても義歯のせいにしてしまいます。舌がんでは、舌が腫れて話しづらくなり、食べにくくなってから異常に気付きます。

 口腔ほど毎日の生活でいろいろな刺激を受ける場所はありませんが、傷ついても治りやすく、たくましい組織です。だからこそ良いときも、ちょっと悪いときも口の中をのぞき、色の変化や腫れなどが見られたら放置しないでください。2センチ以下の早期口腔がんは、がんが治った場合は、治療開始から5年後の生存率が90%以上です。早期発見、早期治療が重要です。

毎日新聞社 11月28日(月) 配信

アルツハイマー病原因タンパク質 かみ合わせ悪いと増殖

岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)と江国大輔助教(同)らの研究グループは、歯のかみ合わせに異常があると、アルツハイマー病の原因といわれるタンパク質「アミロイドβ」が脳の海馬で増殖することを、ラットによる実験で突き止めた。認知症の一種であるアルツハイマー病の予防や治療につながる成果として注目される。米神経科学誌の9月号に掲載された。国内におけるアルツハイマー病の推計患者数は約100万人。高齢社会により、今後も患者数が増えると予測されている。かみ合わせが悪いと、ヒトでも認知症が悪化する可能性が高い。脳神経分野の医師らと連携し、治療や悪化予防に成果を役立てたい。
           山陽新聞 2011.9.16

歯磨きの基本

歯を失う主な原因はむし歯と歯周病。とくに歯周病は、痛みなどの自覚症状がほとんどないだけに、気づいた時は、すでに歯を保てない状態ということも少なくありません。歯周病の予防に欠かせない歯みがきの基本を、旭川保健所の渡邊さんに教えてもらいました。
・歯磨きは、力を入れすぎず、小刻みに動かす
・歯ブラシはブラシの部分が小さめの方が、細かいところまで磨きやすい
・歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、歯の裏側、奥歯の噛み合う面などが磨き残しやすい
(歯周病ケア普及歯科健診)
 旭川市保健所は、満30、40、50、60,70歳の市民を対象に行っています。料金は、500円健診は市内の医療機関で実施しています。問い合わせは旭川市保健所健康推進課健康推進係(℡0166‐26‐1111 内2951)
            ライナーネットワーク 11月8日

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