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顎関節症は生活習慣から

 一生のあいだに日本人の2人に1人が経験するともいわれる顎関節症。「あごが痛い」「口が大きく開けられない」といった症状に思い当たる人もいるかもしれない。以前は歯のかみ合わせが原因と考えられていたが、最近では生活習慣が発症の原因という考え方が主流になってきた。顎関節症になりやすい生活習慣を見直すことで、症状を緩和したり、予防したりできるという。

顎関節症になりやすい生活習慣に注意
 ■上の歯と下の歯が摂食している
 ■歯を食いしばる、歯ぎしりをする
 ■ほおづえをつく
 ■寝転がって本やテレビを見る
 ■パソコン作業などで、長時間同じ姿勢を続ける
 ■下あごを突き出すような姿勢
 ■電車や車の中で長時間居眠りする
 ■うつぶせで眠る
 ■枕が高い
             日本経済新聞 2012.2.4

(茨城)歯科医再開、地元が応援

「いよいよ再スタートだね」。今月15日の夜、石岡市東石岡の「みのる鮨(すし)」で主人の木崎稔さん(48)は、カウンターで好物の焼き魚をつまむ岡崎芳子さん(79)と喜びを分かち合った。

 岡崎さんは、市中心部で大正初期から3代続く岡崎歯科診療所の院長。昨年の大震災で診療所がほぼ全壊し、いったん廃業に追い込まれたが、建て替えが終わり、4月から診療を再開する。「これはね、命の次に大事なものなのよ」。歯科医師の免状を筒から取り出し、いとおしそうに見つめた。

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 岡崎さんは浦和市(現さいたま市)出身。大学歯学部の同級生だった義和さんに嫁いで以来、半世紀にわたり診療所での治療にとどまらず、近くの小学校の検診や患者宅への訪問診療にも通った。義和さんは15年前に亡くなったが、長女で歯科医の仁平由美さん(47)らと診療所を守ってきた。

 虫歯の治療で泣きべそをかいていた子供たちはすでに成人し、我が子を連れてくるようになった。「患者さんと道ですれ違った時、名前を度忘れしていても、口の中の様子はすぐに頭に浮かんでくる」と笑う。

 木崎さん一家とは家族ぐるみの付き合い。幼い頃から木崎さんの虫歯を治療し、結婚式の仲人も喜んで引き受けた。木崎さんの母親が亡くなった時は、真っ先に駆け付け慰めた。木崎さんの長男亮太さん(20)が小学3年の時、自転車で転んで折った前歯の差し歯は岡崎さんのプレゼント。プロゴルファーを目指す亮太さんに「プロになって、いい歯を入れる時はお金をもらうから」と励ます姿は実のおばあちゃんのようだ。

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 大震災が起きた時は診療所で患者とおしゃべりをしていた。大きな揺れが収まり外に出るとコンクリートの壁が崩れ、道路を塞いでいた。鉄骨がむき出しになった診療所を目の当たりにし、途方に暮れた。大学病院で外科医を務める長男任晴さん(49)から「東京で一緒に暮らそう」と勧められ、「私の代で診療所を潰せない」と断ったが、老い先を考えると迷いもあった。

 そんな時、再起に向けて背中を押してくれたのは地元の人たち。道端で顔なじみに会えば「入れ歯を調整してもらい、うまくかめるようになったのに、やめられたら困るよ」と頼まれた。同い年の患者たちからは「お互いに85歳まで頑張りましょうよ」と励まされた。

 木崎さんも2日と空けず自宅で茶飲み話に付き合ってくれたり、診療所の建て替えのため住宅展示場を車で一緒に回ってくれたりした。「石岡に恩返しをしたい。目がちゃんと見えるうちは、100歳になっても続けたいな」。真新しくなった診療所を前に希望を膨らませた。

読売新聞 3月30日(金) 配信

【リゾチーム塩酸塩】歯科領域での効能の削除申請の承認について

リゾチーム塩酸塩製剤各社は、平成24年1月20日付で歯科領域での
効能の削除申請が承認されたと発表しました。
この承認により、リゾチーム塩酸塩製剤は、歯科領域の適応では
使用できなくなりましたので、ご注意ください。

合格率0.1%増の71.1%   第105回歯科医師国家試験

3月19日に厚労省から発表された第105回歯科医師国家試験結果では、
出願者3,825人に対し、受験者数3,326人、合格者2,364人で、合格率
71.1%であった。前年に比べ合格者は36人減ったが合格率は0.1%
増加し、過去10年間で5番目に高い合格率で、合格者数では過去2番
目に低い結果となった。合格者の新卒、既卒別では新卒が国立89.8
%、公立80.7%、私立78.4%、全体81.4%、既卒は国立51.5%、公
立28.6%、私立47.3%、全体47.5%であった。男女別では、男性が
受験者2,056人、合格者1,404人、合格率68.3%、女性は受験者1,270人、
合格者960人、合格率75.6%となった。

合格基準として一般問題(必修問題を含む)を1問1点、臨床実地問
題を1問3点とし、次の(1)~(5)の全てを満たした者が合格した。
(1)領域A(総論・各論I)82点以上/124点(2)領域B(各論II・各
論III)130点以上/176点(3)領域C(各論IV・各論V)128点以上/
200点(4)必修問題56点以上/70点(5)禁忌肢問題選択数2問以下

無資格麻酔で起訴猶予処分 千葉県がんセンター医師ら

千葉地検は26日、資格のない麻酔をしたとして、医師法違反(無資格医業)容疑で書類送検された千葉県がんセンター(千葉市)の手術管理部長(47)と歯科医師(38)を起訴猶予処分にした。患者への実害がなかったことなどを総合的に考慮したとみられる。

 歯科医師は2010年5月から4カ月半の間に、がん患者10人の外科手術の際に資格のない全身麻酔をしたなどとして、部長は適切に指導しなかったとして、昨年7月に書類送検された。

 中川原章(なかがわら・あきら)センター長は「真摯(しんし)に受け止め、安全な医療の提供に努力する」とコメントした。

虫歯菌で大腸炎リスク4倍 難病治療に期待、大阪大

虫歯の原因となる「ミュータンス菌」の一種に感染すると、腹痛や腸内出血などを繰り返す難病の潰瘍性大腸炎となるリスクが4倍以上になることを、大阪大や横浜市立大、浜松医科大などのチームが突き止め、26日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。

 潰瘍性大腸炎の原因は、体内の免疫異常などとされるが、はっきりしていない。大阪大の和田孝一郎(わだ・こういちろう)准教授は「原因の一つが分かったので治療法の開発につながるかもしれない。一部の患者では口を清潔に保てば症状が改善する可能性もある」としている。

 チームは「コラーゲン結合タンパク質」を持つなどする特定のタイプのミュータンス菌を、薬剤で軽度の腸炎を発症させたマウスに注射した。すると腸炎が悪化し、注射しない場合の生存率が約7割なのに対し、注射すると約2割に減った。

 注射したマウスを調べると、肝臓に菌が取り込まれ炎症に関連する物質が作られていた。免疫異常の引き金とみられる。

 潰瘍性大腸炎患者98人の調査では56人がミュータンス菌に感染。うち約14%が特定タイプで、発症リスクは健康な人の4・55倍になった。

 この菌をマウスの口から与えても影響しないが、比較的少量でも血中に入ると腸炎が悪化し、生存率が下がった。歯磨きでできる小さな傷にも注意が必要という。

※潰瘍性大腸炎

 出血性の下痢や腹痛などを繰り返す炎症性疾患。難病情報センターによると、国内に11万人以上の患者がおり、毎年8千人ずつ増えている。腸内細菌や免疫の異常、食生活の変化などとの関連が指摘されている。ステロイド剤などの薬剤で炎症を抑える治療が主。重症の場合は大腸の全摘出などの手術が必要になることもある。

歯みがき中は歩かないで

子どもが歯みがき中に歯ブラシでけがをする事故で、年間平均40人前後が救急搬送されていることから、東京消防庁が注意を呼びかけている。同庁によると、2010年までの5年間で、5歳以下の乳幼児217人が救急搬送された。
 事故を防止するには、歯ブラシを口に入れたまま歩いたり走ったりさせず、歯みがきに集中させることや、椅子や踏み台の上など不安定な場所でさせないことなどが大切という。同庁では「歯ブラシの使用について、保護者らの十分な注意が必要」と話している。
                 朝日新聞 2012.1.28

歯周病 全身に悪影響 動脈硬化促進、認知症発症も

歯と歯茎の間にたまった歯垢で増殖した細菌によって炎症が起きるのが歯周病だ。口内に限定した病気のイメージが強いが、糖尿病のほか動脈硬化、肺炎など多くの病気との関連性が高いことが分かってきた。専門家は「歯周病は全身に影響を及ぼす感染症」と注意を呼び掛ける。
 動脈硬化が脳血管でも進行して脳血管性認知症を引き起こす。また歯周病が進行すると歯を失うため、かむことによる脳への刺激が減って、認知症が速く進みます。歯周病の予防策について歯周病菌が増殖する歯垢を歯磨きで地道に取り除くしかない。回数は食べかすが歯周病菌の餌になるので、できれば毎食後が望ましい。
 また若いときからの習慣化も大切だ。歯磨きを怠っていても、若いと抵抗力があるので歯周病になりにくいが、年を重ねると抵抗力が落ちて歯周病が急激に進む場合もあるという。歯垢が固まった歯石も歯周病菌が繁殖するので除去が大切だ。ただし、歯石を自分で取り除く人もいるというが、歯茎を傷つけて逆に悪化させる可能性もあります。自身で取ることは避けてください。
 また歯と歯の間などのように、歯磨きだけでは汚れが落ちにくい部分もあるため、歯科で定期的にクリーニングや歯石除去してもらうことを勧めます。
                 北海道新聞 2012.1.8

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