記事一覧

頭を傾けずに飲めるコップ 「むせ」防ぎこぼしにくく

「むせやすい」「誤嚥しやすい」と水分を控えているという方もいます。今回はこのような方に使っていただきたい、ちょっと形の変わったコップを紹介します。普通のコップで水を飲む場合、飲むに従いコップを傾け、途中コップが鼻に当たると頭を反らせて飲み干します。ところが、老化や障害で「飲む機能」が弱くなった方が頭を反らすと、流れ込む水量に対応できず「むせ」などを引き起こします。紹介するコップは、鼻に当たる部分がU字形に切り取ってあり、頭をそらさずに飲めるので、むせたりしにくくなっています。また、透明なので水分が入っていく量を介助者が確認・調節しやすく、必要以上に傾けてこぼす心配も少ないです。
              北海道新聞 2011.7.28

口の緊張「顎関節症」招く

口を開けられない、顎が痛い、カクカク鳴るなどの症状がある顎関節症。発症には様々な要因が関わっているが、上下の歯を接触させる癖が、特に大きな要因になっていることが分かってきた。口の院長は、顎の関節を押さえつけて血行を悪くし、関節の滑りが悪くなったり、痛みに敏感になったりする。こうした状態が続くと顎関節症になりやすくなる。本人は自覚がないことが多いが、この接触癖があると、舌のへりや頬の内側に、歯に押しつけられて出来た痕が残っていることが多い。
              読売新聞 2011.6.23

子どもの指しゃぶり 習慣化で発達に影響も

何らかの原因で指しゃぶりがやめられないと、習癖として残ることがあります。習癖となる原因はいくつか考えられますが、咀嚼機能がうまく発達せず、よくかむことができない場合があります。また、心理的な要因、ストレスなども関与するといわれています。このストレスは、第二子の誕生や転居などの育児環境の変化による不安などからも起こります。指しゃぶりはこれらのストレスを鎮静させるために無意識に行う動作と考えられます。以上のことから、まずは指しゃぶりがやめられなかった原因を考え、その原因が残存するのであれば可能な限り除去してあげたいものです。また、思い当たる原因がない場合、お子さん本人に指しゃぶりをしていることを自覚させることも大事です。指しゃぶりの習慣化により、食べる・話すといった口の機能の発達を妨げる可能性が高くなりますと、摂食や発育の障害を引き起こすこともあります。
              福島民報 2011.6.20

口の中清潔に

体の健康を守ることにもつながる口腔ケア。被災地で、栄養状態の悪化や口の中の不衛生な状態が原因で高齢者の誤嚥性肺炎や、子どもの虫歯の増加が懸念されている。県歯科医師会などは避難所にポスターを張り、口の中の清潔を保つよう呼び掛けている。
              岩手日報 2011.5.26

歯周病に大きな誤解 「医療新世紀」

ほとんどの人が「歯周病」という言葉は知っているものの、3割近くは虫歯と混同するなど、誤解が多いことがサンスターのインターネット調査で分かった。今年5月、全国の16~69歳の男女計千人に質問した。

 歯周病という言葉を知らない人は1・5%で、「名前だけ知っている」66・6%と「内容まで詳しく知っている」31・9%を合わせると、認知度は98・5%に達した。

 歯周病と虫歯が別の病気であると正しく理解していた人は71・4%。残る28・6%は「同じ病気」「一種」などと誤解していた。また、日本の成人の8割は歯周病とみられているが、69・2%の人は「自分は歯周病ではない」と考えており、実際と隔たりがあった。
2011年8月9日

ためになるお口の話 かまなくなった日本人

現代の日本人は和食から洋食へと食生活の転換が進み、繊維質の多い食品をあまり食べなくなりました。また、味が濃く軟らかい加工食品の消費が増えたこともあり、あまりかむ必要もなくなったのです。では、どれくらいかまなくなっているのでしょうか。食文化研究家の永山久夫氏と斉藤滋氏が昔の食事を復元して、実際にかむ実験を行っています。それによると玄米や魚の干物、クルミや長イモなど、よくかまないと栄養素として吸収されにくい食材を食べていた弥生時代の日本人は、平均して1食あたり4千回かみ、食事時間は50分でした。野菜の煮物やたくあん、半づき米などを食べていた戦前の食卓でも1400回で20分でしたが、現代は620回で10分と、戦前の半分、弥生時代の6分の1以下です。一応消化できているから問題ないじゃないかと思う人もいるでしょう。しかし、かむ回数が減ると唾液の量も減り、唾液のさまざまな恩恵が得られないだけでなく、肥満などの問題につながりかねません。次回はよくかむことと肥満予防についてお話します。
              北海道新聞 2011.7.27

受験生離れ、国試不振…歯学部統廃合論も- 歯学部サバイバル時代(上)

文部科学省によると、国公立、私立を合わせた全国29歯学部の今年度の入学定員は計2459人だが、入学したのは2158人(87.8%)。11の歯学部で定員割れとなった。
 特に、私立大の苦戦ぶりは深刻だ。全国に17ある歯学部のうち、今年度は10大学(58.8%)で入学者が定員を割り込んだ。定員に対する充足率は、最低の奥羽大歯学部で25%と2割台になった。また、競争率が2倍未満の歯学部は14校(82.4%)で、松本歯科大では受験者81人全員が合格した。

 歯学部全体の受験者数は、2008年度の1万359人から翌09年度は7122人に激減。10年度も6472人に減少したが、今年度は6805人と微増した。「下げ止まり」との楽観的な見方もあるが、これまでの減少幅を考慮すれば改善したとは言いにくい。

 受験生による歯学部離れの背景には、歯科医の過剰供給問題があるとされる。
 1960-70年代の学部増設などに伴い、歯科医の養成数は急激に増加。厚生労働省によると、歯科医院数も2009年には6万8097軒で、1984年からの25年間でほぼ6割増えた。一方で、医療費全体に占める歯科医療費の割合は、62年度は12.4%だったが、08年度には7.4%にまで下がった。

 大学関係者らは、このほかにも、▽歯科医の「ワーキングプア」などの報道▽経済状況の悪化▽医学部の定員増―などが、受験生の歯学部離れに拍車を掛けているとみている。
 「今や歯学部を受ければ合格する状況。学生の質低下が避けられない」―。そんな嘆きの声すら出始めている。

 学生不足に喘ぐ中、歯科医師国家試験(国試)の結果が振るわずに苦悩する大学もある。文科省によると、今年の新卒者の国試合格率は、全体で81.8%だった。これに対し最低の岩手医科大歯学部は64.8%で、最高の広島大(100%)との間には、35.2ポイントの格差がある。

 優秀な学生を集められずに国試の合格率が低迷し、それが受験生のさらなる歯学部離れを促しているとの見方もある。

国内初の舌圧測定器 摂食・嚥下機能など検査

ジェイ・エム・エス(JMS)は、国内初となるバルーン式舌圧測定器「JMS舌圧測定器」の販売で、歯科医療機器メーカーの大手のジーシー(GC、東京都文京区)と連携した。食物を咀嚼したり飲み込んだりする際に、舌の動きによって生じる筋力の最大舌圧を測定する医療機器で摂食・嚥下機能のスクリーニング検査に使用する。診療するのは口腔外科医が多く、歯科医への強力な販路を持つGCと、口腔外科への国内独占販売契約を結んだ・JMSでは、初年度に国内で300台の販売を計画している。
              化学工業日報 2011.6.13

過去ログ