東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城両県の沿岸部で、口の中で繁殖した雑菌が気管に入ることで起きる誤嚥性肺炎が多発する危険性が指摘されている。発生から3ヶ月が過ぎても水道が復旧せず、歯磨きが十分にできていない地域があるためだ。昨年より誤嚥性肺炎の死者が増えた病院もあり、医療関係者は雑菌の繁殖しやすい夏場に向け、警戒を呼び掛けている。
毎日新聞 2011.6.18
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城両県の沿岸部で、口の中で繁殖した雑菌が気管に入ることで起きる誤嚥性肺炎が多発する危険性が指摘されている。発生から3ヶ月が過ぎても水道が復旧せず、歯磨きが十分にできていない地域があるためだ。昨年より誤嚥性肺炎の死者が増えた病院もあり、医療関係者は雑菌の繁殖しやすい夏場に向け、警戒を呼び掛けている。
毎日新聞 2011.6.18
歯科疾患の予防などによる口腔の健康の保持(歯科口腔保健)の推進に関する施策を総合的に行うための「歯科口腔保健の推進に関する法律」は8月2日の衆院本会議で、全会一致で可決、成立した。
法律では基本理念のほか、国・地方公共団体、国民らの責務などを定めている。
施策としては、▽歯科口腔保健に関する知識の普及啓発▽歯科検診受診の勧奨▽障害者らの歯科検診受診の促進▽歯科疾患の予防措置▽口腔の健康に関する調査・研究の推進―を提示。国はこれらの実施に向け、方針や目標などの基本的事項を策定・公表する。都道府県は、国の方針などを踏まえた基本的事項の策定に努めなければならない。
永久歯は上下14本ずつ、計28本あるのが一般的だ。とはいえ、生まれつき多かったり少なかったりする例は珍しくなく、学会の初の調査では1割の人に欠如が見つかった。先天性欠如や過剰は、歯並びやかみ合わせに大きな影響を与えることもあると専門医は言う。親はどう対応すればよいだろう。日本小児歯科学会が07年~08年度に7歳以上の約1万5500人に行った初の全国調査によると、先天性欠如は10%、過剰は5%に見つかった。欠如が多いのは第2小臼歯(6歳臼歯の隣)、側切歯(前歯の隣)だが、どの歯にも起こりうる。過剰歯上の前歯にできることが多い。過剰歯の多くは他の歯より小さく、前歯が正しく生えるのを邪魔するので、抜歯するケースが大半だ。一方、欠如した場合に問題になるのは、かみ合わせだ。一般的に乳歯は、どの子にもすべて生えそろっている。乳歯があった所に永久歯が欠如し、隙間ができると、前後や上下に歯が動いたり伸びたりして歯並びが崩れる。あごにかかる力が非対称になり、あごが変形することも。上の前歯が足りない場合は、目立つだけでなく、上の歯列のアーチ(弧)が小さくなるため、受け口になることがある。欠如や過剰の予防法はない。ただ、X線写真で早めに見つかることは可能だ。前歯なら1、2歳から、12歳臼歯でも7歳になれば多寡が分かるという。
毎日新聞 2011.6.19
主任看護師のAさんは、ICUにいる男性患者さん(70代)の口臭が気にな
っていました。意識障害で開口状態のため、口腔内が乾燥し舌苔がついていたの
です。
そこでAさんは、“舌苔を取る”ことに重点を置いて口腔ケアに取り組みまし
た。ところが後日、患者さんのお口の中を見てハッとします。
「また舌苔がこびりついている!? 入室されたとき、しっかりきれいにしたは
ずなのになんで……」
すぐに、他の看護師が舌苔のケアを行なっていないことに気づいたAさん。ミ
ーティング時、看護師全員に「舌苔を必ず取るよう徹底してください」と呼びか
けました。
4日後、患者さんの口臭は明らかに改善されていました。その変化には、お見
舞いに来た奥さまも気づきます。
「あれ? お父さんのお口のニオイしないね」
不思議そうに、でも嬉しそうにご主人の顔をのぞき込む奥さま。その様子を見
て、Aさんは思ったそうです。
「口腔乾燥症の患者さんのケアでは、“舌苔を取る”ことが必須。今後も、その
ことを看護師全員で共有し、毎日継続して行なわなければ!」
Aさんの表情は、患者さんへの思いと口腔ケアへの情熱に満ちていました。
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虫歯予防に3つのポイントを挙げます。ミュータンス菌、歯そのもの、食事の取り方。それぞれの対策を考えます。
ミュータンス菌には、食後すぐの歯磨きが有効。食べかすや歯垢を取り除き、菌を退治できるからです。歯ブラシが届きにくい歯の間をきれいにするデンタルフロスの使い方も早いうちにおぼえましょう。生えたての永久歯の奥歯をミュータンス菌から守るため、細かい溝をふさぐシーラントという方法も広まってきました。歯自体を丈夫にするにはフッ素の力を借ります。歯医者でもフッ素を塗ってもらえますが、毎日の歯磨きでフッ素入りの歯磨き粉を使うことが重要。フッ素をすべて洗い流さないよう、口をすすぐのは少量の水で2、3回程度にしましょうと言います。念入りに口をすすいでいた昔とは、考え方が変わりました。最近の研究で分かってきたことも。口の中のつばは酸を中和し、溶け始めの歯を修復する働きがあるのです。しかし、食後20分くらいは酸の力が強く、歯が溶けやすい状態が続きます。だらだら食いのような間食は、歯にとって良くありません。
東京新聞 2011.6.14
バイオフィルムとは、ヌルヌルとした薄い膜状の物質に覆われた細菌の集団で歯の表面や歯周ポケットにへばりつくことで、さまざまなトラブルを起こす。歯周病のみならず、口臭や歯の黄ばみ、歯石や虫歯など、それら全ての原因となっていることがわかってきているという。その形成機序は、唾液の有機物(特定の糖たん白質)が歯面に付着することでペリクルと呼ばれる唾液の保護膜を形成。特定の口腔常在菌がペリクルに付着(初期定着菌群)し、後期定着菌群の出現を経てバイオフィルムは作られる。その後、一部は再石灰化して歯石になる。バイオフィルムは、常に毒素を放出している。そのため、この毒素が血液中に入り込み、血管を通じて体内を巡ることで、動脈硬化や糖尿病など全身疾患とも密接な関わり合いを持っている。
化学工業日報 2011.6.7
Qおやつや普段の食生活で気を付けられることはある?
A砂糖の摂取量が多いと虫歯になりやすいので、間食などで砂糖の量をコントロールする必要がある。代用糖を利用するといい。間食の回数は1日2回程度で時間を決める。だらだら食べるのは良くない。ベタベタと歯にくっつくような食べ物も良くない。唾液が出るようなある程度かみ応えがある食べ物が良い。
Qフッ素は虫歯予防に効果がある?
A歯からカルシウムが溶け出すのを防ぐとともに、再石灰化にも効果がある。1歳6ヶ月児健診や3歳児健診で希望者にフッ素塗布をしているが、市販の歯磨き粉でもフッ素入りのものがあるので上手に活用するといい。
Q卒乳できない場合、気を付けることは?
A哺乳瓶を使っていて、前歯が虫歯になるケースがある。1歳半ぐらいでやめられるといいが、やめられない場合は中身を白湯(さゆ)に変えるなどの工夫ができる。
山形新聞 2011.6.6
Q乳歯は生え替わるから虫歯になっても平気?
A放っておくと、歯の形が変わったり、抜かなければいけなくなったりして、永久歯の歯並びに影響する。また、きちんとかむことができなければトータルの成長発育に影響する可能性もある。
Q子どもが歯磨きを嫌がらないようにするにはどうしたらいいの?
A歯が生えていないころからガーゼなどで軽く口の中を拭いてあげたりすると、口の中に歯ブラシを入れることに抵抗感を持たないのでは。仕上げ磨きは長時間にわたると嫌がるので、指で唇を押さえ、きちんと歯が見える状態で効率よく磨けるようにするといい。歯茎と口の内側をつなぐ線のような「小帯」の部分は痛みを感じるので特に気を付けて。年上のまねをしたがる習性をうまく使って、年上のきょうだいや親と一緒に歯を磨くのもいいのではないだろうか。