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高機能な歯磨き剤、強化

 ▽世代別に提案
  各社が特に力を入れるのは歯周病予防だ。80歳になっても20本以上の歯を保つ啓発活動などもあって、残っている歯の数はどの年代でも増えている。厚生労働省の歯科疾患実態調査(2005年)を基に花王が調べたところ、20歳以上で残っている歯の総数は23.9億本と1993年に比べて13%増えた。花王のオーラルケアグループの小田原竜二郎さんは「歯が残っていれば、それだけ虫歯や歯肉炎にもなるし、手入れも必要になります」と指摘。
 ▽美容にも重視
  女性を意識した商品も目立つ。20~50代の女性620人を対象にしたライオンのアンケートでは、90%近くが歯を美しく保つことを意識して歯を磨くと回答。化粧品を選ぶような感覚で歯磨き剤を選ぶという人も多かった。
  花王は30~40代の女性をメーンターゲットに、年齢とともに悪化する口内環境の正常化を目指す「薬用ピュオーラ」を打ち出す。
              山口新聞 2011.4.4

口内環境 きれいに保つ

みなさんは、口の中に「唾液」という液体があるのをご存知ですね。口の中をいつも潤し、物を食べたとき、湧き出てくるあの液体です。いわゆる「ツバ」ですね。
 この唾液、たいせつな働きをしているのですが、あまり知られておらず、ほとんどの人にとって「くさい」「汚い」「気持ち悪い」の3Kのイメージを持たれているようです。
 唾液を冠した言葉も「天にツバする」「ツバも引っかけない」「睡棄すべき」「眉ツバもの」「虫唾がはしる」など、ろくなものがありません。嫌われ者の唾液ですが、私たちが物を食べたとき、唾液が食べ物のうま味を溶かし出してくれるからこそ、おいしく味わうことができます。
 また、唾液は消化管の入り口である口を浄化し、その環境を維持していく働きを担っています。唾液が少なくなることは、唾液が本来持っている機能を損ない、口の中の”砂漠化”を促進します。
 もし私たちの唾液の量が半分になったら、食事の際、物をかんだりのみ込むのに苦労するようになります。また、口の中がいつも乾いて、ひりひりべたべたするだけでなく、歯茎から血が出やすくなり、口臭も強くなります。ひどくなると食べ物の味が分からなくなったり、口の中の痛みや渇きで夜も眠れなくなることさえあります。現代人の食生活やライフスタイルは、ストレスなど口の中を砂漠化させる要因に事欠きません。
          北海道新聞 2011年(平成23年)6月1日

歯型で身元確認15% 歯科医師会集計で判明

福島県南相馬市と相馬市で東日本大震災で犠牲となった916人のうち、約75・9%(696人)が身体的特徴や所持品から身元を確認し、歯型照合で確認した人が約15・7%(144人)だったことが日本歯科医師会のまとめで9日、分かった。

 このほかにはDNA鑑定が約7・4%(68人)、指紋による確認は約0・8%(8人)だった。

 同医師会によると、5月15日までに身元確認できた南相馬市の437人、相馬市の479人について調べた。

 歯型での確認は、相馬市では約23・1%(111人)だったが、南相馬市は約7・5%(33人)にとどまった。南相馬市は歯科医院も被災し、カルテ紛失で照合ができないケースが多かったという。

 相馬市は歯型が比較的多かったが、日本歯科医師会の柳川忠広(やながわ・ただひろ)常務理事は「犠牲者に高齢者が多く、遺族が歯の特徴や入れ歯の形を覚えている人がいたのが要因」と話している。

 日本歯科医師会では震災以降、5月30日までに全国から延べ898人の歯科医師を派遣、岩手、宮城、福島の3県で計約7800人の遺体の身元確認作業を行った。

 同医師会によると、2001年の米中枢同時テロでは歯型照合による身元確認が約35%、04年のスマトラ沖地震では約57%と高い成果を挙げた。

歯みがきポーチで被災者支援

日歯は5月20日(金)、宮城県歯の協力の下、東日本大震災での被災者の誤嚥性肺炎予防やむし歯、口内炎、歯周病の進行防止を支援する「歯~トどけるプロジェクト」を、大震災の爪痕を残す石巻市の避難所を中心に実施した。
 プロジェクトでは、宮村一弘副会長、倉治ななえ常務理事及び同市内で開業している山本壽一宮城県歯副会長らが避難所を訪ね、口腔ケアグッズを同封したポーチ5千セットを届けるとともに、グッズの使用方法や避難所生活における誤嚥性肺炎、う蝕、歯周病を予防するためのアドバイスを行った。
              日歯広報 5月25日

[歯の衛生週間](中)虫歯の母子感染に注意

 「虫歯は母親の口から子どもに感染する」--。鹿児島市内の産婦人科で毎月開かれている妊婦や乳児の母親らを対象とした虫歯予防の勉強会で、歯科医の講義を聞いた母親の何人かは「知らなかった」と驚き、不安げな表情を浮かべる。

 かごしま口腔(こうくう)保健協会発行の「むし歯予防事典」によると、乳幼児の虫歯は母親から感染するケースがある。食べ物を母親が口移しで与えたり、母親の箸やスプーンで食べさせたりすることが原因という。

 県歯科医師会学校歯科運営委員会副委員長の坪水良平さん(鹿児島市)は「子どもに感染させないためにも、出産前に早い段階で自分の虫歯を治し、出産後も口の中は清潔にしておくことが大切」と説く。

 80歳までに20本以上の歯を残すことを目標にした「8020運動」も、妊産婦を含めた乳幼児期からの啓発が重要になる。県は、あらゆる機会を捉えて運動を推進している。県の依頼を受けた運動推進員が町内会など各地の様々な会合で虫歯予防法などを説明しており、その回数は年間800回にも上る。

 市町村も歯科医師会などと連携し、育児相談や妊婦健診などで地道な啓発活動をしている。

 5月下旬に鹿児島市保健所に育児相談に訪れた鈴木茉美さん(28)は、11か月の長女への食事の与え方や歯磨きの方法を学んだ。「参考になった。1人で子育てしていると分からないことばかりなので、相談してよかった」と喜ぶ。

 4人の子どもを持つ主婦(36)も、妊婦健診で虫歯予防教育を受けて意識が高まった。「虫歯が発育に悪影響を及ぼすと聞き心配になった。ほかの病気と同様に考え、子どもたちを定期的に診てもらっている」と話した。

 ただ、子どもの虫歯への親の関心は高いとは言えない。鹿児島市が独自に導入している1歳児から就学前の幼児までの4種類の歯科健診の受診率は60~70%台。坪水さんは「他の病気に比べ、虫歯への対応は遅れがち。乳児の虫歯を放置すれば永久歯の形成障害に結び付くこともあるので、定期健診などで予防を徹底してほしい」と呼びかけている。
2011年6月6日 提供:読売新聞

石こう歯型を大量投棄容疑 被疑者不詳で会社捜索

兵庫県洲本市の空き地に石こうの歯型が大量に不法投棄されていたことが分かり、県警生活環境課は8日、被疑者不詳の廃棄物処理法違反容疑で、同市の医療用具製造販売会社など2カ所を家宅捜索した。現場には100キロを超える歯型が捨てられており、同課は継続的に捨てていたとみて調べる。

 捜索容疑は今年5月上旬、洲本市五色町広石下の池の脇に産業廃棄物の石こう歯型約14キロを投棄した疑い。生活環境課によると今年2月中旬、近隣住民が「大量の歯型が投棄されている」と県警洲本署に通報。歯型の中から医療用具製造販売会社に宛てた石こう材料の送り状が見つかった。

[歯の衛生週間](上)乳幼児虫歯 ワースト常連

 「鹿児島は虫歯のワースト常連」--。県内で配布される虫歯予防の啓発チラシや冊子には、こんな不名誉なフレーズが記されている。特に虫歯の乳幼児が多いのが鹿児島の特徴だ。

 県の統計によると、県内の虫歯になった乳幼児の割合を示す「有病者率」は2009年度、1歳6か月児が4・12%(全国平均2・52%)で、全国で低い方から46位、3歳児が29・85%(同22・95%)で同34位。1985年度以降、ずっと全国平均より悪く、歯の健康は県にとって長年の課題だ。

 なぜ虫歯が多いのか。県内の複数の歯科医は「孫に甘い祖父母」の影響を口にする。

 県内でも特に虫歯が多いのは郡部や離島。虫歯のある3歳児の割合が県平均より約8ポイント高い西之表保健所管内の西之表市健康保険課によると、「孫をかわいがる祖父母が菓子を多く与えてしまう」という母親からの相談が多く、県平均より約15ポイント高い屋久島町でも同様の相談があるという。

 社団法人かごしま口腔(こうくう)保健協会(鹿児島市)が03年度に実施したアンケート調査で、虫歯予防への祖父母の理解が不足している場合、孫に虫歯が多い傾向が出たこともあるという。

 「家族の絆が強く、祖父母が子育てに関わる頻度が高いことが、乳幼児の虫歯の一因ではないか」。歯科医らは推測する。

 鹿児島市歯科医師会で子どもの虫歯対策を担当する歯科医・浜坂卓郎さんは、「高齢者を含め県民の予防意識が長年低かったことが、現在まで響いているのではないか」と指摘する。

 そんな中、少しずつだが改善も進みつつある。かつて全国平均との差が20ポイント以上あった3歳児の数値も、09年度は約7ポイント差にまで縮小した。

 「各地で予防教育が進んだ成果」。浜坂さんが胸をはるように、汚名返上に向けた行政、医療機関などによる啓発活動が年々活発化している。
2011年6月6日 提供:読売新聞

レントゲン撮影時の放射線量はどれくらい?

『放射線量』という言葉を耳にしない日がないこのごろ、敏感になっておられる方も多いのではないでしょうか?また、臨床で行うレントゲン撮影時に受ける放射線量はどのくらいなのでしょうか。今回は日常生活と放射線について原子力2005放射線医療総合研究所等調べによる資料を基にまとめてみました。
 放射線は自然放射線と人工放射線に分けられます。自然放射線とは宇宙、大地、食物から等、日常生活の中での線量のことです。世界平均の一人当たり年間自然被ばくは2.4ミリシーベルト。東京⇔ニューヨーク間の飛行機往復では0.2ミリシーベルトなので12往復すると年間自然被ばくと同じ量に・・・。
 人工放射線とは、レントゲン撮影等で受ける放射線量のことを言います。健康診断で行う肺のX線集団検診では1回あたり0.05ミリシーベルト、胃のX線集団検診1回では0.6ミリシーベルトです。
 さて、歯科での放射線量は、パノラマ撮影で0.0436ミリシーベルト、デジタル撮影で0.0391ミリシーベルトとなっています。歯科治療でのレントゲン撮影を不安に思う方に、このような情報を提供してみると良いかもしれません。

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