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若い女性の歯退化 鶴見大教授ら学生調査、7-8割が親知らず欠如

鶴見大短期大学部(横浜市鶴見区)の後藤仁敏教授と田中宣子講師が、女子学生124人の歯型を調べた結果、若い女性のかむ力が弱くなり、親知らず(第3大臼歯)の退化が進んでいることが分かった。後藤教授は「乳児期にもっと固い食べ物をかむ習慣が必要」と指摘する。【網谷利一郎】

 対象は歯科衛生科で学ぶ学生で、18~20歳。咋春、上下のあごの石こう模型を採取し、歯の特徴を調べた。

 歯数は24~32本で平均28・2本。基本の32本は6人だった。上あごの親知らずの欠如が82・2%。その前の第2大臼歯も退化が進み、三角形に変形傾向が見られる。第1大臼歯への影響も出ている。下あごの親知らずの欠如は71・8%だった。

 後藤教授は「人類の歯の退化予測」を新人・現代人段階(抜歯も含め32本)と未来型現代人段階(28本)に分類。調査では未来型が57・3%で、新人・現代人は12・1%、中間(29~31本)が24・2%だった。

 05年から女子学生の歯の調査を続ける後藤教授は「若い女性は、かむ力が年々弱くなっている。歯の退化を防ぐのは、人類史的な重要課題」。田中講師も「ソフトな食品が人気だが、乳児期にしっかりかむ習慣が大切。今年も歯型を調べ、データを積み上げたい」と意欲を示した。
2011年6月1日 提供:毎日新聞社

潤い保ち感染症予防 避難先での口腔ケア マッサージで唾液出す

東日本大震災では、多くの人が避難所や被災した自宅で生活している。避難生活で体調を崩さないためには、うがいや歯磨きなどの口腔ケアが欠かせない。感染症や口の中の細菌が肺に入ることで起きる誤嚥性肺炎を防ぐ効果があるためだ。被災地で口の中を清潔にする方法について、歯科衛生士らの話を基にまとめた。
 胃や鼻から栄養を吸収している場合も、口腔ケアは欠かせない。口に食べ物が入らなくても、汚れはたまるからだ。きれいにすることで「気持ちがすっきりし、気分がふさぎがちな被災生活のメンタルケアのみつながる」と強調する。
 口の中に潤いを与えるために、唾液を出すマッサージを勧める。顎の内側にある唾液腺を親指で指圧する方法で、唾液には自浄作用があるので、清潔さも保てる。食事前にやると、消化を助ける。
               日本農業新聞 2011.4.7

誤嚥性肺炎防止へ口腔ケア指導

東日本大震災の避難所で心配されている高齢者の体調管理。通常の介護でも重視される口腔ケアは、水や歯磨き粉が不足する生活の中で後回しにされがちだが、、怠ると口の中に細菌が発生し、誤嚥性肺炎を招くこともある。家庭で介護している人も、口腔ケアの基礎知識を知っておきたい。
 避難所には支援物資として飲料水は届いていたが、ショックや混乱から口の衛生を気に掛ける人はいなかった。東日本大震災でも、避難所では栄養面に重点を置いた支援が講じられているが、口腔ケアがどこまで徹底されているか不明だ。洗面所についても十分な数や広さがないとみられる。
 歯ブラシがない場合は、食後にうがいをすれば食べかすや舌への付着物を除去できる。水が限られる場合は、少量でできるだけうがいの回数を多くすることが大切だ。歯が少なく粘膜の露出が多い人は、歯ブラシの代わりに綿棒を使い、食べかすをなで取るようにしてもよい。義歯については、避難所では人目を気にして、汚れても外さない高齢者がいた。毎日の洗浄が難しい場合は、週2、3階でも構わないので水洗いを。水がなければティッシュなどで拭くだけでもいい。
               神戸新聞 2011.4.5

子どもの虫歯の少なさ、11年連続で全国トップ 新潟県「意識の高さ」胸張る

子どもの虫歯の少なさで00年から都道府県別で全国トップを続ける県は、10年の調査でも平均本数が0・75本(治療済みの歯も含む)と最少で、11年連続トップになった。一方、国は10年度までに全国平均を1本以下にする目標を掲げていたが、達成できなかった。06年に全国に先駆けて1本を切った県は、順調に減らしている。

 文部科学省が、永久歯のほぼ生えそろう12歳(中学1年生)を対象に毎年行っている調査によると、10年の全国平均は1・29本。1本を切ったのは新潟を含めて6県にとどまる。新潟は06年に0・99本になり、09年の0・80本からさらに減少した。県内の中学校で調査したところ、虫歯が1本もない生徒は64%に上るという。

 県は1981年から「虫歯半減10カ年運動」をスタート。当時は5・03本と全国平均5・9本をやや下回る程度だった。歯を強くするという、フッ素を含む水で口をすすぐフッ素洗口の教育現場での普及や、小中学校の検診で虫歯だけでなく、表面が白っぽくなるなど虫歯になる前の段階で歯科医受診を勧めるなど、予防に重点を置いてきた。

 08年には全国初の歯科保健推進条例を制定。県健康対策課は「長年の取り組みで予防の大切さが浸透し、県民の意識の高さが一番の要因ではないか」と胸を張る。
2011年5月27日 提供:毎日新聞社

水につけ置き歯ブラシ除菌

長野セラミックス(千曲市)は、歯ブラシに付着した細菌を除去するセラミックス製品を4月下旬に発売する。新開発の粒状のセラミックスボールと歯ブラシを一緒に水につけ置くことで除菌する。口腔衛生の意識が高い女性や高齢者らの需要を見込み、手軽な除菌商品として売り込む。
               信濃毎日新聞 2011.4.3

私立歯科大・歯学部、受験者全員合格校も

大幅な定員割れが問題になっている私立歯科大・歯学部で、今春も全国17校のうち10校が定員を満たさなかったことが、文部科学省の調査でわかった。

 半数を超える大学の定員割れは3年連続で、全体の競争倍率も1・52倍と低く、「大学によっては質的に一定レベルの入学者が確保できていない」との指摘も出ている。

 入試結果は、25日に開かれた同省の「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」で報告された。それによると、私立の入試は一般、推薦などを含め、入学定員1825人(前年度比66人減)に対し、4393人(同75人増)が受験、合格した2896人(同72人減)のうち、1524人(同35人増)が入学した。

 昨春に比べて、定員割れした学校数は1校減。今春は、5大学で定員を削減したこともあり、全体の定員充足率も83・5%と5ポイント改善した。各校別にみると、最も充足率が低かったのは、奥羽大で25%。北海道医療大、神奈川歯科大、松本歯科大も充足率が6割を切った。国公立では、東北大だけが定員割れした。

 また、競争倍率が、十分に選抜機能が働くとされる2倍を下回った大学は14校に上った。6校が1・1倍以下とほぼ無競争に近い状態で、松本歯科大は81人の受験者全員が合格していた。

仮設歯科診療所 実効性ある運用確保を

日歯は5月11日(水)、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県歯の箱崎守男会長、宮城県歯の細谷仁憲会長、福島県歯の金子振会長とともに厚労大臣室を訪ね、5月2日(月)に成立した第一次補正予算における仮設歯科診療所の整備を実施するに当たり、建物を新たに建設せずに仮設歯科診療所とする場合、歯科診療に必要な設備や機材の整備が事業の対象となるよう配慮することなどを細川律夫厚労大臣に要望した。
            日歯広報 2011年(平成23年)5月15日

(佐賀)「歯10本以上で認知症予防効果」

75歳以上で身の回りのことを一人でできる人(自立高齢者)のうち、歯が10本以上残っている人の割合は、認知症の場合より2・2倍高いことが、県歯科医師会の調査でわかった。同会では、早めの口腔(こうくう)ケアが認知症予防に効果があるとみて、関係機関と連携して啓発を進めている。

 県歯科医師会は2008年から10年にかけて、県内の75-84歳の計682人(男性278人、女性404人)を対象にアンケートを実施。このうち、自立高齢者は587人で、認知症の人は95人。認知症のため自ら説明できない人には、介護者から聞き取りした。

 その結果、歯が10本以上残っている人は、自立高齢者が49・6%だったのに対し、認知症の人は半分以下の22・1%にとどまった。「硬いものがかめるか」という質問でも、「かめる」と答えたのは、自立高齢者が70%で、認知症の人は40%。自立高齢者の65・4%は入れ歯をしているが、認知症の人は35・8%と低かった。

 同会では、実際にそれぞれの口腔状態を調べたうえで、北九州市にある九州歯科大の柿木保明教授(摂食機能リハビリテーション学)にデータの分析を依頼。柿木教授は「要介護度が進んでいる人ほど、口腔機能が低下していた。認知症の進行とも因果関係があると推測される」との見解を示した。

 結果を踏まえ、歯科医でなくても、口の中の清潔度や病気などを確認できるチェックシートを1500部作成し、県内の保健所や介護施設などに配った。

 中心となって調査を進めた歯科医の服部信一さん(59)は「早期に虫歯や歯周病の治療を行ったり、入れ歯を入れたりして、かむ機能を維持すれば、認知症の予防をしたり進行を遅らせたりできる可能性がある。高齢者に歯の定期健診を受けることや早めのケアを促したい」と話している。
2011年5月22日 提供:読売新聞

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