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歯周病 糖尿病との関係に注意

歯が失われる最大の原因は歯周病だ。45~54歳では、歯周病にかかっている人の割合がぐっと増え、4割を超える。さらにこの年代では、歯周病と糖尿病との関係にも注意が必要になってくる。糖尿病の患者は全身の免疫力が弱っており、歯周病菌に対する抵抗力も弱い。新たに歯周病にかかる率は非糖尿病患者の2.6倍。かかった後の進行も速く、重症化しやすい。金沢医療センターでは3年前から、入院患者に対する口腔ケアの往診に取り組んでいる。中尾部長は「術前のケアで手術後の肺炎などの罹患率が大きく下がる」と説明する。歯周病は歯だけ、口の中だけのトラブルではない。全身の健康にもつながると考えながら、歯磨きに精を出そう。
         北國新聞 2011年2月17日

口臭 正しい歯磨きで予防

年齢を重ねるとともに「口臭が気になるようになった」とう例は少なくない。加齢に伴ってだ液分泌が減るのがその原因。殺菌作用を持つだ液が減ると、口の中で細菌が繁殖して臭いがきつくなるのだ。ほかに糖尿病や更年期障害などもだ液分泌の低下を促す。口臭が厄介なのは、どれくらい臭うのか自分では分からない場合が多いこと。鼻は、つながっている自分の口の臭いを常にかいでいるため、悪臭にも慣れてしまうのだ。口臭の原因の多くは歯の磨き残し。細菌の温床、歯垢になるからだ。サイズが合わないかぶせ物と歯のすき間や、虫歯の穴などには食べ物がはまりやすく、特に注意が必要だ。歯垢がたまれば歯周病に進展し、進行すると細菌によって歯根にうみが蓄積して、さらなる臭いの原因となる。口臭の改善と予防には、原因となる病気の治療と同時に、一にも二にも歯磨きが大事。
         北國新聞 2011年2月16日

入れ歯のお話 毎晩はずして洗って

入れ歯の大部分はアクリル樹脂という歯よりかなり軟らかい材質でできています。そのため、落としたり乱暴に扱うと、傷ついたり壊れたりします。傷ついたところには、汚れが付きやすくなり、そのために残っている歯にも汚れが付きやすくなってしまいます。また、夜寝るときに、入れ歯を入れたままの方もいるかと思いますが、これですと、寝ている間は唾液があまり出ないために、口の中でまた汚れてしまいます。では、どうしたらいいでしょう?実は簡単です。入れ歯を毎晩はずして洗えばいいんです。先にも言いましたが、入れ歯は軟らかいので、力任せにゴシゴシ洗うのではなく、やさしくこするようにして洗ってください。そして、きれいになった入れ歯を水の中に入れてお休みください。入れ歯は、乾燥すると変形して、痛みの原因になることがありますので、痛みの予防のためにも水に入れてください。できるなら、除菌のできる洗浄剤に一晩入れておくのもいいと思います。詳しいことは、かかりつけの歯科医院でご相談ください。
         福島民報 2011年2月21日

入れ歯紛失で命の危険も 避難長期化で歯科医ら警告

避難生活が長期化する中、突然の地震と津波で入れ歯をなくしたまま過ごす高齢者らの健康面が心配されている。食料や衣類の不足などに比べ軽視されがちだが、阪神大震災では口腔(こうくう)内の衛生悪化が肺炎を引き起こし、震災関連死につながったケースも。被災地では歯科医らが懸命に診療に当たっている。

 約800人が避難する宮城県女川町の総合体育館。フロアに開設された救護所を無職平塚幸悦(ひらつか・こうえつ)さん(77)が訪れ「痛くてご飯が食べられない」と訴えた。平塚さんは津波から逃げる途中、下の入れ歯を一部紛失。上の入れ歯のかみ合わせも悪かった。

 診察した地元の歯科医木村裕(きむら・ゆたか)さん(54)が「十分に器具がそろってないから、応急処置だけど」と声をかけながら、外した入れ歯を器具で削り、上あごにはめ直すと、平塚さんは「力が入るようになった」とにっこり。

 木村さんの診療所は津波にのまれ全壊し、当初は自らも体育館で避難生活を送りながら救護所に。その後は同県石巻市の兄の自宅から連日駆けつけ、避難者らの治療に当たる。

 「入れ歯が津波に流された」「栄養が偏り、口内炎ができた」など患者の症状はさまざま。専用の薬がないと、入れ歯を洗えないと思い込み、口の中の衛生状態が悪化している高齢者もいた。

 医療関係者が懸念するのは、口腔ケアの不足により、避難生活で免疫力が低下した高齢者に肺炎が広がること。

 実際に阪神大震災では、入れ歯を紛失したり、水不足で洗わなかったりして、口の中の細菌が増えた高齢者に「誤嚥(ごえん)性肺炎」が多くみられた。神戸市によると、避難生活で持病が悪化したことなどが原因で亡くなった震災関連死約920人のうち、約4分の1を占めた肺炎の中には、誤嚥性も目立った。

 木村さんは「避難所暮らしが長引けば、歯科治療が命にかかわる場面が必ず出てくる」と心配する。

 全国の歯科医師会などは、被災地に歯ブラシや歯磨き粉を提供。ただ避難所に届かず、倉庫に積まれたままの被災地もあるという。あるベテラン歯科医は「神戸の教訓を、ぜひ無駄にしないでほしい」と訴えている。

在宅・障害者歯科医療の状況を検証

中医協総会が3月2日(水)、厚労省内で開催され、平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査として、平成23年度には在宅歯科医療及び障害者歯科医療の実施状況や、在宅医療の実施状況及び医療と介護の連携状況など6項目を実施することを決めた。本年6月までに調査項目等の検討を行った上で、7~8月に調査を実施し、9月の総会での報告を目指す。
        日歯広報 2011年(平成23年)3月15日
    

いびき ④ 子供の無呼吸症、サイン見逃さないで

成人のいびきは肥満が原因であることが多いが、子供の場合、口蓋扁桃やその奥にある咽頭扁桃(アデノイド)の肥大が大半だ。6歳ごろまでは生理的に扁桃が大きくなるが、大きくなり過ぎると気道を狭め、いびきや無呼吸を引き起こす。いびきで睡眠の質が下がると、イライラとして落ち着きがなくなったり、集中力が続かず学習意欲が低下するなど学校生活に影響が出る。また、睡眠中の成長ホルモンの分泌が低下し、発育に支障を来すこともある。扁桃を切除する手術をした途端、身長や体重が増え出す子供も少なくないという。
 ★子供の無呼吸症の主なサイン★
  ■夜の症状
   ・寝息が荒い、いびきをかく、睡眠中時々息が止まる
   ・いびきに伴い胸がへこむ
   ・寝返りが多く、おねしょや多量の寝汗をかく
   ・睡眠中、突然せきこむ

  ■昼の症状
   ・いつも口を開けて呼吸している
   ・イライラしやすく、怒りっぽい
   ・遅寝、遅起き、昼寝が長いなど睡眠・覚醒のリズムが
狂っている
   ・飲みこみに支障がある、食事に時間がかかる
   ・育ち盛りなのに体重や身長が増えない
               毎日新聞 2011年2月18日

いびき ③ 確立した治療法 合併症も予防

重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されその日から始めたのがCPAP(シーパップ)療法。枕元に置いたティッシュ箱大の装置で空気を加圧し、ホース伝いに鼻マスクから送り込む。保険が適用され月約4500円で貸してもらえる。SASは命にかかわる合併症を引き起こす。健康な人に比べ、高血圧が3倍、心疾患が2倍、脳血管障害が2倍とされ、1時間に20回以上の無呼吸がある人は8年後の生存率が63%に落ち込むという米国の調査もある。軽~中等症者は横向きで寝るだけでも効果がある。下あごを少し前に出すマウスピースも市販されている。
               毎日新聞 2011年2月17日

いびき ② 重症者は脳や血管に負担

いびきによる呼吸は、睡眠時に舌やのどの筋肉が緩み、舌根が沈み込んで気道咽頭をふさぐため、細いストローでするようなもの。専門家は「努力呼吸」と呼び、強い音は努力が激しい証拠だ。睡眠中も盛んに心臓が働き続ける上、血中の酸素飽和度が繰り返し下がるので脳や血管に負担がかかる。体形もカギになる。首やのどに脂肪がつく肥満は一大因子だが、細身でもあごが小さいと舌が収まらず気道に落ち込みやすくなる。あごの細いスリムな人が中年太りすると黄信号だ。
               毎日新聞 2011年2月16日

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