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早食いは太る? 血糖値急上昇脂肪に転換

 早食いが太りやすいことは今や常識となりつつあります。よくかまずに早く食べることで、脳が満腹感を感じる前につい食べ過ぎてしまい、カロリーオーバーとなって肥満を招きやすくなる、早食いにより食欲を抑制するホルモンの量が減るなどが理由だと考えられています。しかし、食べる量が同じでも、早食いは太りやすいのです。名古屋大医学部のグループが、愛知県内の約5千人を対象に、食べる速度を「かなり遅い」から「かなり速い」まで5段階に分類。食べる量の違いや運動習慣が体重に与える効果を統計的補正した上で、純粋に食べる速さと肥満との関係を調査しました。その結果、食べるのが「かなり速い」人は「かなり遅い」人に対して、男性で6.9キロ、女性で5.9キロも平均体重が重いことが明らかとなったのです。早食いが肥満を招くのは、一気に食べることで急上昇した血糖値を抑えるためにインスリンが大量に分泌され、血液中の糖が脂肪に転換されるためと考えられています。「早食い」という行為そのものが肥満の原因になるわけです。また、毎回のようにインスリンが大量動員される食生活は膵臓の消耗を招くため、早食いは糖尿病予防の点からも好ましくありません。現代の若い人に多い、高カロリーのファストフードを糖分たっぷりのドリンクでほとんどかまずに流し込む食べ方は、肥満のみならず糖尿病への危険性が高いといえます。早食いの癖は若い時に身につきやすいようです。子供のころから、繊維質の多い歯応えのある食材を、ゆっくりよくかんで食べる習慣を身につけることが肥満や糖尿病の予防につながるのです。
                北海道新聞 2011.8.3

よくかみ歯並びきれいに すき間ない乳歯は永久歯に影響

一般的に、歯並びやかみ合わせに問題がある場合を「不正咬合」と呼ぶ。「乱ぐい歯」や「八重歯」など歯が一列に並ばずデコボコしているものや、前歯や上あごが前に突き出ていたり、下あごが前に突き出ていたりするものもある。歯並びが悪いと、歯磨きがしにくいため虫歯や歯周病にもなりやすい。歯並びは遺伝と考える親は多いが、食事や生活習慣、癖による影響が大きい。子どものうちは、きれいな歯並びの土台となるあごの骨が育ちやすい。歯が生えそろってきたら、1日3食しっかりかんで食べることが大切。姿勢も癖も、歯並びに影響を与える。食事の際には、足がブラブラした不安定な姿勢だと、かむ力や回数が減ってしまう。体に合ったイスを用意したり、踏み台を置いたりする。足元が安定すれば、しっかりかめて、あごの骨も発達しやすい。食事の際、いつも横にあるテレビを見ていて、奥歯のかみ合わせがずれた例もある。よい姿勢を保つことが重要だ。4歳を過ぎての指しゃぶりも注意が必要。上下の前歯が閉じない不正咬合になることもある。
                読売新聞 2011.7.8

アンチエイジング(1)口と全身 老化度一致

JR鶴見駅に近い鶴見大学歯学部付属病院。2005年に歯科大初の「アンチエイジング外来」が設置された。検査で老化度を判定し、防止策をアドバイスしてくれるという。

 外来診察室に入り、木製のどっしりとした机の前に座った。病院長の斎藤一郎教授に、気になっていたことを尋ねた。「なぜ歯科でアンチエイジングを?」

 「口と全身の老化度は一致しているんです」と斎藤教授。歯が抜ける、かむ力が弱まる、唾液が減る……。こんな変化が起きると、体にも様々な影響が出る。逆に、体の病気が、口の症状として表れる場合もあるそうだ。「口の機能を維持して、全身の健康を保とうというのが、僕らの考えるアンチエイジングなんです」

 斎藤教授は56歳。スリムな体形。メタボとは無縁そうだ。年より若く見える。

 「こういう仕事をしているのに、老けていたら説得力がない。人のことを言う前に、まず自分を直せと言われますからね」。食べ物をはじめ、生活習慣に気を使っているそうだ。さすがプロ。「心構えが大事」。メモ帳にそう書き込んだ。

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 検査が始まった。まず口の中。虫歯や歯周病などをチェックする。続いて唾液の量。唾を飲みこむ力や、かむ力なども測定した。

 口の周りが終わると、体全体に移る。血液、血管の硬さ、骨密度、脳機能、尿、毛髪などの検査が続いた。

 問診も受けた。「ど忘れをする」「甘いものをよく食べる」「肩がこる」などの約90項目に、「全くなし」から「高度にあり」までの5段階で答える。睡眠時間、飲酒量、運動量なども記入した。

 検査は約3時間。終わった時には、ぐったり疲れていた。これも私の老化度を示すのか。結果は次回に。
2011年8月18日 提供:読売新聞

コツ押さえて歯磨きを

細菌の固まりである歯垢(プラーク)は、歯磨きで取り除く。▽磨く前に歯ブラシで歯磨き剤を歯の全面に塗る▽泡立たせて2~3分磨く▽吐き出して少量の水で口を一回すすぐ という方法。歯磨き剤を勧めない専門家もいるが、フッ素の効果を生かすには、よく泡立てる方法が適しているという。歯垢がたまりやすいのは、歯と歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯のかみ合わせなど。意識して磨くのはもちろんだが、歯と歯の間は糸状のデンタルフロスを使い、歯間が広くなぅた高齢者は歯間ブラシを使う。
               東京新聞 2011.7.5

おいしく食べるために 舌の汚れを定期的に取る

よくかめるように、自分の歯や入れ歯の手入れをしっかり行うことは、おいしく味わって食事を取る上でとても大切です。年齢を重ねると舌で味を感じる動きが鈍り、除々に味を、特に塩味を感じにくくなるといわれています。いくつかの原因はありますが、舌の表面に付いた汚れを取り除くことにより、塩味と酸味が改善されるようです。舌をあまり強く磨くと傷ついてしまうので、歯ブラシで舌の表面の汚れを取るときには、一度に全部取るのではなく、毎日歯磨きの最後に定期的にブラッシングをしましょう。
              福島民友 2011.6.24

頭を傾けずに飲めるコップ 「むせ」防ぎこぼしにくく

「むせやすい」「誤嚥しやすい」と水分を控えているという方もいます。今回はこのような方に使っていただきたい、ちょっと形の変わったコップを紹介します。普通のコップで水を飲む場合、飲むに従いコップを傾け、途中コップが鼻に当たると頭を反らせて飲み干します。ところが、老化や障害で「飲む機能」が弱くなった方が頭を反らすと、流れ込む水量に対応できず「むせ」などを引き起こします。紹介するコップは、鼻に当たる部分がU字形に切り取ってあり、頭をそらさずに飲めるので、むせたりしにくくなっています。また、透明なので水分が入っていく量を介助者が確認・調節しやすく、必要以上に傾けてこぼす心配も少ないです。
              北海道新聞 2011.7.28

口の緊張「顎関節症」招く

口を開けられない、顎が痛い、カクカク鳴るなどの症状がある顎関節症。発症には様々な要因が関わっているが、上下の歯を接触させる癖が、特に大きな要因になっていることが分かってきた。口の院長は、顎の関節を押さえつけて血行を悪くし、関節の滑りが悪くなったり、痛みに敏感になったりする。こうした状態が続くと顎関節症になりやすくなる。本人は自覚がないことが多いが、この接触癖があると、舌のへりや頬の内側に、歯に押しつけられて出来た痕が残っていることが多い。
              読売新聞 2011.6.23

子どもの指しゃぶり 習慣化で発達に影響も

何らかの原因で指しゃぶりがやめられないと、習癖として残ることがあります。習癖となる原因はいくつか考えられますが、咀嚼機能がうまく発達せず、よくかむことができない場合があります。また、心理的な要因、ストレスなども関与するといわれています。このストレスは、第二子の誕生や転居などの育児環境の変化による不安などからも起こります。指しゃぶりはこれらのストレスを鎮静させるために無意識に行う動作と考えられます。以上のことから、まずは指しゃぶりがやめられなかった原因を考え、その原因が残存するのであれば可能な限り除去してあげたいものです。また、思い当たる原因がない場合、お子さん本人に指しゃぶりをしていることを自覚させることも大事です。指しゃぶりの習慣化により、食べる・話すといった口の機能の発達を妨げる可能性が高くなりますと、摂食や発育の障害を引き起こすこともあります。
              福島民報 2011.6.20

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