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歯科医が金歯リサイクル 小児ホスピスに寄付

日本歯科医師会は22日、いらなくなった金歯や入れ歯の回収、リサイクルでこれまでに計約1億6千万円が集まり、日本初の小児ホスピスと、小児がん専門の治療施設のために寄付すると発表した。

 日本歯科医師会と日本財団が2009年から取り組み、全国の約3200の歯科医院から計約540キロの金歯や入れ歯が集まった。これまでは多くが医療廃棄物として捨てられていたという。

 寄付を受ける重度障害などの子どもと家族のためのホスピス「海のみえる森」は神奈川県大磯町で12年秋の完成を目指す。運営団体の理事長で聖路加国際病院副院長の細谷亮太(ほそや・りょうた)医師は「支援の輪が広がり、とてもありがたい」と話した。

 小児がん患者のための治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」は神戸市中央区に13年春に開設予定。2施設とも歯科医が口腔(こうくう)ケアの分野で協力する。

 歯科医師会は今後も全国の歯科医院に不要品の回収を呼び掛ける。
2011年2月23日 提供:共同通信社

集団フッ素洗口・塗布 日弁連が中止求め意見書

集団フッ素洗口・塗布について、有効性、必要性、実施上の安全
性などに疑問があるとし、中止を求める意見書を日本弁護士連合会
(宇都宮健児会長)が1月21日に発表した。意見書は今月2日に厚労
相、文科相、環境相に提出している。歯科におけるフッ化物応用を
巡る問題では日本歯科医学会は平成11年11月に、「う触予防を目的
としたフッ化物応用を推奨する」との見解をまとめ、日本歯科医師会は
12年12月に日歯医学会を全面的に支持する見解を発表している。
 日弁連のフッ素に関連した意見書は2回目。意見書は、昭和56年の
時と同様に市民団体などから人権救済の申し立てを受けて行われた
もの。

 ●日弁連の意見書は精査している段階 (厚労省)

 厚労省医政局歯科保健課は、日弁連の集団フッ素洗口などの意見
書について「う触予防には多様な方法があり、各地域で実情にあっ
た対応が行われていると考えている。日弁連の意見書の内容につい
ては、現在、精査している段階」とコメントした。

(香川)抜いた歯供養 医術向上誓う 歯科医ら30人参列

治療などで抜かれた歯に感謝する「歯の供養祭」(県歯科医師会主催)が20日、高松市錦町の県歯科医療専門学校で営まれ、歯科医師や歯科技工士、歯科衛生士ら約30人が参列した。
歯科医が抜歯した約50本が祭壇に供えられ、同会の豊嶋健治会長が「消化や発音など、口腔(こうくう)内で果たしてきた役割に感謝と哀悼の意を表します」とあいさつ。参列者が献花した後、全員で「歯の疾患を予防し、早期発見と治療を徹底して寿命を延ばすため、医術の錬磨に努め、患者様に最善を尽くします」と、誓いの言葉を唱和した。
供養された歯は、同校で授業に使われるほか、金や銀の冠はリサイクル業者に売却し、売り上げを福祉事業に寄付するという。

2011年2月21日 提供:読売新聞

千葉県がんセンター、歯科医の医科麻酔で家宅捜索

 千葉県がんセンターは2月18日、同センターの歯科医が指針で定めた手続きをとらずに医科麻酔を行っていた疑いがあるなどとして、医師法違反容疑で千葉県警の家宅捜索を受けた。同センターは家宅捜索で、書類やカルテなどを押収されたという。
 捜査対象となっているのは、同センターで研修中の30歳代の歯科医師。2010年5月からの約半年間で50回前後の医科麻酔を実施していた。歯科医による医科麻酔は、研修目的であれば認められる。ただし研修を実施するには、厚生労働省の「歯科医師の医科麻酔科研修のガイドライン」に基づく手続きが必要だ。
 ガイドラインでは、研修を希望する歯科医師が所属施設の長や研修施設の長などから承認を受けた上で、インターネット上で登録を行い、研修修了時には報告を行うなどの手続きが定められている。また、歯科医師が研修目的で麻酔行為に参加するには、患者への説明や同意が必要となる。各症例については、研修指導者である麻酔科指導医、麻酔科専門医、麻酔科認定医が責任を負う。

 家宅捜索を受け、同センターは「問題はないものと認識しているが、捜査には全面的に協力する」との声明を発表。担当者らが事情聴取などに応じている。

 同センターには、麻酔科専門医1人、麻酔科医員2人のほか、十数人のパート医が勤務。加えて、2010年度は4人の歯科医が研修を行っていた。

虫歯のもと「ねばねば」作る酵素、初めて解明

虫歯のもとになる“ねばねば成分”を作り出す酵素について、静岡県立大などの研究チームがその立体構造を初めて解明したと17日発表した。
この酵素だけをねらい撃ちし、虫歯を効果的に予防する薬などの開発に役立つと期待される。
虫歯は、糖分の一種で粘着性の「グルカン」にすむ細菌から出る酸が、歯を溶かして起こる。グルカンは歯周病を起こす歯垢(しこう)の原因にもなる。グルカンを作るのはミュータンス菌の出す酵素「グルカンスクラーゼ」で、でんぷんを分解する酵素アミラーゼなどと似た構造だが、詳しい違いまではわからなかった。
同大の伊藤創平助教らは、この酵素を人工的に大量に作り出すことに成功。X線を使って分析した結果、アミラーゼにはないらせん状構造の部分などが、グルカンを作り出す機能にかかわっていることがわかった。グルカンスクラーゼの働きを邪魔する物質には、緑茶に含まれるカテキンがあるが、立体構造がわかれば、他の食品での探索や化学合成の手がかりになる。
2011年2月19日 提供:読売新聞

口内炎 ④ がん治療時の口腔ケア重要に

口内炎は、がん患者が抗がん剤や放射線治療を受けているときに頻繁に起こる副作用の一つだ。単発的なアフタ(浅い潰瘍)とは異なり、口の中の広い範囲が赤く腫れ、痛みも強い。潰瘍からの出血で口の中に血の塊ができて舌がうまく動かせなくなり、食事はもちろん会話もままならないがん患者もいるという。抗がん剤治療を受ける患者の4割、骨髄移植治療のため大量に強い抗がん剤を投与される患者の8割が口内炎を発症する。
                                   毎日新聞 2010.1.13

チームの力で“食べる力”を引き出す

回復期病棟に勤める看護師Kさんは、あるとき脳梗塞の男性患者さんを担当することに。その方は嚥下障害が見られ、食事はペースト食でした。しかし、そのペースト食をほとんど食べません。Kさんが心配して理由を尋ねても、「食べる気がしない」と小さな声で答えるだけです。じつはこの患者さんは脳梗塞で倒れてから、うつ状態になっており、精神的にも落ち込んでいたのでした。
“口から食べて、元気を出してほしい”と願うKさん。ある日、お見舞いに来た奥様と病室でお話をしていたときのことです。「元気だったときはお芋が好きで、コロッケならいくつでも食べたのに」と奥様がポツリといわれました。
「もしかしたら、コロッケなら食べてくれるかもしれない」
そう思ったKさんは、さっそく栄養士に相談。話を聞いた栄養士は、見た目はそのままで、嚥下しやすく調理した特製コロッケを作ってくれました。しかしこれだけでは、本当に安全に食べられるか不安があったKさん。今度は歯科へ相談に行きました。歯科では患者さんの入れ歯を調節してくれ、さらに動きが鈍っていた舌のストレッチ法を教えてくれました。
舌のストレッチを取り入れた口腔ケアを続けて数週間。嚥下テストをしてみると、食塊の送り込みや嚥下の機能が少し回復していたのです。これなら大丈夫と思ったKさんは、担当医師のもとへ。許可をもらって、栄養士が作った特製コロッケを患者さんに出してみました。
目の前にコロッケが出てきた瞬間、大きく目を開いた患者さん。食事介助をしていたKさんは、その表情を見て“これはいける!”と思ったそうです。患者さんがコロッケをゆっくり嚥下すると、その様子を見守っていた医師、栄養士、歯科衛生士から一斉に笑みがこぼれました。一人の患者さんを専門職が力を合わせ支えている。このときは心から、チーム連携の素晴らしさを実感したとKさんはいいます。

口内炎 ③ 長引くときは医療機関受診を

口の中にはすぐに治るアフタ(浅い潰瘍)しかできないと思っている人が意外と多い。いつも「単なる口内炎」と思いこんで安心してはいけない。「ほおの口内炎が治らない」と訴えてきた患者がいた。この患者は依然、アフタができて医療機関を受診したときにステロイドの入った軟こうを処方され、すぐに治ったことがあった。今回も同じだろうと思い、残ってきた薬を1ヶ月ほど使い続けたが、実は口腔がんで進行した状態だった。がんに限らず、長引いたり繰り返しできる口内炎は、深刻な病気が原因であることも多い。
                                  毎日新聞 2010.1.12

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