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口腔ケア 介護領域で重要性見直し

口腔ケアとはただ口の中をきれいにする(磨く)だけではなく、虫歯や歯石の除去、不適合になった入れ歯の修理、清掃、高齢に伴う唾液の減少への対応、嚥下や咀嚼機能の改善などさまざまな内容が含まれています。また、口腔ケアを行うことにより誤嚥性肺炎を防ぐことができます。以前は、あまり口腔ケアは重要視されていませんでした。なぜなら口の中が磨かれていなくても命には別条ないと考えられていたからです。しかし、高齢化社会となり介護領域が注目されるようになった近年、口腔ケアの重要性が見直されてきました。その代表例が「誤嚥性肺炎」です。
 老人性肺炎を起こした人の多くは、寝ている間に通常食道へ流れていく唾液が何かのはずみで肺に流れてしまったときに起こるものです。口の中には多くの口腔内細菌があり、これらが呼吸器の奥深くまで入り、かつ抵抗力が低下している場合には肺炎による生命の危険が非常に高まります。肺炎を繰り返す場合には、口腔内が不衛生であることが考えられます。口腔ケアを行うことにより、誤嚥性肺炎に関連する発熱と、肺炎および死亡者数が減少するということが近年報告されていることから、ますます高い的確な口腔衛生の管理が求められることでしょう。
                   福島民友 2010.11.19

歯周病5 歯間ブラシやフロスを使って

歯周病の進行を防ぐには、口の中を常に清潔にしておくことが重要だ。そのためには日々の手入れが欠かせない。どれだけ歯磨きを徹底しても、取ることのできる口の中の汚れは60~70%と言われる。これを補うのが歯間ブラシだ。歯と歯のすき間の大きさに合わせて、さまざまな太さのものがあり、いずれも薬局やドラッグストアで購入できる。また、歯の表面に付いた汚れをふき取る「フロス」という糸状の道具もある。歯間ブラシが入らないような、狭いすき間でも使うことができ「歯と歯茎の間に糸を当てて汚れを取ることを意識して」とアドバイスする。
                    毎日新聞 2010.11.26

歯周病4 歯磨きで進行を防ぐ

歯周病は自覚症状がないまま少しずつ進行し、歯がぐらぐらするなどの症状が出た時には、既に相当悪化した状態だ。しかし症状が出る前でも、歯磨きなどで口の中を常に清潔にすることで、進行を防ぐ、あるいは遅らせることができる。日ごろの心がけ次第で、症状が大きく左右される病気でもあるのだ。注意がいるのは、歯と歯のすき間が広くて磨きにくい奥歯だ。ここは毛先の角の部分を歯のすき間に埋め込むようにすると効率がよいという。また同じように磨きにくい前歯の裏側は、歯ブラシを縦にすると毛先が当たりやすい。こうして1本ずつ順番に磨くように歯ブラシをかければ、磨き残しが少なくて済むという。
                   毎日新聞 2010.11.25

歯周病3 喫煙が環境面で最大の危険因子

歯周病には、生活習慣やストレスなどの環境も影響することが知られている。中でも最大の危険因子とされるのが喫煙だ。NPO法人・日本歯周病学会(東京都豊島区)によると、たばこを吸う人が歯周病になるリスクは、吸わない人の2~8倍で、吸う本数が多い程危険も増える。
 また、喫煙による血管の収縮が、歯周病の早期発見も妨げる。歯周病は自覚しにくいが、歯茎からの出血がそのサインとなる。だが血管の収縮によって出血が抑えられてしまい、気付かない間に重症化することもあるのだ。
                   毎日新聞 2010.11.24

餅を詰まらせ、5都県でお年寄りら10人死亡

1日から2日にかけて、東京、神奈川、埼玉、千葉、和歌山の5都県で、お年寄りら計10人が餅を喉に詰まらせ死亡した。
東京消防庁は「餅は小さく切ってよくかみ、高齢者や子どもの場合、家族がそばに付き添ってほしい」と呼びかけている。
同庁によると、東京都内では、2日午後8時までに24人が病院に運ばれ、このうち6人が死亡した。死亡したのは70-82歳の男性5人と95歳の男性。うち5人は自宅で雑煮を食べていた。
他の4県でも、1日午前に61-89歳の男女4人が餅を喉に詰まらせ、死亡した。
2011年1月3日 提供:読売新聞

口腔ケアは歯科治療と一体化

第10回理事会が12月16日(木)、歯科医師会館で開催され、多職種連携における歯科医師、歯科衛生士が行う口腔ケアに係る現時点での見解を決定した。見解では「歯科治療と一体化」した歯科医師、歯科衛生士が行う口腔ケアは、口腔に形態・機能の回復を含めた総合的な歯科医学・医療の観点から実施されることが特徴であり、こうした行為は「歯科医師及びその指示を受けた歯科衛生士が行う歯科医行為に該当する」と指摘。また、効果的に口腔ケアを提供していくためには、歯科医師、あるいは歯科医師と歯科衛生士がともに参画する必要があることを主張した。
 口腔ケアを実効あるものとして定着させていくためには、医療関係者の口腔ケアに対する理解を深め、効果的な役割分担と連携を促進していくことが「不可欠」と説いた。
                2010年(平成22年)12月25日

いつまでも美味しく食べるために必要なこと

昨年、肺炎で亡くなった11万2千人のうち、65歳以上の高齢者は10万8千人。大きな問題となっているのが誤嚥(ごえん)性肺炎です。食べ物が胃に行かず、肺に入るんです。物を飲み込む力が落ちてくると、だ液や口の中の汚れが肺の中に入り、体力が落ちていると肺炎になるんですね。この誤嚥性肺炎の大きな原因は「口の中の不潔」と「口の機能の低下」です。認知症のお年寄りの口腔ケアは、「口の中を綺麗にする」だけではなく、「口の機能を守り、機能が低下したら元に戻してあげる」という意識が大事です。
 高齢者は、飲み込む力が低下し、のどの筋力が落ちてきます。昨年、全国で9401人が食べ物をのどに詰まらせるなど、不慮の窒息で亡くなりました。50代からどうぞ気をつけてください。うまく飲み込めなくなったお年寄りでも、あお向けに寝て頭を上げる訓練や舌を突き出してつばを飲む訓練で、飲み込む力やのどの筋力を鍛えることができます。また、口から食べて腸を通すことは、免疫力を守ることにもなります。健康は「食べる・しゃべる・笑う」3つの健口からです。常に口を積極的に使ってください。
            2010年(平成22年)12月7日(火曜日)

健康増進法での歯科健診の実施義務化は困難

厚労省は健康増進法に基づく歯科検診実施の義務化について、
「困難である」との見解を示した。自民党の衆院議員、秋葉賢也氏が
1日に提出した「歯科医療の充実に関する」質問主意書に答えたもの。
秋葉議員は、歯科検診が国民の健康増進に重要な役割を果たし
ていると指摘。その上で、法的に実施義務があるのは母子保健法に
よる1歳6ヵ月、3歳、学校保健安全法による就学時、学校健診に限ら
れ、健康増進法による40歳以上の基本健診に歯科検診が含まれてい
ないとし、歯科検診実施の義務化と、労働安全衛生法による歯科検診
実施義務化の立法化の有無を聞いた。
  厚労省は、「国民の健康の増進に向けた自主的な努力を促進する
ために定めている」のが、健康増進法とし、健康増進事業実施者に
対し、「歯科検診の実施のみを義務付けるのは困難」と回答。また、
労働安全衛生法による歯科検診の立法化についても、「労働者の業
務に関連する健康障害を防止する観点と関わりなく歯科検診の実施
を義務付けるのは困難」とした。

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