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つまようじ法で歯垢除去

歯を失う原因の9割を占める虫歯、歯周病を防ぐ予防歯科。「歯を抜かず、削らない歯科治療を目指し、各人に応じた予防処置をする」と岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)は語る。
 虫歯や歯周病の原因は、ミュータンス菌をはじめとする口腔内の細菌。細菌と、細菌が糖類を材料に作る代謝物からなる歯垢(プラーク)が歯の表面や歯肉との間に付着し、症状を進行させる。細菌が出す酸で歯が溶けたり、歯周病が生じたりして歯を失うのだ。
 歯垢はうがいでは除去できず、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロス(糸式ようじ)で取り除く必要がある。ここで役立つ歯磨き法が「つまようじ法」。岡山大歯学部の渡邊達夫名誉教授が考案し、歯周病の予防・治療に効果を挙げている。
 同法はまず、歯ブラシの毛先を歯と歯肉の境目に当て、上の歯は下向きに、下の歯は上向きに傾ける。そのままの角度で歯の表面を滑らせ、歯間に毛の一部を入れ歯垢を押し出す。こうして毛先を出し入れする動きを1ヶ所で10回程度、歯の裏側では歯ブラシの先端部を使って繰り返す。
                   山陽新聞 2010.10.4

千葉県歯科医師会が監修、1200回かむ弁当 あすまで販売 万葉軒

駅弁業者の万葉軒(千葉市中央区)は6日、県歯科医師会が監修して約1200回かむ工夫をした弁当を発売した。「いい歯の日」(11月8日)まで同社本社や千葉駅、木更津駅売店などで販売する。
80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという「8020運動」にちなんだ「八〇二〇御弁当」(930円)で、落花生おこわやタコのうま煮、県産の野菜などを入れた。同会の担当者は「かむことは脳の血流を増やし、老化防止になる」と話す。現代の食事1回でかむ回数は約620回で戦前から半減したという。【斎藤有香】2010年11月7日 提供:毎日新聞社

お口のケアがからだを守る

●がん治療 がん治療に大切なもの
  がん治療の際、口腔ケアは大切です。抗がん剤や放射線治療による口腔粘膜炎などのお口の中の合併症を予防するとともに」、術後の発熱や感染を減少させるケースもあります。
 ●糖尿病 糖尿病と歯周病の関係
  糖尿病の人は歯周病に罹りやすく、重症化しやすい傾向にあります。また、重度の歯周病の人は、血糖コントロールが困難であり、歯周病治療が血糖値を改善しやすくします。糖尿病と歯周病の予防のためには、口腔ケアと生活習慣の改善が必要です。
 ●肺炎 誤嚥性肺炎の予防
  肺炎で亡くなる人の約9割は高齢者で、飲み込み障害がある場合の誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌などが引き起こします。口腔ケアでお口の清潔に保つことや唾液を繰り返し飲み込むことで咽頭機能が回復し、誤嚥性肺炎の予防に繋がります。
 ●認知症 認知症の予防
  よく噛んで食事を摂ることは、認知症の予防や進行遅延に役立つといわれています。脳に刺激を与え、血流量を2割増加させるからです。認知症の方の口腔ケアはとても大切です。
                   北海道新聞 2010.11.8

歯の「ばんそうこう」 知覚過敏治療などに応用

ばんそうこうのように張るだけで歯と一体化するシートを近畿大の本津茂樹教授、大阪歯科大の吉川一志准教授が開発し、28日発表した。冷たいものに触れると過敏に感じる知覚過敏症の治療や、虫歯の予防・治療、汚れを防ぎ歯の白さを保つといった応用法が考えられるという。企業と協力して5年以内の実用化を目指す。
                日本経済新聞 2010.9.29

口唇口蓋裂 系統的な治療が必要に

口唇口蓋裂(こうしんごうがいれつ)とは、唇(口唇)や口の中の上ぶたの部分(口蓋)に裂ができる病気です。500人に1人の割合で生まれるといわれています。以前は、裂を閉じるだけの治療が主でしたが、現在さまざまな職種が連携しながら治療に当たっています。
 その結果、審美的(見た目)な完成度も高くなり、リハビリメーク(一連の治療終了後の専門的な化粧)により、瘢痕(はんこん=傷あと)も分からないほどになっています。
 治療は生後直後から成人するまで継続的に行われるため、最も重要なのは中断しないことです。そのためには、かかりつけの歯科医院を持ち、病院歯科口腔外科などで一貫した治療のマネジメントを受けることが必要です。
                福島民友 2010.9.24

「あまり歯を磨かないけど、虫歯になったことが1度もない」ってホント?

歯を磨かないのに虫歯ができない人もときどきいるが、それはごくまれであり、「虫歯菌がほとんどいない人かも?」ということだ。たとえば、虫歯になる人でも、虫歯になりやすい歯とそうでない歯があります。これは歯並びによるところもありますし、また虫歯になるかどうかは、食生活や生活習慣の違いによる部分も大きいんですよ
 食事以外の時間にも甘いものをダラダラ食べたり、間食が多いと、唾液で歯を修復する時間が足りなくなり、虫歯になりやすくなります。ペットボトル症候群のように、甘い飲み物をチビチビ仕事中に飲む人も、注意が必要です、また、就寝中には唾液が減るため、虫歯ができやすいですよ
                    夕刊フジ 2010.10.9

  

口臭 犯人は 舌苔

口臭に悩む人は多い。ドラッグストアやインターネットで様々な対策製品が販売されているが、専門家は「効果が薄いものがほとんど」と指摘する。口臭の主な原因は、舌の上に白くたまる舌苔(ぜったい)。効果的な対策をとるにはまず、口臭が発生する仕組みをきちんと知っておきたい。
 口臭があれば、舌のそうじが有効な手立てになる。舌を傷つけないように柔らかい毛を使用した舌ブラシなどで、舌苔を取り去る。歯科材料メーカーのジーシー(東京・板橋)によると、「ブラシの方がへら状の製品より舌を傷めにくい」(京谷郁男・開発企画課長)という。通常の歯ブラシでは毛が硬すぎるので、幼児向けの柔らかい歯ブラシが代用品になる。
 舌ブラシの使い方は、朝の歯磨き前に数回かき取るだけ。舌を前に突き出し、舌の奥から前方に向かって軽くブラッシングすると舌苔を取りやすい。舌に強く当てたり、交互にこすったりしてはいけない。数日に1回やるだけでも十分に効果があるそうだ。
                    日本経済新聞 2010.10.10

食べる幸せ取り戻す リハビリで胃ろう外す 出前の口腔ケアも

命果てるまで、口から食べたい。そう願う高齢者は多いが、老いを重ねると嚥下(飲み込み)の機能は低下する。お腹に穴を開けてチューブを通して、胃に直接栄養を入れるための「胃ろう」をつける高齢者も増えている。
 週一回の口腔リハビリテーションで、舌とほおのストレッチや誤嚥してもはき出せるよう呼吸訓練を実施。口に入れる食事は、ゼリー状のものからとろみをつけたものへと段階を踏んだ。水分も普通に飲めるように。そして7月、チューブを抜き、胃ろうを取った。今は細かく刻めば口から食べられるまで回復した。
 口に食べ物を入れない胃ろうの場合、口の中は汚れないようでも、唾液が出ないため汚れは落ちにくい。放置すれば、かむ力が弱まり、誤嚥性肺炎の原因にもなる。通院する体力がなくなったり、寝込んだりした高齢者に対しても、口腔ケアは不可欠だ。
                    朝日新聞 2010.10.7

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