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国保と高齢者医療を統合 1200万人国保再加入へ/厚労省

厚労省は6月23日の高齢者医療制度改革会議で、後期高齢者医療制度を廃止し、サラリーマンとその被扶養者以外の高齢者は全て国保に加入させることなどを盛り込んだ論点整理を示した。約1200万人の後期高齢者が国保に再加入し、約210万人が被用者保険に移ることになる。
 75歳以上の高齢者医療を都道府県単位で財政運営する方向だが、65~74歳の扱いは先送りした。一方、若年世代の国保も都道府県単位の財政運営を図る必要があると明記。高齢者の国保は25年度から都道府県単位化するが、若年世代の国保は当面、広域化等支援方針により環境整備を進める。運営主体については、「都道府県が担うべきとする意見が多数」としながらも。「慎重な意見もある中で、引き続き十分な議論が必要」との記述に止めた。
                   道歯会通信 2010.8

医療と介護の一体的提供へ

日歯始め7団体62名が一堂に会し、「地域における医療と介護の一体的提供・歯科の役割~平成24年度診療報酬・介護報酬の同時改定に向けて~」をテーマに集中討議した役員合宿勉強会が7月28日(水)、29日(木)の両日、歯科医師会館で開催され、超高齢社会下での医療と介護の一体的提供に向けた今後の方向性として、
 ▽人の基本的な営みである「食べること」と「体を動かすこと」の二つを連動させた国民運動を関係団体と連携して展開し、高齢者の生きがいを支える▽在宅歯科医療を推進し、要介護者などに対して切れ目のない歯科医療を提供することで、食べる、会話をするなど、高齢者のQOLの向上と社会性の確保を図り、「歯科医療」から「介護」を支える、の二つを宣言した。
                       日歯広報 8月5日

唾液で病気が分かるの? がんやエイズがわかる。精度が課題の病もある。

日米の大学が、がんを見つける方法を共同で開発した。まだ実用化されていないけど、唾液に含まれる成分を調べ、それぞれのがんに特徴的な物質の濃度を測る。膵臓がんや乳がん、口腔がんを見分けられるそうだ。

唾液でわかる病気(研究中も含む)
 がん、エイズ、肝炎、過敏性腸症候群、慢性疲労症候群、アルコール依存症
働き
 食べ物を消化する、細菌や病原微生物に抵抗する、虫歯を防ぐ、舌に味覚を感じさせる
                    朝日新聞 2010.7.6
 

訪問診療 高まるニーズ

通院できない患者の自宅や施設に、歯科医が赴く訪問診療の充実を求める声が上がっている。寝たきりや認知症の高齢者、障害者らのニーズがあるが、訪問診療を手掛ける歯科医は少ない。
 公的医療保険の適用には制限があり、コストもかさむからだ。訪問診療に取り組む歯科医は「歯科難民を減らすため制限撤廃が必要」と訴えている。
                    河北新報 2010.7.3

心と食を支えるお口のケア認知症について考える②

 認知症における食の問題としては①自分で食べない、②食べてもすぐに止めてしまう、③口を開けてくれない、④食事を口の中にため込んだまま飲み込まない、⑤他の方の食事を食べてしまう、⑥ティッシュなどを食べてしまう、など多数あげられますが、これによって低栄養状態が引き起こされかねません。
 このような認知症の方の健康を支えていくために重要な役割をなすのは、認知症を抱えている家族であり、周囲の人々となります。認知症に関しての口腔ケアのエビデンスは未だ確立していないと言われています。
                      北海道経済 8月号

心と食を支えるお口のケア認知症について考える

「口」は様々な役割と機能を持ちますが、健康を維持する栄養面だけではなく、楽しく、美味しく、安全な食事、さらには人と人のコミュニケーションに必要な会話や感情表現を演出する役割もあり、特に高齢者では、日常生活において保守すべき中心的な器官の内の一つとして認識されています。
 近年「口の健康」を守るケアの方法や器具は数多く考案され、要介護高齢者の「口の健康」を取り巻く環境は改善の方向に向かっています。しかし、認知症の方には残念ながらこれらの恩恵が、効果的に行き渡っていないのが現実であって、その原因に「認知症への理解の不足」があるようです。
 認知症の「口の健康」を支えるためには、認知症に特化した特別な手技や器具は基本的に必要ではなく、むしろ認知症の方々の個々の特徴を理解することが必要不可欠とされています。
 認知機能の障害のない方や軽度に認知機能の低下が見られる方は、従来どおりの歯磨きができますが、除々に口腔の清掃度合いに”むら”が生じてきます。中等度になると簡単な清掃はできるものの複雑な清掃が困難になり、一部介助が必要でも介助の受け入れは自尊心が障害となり困難を極めるときがあります。
 高度の認知症になると通常の清掃行為が困難になり、不快感を極力軽減するような配慮が必要となります。また、同時に食事に関しても食に対する意欲の低下、摂食・嚥下機能は保持されているが一口の量や、食べる速度が不良となり食べこぼしなども出現してきます。

のみ込みやすさ 調理から

東京都豊島区の特別養護老人ホームにはそしゃくや嚥下(飲み下し)に問題のある人が16人いる。管理栄養士や介護職、看護師らは、管から栄養をとる「胃ろう」にせず、なるべく口から食べてもらう方法を歯科医の助言を受けて検討。姿勢の取り方、料理の盛り付け、介助道具の選び方などに様々な工夫を凝らす。
 軟らかく調理した食事の合間に「かりかり」とスナック菓子をほおばるのは、95歳の女性だ。忘れがちなそしゃくを促しているのだ。誤って気管に食べ物が入る誤嚥を、口に食べ物を多く入れすぎることで起こしやすい人には、食べ物を小分けにしたり、小さいスプーンを使ったりもする。
「口から」の取り組みが介護施設でほろがる一方、在宅高齢者への支援がほとんどないのが実情だ。歯科医や歯科衛生士、管理栄養士、ケアマネージャーらが、口から食べるのが難しい在宅高齢者を早めに見つけ、対応する活動を展開している。「今は家族に【食】に対する意識やこだわりがないと、食べられなくなったらすぐ胃をうに、となってしまう。在宅のお年寄りを支える地域のネットワークを作りたい。」
                 読売新聞 2010.6.25

技術進化 のど越し軟らか

できるだけ口から食べてもらう際に役立つのが「介護食」。介護が必要な人に適した食事のことで、そしゃくや嚥下(飲み下し)の機能が衰えた人にも、おいしく食べてもらう工夫が凝らせれている。
 「日本介護食品協議会」(東京)が定める自主規格に適合する介護食は年々増え、現在約500品目。生産額(2008年)も約65億円と3年間で倍増している。
                 読売新聞 2010.6.27

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