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原因の「酸蝕歯」食事で予防を

冷たいものが歯にしみる「知覚過敏」。歯の象牙質が露出し刺激が伝わり、不快な症状が起こる。原因の一つに、食品や飲料の酸により歯のエナメル質が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」がある。酸蝕歯は食生活を工夫することで予防できる。
 知覚過敏の原因ともなる「酸蝕歯」の予防は、食事の工夫でも取り組むことができる。鍵となるのが、唾液の分泌だ。唾液は安静時はほぼ中性(PH7前後)で、食事により酸性に傾いた口の中を中性に戻す働きがある。
 料理研究家で「高浜デンタルクリニック」(千葉市美浜区)の田沼敦子院長は「噛むほど唾液の分泌が促される」として、噛む回数をおのずと増やすメニューを提案している。料理のポイントは、①具材を大ぶりに切る②食材を多めに組み合わせる③薄味にする④水分を減らすなど。
               産経新聞 2010.6.3

歯科保健 新たな法律・条例が必要

政府の事業仕分けで、8020運動の普及・啓発経費は国の補助対象から外され、地方の負担は大きくなる見通しだ。補助金の増減を議論するだけではなく、総合的な対策を進める法律・条例をつくり、生涯にわたって歯や口腔の健康を保つ仕組みを整えることが大切だ。
 中高年層を対象にしている特定健診・特定保健指導は、胴回りに代表されるメタボリックシンドロームの予防を目的の一つに掲げている。歯科は食事を通して生活習慣病と深くかかわっているが、メタボ対策の中での位置づけは低いのが現状だ。特定健診を見直す際には、歯科保健の項目を明確にすることを検討してほしい。
              福島民報 2010.5.28

規則正しい生活も予防に

市販のうがい液やスプレーの多くは、香料でさわやかな気分になれるが、口臭の原因である揮発性硫黄化合物(VSC)を減らす効果は認められていない。結局、舌苔を舌ブラシで取り、同時に歯周病の治療と予防に努めるのが効果的な口臭対策だ。
 このほか、舌苔を増やさない生活習慣として、①十分な睡眠 ②疲れ、ストレスをためない ③適度な運動を挙げる。「口内は、虫歯や歯周病などを起こす細菌と、体を守る免疫細胞が常に戦っている場。寝不足やストレスを感じている時は、免疫の動きが衰えて細菌が増え、口臭が強くなる。規則正しい生活自体が口臭予防につながる。
               読売新聞 2010

舌の上に においの元

自分では気づかないが、対面する人には届いているかもしれない口のにおい。チューインガム、うがい液、香料入りスプレーなどの対策グッズが数多く販売されている。
 口の中に問題がある場合、最も大きいにおいの元は、舌の上にたまった舌苔だ」という。舌苔は、新陳代謝ではがれ落ちた口腔内の粘膜細胞や食べかすなどに、歯周病菌や虫歯菌といった口内の様々な細菌が付着し、舌表面にたまると考えられている。
 舌苔は、歯周病を引き起こす細菌の供給源とも考えられている。八重垣さんは「口臭で最優先すべきは舌の清掃。歯周病がある場合、舌苔も取り除くのを忘れずに」と話す。
               読売新聞 2010.5.27

ストレスから歯痛に

 2000年5月、静岡市立清水病院口腔外科の井川雅子さん(歯科医師)さんは東京女子医大東医療センター(東京・荒川区)精神科准教授の山田和男さんと協力し、原因不明の痛みの治療に取り組んでいる。ストレスや不眠、過労がきっかけで起きやすい。女性に多く、夫や義母との確執や、職場の人間関係の悩みを抱えているケースが多い。歯科治療後の発症もよくある。治療の痛みや不快感がストレスになったと考えられるという。
 治療には抗うつ薬が用いられる。よく使われるのは三環系のアミトリプチリン(商品名・トリプタノール)
               読売新聞 2010.5.25

お口の健康とトクホ 上手に使って歯を丈夫に

特定保健用食品(トクホ)は体調調節機能に着目し、「身体の調子を整える」などの働きがある成分を含んだ食品で、効果や安全性が動物やヒトなどへの試験で科学的に証明され、健康に対してどのような機能を持っているかを表示することを国が許可した食品です。
 歯科に関係するものは、虫歯の原因になりにくい食品と、歯を丈夫で健康にする食品があります。前者の食品に含まれる成分には、パラチノース、マルチトール、エリストール、還元パラチノース、キシリトールなどの虫歯菌の栄養源になりにくい糖質と、虫歯菌の増殖を抑制する茶ポリフェノールがあります。
 後者に食品にはキシリトール、フクロノリ抽出物、リン酸水素カルシウム、リン酸オリゴ糖カルシウム、CPP-ACP乳たんぱく分解物、POS-Caリン酸化オリゴ糖カルシウム、緑茶フッ素などがあります。初期虫歯である歯の表面のエナメル質脱灰を促進することなく、再石灰化を促進する成分が含まれます。
               福島民友 2010.5.14

片咀嚼 虫歯や歯周病の原因に

よく患者さんから、「右の奥歯がないから左でばかりかんでいた」という悩みを聞きます。通常われわれが食事するときは、右側あるいは左側の一方で数回かみ、食べ物が舌の上を移動しその反対側でかみ、左右交互にかむ側を交換しながらものを食べます。
 もし、片側の歯が何らかの原因でなくなってしまった場合、左右両側でバランスよく食べることができなくなります。かめる側だけでかむ”片咀嚼”(へんそしゃく)という状態になってきます。
 片咀嚼を予防するには、当然のことながら両側の歯でかめるよう口の中の治療を受けることが大事です。片側の奥歯が抜けている場合などは、そこに義歯などを入れ左右両側でかめるような状態にするようにします。義歯を入れることや歯にかぶせものをすることを補綴(ほてつ)といいますが、補綴方法は口の状態によりさまざまです。
 それらはかかりつけの歯科医と相談して片咀嚼がないよう治療を受け、お口のケアに気を付けて健康な状態に保つことが大切であるといえます。
               福島民報 2010.5.17

乳幼児の口のけが 転落や転倒防止を

子どもが歩き始めたばかりの1歳から3歳のころは、転倒や転落などの事故が起こりやすく、歯や口の周囲をぶつけて歯科に来院することが多い時期です。
 口の中を切る、歯が折れる、取れるといったけがを予防するために、転倒や転落を防ぐことが大切です。
 もし口の周囲をぶつけてしまったら、ほかのけがを確認、緊急度を考え、先に連れて行くのは医科か歯科かを決めます。頭も強くぶつけている場合には当然医科が優先です。意識消失の有無(すぐ泣いたかどうか?)が判断の目安です。
 見ただけでは大丈夫なようでも、レントゲン写真で見ると歯が折れていたり、しばらくして歯が変色したりすることもあります。歯科は早めに必ず受診してください。
               福島民報 2010.5.3

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