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「心のつながり」喜び 「障害者歯科」を開拓

重度の障害者に対応できる歯科は、全国でもまだ数えるほど。遠くから通ってくる親子も多く、親の高齢化が気掛かりだ。地域の障害者歯科医療を整備するために四年前から医師会に協力して、認定医の研修をしている。
 これまで百人近くを送り出した。昨年には、愛知、岐阜、三重、静岡の歯科医師や歯科衛生士らと「東海障害者歯科臨床研究会」を立ち上げた。「高齢社会への対応は、歯科全体の課題。重度障害者の在宅診療もニーズは高いのに人材が足りない。最後の務めのつもりで、がんまります」
             中日新聞 2010.3.2

口腔ケアでクリーンな毎日 円滑な会話と肺炎予防にも有効

あなたの周りに口臭のきつい人いません?口臭は、会話に妨げになるばかりではなく、肺炎の原因となってしまうこともある。食べる、かむ、しゃべる、息をする・・・。口の機能は多岐にわたるため、口は雑菌の温床となる危険性があり、特に歯は雑菌のすみかになりやすい。口の中を清潔に保つ口腔ケアを日ごろから心がけたい。
 日本口腔ケア学会(名古屋市、鈴木俊夫理事長)では、口腔環境を整えることによる効果について、①(物を)おいしく食べられる②コミュニケーションの円滑化(口臭の除去)③誤嚥性肺炎の予防(唾液や食べ物が誤って肺に入ってしまう)④爽快感などを挙げる。
             産経新聞 2010.2.26

爪かみ しかると逆効果

 指先が荒れたり腫れたりして甘皮がささくれ立ち、いつも深爪になっている。子供の指先がそのような状態になっていたら、あかぎれ・しもやけなどの手荒れのほかに「爪かみ」の可能性がある。
 爪かみが激しい子供は神経質で緊張しやすいといった性格的な特徴があるほか、親が過干渉だったり放任主義だったりと、親子関係に情緒的な安定がない場合があるそうだ。
 そして親は爪かみに気付くと厳しくしかりつけ、子供はますます不安定になり爪かみがやめられなくなるという悪循環に陥りやすいという。
             読売新聞 2010.1.28

虫歯でも歯周病でもないのに 歯が痛い

 歯の痛みというと、虫歯や歯周病などが原因だと思ってしまうが、実は、そうではない歯痛がある。
 非歯原性歯痛で次に多いのが神経因性疼痛だ。「歯に分布している神経に何らかの原因で傷がつき、過敏になった状態です。普通は痛くない程度の刺激(何かがちょっと触れるだけなど)でも、脳が痛みと感じてしまう。神経の末端が過敏な場合は、局所麻酔薬の軟膏を痛みの感じる部分に塗る。麻酔により痛みが消えます。
 神経の中枢まで過敏なら、三環系抗うつ薬で治療します。神経因性疼痛でもない場合に考えられるのは、副鼻腔炎、帯状疱疹、群発頭痛や片頭痛、うつ病、まれには狭心症や心筋梗塞などである。非常に少数だが、あらゆる可能性を検討しても原因が分からない「非定型歯痛」もある。原因は不明であるが、三環系抗うつ薬で改善可能であり、将来はその原因も解明されるであろう。
             日刊ゲンダイ 2010.2.22

ドライマウス 生活変え改善

口が乾く「ドライマウス」(口腔乾燥症)。クッキーが食べられない、世間話ができないなど、放置すれば日常生活に支障をきたす。背後にはさまざまな原因があるが、飲み薬の種類や生活習慣を変えることで改善するケースも多い。ドライマウスに悩む人は、滞在患者を含め人口の25%程度と見積もられている。
 抗うつ薬や睡眠導入剤、高血圧の薬、花粉症対策の抗ヒスタミン剤などには、口が乾く副作用がある。支障がない範囲で服用量を減らしたり、別の薬に変えるなどの対策で改善する。ストレスが原因になるケースも少なくない。
 唾液腺は自律神経の影響を受けており、緊張すると口がカラカラになるのは、交感神経が唾液腺の働きを抑えるためだ。職場環境や人間関係、家族の介護といったストレスにさらされ続けることで唾液分泌が減る。
 ドライマウスにならない生活とは。口のまわりの筋肉を鍛える手軽な方法もある。「いー」と言いながら口を横に広げた後「うー」と言いながら口をとがらせるしぐさを繰り返すとよい。また、舌を上あごにつけてはじかせるように「タン、タン」と鳴らす運動は、舌の筋肉を鍛える。舌が上あごにきちんと収納され、口も自然と閉じてくる。
             毎日新聞 2010.2.26

歯周炎とリウマチ性関節炎

近年、歯周炎と全身疾患の関係が注目されている。歯周炎に対して喫煙、糖尿病、遺伝子多型などが危険因子として作用し、その有無によって歯周炎の発症頻度や重症度が異なることが疫学研究で明らかにされた。逆に、全身疾患の発症、進行に歯周炎が影響することも明らかとなり、心臓、循環器系疾患、早産、低体重出産、糖尿病や誤嚥性肺炎などの全身疾患のリスクが歯周炎により高まることが報告されている。
 今後、歯周病と全身疾患の関わりはペリオドンタルメディシン(歯周医学)として歯科、医科提携の重要な鍵を握っていると考えられる。
 最近、臨床的または疫学的研究により、歯周炎の罹患率、歯の喪失がリウマチ性関節炎患者において増加する傾向にあることが明らかになってきた。
★結論
 多くの臨床的、疫学論文において、RA患者には、歯周炎罹患、歯の喪失が高率に認められることが報告されている。また、慢性的に進行する歯周炎は、RAにおける免疫反応に誘導された炎症の発症、遷延化への直接的な原因となり得ると考えられる。
 さらに、両疾患に共通する遺伝的、環境的、行動に関する因子が症状を装飾している。RA関連因子のなかで歯周炎の発症・進行に関与する新たな経路が解明されると予想される。
             日本歯科医師会雑誌 Vol62 №12 2010-3

医科歯科医療連携フォーラム2010

 去る平成22年3月28日(日)13時30分~17時に中小企業大学旭川校にて上記フォーラムが開催されました。演題は、がん治療における緩和ケアと口腔ケアの連携で演者は、下記の3人でした。
①緩和ケアの考え方:旭川医大緩和ケア診療部阿部泰之先生
②緩和ケアと連携する口腔ケア:旭川医大歯科口腔外科
               小神順也先生
③緩和ケアと口腔ケアの関わりと連携の将来像:旭川医大看護部
               笹田豊枝先生
 旭川医大における緩和ケアと口腔ケアとの連携についての講演で大学病院内での連携についてでした。緩和ケアは、なかなか認知されることが少なく主に現在では、がん患者のターミナルケアとしてしばしば扱われることがあります。
 3演者の先生の日頃の診療について精力的に行われているようでした。参加者からは、大学内での連携と大学外との連携について今後どのようにしていくのか?退院した患者のフォローについての質問があり今後の課題として考えていくとのことでした。

医師国試、合格率は89.2%

厚生労働省は3月29日、第104回医師国家試験、第103回歯科医師国家試験の合格発表を行った。合格率はそれぞれ89.2%、69.5%だった。
 医師国家試験の受験者数は8447人で、昨年の8428人から19人増加した。合格者は7538人で、男女別では男性が5039人(66.8%)、女性が2499人(33.2%)。合格率は89.2%(男性88.2%、女性91.3%)で、昨年の91.0%から1.8ポイント下降した。
 合格基準は、一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、一般問題196点満点中123点以上、臨床実地問題585点満点中378点以上、必修問題200点満点中160点以上(必修問題の一部を採点から除外された受験生は、総点数の80%以上)で、禁忌肢問題選択数が3問以下。

 歯科医師国家試験の受験者数は3465人で、昨年の3531人から66人減少した。合格者は2408人で、男性が1475人(61.3%)、女性が933人(38.7%)。合格率は69.5%(男性67.1%、女性73.7%)で、昨年の67.5%から2.0ポイント上昇した。
 合格基準は、一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、「領域A」(総論・各論1)129点満点中69点以上、「領域B」(各論2・各論3)173点満点中98点以上、「領域C」(各論4・各論5)200点満点中116点以上、必修問題70点満点中56点以上(必修問題の一部を採点から除外された受験生は、総点数の80%以上)で、禁忌肢問題選択数が2問以下。

 医師国家試験は2月13-15日、歯科医師国家試験は同6-7日に実施された。
更新:2010/03/30 13:20  キャリアブレイン
追加:http://www.desnet.co.jp/topics/103result.asp#2

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