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部分入れ歯 効果的利用で失う歯少なく

 ある程度歯を失ってしまうと、どうしても「部分入れ歯」を受け入れなければならない時期がやってきます。できる限り失う歯を少なくして、一生総入れ歯にならずに「部分入れ歯」で食い止めることもできるのです。
 そのためには次のような点に注意が必要です。まず、作った入れ歯が「痛くない」「慣れてきた」「噛みやすい」と思っていても、問題のないときほどかかりつけ医での定期的な微調整が必要です。それは毎日調子よく使っている間に、少しずつ噛み合わせの力の分散が変化しているからです。
 入れ歯の清掃も、歯磨き剤などでゴシゴシ強くこすってはいけません。もちろん入れ歯だけでなく残っている自分の歯の清掃も大事です。歯があちこち抜けると、歯ブラシの当て方は、意外に難しいものです。定期診査では入れ歯の調整と同時に、残っている歯の清掃の仕方も再度指導してもらうようにしましょう。
              福島民友 2010.2.12

口腔ケア(清掃)<入歯の清掃>

高齢者の多くの方が義歯(入れ歯)を使用していますが、清掃が不十分であったり、取り扱い方が正しく行われていないことがあります。ここでは、義歯について基本的なことを簡単にお話しします。

1. 義歯清掃を怠ると…
・むし歯や歯周病
・義歯性口内炎
・口臭の発生
・義歯床下粘膜の炎症
・細菌代謝物により義歯の材質が変色

2. 義歯の着脱方法5つのコツ
体位安定→頭部を安定
開口度→大きく開けすぎない(唇が横に広がるように)
指→指で口角部を横に押し広げる
順序→大きい方(上顎義歯)を先にすると後の操作が簡単!!
回転挿入→回転するようにして出し入れするとスムーズにできる

3. 義歯の清掃
★食後や寝る前に義歯をはずし、流水下で歯ブラシを使い、食物残査を洗い落とす
★表面だけでなく、内側もきれいに洗う
★バネの部分は、バネを曲げないように小さな歯ブラシで丁寧に洗う
★歯磨き粉は、義歯の表面を傷つけるので使用しない方がよい(義歯専用のものであればOK)
★使わないときは、専用の容器を決め、洗浄剤などを入れた水の中で保管する

※義歯を清掃する場合、通常の歯ブラシでは効果が低いので、義歯専用歯ブラシを使うとよいでしょう。通常の歯ブラシの場合なら、少し硬めのものがよく、歯間ブラシや小さい歯ブラシがバネの内側に使えます。マヒのある方でも、指先のリハビリや機能維持のため、できるだけ本人による義歯清掃を優先させます。また、マヒの程度によって、さまざまな工夫ができるので、歯科医師や歯科衛生士に相談してみましょう。

歯支える人工骨開発 インプラント向け承認

歯を支える歯槽骨(あごの骨)が薄くなったり欠損したりした患者に、欠けた部分を再生させる人工骨の商品化に医療機器ベンチャーがこぎつけ、先月厚生労働省から薬事承認を得た。
 インプラントの埋め込みが難しかった患者もこの人工骨を補填すれば可能になる、と関係者は期待する。
             朝日新聞(大阪)2010.2.4

かみ合わせ崩れる 先天性欠如歯(歯が足りない)

永久歯の本数は第三大臼歯(親知らず)を除くと28本となりますが、生まれつき歯が足りない人がいます。この足りない歯のことを先天性欠如歯(先欠歯)といいます。発現頻度は調査対象の違いによりばらつきがありますが、10%近いという報告もあります。
 1人当たりの先欠歯の本数は一歯から多数歯までさまざまです。
 具体的な対処法は先欠歯の部位や数によってさまざまですが、たとえば第二小臼歯が先欠で先行歯である乳歯が存在して、それ以外のかみ合わせに問題がない場合はできるだけ成長期は乳歯を保存し、乳歯が脱落した時点でその部位にインプラントやブリッジという補綴(ほてつ)処置を行って解決を図る方法があります。
             福島民友 2010.1.25

歯がグラグラしてきたら 自覚症状軽いうちに治療

「歯がグラグラしてきたので、診てほしい」と歯科医院に来院する患者さんが少なくありません。”グラグラする歯”がかぶせものの歯(いわゆる差し歯)であった場合、かぶせた歯が土台から外れかかってグラグラしている可能性が高く、かぶせた歯をいったん外して付け直すか、新たに作り直すことになります。
 次に”グラグラする歯”が自分の歯であった場合、歯を支える骨などの歯周組織が弱って(歯周病が進行して)このような症状が出ることが多く、症状が軽く保存が可能な場合、「暫間(ざんかん)固定」という治療法がよく用いられます。
 自覚症状が軽いうちに治療することで「抜歯」という最悪の事態を防ぐことが可能になってきます。歯がグラグラしてきたら早めに歯科医院を受診することをお勧めします。
             福島民友 2010.1.22

歯周病予防で体を健やかに

歯周病は、歯と歯ぐきの境目にできる溝(歯周ポケット)に、歯周病菌が増殖する病気です。
 歯周病菌は歯垢(プラーク)や歯石となって、歯周ポケットにこびり付きます、そして、歯周病菌はいろいろな毒素を出して、歯周組織(歯を支える歯槽骨や歯ぐき)を破壊します。歯ぐきが腫れたり、出血したりして歯ぐきが下がり、歯槽骨が溶けることで、歯が抜けてしまうこともあります。最近の調査では、むし歯よりも歯周病で歯を失う人が多いこともわかっています。
 いまや歯周病は、成人の約8割がかかっている国民病ですが、痛みがほとんど出ないことが特徴です。そのため自分で気づかないうちに進行してしまうので、注意が必要です。
 また、最近では全身の健康との深いかかわりも注目されています。とりわけ血管との関連は重要で、人は血管とともに老いると言われています。その血管に歯周病が悪影響を与えることがわかってきました。歯周病菌が出すある種の酵素は、血管に入ると血液を固めやすくしてしまうのです。その結果、血栓ができやすくなり、脳梗塞や心臓病を招く恐れがあります。このことからも、歯周病予防の早期的取り組みがいかに重要かがわかります。
 いまやお口の中の健康は、血管の健康、ひいては全身の健康にもつながるのです。 出典 不明

「歯磨きは脳を活性化」 花王などが知見 リフレッシュ効果も

花王は、千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター脳機能計測解析研究部門の下山一郎教授との共同研究で、歯磨き行動が脳を活性化して気分をリフレッシュする効果を持つ可能性を見いだした。
 歯磨き行動が実際に脳に作用して気分を変化させるのかについては、これまで生理学的な研究がほとんどされてこなかったのが実情。だが、今回の研究成果から、これら一連の有用性が裏づけされたといえる。
             化学工業日報 2010.1.18

●はつらつ元気健康コラム● 老後の請求書 「歯」の若返り計画!

永久歯28本のうち20本が残っていれば、食べ物のほとんどを噛み砕くことができ、美味しく食事を楽しむこともできるということです。さらに、よく噛むことで様々な効果を得ることができます。次にあげてみましょう。
 ①認知症の予防:よく噛むと脳細胞を活性化する
 ②肥満防止:よく噛むと早食いを防ぎ満腹感を得られる
 ③癌予防:唾液に含まれる酵素に発癌物質を消す作用がある
 ④胃腸の働きを促進:よく噛むと消化酵素が多くでる
 ⑤歯周病:口臭の予防:よく噛むと唾液で口内が浄化される
 以上噛むことで全身によい作用があるのですね。しっかり噛める健康な歯を守るのに欠かせないのは、毎食後の歯磨き習慣です。とくに①の「認知症の予防」には歯磨きが大切です。
 私たちは年齢と共に、口の反射機能も衰えてきます。食べ物を飲み込む「嚥下反射」や、異物をセキで吐き出す「セキ反射」を正常に行うために、普段からの歯磨きで口内を適度に刺激し、清潔にしておきましょう。
            はつらつ元気 10.2月      

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