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口内炎 2週間続けば病気に注意

ほおの内側や舌にいつの間にかできているぷつぷつ。ちょっと触れるだけでも痛いし、食べ物と一緒に咬んでしまったりしたら最悪だ。そんな「口内炎」だが、大部分は自然に治る。ただ、口内炎につながる背景はいろいろで、中には深刻な病気が控えている場合もある。
 口内炎で代表的なのは、直径5ミリくらいで白っぽくふくらみ、周囲が赤くなるできもので、「アフタ」と呼ばれる。東京歯科大オーラルメディシン・口腔外科の山根源之教授によれば、口内炎全体のうち8割くらいは、特に治療をしなくても2週間ほどで治まっていくタイプのアフタだという。
 原因ははっきりしていないが、体の疲れや精神的ストレス、風邪、ビタミンの不足、口の中の不衛生などが指摘されている。

その口内炎大丈夫?
 ①2週間以上たってもできものが消えない
 ②1日にたばこを40本以上吸う
 ③日本酒3合分のお酒を毎日飲む
 ④硬いしこりがある
 ⑤さわっても痛みがない
 ⑥口内炎に加えて、皮膚に赤いはれがある
 ⑦抗菌薬(抗生剤)、または噴霧式ぜんそく薬を長く使っている
 ⑧義歯を使っている
 ⑨体のあちこちに発疹がある
             朝日新聞 2010.1.25

酸の強い飲み物に注意

 酸蝕症という症状がある。炭酸飲料や果物などが含む酸で歯が溶け、冷たいものを食べた時などに歯がしみる知覚過敏が起こる。さらに歯のエナメル質が変化して透明度が増したり、エナメル質が溶けて、その下の黄色い象牙質がむき出しになったりし、歯の色が黄ばんでいく。
 エナメル質が溶け出すのがPHが5.5より低く、酸性度が強くなった時。酸性の強い飲食物をとったらすぐ、お茶や水で口の中を中和させるのも有効です。赤ワインにチーズ、紅茶に牛乳など、再石灰化を促すカルシウムが豊富な乳製品を合わせるのも良いかもしれませんとアドバイス。
             読売新聞 2010.1.21

汚れ付けるごしごし磨き

飲食物による汚れやたばこのヤニによる歯の黄ばみを防ぐには、口の中の環境を、汚れが付着しにくいように整えることが重要になる。
 硬めの歯ブラシや、ヤニとり効果をうたう粒子の粗い歯磨き剤を使い、強い力でごしごしと磨くこと。歯の表面に細かな傷をつけてしまう。
 いったんは汚れが落ちても、この傷に、再び飲食物などの汚れが付着しやすいので、黄ばみやすい歯を作っていることになる。
 汚れが気になる場合、歯科での歯の掃除(クリーニング)もある。
             読売新聞 2010.1.20

加齢・飲食 黄ばむ要因

明るくさわやかな笑顔の決め手は口元からのぞく、輝く白い歯。生え始めの白い歯が、だんだん輝きを失い、黄ばんでしまう。
 加齢により、①エナメル質が薄くなる②象牙質がより黄色く変化する③エナメル質の内部に、唾液中のカルシウムやリンなどが堆積し象牙質が透けやすい構造になるといった変化が起きて、より黄色く見えるようになる。
 加齢による変化の次に多かったのは、飲食物のカスやたばこのヤニが歯の表面に付着することによる黄ばみだ。特に、色素の強いものに注意したい。代表的なのは、コーヒーや紅茶、ウーロン茶、赤ワインやカレーだ。
             読売新聞 2010.1.19

Oral Cancer →口腔がん

2002年のデータで、対10万人の口腔癌の率は、日本は2.5人以下と最も少なく、逆に10人以上の非常に発生率の高い国は、パキスタン、パプアニューギニア、南アフリカ、ボツワナ、オーストラリア
 インド、カンボジア、ネパール、バングラディシュ、カザフスタン、フランス、スペイン、ポルトガル、ドイツ、ハンガリー、ウクライナ、ベラルーシ、スロバキア、クロアチアなど、かなり広範囲にわたっている。
 日本と同様に口腔癌発癌率の低い国は、中国、ロシア、インドネシア、モンゴル、ブラジル、ペルー、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、メキシコなど、そしてヨーロッパでは唯一といってよいと思われるがスウェーデンである。その他の国は中間である。

顎骨壊死、連携で予防をBP剤使用者の歯科治療後5学会が合同で見解

 骨粗しょう症などで「ビスフォスフォネート(BP)剤」の投与を受けた患者で、抜歯などの歯科治療後にあごの骨が壊死するケースが報告されている。海外では作用の強い注射薬での発生が大半だが、日本では経口薬での割合も高い。服用者が歯科診療を受けられないなどの問題も起きたことから、関係学会は合同で予防や対応に関する見解を作成。BP剤の休薬を検討すべきケースなどを挙げ、医療関係者の連携を訴えている。
 ▽経口薬が4割
 BP剤は、骨を吸収する破骨細胞の働きを阻害。骨粗しょう症には経口剤が、がんによる高カルシウム血症や骨転移には注射薬が広く使われている。顎骨壊死は注射薬の患者で初の症例が2003年に報告された。
 顎骨壊死は口内であごの骨が露出したまま治らなかったり、歯周炎や感染が広がって歯が抜けたりする。痛みやうみを伴うこともある。海外での発生頻度は注射薬で0・1~12%、経口薬では最も高い抜歯後のケースで0・09~0・34%と、ほとんどは注射薬だ。
 一方、日本口腔外科学会が08年、国内の約250施設に行ったアンケートでは、報告されたBP剤関連とみられる顎骨壊死263例の40%が経口薬関連だった。調査を担当した浦出雅裕・兵庫医大 歯科口腔外科主任教授は「日本では注射薬の認可時期が遅かったことや、日本人の口内の衛生状態がより悪いことなどが考えられるが、経口薬だから大丈夫とは必ずしも言い切れない」と話す。
 ▽細菌の侵入加速
 米田俊之・大阪大歯学部 教授(生化学)によると、顎骨壊死が起きるのはBP剤投与中や投与後に抜歯の処置を受けた人が大半。非常にまれだがインプラント治療後や義歯のずれがある人での報告もある。
 こうした歯科治療により、口内に700~800種類あるともいわれる常在菌が体内に侵入しやすくなる。「破骨細胞の働きを阻害するBP剤はこれを加速させたり、新しい血管ができるのを妨げたりして骨の代謝を鈍らせ、骨髄炎の症状が起きると推測される」と、米田教授。
 医療現場では「BP剤の有効性を無視し、歯科医が勝手に服用を中止させた」(整形外科医)「医師が処方した薬なのに(顎骨壊死の)治療を引き受けるのはわれわれ」(歯科医)などの声も聞かれ混乱が生じたため、日本骨代謝学会、日本骨粗鬆症学会、日本口腔外科学会、日本歯周病学会、日本歯科放射線学会は合同で、米田教授を委員長とする検討委員会を組織。
 BP剤投与中の患者が抜歯などの治療を受ける際の対応について、科学的根拠には不十分な点もあるとした上で、現時点での見解を作成した。
 ▽口内清掃が重要
 見解は、歯垢や歯石の除去など清掃で口内細菌を減らすことが最も重要だと強調。その上で、BP剤を注射薬で使うがん患者の場合は原則として投与を中断せず、抜歯などの「侵襲的治療」をできるだけ避けるとした。
 一方、経口薬の場合は投与期間が3年未満で、ステロイド剤の使用や糖尿病、喫煙などのリスク要因がない人は、休薬しなくてもよい。3年以上、または3年未満でもリスク要因がある人では、主治医と歯科医が骨粗しょう症治療中断のデメリットと歯科治療の必要性をよく相談し、可能なら3カ月程度の休薬が望ましいとした。
 浦出教授によると、顎骨壊死の治療は口内清掃や抗菌剤などで進行を遅らせるのが中心。有効な治療法が確立されているとはいえず、予防が何より大事。米田教授も「必要以上に心配することはないが、患者さんも日ごろから口の手入れに気を付け、BP剤投与を受けている人が歯科治療を受ける際は、『お薬手帳』などを携行して歯科医に伝えてほしい」としている。(共同通信 江頭建彦)(2010/01/12)

流産:妊娠中と授乳と「無関係」

 授乳をすると子宮が収縮し流産になるとして、明確な根拠がないまま国内の産科医療機関で中止を指導されることの多い妊娠中の授乳について、浜松市の産科医が、授乳は流産と無関係とする論文を日本産科婦人科学会の学会誌に発表した。
 石井第一産科婦人科クリニックの石井広重院長は、96~2000年に同院で第2子の妊娠が確認された20~34歳の女性のカルテをもとに分析。
 第1子が満期産(妊娠37週以上42週未満に出産)で流産の経験がない人で、授乳中だった110人と、授乳していなかった774人を比較。授乳群で流産は全体の7.3%に対し、授乳しない群は8.4%で、有意差はなかった。石井院長は「母乳育児は母子双方にメリットがあり、禁止すべきでない」話す。(12月6日/毎日新聞)

中国製技工物 発がん物質・ベリリウムを含有     TBSが特集 

日本に入ってくる中国製の歯科技工物から、日本では使用禁止の
有害金属が混入している実態が明らかにされた。TBSテレビが6日の
「報道特集NEXT」で放送したもので、含有されていた金属は、当時の
厚生省(現厚労省)が発がん性の高い金属であるとし、25年前に国内
での使用を禁止したベリリウム。同テレビ局が中国の歯科技工所4社
から取り寄せた歯科技工物のうち3社の技工物に同金属が1.2~1.9%
含まれていた。
 海外技工物の取り扱いを巡っては40を超える府県や市町村議会が
安全性を求める「意見書」を採択し、国に提出している。更に、全国の歯科技工士80人が歯科技工の海外委託の禁止や地位保全、損害賠
償を求めて法務省と厚労省を訴え、裁判となっている。一審、二審と
も海外技工には違法性や安全性に問題がないとする国が勝訴し、現在、最高裁で争われている。

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