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お口の健康にはお歯黒!

 日本には「黒の化粧文化」ともいえる時代がありました。その代表的な例が、歯を黒く染めるお歯黒。お歯黒は、平安時代に女性が成人した印としてはじまったとされています。明治のころまで約一千年もの間つづき、女性だけでなく男性もお歯黒をした時代がありました。このお歯黒は歯の健康にとっては大変よかったようです。というのも、お歯黒をつける前に歯の汚れを取る必要があり、そのことが自然とむし歯予防になっていました。また、お歯黒の成分であるタンニンは歯質タンパクを収れんさせて腐敗を防止します。事実、昭和51年当時、お歯黒を日常的にしていた最後の人といわれた96歳になる秋田県のご婦人にはむし歯がほとんどなく、50歳代の歯齢であったと伝えられています。
参考文献:アーネスト・サトウ著「-外交官の見た明治維新」

ハミガキ剤の裏側には情報がいっぱい!

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ハミガキ剤の裏面には、主に名称、内容量、製造販売元、指定成分、さらに効能や効果などが記載されています。
消費者にとって必要な情報が、たくさん詰まっていますので、購入時、使用前には目を通すように心がけてください。
特に『注意事項』は、使用前に必ず読みましょう。

旭川市議会「学校等におけるフッ化物洗口を推進する決議」を可決

10月14日旭川市議会で、賛成34反対2で上記決議が可決されました。平成7年より市の補助金を受け、毎年幼稚園・保育所で約3000人の4,5歳児を対象に週1回1分間のフッ化物洗口を実施してきました。開始から14年間が経ち、現在旭川市の6から18歳の約60%がフッ化物洗口を経験したことになります。
 これまでの旭川市のフッ化物洗口の効果は、すでに明らかですが、さらに効果をあげるためには小学校で継続することが重要であり、その実現が課題でありましたが、6月に北海道で8020推進条例が成立したことをきっかけに、その気運が市議会で一気に高まりました。
                                          旭川歯科医師会 会長 岩田谷 隆

健口体操 リハビリ運動で口腔機能がアップ!ごはんを美しく食べよう!

11月14日(土)札幌後楽園ホテルにて食べるよろこび生きるよろこびと題してシンポジウムがありました。
北海道歯科衛生士会からは、リハビリ運動で口腔機能がアップ!と題して高齢になるにつれて、「食べる・飲み込む」機能の低下や、だ液の減少、口の中の自浄作用・消化促進機能が低下します。毎日できる予防方法として、口腔機能を高める「健口体操」が紹介され、ユニークな教材を使ったわかりやすい体操が参加者の関心を集めました。

フッ素でブクブク むし歯予防

 どんな人でも食事をとると、むし歯菌の働きでお口の中が酸性になり、ミクロのレベルで歯が傷み始めます。(脱灰)しかし、唾液の力でお口の中が中性に戻り、傷んだ部分は唾液の成分で治療されます。(再石灰化)
 再石灰化のほうが、時間がかかるため、食事回数(間食、糖分の入った飲料水、ダラダラ食べなど)が増えたり、食事の後すぐ寝ると傷み(脱灰)のほうが強くなりむし歯ができます。
 フッ素は、歯の表面に作用して
 ①酸性になっても歯が傷みにくくする
 ②再石灰化を促進する
 ③むし歯菌の働きを邪魔する
 の予防効果があります。
               北海道経済 1月号

Qフッ素とはどのような物質ですか。

A自然界に広く分布している元素です。
  フッ素(F)は天然に存在する元素の一つで原子番号9、原子量19です。周期律表のなかでハロゲン族に分類され、塩素(CI)、臭素(Br)、ヨウ素(I)などが仲間の元素です。
  フッ素はたいへん反応性が強い元素で、自然界では単一の元素として存在することはありません。自然界に広く分布し、土壌中に280ppm、海水中に1.3ppm含まれ、私たちが毎日飲んでいる水道水や食品(海産物、肉、野菜、お茶など)にも含まれている自然環境物質です。
  もちろん私たちの体の骨や歯、唾液、血液などにも存在しています。

歯のケアでインフルエンザ予防

Q 新型インフルエンザが急に流行ってきましたが、口腔ケアがインフルエンザの予防に有効であると聞きました。どうしてなのでしょうか。また、ケアの方法についても合わせて教えて下さい。

A 結論から先に言いますと、口腔ケアがインフルエンザの羅患率を下げるという報告があります。インフルエンザワクチンの接種の有無にかかわらず、口腔ケアを行った人たちのほうが明らかにインフルエンザの発症が少なく、この結果からも、口腔ケアがインフルエンザの予防に有効であることが示唆されています。
  なぜ、口の中を清潔にしておくと、インフルエンザにかかりにくいし、一方、不潔にしておくとかかりやすいのでしょうか。

  歯周病があるとインフルエンザに感染しやすい理由
   鼻から喉にかけての粘膜はタンパク質に膜で覆われてるため、ウイルスはなかなかくっつくことができないようになっています。
   しかし、気道上皮で、口腔細菌はウイルス感染を促進する酵素を出します。これらの酵素は、タンパク質を壊すことができます。
   これによって、風邪やインフルエンザウイルスのレセプターを露出させるので、ウイルスが粘膜にくっつき、インフルエンザに感染すると考えられています。
           週刊実話 2009.10.1

歯ぐきの質問

Q 20歳の頃からタバコを吸っています。そのせいでしょうか、一部の歯が茶褐色になっているし、歯茎も一部、黒ずんでいるところがあります。きれいにしたいのですが。
  たまに前歯の歯並びが悪いところの歯茎から少しですが出血することがあります。ちなみに、歯磨きはていねいにやっているほうだと思います。

A ご質問の方の場合、歯冠(歯の口腔内に現れている部分)が茶褐色になり、歯茎が黒ずんでいるのは、喫煙の影響が大きいと考えられます。タバコにはタールが含まれています。喫煙は、歯冠においては、粘稠度(粘りけがあって密度の濃いこと)が高いタールが歯面に付着するため茶褐色に着色します。
  喫煙する人なら知っているでしょうが、灰皿にタールがべっとりくっつくことがあります。これがなかなか取れません。それと同じことが歯にも起こります。
  これを取り除くには、歯科医院で歯面研磨機を使ってクリーニングしてもらうことが必要です。また、研磨力が強いヤニ取り専用の歯磨き剤で磨く方法がありますが、これには問題があります。
  と言うのは、日常的に研磨力が強いこの種の歯磨き剤を使って歯を磨くと、歯の表面のエナメル質を磨耗させてしまいます。長期間にわたって使用し続けていると、歯はいちじるしく磨耗してしまい、歯と歯の間がすけてきます。
  ですから、歯にタールが着色したのを取るには、歯科医院で専門的なクリーニングを受けるほうが安全です。定期的に受けるとよいでしょう。
           週刊実話 2009.09.17

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