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頭頸部がん「光免疫」新治療開始 浜松医大病院、体の負担軽く

浜松医科大付属病院(浜松市東区)は4月から、口やのど、鼻など頭頸部(とうけいぶ)にできるがんに対応した新しい治療法「頭頸部アルミノックス治療(光免疫療法)」を開始した。県内の医療機関では初めての実施で、患者の治療の選択肢が広がることが期待される。

 治療の対象は口腔(こうくう)、咽頭、鼻腔(びくう)、喉頭などのがん患者。手術や放射線治療といった標準的治療では切除不能だったり、治療後に再発が確認されたりと一定の要件を満たす必要がある。

 がん細胞表面のタンパク質と結合し、光に反応する性質を持つ抗体入り薬剤を点滴で投与した後、患部に近赤外線レーザーを当て、がん細胞を破壊する。副作用防止のために実施後の約1カ月間は直射日光を浴びないように注意しなければならないが、高齢患者らの体の負担が比較的少ない。

 同病院では、4月20日に耳鼻咽喉科の三沢清教授、望月大極助教らが舌がんの80代患者に同治療を実施した。時間の経過とともにがん細胞が死滅し始めた様子が確認できたという。

 頭頸部がんは、国内で年間約2万8千人が発症するとされ、食事や会話など日常生活への影響も大きい。三沢教授は「治療の新たな選択肢の一つとして、今後も患者さんにしっかりと提供していきたい」と話している。

松野官房長官、佐藤厚労副大臣らが日歯を訪問しコロナワクチン接種や歯科用金属問題で意見交換

日本歯科医師会は、4月13日から上記者と面談し、新型コロナワクチンの3回目接種や歯科用貴金属の価格急騰について意見交換した。

ワクチン接種で賃金格差 歯科医と看護師最大16倍

自治体が新型コロナウイルスワクチン集団接種の打ち手に支払う賃金を巡り、歯科医の賃金が看護師の最大16倍になるなど、賃金格差があることが1日、宇部フロンティア大の三隅達也(みすみ・たつや)助教(医療経営学)の調査で分かった。調査は北海道から九州までの22自治体が対象。三隅助教は「同じ業務なのに不合理な待遇格差だ。歯科医を打ち手とした自治体は多数あり、調査対象は一部に過ぎない」と指摘する。

 ワクチン接種は当初、打ち手不足が問題となった。厚生労働省は昨年4月、医師と看護師に加え、研修など一定条件を満たした歯科医も打ち手として容認した。三隅助教は1、2回目の集団接種会場で歯科医を雇った自治体に情報公開請求。歯科医と看護師の賃金を調査した。

 結果、業務内容がほぼ同じにもかかわらず、大半の自治体で歯科医の時給が看護師を上回った。最も差が大きいのは長野県飯山市で歯科医が時給1万8千円、市の直接雇用の看護師は1130円で約16倍。富山市約7倍、福島市、鳥取県、福岡市の5倍程度が続いた。

 飯山市の担当者は共同通信の取材に対し「急ぎ打ち手確保の必要があり、歯科医は医師と同水準にした。看護師は他業務に従事する時と水準をそろえた」と説明する。

 一方、調査した自治体の中で静岡県裾野市のみ格差がなかった。裾野市は「同じ業務内容のため」としている。

 非正規労働者と正社員の間で不合理な待遇差を禁止する「同一労働同一賃金」が、大企業に加えて昨年4月から中小企業でも適用されるようになったが、非正規同士の場合には適用されない。

 三隅助教は「接種が法的に認められている看護師の賃金が、認められていない歯科医より低いのはおかしい」とする。その上で「非常時では歯科医らも打ち手にできる態勢を整えるべきだが、賃金は職務に応じて決めるべきだ」と話した。

 ※新型コロナウイルスワクチン接種

 昨年2月の医療従事者への優先接種から始まり、65歳以上の高齢者、64歳以下の一般へと順次進んだ。2回打った人の割合は8割以上となった。昨年12月からは3回目もスタートした。ワクチンの打ち手不足を補うため、昨年4月に必要な研修を受けるなど一定条件を満たした歯科医による接種も容認した。

要介護高齢者6時間以上の離床で摂食嚥下機能が維持

4月15日、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の戸原 玄 教授、中川量晴 准教授、石井美紀 医員の研究グループは65歳以上の要介護高齢者に対する摂食嚥下リハビリテーションとして離床が有効であり、少なくとも4時間、可能であれば6時間以上離床すると全身の筋肉量が保たれ、摂食嚥下機能が良い傾向にあることを示したと発表した。

 この研究成果は、『Gerontology』オンライン版に掲載されている。

【歯科通信】

CAD/CAM冠 第二大臼歯と第一大臼歯治療成績に「有意差なし」

保険適用外の第二大臼歯へのCAD/CAM冠の治療成績は、第一大臼歯への治療成績と同様だった。東北大学大学院歯学部研究科の原田章生 助教と江草 宏 教授らが、CAD/CAM冠を装着した362本の大臼歯について、最長4年間の経過を調査した結果によるもので、全ての奥歯に適用できる可能性が示唆された。

 研究では、装着された大臼歯CAD/CAM冠を対象にトラブル発生までの期間を、診療録を使って調査した結果、冠の装着部位による有意差は認められなかった。また、生活歯への適用は失活歯と比べリスクが高い可能性や、接着性レジンセメント以外のセメント使用がトラブル発生に関連する可能性も示唆された。

 研究チームは「CAD/CAM冠の保険適用範囲が今後全ての大臼歯に拡大されることを前向きに指示するもの」と述べている。

【歯科通信

歯科用貴金属告示価格 5月に緊急改定へ

 ウクライナ情勢下でのパラジウムなどの素材価格の急騰を鑑みて、歯科用貴金属の告示価格が5月に緊急改定される。13日の中医協総会で承認されたもので、「歯科鋳造用金銀パラジウム合金」は診療報酬改定時に1g 3,149円となったが、5月から3,413円となる。

 歯科用貴金属は、9品目全て4月改定時より公示価格が引き上げられることになる。総会では「ウクライナ情勢などの影響により、歯科用貴金属も過去に例を見ない急騰があった。歯科医療機関の負担が増大して、7月までの随時改定を待たずに何らかの対応を求める声が現場に多くあった」と説明。

 事務局から示された案については、「現場の声に沿うものとして賛同したい」とする一方で、現場が混乱しないよう周知の徹底を求めた。

【歯科通信】

歯科情報のデータベース化

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災害での身元特定、医療高度化に活用

コロナ禍、障害者の日常は? 県、動画をユーチューブで公開

県は、新型コロナウイルス禍における障害者の暮らしの苦労を紹介する動画を作成し、インターネット上で公開している。感染対策に取り組む「新しい生活様式」の導入で新たな不自由が出てきていると説明し、必要な支援の内容も示している。

 動画は約二十分間で、動画サイト「ユーチューブ」に投稿した。動画クリエーターで車いす利用者の寺田ユースケさんがガイド役として登場し、障害別に不自由が生じる事例を紹介している。

 視覚障害では、施設入り口などに置かれた消毒液の位置が分かりにくいことや、店員がおらず機械で会計する「セルフレジ」は使いづらいことなどを説明。聴覚障害では、マスク着用で口元が見えないと話し掛けられても気付きにくいこと、発達障害では感覚過敏でマスクを着用できない人もいることを示した。

 事例ごとに声掛けなどの対策も紹介した。寺田さんは動画で「感染対策は必要だがコミュニケーションの障害になっている。人との距離を保つことが求められる中で、見知らぬ人に手を貸すのは勇気がいるが、困っている人には声を掛けて」と求めた。

 動画は「静岡県『心と社会のバリアフリー』」というタイトルで、県障害福祉課のチャンネルに投稿されている。動画の序盤では、障害者差別解消法を解説している。

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