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歯科大と連携し集団接種 東京・千代田区

東京都千代田区は10日、東京歯科大(同区)と連携し、7月2日から区立の小中学校などの教職員を対象に、新型コロナウイルスワクチンの集団接種を始めると発表した。日本歯科大(同)とも調整しており、7月中旬に区民への接種も開始する見通しだ。

 千代田区によると、東京歯科大では運営する病院で実施し、歯科医師ら医療従事者が1日当たり200~250人への接種を担う。希望する約1700人が対象で、8月上旬までに2回目の接種を終える予定。

奥歯を失うと動脈硬化のリスクが2倍高くなる

厚生労働省の研究機関の調査によると、
高齢者の内、奥歯を全て失った方の場合には
動脈硬化のリスクが2倍近くも高くなるとの結果になりました。
これは、奥歯の有無によって、食生活に変化が起きるためです。
緑黄色野菜や魚介類は血液中の活性酸素を除去するなど
いろいろな健康効果が期待できますが、
奥歯を失った方は繊維質や干物などを避けてしまう傾向があります。

1.緑黄色野菜の摂取量が15パーセント減少
2.魚介類の摂取量が12パーセント減少

この結果、動脈硬化などさまざまな健康上の問題が生じたと見られています。
入れ歯にしてから食べ物を「おいしい」と感じなくなってしまったり、
入れ歯が合わなくて、噛みにくい方も同様ですね。

失いやすい歯はどれなのでしょう?

大人の歯は28本(親知らず4本が入ると32本)
そんなにたくさんあれば、1本ぐらい抜けてもいいかな?
そんなふうに思ってしまいますか?
歯は1本抜けただけでも、噛みにくいものです。
噛む力も3割程度減ることがわかっています。
厚生労働省は、歯が失われてしまうのは、
歯周病やむし歯が進行してしまったケースが一番多いと発表しています。
では、失われやすい歯とは、どのような歯なのでしょうか?
今までに行われた研究では、以下のような歯は
喪失に至るリスクが高いことがわかっています。

1.未処置歯のむし歯(治療されていないむし歯)
2.クラウン(冠/被せもの)装着されている歯(神経の処置がされていることが原因)
3.部分義歯の針金がかかる歯(鈎歯)
4.歯周病が進行している歯

▼参考:「歯の喪失の実態」厚生労働省 e-ヘルスネット 
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/k0qcajq0tygvzlwlqkDy3

歯と口の健康週間④

今も「歯磨き粉」と呼ぶのは?
 最後に、粉末タイプの歯磨き剤は激減しているのになぜ、今でも「歯磨き粉」と呼ぶ人がいるのか、日本歯磨工業会の広報担当者に聞いたところ、次のような回答でした。 「単に『歯磨き』『ハミガキ』というと、歯を磨くという『行為』なのか、そのための『もの』なのかが分かりにくいため、『もの』についての総称として『歯磨き粉』と呼んでいるのではないでしょうか。 現在では、粉タイプの歯磨き剤は極めて少なく、ペーストタイプが主流で、液体タイプを使う人も増えています。粉タイプのものを意識して、『歯磨き粉』と呼んでいる人は少ないと思います。また、昔ながらの呼び方として『歯磨き粉』の方がなじみがあって、使っている人も多いと思います。 なお、当工業会、および所属する各メーカーでは『歯磨き粉』ではなく、『ハミガキ剤』『歯磨き剤』『ハミガキ』『歯磨き』、あるいは製品に合わせて、『ペーストハミガキ』『液体ハミガキ』などの表記をしています」  ちなみに各社の国語辞典を見てみると、小学館の「日本国語大辞典第2版」は2001年発行の第10巻で「歯磨粉(はみがきこ)」を見出し語として掲載。粉だけでなく、練り状のものも含むことを説明しています。岩波書店の広辞苑第7版(2018年発行)も「歯磨き粉」を「歯をみがくときに歯ブラシなどにつける粉状・練(ねり)状・液状のもの(後略)」と説明しています。  実は多くの国語辞典は「歯磨き」のみを歯磨き剤の総称として掲載(日本国語大辞典と広辞苑も「歯磨き」も見出し語で掲載)しているのですが、少数派とはいえ、言葉としての「歯磨き粉」は健在のようです。

歯と口の健康週間③

Q.なぜ、粉末でなく、ペースト状のものが主流になったのでしょうか。ペーストタイプと、それに次ぐ売り上げの液体タイプのメリットも教えてください。 担当者「粉は歯ブラシに乗せにくく、容器に直接、歯ブラシを入れて付けていたため、衛生的ではありませんでした。練りハミガキはチューブに入れることができるので、絞り出して、歯ブラシ上に乗せることが可能になりました。また、液体タイプは口の中の隅々まで薬剤が届きやすい点が利点といえるでしょう」 Q.現在、歯磨き剤のことをサンスターでは何と呼んでいますか。「歯磨き粉」と呼ばない理由を教えてください。 担当者「『ハミガキ』と呼んでいます。粉ではない形状のものが主流なので、歯磨き粉とは呼んでいません」

歯と口の健康週間②

Q.粉末タイプの歯磨き剤はライオンでは現在、販売していますか。 担当者「現在は粉タイプは販売していません。喫煙者を対象にした『タバコライオン』が最後の粉タイプ(正式には湿り気のある『潤製』の製品)でしたが、2016年4月をもって、製造を終了しました」 Q.歯磨き剤のことをライオンでは何と呼んでいますか。「歯磨き粉」と呼ばない理由を教えてください。 担当者「かつては漢字表記の『歯磨』としていた時代がありましたが、現在、社内では片仮名表記の『ハミガキ』に統一しています。当社は現在、ペースト状やジェル状など、さまざまな製品を扱っているため、それらを包括する名称として『ハミガキ』としています」  続いて、サンスターにも聞きました。 Q.歯磨き剤は「歯磨き粉」と呼ばれることが多いのですが、サンスターで粉末タイプの歯磨き剤は現在、販売していますか。 担当者「以前は販売していましたが、現在は販売していません。市場全体でも、練りハミガキが主流になる前は粉のハミガキが主流でした」 Q.なぜ、粉末でなく、ペースト状のものが主流になったのでしょうか。ペーストタイプと、それに次ぐ売り上げの液体タイプのメリットも教えてください。 担当者「粉は歯ブラシに乗せにくく、容器に直接、歯ブラシを入れて付けていたため、衛生的ではありませんでした。練りハミガキはチューブに入れることができるので、絞り出して、歯ブラシ上に乗せることが可能になりました。また、液体タイプは口の中の隅々まで薬剤が届きやすい点が利点といえるでしょう」

歯と口の健康週間①

6月4日から10日は「歯と口の健康週間」(厚生労働省など主催)です。虫歯や歯周病予防の基本は毎日の歯磨きですが、その歯磨きに使う「歯磨き剤」のことを皆さんは何と呼んでいるでしょうか。「歯磨き粉」と呼ぶ人も多いと思いますが、現在の歯磨き剤はペースト状のものが中心で、粉末状の「歯磨き粉」を使ったことがある人は少ないと思います。 【写真】ライオンのイラスト入りパッケージの「歯磨き粉」  粉末の歯磨き粉はなぜ、激減したのでしょうか。激減したのになぜ、いまだに「歯磨き粉」と呼ぶ人が多いのでしょうか。業界団体とメーカーに聞きました。
使い勝手や衛生面に難
 日本歯磨工業会(東京都中央区)のホームページによると、2020年度の歯磨き剤の出荷構成比(金額ベース)は、練り歯磨きが72.6%と多くを占め、液体歯磨き剤と洗口液が合わせて27.2%、「歯磨き粉」はその他のものと合わせて、わずか0.2%です。  江戸時代の文献にも載っていたという歯磨き粉。明治時代に練り歯磨きが登場するまでは主流だったようですが、どういう変遷をたどったのでしょうか。明治時代から、歯磨き剤を製造販売しているライオン(東京都墨田区)の広報担当者に聞きました。 Q.ライオン製の歯磨き剤の歴史を教えてください。 担当者「ライオンの前身、小林富次郎商店が1896(明治29)年、ハミガキ(歯磨き剤)を製造販売したのが始まりです。明治時代は粉末状のものが中心で、一部、練り歯磨きがある程度でした。明治時代末期の1911年、チューブ入りの練り歯磨きを発売。戦後はチューブ入りペースト状のものが定着しました」 Q.歯磨き剤は「歯磨き粉」と呼ばれることが多いのですが、かつては業界全体として、粉末タイプが主流だったのでしょうか。 担当者「明治時代から戦後、1950(昭和25)年ごろまでは粉末タイプが主流でした。その後は徐々にチューブ入りの練り歯磨きの需要が高まり、1958年には金額ベースで市場の5割を超えました」 Q.なぜ、粉末が減って、ペースト状のものが主流になったのでしょうか。 担当者「粉タイプの歯磨き剤は使用時に飛び散ってしまうという問題がありました。この問題を解決するため、改良されたのが練り歯磨きです。当初の練り歯磨きは『固練り』といって、陶器や缶などの容器に入っていました。チューブ入りのペースト状歯磨き剤は1911年にライオンが国産で初めて発売しました。使いやすいことが受け入れられ、現在ではチューブ入りの製品が主流になっています」

「打ち手に歯科医」立ちはだかった医師会、領域侵され拒否反応…[政治の現場]

5月24日、東京・大手町。新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった大規模接種会場を視察後、首相の菅義偉は、こう力を込めた。

 記者団との質疑応答で、心なしか興奮気味な菅の口から、ワクチン接種を担う新たな打ち手に「救急救命士」の名が挙がると、首相秘書官の一人はハッとした。事前に準備した原稿には、入っていなかったからだ。

 菅があえて正式発表前に言及したのは「『やれることは、全部やる』との思いがあふれた結果」(秘書官)だった。官房長官の加藤勝信が、救急救命士や臨床検査技師を新たな接種の担い手に加える方針を公表したのは、翌25日のことだ。

 ワクチンの調達と同時に、菅は以前から打ち手不足に懸念を抱いていた。コロナ対応で医療現場が逼迫し、開業医からワクチン接種と通常診療が両立できないとの声も上がっていた。

 現行法で、ワクチン注射が出来るのは医師や、医師の指示の下での看護師らに限られる。ただ、歯科医師、救急救命士らは普段から注射も打つ。英国では法改正で救急救命士や理学療法士、薬剤師らも接種が可能になった。菅は安全性を重視する傾向が強い日本で、どこまで例外が許されるのか、考えをめぐらせていた。

 菅が、まず突破口と狙いを定めたのが歯科医師だった。現行法では、歯科医師には歯科治療の範囲内でしか注射は認められていない。ただ、口腔こうくう外科手術では筋肉注射を行っている。

 菅と同じ神奈川県選出で自民党参院議員の島村大は、昨年から水面下で動いていた。歯科医師でもある島村は、菅を慕う参院無派閥グループの代表的存在だ。

 だが、開業医ら約17万人の会員を有する日本医師会が立ちはだかった。

 昨年12月頃、島村の相談を受けた自民党議員が医師会会長の中川俊男に歯科医師の活用を打診したが、中川の反応は芳しくなかった。

 「ちょっと待て。よく検討しなければ、ダメだ」

 医師会は、歯科医師の協力がなくても対応可能との姿勢で「自らの領域を侵されることに拒否反応を示した」(政府高官)という。

 

 約150万人の看護師・准看護師に対し、歯科医師は約10万人。医師会の意向を強く意識する厚生労働省は、看護師の活用は進めても、歯科医師による接種は「本当に現場の自治体が望んでいるのか」(厚労省幹部)と冷ややかだった。

 菅は、医師会の反対は意に介さなかった。昨年4月、新型コロナのPCR検査数を増やすため、歯科医師による鼻や喉の粘膜からの検体採取について、難色を示す厚労省や医師会に認めさせた前例があったためだ。

 菅は今回、自ら仕掛けた。

 「PCR検査では3000人の歯科医師に手を挙げていただいた。接種状況を見て、色んなことを考えていく」

 4月1日、菅はテレビ番組でこう述べ、ワクチン接種を歯科医師にも認める考えに言及した。関係者との調整が整う前に歯科医師の活用に踏み込んだことで、医師会をけん制したのだ。菅は周囲にこう語っていた。

 「歯医者を加えると、医師会が嫌がる。PCR検査でもそうだったが、そんなことは許されない」

 厚労省も当初、難色を示していたが、4月下旬、特例として歯科医師によるワクチン接種を容認した。

 菅は接種の加速化に「自分で陣頭指揮をとる」と言い切る。行政の縦割りや前例主義の打破を内閣の基本理念に掲げる菅にとって、「医師会は既得権益の象徴のような存在」(周辺)だ。

 菅は訪米から帰国後の4月30日、中川を首相官邸に呼んで向き合った。菅は「最大の課題は接種体制の確保だ。医療関係者には、もう一段の協力をお願いする」と語り、ワクチン接種を請け負う医師への報酬引き上げも約束した。これに対し、外堀を埋められていた中川は「総理が言うように高齢者の接種を7月末までに完了することを目指したい」と語り、協力する姿勢を示すしかなかった。

 ただ、これで医師会が、菅への全面協力を今後も約束したとみる向きは少ない。日本医師会と各地域の医師会は「それぞれ親方がいる別組織。上意下達の関係ではない」(厚労省幹部)という事情もあるだけに、組織内で浸透するかどうかは不透明だからだ。菅と医師会との暗闘は、今後も続く可能性を秘めている。(敬称略)

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