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唾液中の免疫物質がガムの5分間咀嚼で「2.5倍」に

ロッテが「噛むこと」の健康機能に着目し、順天堂大学の小林弘幸 教授監修による研究を実施。「ガム咀嚼が唾液分泌を促進し、口腔内への免疫グロブリンA(IgA:様々な病原体に対する生体防御機構の最前線として役割を果たす免疫物質)分泌が増加する」ことを確認した。

 小林教授は「IgAは細菌やウイルスなどと結合することで、様々な病原体に対する生体防御機構としての役割を果たしている。また噛むことの利点は免疫のみならず、肥満の防止やストレスの緩和、自律神経を整えるなど身体全体に及ぶ。噛むということは手軽にすぐにできるので、日々の生活に意識して取り入れると良いと思う」とコメントしている。

7割の方が感じているお口の変化

新型コロナウイルス感染症の影響で、以前より外出の機会が減ったり、
在宅時間が増えたりしたことにより、
会話の減少を実感したという人が、なんと7割にものぼっています。
さみしい…だけでは済まない話です。

介護予防教室をしていると、聞こえてくる困った現象があります。
「定期的に友だちと楽しんでいたカラオケに行けなくなってしまった」
「この頃むせることが多くなっている」
「食事の味を感じにくいことがあるので、食欲が出ない」
 
このように、口が弱ってきている方が多いようです。
口は動かさないと衰えていく場所で、からだと心の衰えにまで繋がってしまいます。
この頃よくいわれる「オーラルフレイル」がこれにあたります。 

cnm陽性ミュータンス菌が微小脳出血の出現に関与。脳卒中の機序の解明に期待。

脳卒中は寝たきりになる原因の筆頭で、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳内出血および、くも膜下出血に分類される。脳出血は高血圧や糖尿病などの生活習慣病との関わりが深いが、それだけでは説明出来ない部分が多く、未知の要因があると考えられてきた。
 研究グループは、脳卒中で国立循環器病研究センターに入院した患者から歯垢を採取し、その中に含まれるミュータンス菌を培養し、cnm陽性ミュータンス菌と経時的な微小脳出血の出現率の関係を調査。その結果、cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者はそうでない患者と比較して、微小脳出血の出現率が4.7倍高いことが明らかになった。

歯周病がサルコペニアの病態悪化に寄与。ジンジバリス菌の感染が骨格筋の代謝異常を惹起。

歯周病が糖尿病の病態を悪化させる機序の一つに、インスリン抵抗性の惹起が挙げられるが、インスリン依存的に糖の取り込み、代謝を行う組織である骨格筋との関連は解明されていなかった。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病分野の片桐さやか講師、佐賀大学医学部付属病院肝疾患センターの高橋宏和特任教授らの研究グループは、骨格筋組織の脂肪化に着目し、歯周病原細菌の血清抗原体価との関連を調査した。
 その結果、メタボリックシンドローム症候群の患者において、骨格筋脂肪化マーカーとジンジバリス筋の血清抗体価が有意に相関していることが判明。また、ジンジバリス菌を投与したマウスでは腸内細菌叢の変化を伴い骨格筋の炎症関連遺伝子群が上昇、脂肪化が亢進しインスリンシグナルの低下とともに糖の取り込みが阻害されていることを見出した。

高齢者の健康、お口から

歯科医や歯科衛生士と連携して、口の中をきれいにする口腔ケアをすることで要介護者の健康維持・増進につなげる取り組みを始めている施設がある。高齢者の誤嚥による肺炎を減らすなど口腔ケアの重要性は近年認識されている。

口腔ケアで誤嚥なくせ

特養で、口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防の効果を上げている。施設利用者の口腔内環境を改善するために、歯科衛生士が独自のケア方法を介護職員に指導し、施設では導入後、誤嚥性肺炎による入院がゼロになった。(北陸中央新聞)
口腔ケアは、多くの施設が取り入れているが、専門知識を持つ歯科衛生士が指導している施設は、少ない。歯科衛生士が利用者の状態に合わせて指導したり、筋肉を刺激して唾液を出すマッサージなどがあり、介護職員に方法を伝えている。

咬筋は、トレーニング感受性か比較的高い②

同研究により、マウスピースを用いた簡易な噛みしめ訓練が義歯を使用している高齢者に対して、咬合力や咬筋性質の改善に有効であることが示された。

 咬筋肥大は1か月という短期間で認められ、咬筋は比較的トレーニングの感受性が高い筋肉であることも示唆された。義歯などの歯科補綴治療が完了し、メインテナンス段階に入った者に対する口腔機能、口腔周囲筋セルフマネジメントの確立が期待される、と研究グループは述べている。

最後まで食事を

高齢者らに食べる楽しみ、喜びを維持してもらいたいと誤嚥性肺炎をめぐる医療と介護の連携についてセミナーが開催された。冒頭で誤嚥性肺炎の治療では、絶飲食は誤りで、在宅で治療可能である。終末期や老衰の場合は治療しない選択肢もあるとの指摘がある。多職種連携によって嚥下機能に問題があっても、本人の希望を最優先させ最後まで自宅で飲食を続けることも可能と報告された。(神奈川新聞)

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