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がんリスクをだ液で、検査スタート みやき町が医療機関と検証

だ液を調べてがんのリスクを判定する検査が4日、佐賀県みやき町で始まった。同町が福岡大学(福岡市)や今村病院(鳥栖市)と共同で有用性の検証に取り組んでいるもので、初日は町民ら約100人が、痛みなどがなく手軽にできる検査を受けた。

 検査には、山形県のバイオベンチャー「サリバテック」が開発した検査キット「サリバッチェッカー」を使用。だ液に含まれるがん細胞の代謝物を調べることで、肺がん、膵(すい)がん、大腸がん、口腔(こうくう)がん、乳がんのリスクが分かる。

 同町働く婦人の家で開かれた住民健診に合わせて実施し、希望者が検査を受けた。受診者は担当者の説明を受けた後、専用のストローを使ってだ液を採取。だ液が出にくい人は、梅干しやレモンの絵、写真を見ながら酸っぱさを想像し、だ液を出していた。採取しただ液は冷凍した上でサリバテックに送って検査し、約1カ月で結果が出るという。

 年齢的に不安なので検査を受けたという70代女性は「簡単に受けることができた。機会があれば定期的に検査したい」と話していた。検査は11月下旬まで実施する予定で、町は1千人を目標に受診を呼び掛ける。

歯の神経再生で幹細胞保存 エア・ウォーターが新事業

産業ガス大手のエア・ウォーターは2日、歯の神経を再生させるための幹細胞を長期間保存する新事業「歯髄幹細胞バンク事業」を開始したと発表した。虫歯などで歯の神経を抜いた際に、あらかじめ保存していた幹細胞を移植する。これにより歯の神経が再生し、かむ感覚を取り戻せる。

 親知らずや乳歯など、不要となった歯から歯髄を採取する。歯髄から幹細胞を培養し、冷凍保存して将来の治療に備える。幹細胞を移植後、神経は約1カ月、象牙質は約半年から1年で再生する。最後に歯の表面のエナメル質を詰め物などで整える。

 費用は、歯髄の採取と幹細胞の培養、最初の10年の保管料で計33万円。保管は10年ごとの更新で、更新料は6万6千円となる。幹細胞を移植する際はさらに1本約22万~44万円かかる。保険は適用されない。

 エア・ウォーターが設立した子会社のアエラスバイオ(神戸市)が歯科医院と連携し、事業展開する。2023年度の事業の売上高は10億円を見込む。

 広報担当者は「既存のインプラントなどの治療法とは異なり歯が残っていなければできない」としながらも「自分の歯を残したまま治療できる」と利点を強調した。「歯科医院にとって治療の選択肢が広げられる」とも述べた。

第31回 糖尿病と歯周病の因果関係

私の視点
総評
 慢性炎症は、2型糖尿病の病態における主要な機序の一つとされています。本研究は、1年間の介入によって炎症マーカーも低下し、糖尿病合併症リスクも低減することを示唆した点で、病態生理学的にも臨床的にも意義が大きいでしょう。QOLも評価している点も臨床的価値があるでしょう。

 ただし、歯周炎改善によるHbA1c低下への寄与率(R2=0.04)は統計学的に有意ではあっても微々たるものなので、むしろ多因子の統合的改善によって血糖コントロールが改善したことが推測されます。

エビデンス解体
 治療者に対する治療内容盲検化は事実上不可能なので、情報バイアスを完全に排除することはできません。この点は限界点として割り引いて解釈する必要があります。

 二次エンドポイントでは血糖コントロールと多くの因子との有意な関連性が算出されましたが、いずれも寄与率は低く、検定多重性制御もなされていないため、各因子のインパクトはかなり小さい印象です。

 本来、検定の多重性への対策を事前に設定していない場合は、二次エンドポイントは仮説を提唱するオマケです。多重性により統計学的有意差の偽陽性が増えます。この試験では多重性が調整されていないだけでなく、20項目以上が二次エンドポイントとして設定されていたので、二次エンドポイントの 1項目以上に有意差が偶然出てくる確率(有意水準をp=0.05とする)は60%以上となるため、仮説の探究にすぎないでしょう。

一般性
 糖尿病患者では歯周病リスクが高いことが、国内外で確認されています4)。今回の研究ではイギリスの一施設での介入であったため、対象者のバイアスが残存していて一般性に乏しい可能性があります。他施設での再現性の確認が必要でしょう。

臨床的意義
 歯周炎の治療により、HbA1cには1年後に2群間で0.6%有意な差が出ました。この差は、経口血糖降下薬1剤による低下度に匹敵するものです5)。長期にわたってこの効果が持続するなら、糖尿病患者の歯周炎合併リスク4)を勘案すると、合併症予防の点で多大な効果が期待できそうです。長期的な介入結果が待ち望まれます。

使途不明金3700万円 北海道、苫小牧歯科医師会

北海道苫小牧歯科医師会で、会費など約3700万円が使途不明になっていることが2日、分かった。同会は、会計処理を担当し今年1月に死亡した前副会長=当時(59)=が私的に流用したとして、遺族に弁済を求めている。同会の阿部雅人(あべ・まさと)会長は「今後は会計を外部委託し確認態勢も強化する」としている。

 同会によると、2018年9月の北海道地震で別の歯科医師会から寄せられた義援金の一部や13~19年度の会費、積立金など計3724万円が使途不明になっている。12年度以前の会計資料は廃棄され、実際の被害額はさらに多かった可能性もあるという。

 昨年度就任した阿部会長が財務状況を確認していた際に発覚。苫小牧歯科医師会が内部調査を進めていたが、前副会長は今年1月、自身が院長を務める苫小牧市内の歯科医院の火災で死亡した。

歯科医療機関のホームページ、違反4,304か所

医療機関等のホームページが医療広告規制等に違反していないかを監視する「令和元年度ネットパトロール」で、違反の確認された1,137サイト中、歯科は800サイトを占め、違反カ所は4,304に上る。

 歯科での違反4,304カ所を種類別にみると、「広告が可能とされていない事項の広告」が2,111か所と最も多い。次いで「誇大な広告」754か所、「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等」562か所、「患者等の主観に基づく治療等の内容又は効果に関する体験談」288か所、「他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)」285か所、「その他」180か所、「内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)」124か所と続く。

 歯科の治療内容別の違反割合では、「インプラント」が48%で最多。次いで「審美」32%、「矯正」7%、「その他」8%、「歯周病」3%などとなっている。

(第14回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会)

日歯 歯科健診制度の定着など要望

 日本歯科医師会(堀 憲郎 会長)は1日、「病院への歯科の設置等の推進」「歯科健診制度の定着」などを盛り込んだ「令和3年度制度・予算に関する要望」を加藤勝信 厚労大臣に手渡した。

 要望書では5つの骨子を提示し、その上で重点項目として「病院における歯科の設置、歯科医師の配置の推進」「フレイル対策を口腔から始める『オーラルフレイル対策』の推進」「生涯にわたり、途切れない歯科健診制度の定着」をあげた。

(歯科通信)

「歯髄再生」が実用段階に

「究極の歯内療法」とも言われていた歯髄再生治療が実用化の段階に入った。元国立長寿医療研究センター研究所幹細胞再生医療研究部長の中島美砂子 氏を院長とする「RD歯科クリニック」で行われるもので、智歯などの不用歯から得た歯髄幹細胞と薬剤を抜髄した歯に移植し、歯髄と周辺の象牙質を再生させる。再生医療等提供計画が厚労省に受理され、6月26日にクリニックを開設。すでに複数の患者から申し込みがあるという。

 さらに同治療を普及させるため、歯科医療機関を対象とした講習会・技術支援を検討しており、まずは地元の歯科医師会等と連携を図っていく構えを見せている。

(日本歯科新聞社)

日本歯科医師会HP

新型コロナウイルス感染症に負けない歯と口の健康づくり
   https:/www.jda.or.jp/corona/Tooth-and-mouth-health.html

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