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北大歯学グループ、腫瘍溶解ウイルス開発 他疾患に応用も

北大歯学研究院の東野史裕准教授らの研究グループは、がん細胞中に分解シグナルAREを持つmRNAが安定して存在していることを利用し、腫瘍を溶解させるアデノウイルスの開発に成功したと発表した。腫瘍以外にも炎症性疾患やウイルス性疾患などに応用できる可能性があるという。国際専門誌「Cancers」に掲載された。

 ARE─mRNAは、がん原遺伝子などの細胞増殖に関わる遺伝子から転写されるmRNAに多く、通常は転写後すぐ分解されるが、細胞にストレスが加わると一時的に核外で安定化され、ストレスが解除されると再び分解サイクルに戻る。この安定化システムに異常が起こりARE─mRNAが恒常的に安定化されると、発がんや炎症など多様な疾患に関わる。

 グループが開発したAdARETとAdAREFという2つのアデノウイルスは、感染により発現されるE1AmRNAにAREを持つため、がん細胞では安定化され、正常細胞ではすぐに分解されるという。

 研究では、両ウイルスをがん細胞と正常細胞に感染させると、がん細胞は正常細胞よりウイルス生産量が最大1万倍程度高く、感染させるウイルス数が多くなるほど細胞死がみられたが、正常細胞では細胞死がほとんど起こらなかった。

 ヌードマウスに移植した腫瘍に両ウイルスを直接投与すると腫瘍が縮小し、中国で臨床応用されているウイルスよりも腫瘍溶解効果が高いことも分かった。

 ARE─mRNAの核外輸送・安定化は、がんだけでなく炎症性疾患やウイルス性疾患などでもみられるため、さまざまな疾患に対する「ウイルス療法」開発が期待できるとしている。

歯科の通院自粛47.5%

 小型家電ブランドのブラウン(P&G、本社:神戸市)の電動歯ブラシ「ブラウンオーラルB」では、20~60代の男女10,000人を対象に、コロナ禍におけるオーラルケアに関する実態調査を行なった。

 コロナ禍において免疫力を保つ鍵として口腔衛生状態が注目され始める中、依然として約9割はオーラルケアを変えていないことが判明した。さらに「むし歯」「歯周病」「口臭」に不安を感じている人は約7割いるにもかかわらず、全体の47.5%は歯科医院への通院を控えていると答え、コロナ禍において約半数の人が歯科医院への通院を躊躇(ちゅうちょ)していることが分かった。

https://kyodonewsprwire.jp/release/202005260235

歯の神経、幹細胞で再生 エア・ウォーター実用化

 産業ガス大手のエア・ウォーターは1日までに、歯の神経を再生する治療法を実用化したと発表した。歯の内部に含まれる幹細胞を培養し、虫歯の治療で神経を取り除いた歯に移植する。約1カ月で神経が再生され、かむ感覚を取り戻せるという。実用化は世界初としている。

 親知らずなど不要な歯を抜き、内部の歯髄を採取。歯髄から幹細胞を培養する。半年から1年後には神経の周辺組織も再生する。費用は1本約55万円から77万円程度で保険は適用外。今秋には、親知らずなどを抜歯した際に幹細胞を冷凍保存する事業も始める。将来、神経を失った際の治療に備えることができる。

 エア・ウォーターは事業多角化の一環として、2018年に歯の再生医療分野を担う子会社アエラスバイオ(神戸市)を設立した。同社と連携する「RD歯科クリニック」(神戸市)の再生医療計画が厚生労働省に受理されたことから、6月下旬に治療を開始した。

栄養不足と口内炎

地味に痛い口内炎や口角炎(こうかくえん:くちびるの端が切れたようになる)。
お醤油や酢のものがしみて、食事が憂鬱になりますよね。
一般的によくできる口内炎はアフタ性口内炎といい、
疲れやストレスによる免疫力低下や睡眠不足、栄養不足などが原因と考えられます。

口腔内の細菌が多いと、重症化したり頻発したりすることがあるため、
しっかりと歯みがきをすることも大切ですが、
バランスのよい食生活を心がけることも、とても大切です。

では、何を食べれば良いのでしょうか?
口内炎は粘膜を整えたり、炎症を抑えるビタミンB2やB6、
そして炎症を抑えて免疫力を高めるビタミンCを積極的に摂ることが良いといわれます。

よく、口内炎には鯖がいい!と聞きますが、
〇ビタミンB2・・・鯖・うなぎ・レバー・乳製品・納豆など
〇ビタミンB6・・・マグロやカツオなど赤身の魚・レバー・キャベツなど
〇ビタミンC・・・いちご・ブロッコリー・パセリなど
に多く含まれます。
これらのビタミンは水溶性で、たくさん摂っても体外に排出されるため、
摂りすぎの心配はありません。

普段から粘膜を強くし、炎症を抑える効果のある栄養素として
食事に取り入れるようにすると、口内炎にもなりにくいかもしれませんね。

▼原因はビタミン不足?口内炎を予防して治す、ビタミン摂取のコツ(EPARK)
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/j0q9yfr06xio8fx6tcoRK

「開店休業状態」の病院も 経営に打撃、地域医療むしばむコロナ

 新型コロナウイルス感染症の影響で、院内感染を恐れた患者の受診控えが広がり、多くの医療機関が経営に打撃を受けている。「経営難で閉鎖に追い込まれれば、地域医療が崩壊してしまう」という懸念や「健康への影響が心配だ」との声が上がる。一方で「ウィズコロナ」の時代に合った医療の在り方を模索する動きも出ている。

 「外来も入院も、患者が約3割減っている。こんなことは初めて」。こう言って肩を落とすのは、福岡市内の急性期病院の院長。5月は数千万円の赤字になった。約300人いる職員には給料を払わないといけない。「ボーナスを例年通りの額で払うのは難しいかもしれない」と頭を抱える。

 福岡県保険医協会が県内858の病院や診療所から回答を得た調査で約9割が、2~4月の外来患者数が前年同期比で「減った」と答えた。うち3分の1で「3割以上」落ち込んだという。「開店休業状態」といった声も寄せられている。

 国の支援拡充を求める声もある。新型コロナの感染者を受け入れた福岡記念病院(福岡市早良区)では、多い時期には二十数人の感染者が入院した。一方で、他の患者は半減したという。患者数は徐々に増えつつあるが、先は見通せない。

 重症や中等症の患者を受け入れた場合は診療報酬が3倍になるが、軽症者を受け入れた際の支援はそれに比べ手薄だ。上野高史院長は次の流行を見据え、「軽症でも多くの人手が必要で、病院の負担は大きい。財政面で相応の手当てを考えてほしい」と要望する。

 経営に影響が出た医療機関などへの融資は、12日に成立した2020年度第2次補正予算で拡充された。ただ、「患者がいつ戻ってくるか分からず、借りても返す当てがない」との不安も聞かれる。

 このまま受診控えの傾向が続けば、健康への影響が懸念される。福岡県医師会の稲光毅理事は「重大な病気の発見が遅れたり、慢性疾患が悪化したりする恐れがある」と指摘する。子どもの予防接種を控える動きもあるという。

 医療問題に詳しいニッセイ基礎研究所の三原岳主任研究員は「感染への不安を軽減する仕組みが必要だ」と提起する。次の流行が予測できない中、三原主任研究員は「オンライン診療や予約制の導入はもちろん、少ない来院回数で治療が済むような工夫も求められる」と強調する。

 感染予防のための環境整備には、多くの医療機関が取り組んでいる。稲光理事が院長を務める「いなみつこどもクリニック」(福岡市西区)では待合室のおもちゃや絵本を撤去し、椅子の配置にもゆとりを持たせた。時間ごとに予約を取り、付き添いは基本的に1人。待合室が「3密」にならないよう工夫する。

 一方で福岡県内のある救急病院の院長は「コロナ禍でいい変化もあった」と明かす。緊急性の低い患者が救急外来を受診する「コンビニ受診」が激減した。手洗いやマスクの着用が徹底されたことで、他の感染症の受診も減っているそうだ。

 この救急病院も経営は厳しく、医療機器やベッドの買い替えを先延ばしして何とかやっている。院長は「これからはオンライン診療に力を入れて令和型の医療を確立し、地域に貢献したい」と力を込める。

新型コロナ 唾液でPCR整備へ 診療所などへ容器配布 国方針受け県 /愛知

愛知県は8日、新型コロナウイルスのPCR検査について、唾液を検体とする検査体制を整備すると発表した。国の方針に伴う対応で、地域の診療所などの医師が検査が必要と判断した軽症者のうち、症状が出てから9日以内の人が対象となる。

 検査を受ける人は、受診した診療所などで唾液採取用の容器を受け取り、自宅で唾液を取って入れ、本人か家族が指定された日時に保健所に持ち込む。

 綿棒で鼻の奥から粘液を取る従来の検査方法は、せきやくしゃみが出やすいため、採取する医師などの感染リスクが懸念された。唾液ならより簡単に検体を採取できる。発症から9日以内であれば、粘液と唾液で検査結果に大きな差がないとの研究結果が得られたことを受け、国が2日、唾液によるPCR検査の実施を認めていた。

 県は今後、診療所などへの容器の配布を進め、唾液による検査の数を増やしていきたいとしている。県担当者は「唾液は持ち込む直前に採取してほしい」と呼びかけている。

お口と寒暖差の関係

「お口で体調不良」でも少し触れましたが、
寒暖差で免疫力が低下すると感染症である歯周病が悪化してしまうことがあります。
また、湿度の高い夏であってもエアコンの除湿や冷房を頻繁に使うことで、
室内が乾燥し、お口の中も乾いてしまいます。

寒暖差で自律神経の交感神経が優位になると唾液の出る量が少なくなります。
また、室内の乾燥でお口が乾くことも重なり、
お口の中の細菌が増えてしまう恐れがあります。

そうなると歯周病だけではなく、口内炎ができたり、治りにくくなる、
また、親知らずが痛くなったり、むし歯ができやすくなる・・・
といった、あまりうれしくないことが起こってきます。

高齢の方など口腔機能の低下がある方は、
食べ物が飲み込みにくい、ムセやすいといったことや
窒息事故などのリスクも高くなってしまいます。

そういったお口のトラブルを防ぐためには、
こまめな水分補給やうがいでお口を湿らせることが効果的です。
また、唾液腺のマッサージやお口の体操などで
唾液がたくさん出るように、普段から工夫することも大切ですね。

▼唾液腺マッサージ
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/j0q0q2r06xizeqc6nuL7Q

寒暖差で体調不良

冬から春へ、そして夏に向けて、
朝晩と日中の気温に大きな差が出ることがあります。
また、暑いとエアコンを使うことも多く、
室内と室外で温度差を感じることもありますよね。

温度差(寒暖差)にからだが対応するために、
自律神経の交感神経が優位に働き、多くのエネルギーを必要とします。
そのため、疲れやすくなったり倦怠感を感じたりします。

また、気温の高低には気圧も関係するため、同様に自律神経が乱れやすくなったり、
血中酸素濃度が下がり、眠気やだるさを引き起こすことがあります。
春バテや秋バテという言葉もあるくらい、寒暖差はやっかいです。

寒暖差による体調不良を予防・改善するためには、
規則正しい生活やゆったり入浴(熱い温度は避ける)することをお薦めしますが、
やはりしっかりと栄養を摂ることが大切です。

ストレスと自律神経は関係が深いため、ストレス対策にも効果的な食事がいいですね。
〇ビタミンA・・・副交感神経を整える・・・豚肉、ウナギ、人参などに多く含まれます。
〇ビタミンB1・・・自律神経を整える・・・豚肉、卵、玄米、ニンニクなど。
〇ビタミンC・・・ストレスを軽減するホルモンを作る手助け・・・いちご、キウイ、パプリカなど。
〇ビタミンE・・・自律神経を整える・・・大豆製品、ナッツ、ほうれん草など
〇カルシウム・・・気持ちを落ち着かせる・・・大豆製品、乳製品、小松菜など
上記の栄養素を意識して摂ることと、三食きちんと摂る食生活を心がけましょう。
また、朝起きてお水を飲むと腸が刺激されて活発になり、血流も良くなります。

寒暖差で自律神経が乱れると免疫力も低下します。
歯周病や夏風邪、そして新型コロナウイルス予防のためにも
生活の中でほんの少し意識して、少しでも快適に過ごしましょう!

▼自律神経をととのえよう!~“なんとなく不調”の正体は?~
 (FUJIFULM ビューティー&ヘルスケア Online)
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/j0q0p2r06xizeqc6nuUM0

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