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菌のゲノム情報から病原因子解析に成功

大阪大学大学院歯学研究科の川端重忠 教授らの研究グループは、肺炎球菌のゲノムが進化する情報を調べて病原因子を解析することに、世界で初めて成功した。

 治療薬の開発には、ワクチンや抗菌薬などの薬剤の標的候補として、病原因子を決定する必要があるが、従来の手法だと解析時間とコストに問題があった。

 同研究成果は英国科学誌『Communications Biology』オンライン(3月8日)に公開された。     

(日本歯科新聞 3月19日より) 

光反応性物質に着目して口腔がんを鑑別

タレントの堀 ちえみ さんの口腔がん公表を受けて、歯科医院への受診・問い合わせが急増している。
 
 先進国のなかで、唯一口腔がん患者が増えている日本において、歯科界では以前から早期発見・早期治療の重要性が叫ばれ、簡便で確実な早期発見ツールの開発が望まれていた。

 鶴見大学歯学部 口腔内科学講座の里村一人 教授らは光反応性物質に着目して口腔がんを鑑別する方法を進めている。

 がん細胞のミトコンドリア内に蓄積される「プロトポルフィリン9」に光を当てて反応させ、正常組織と鑑別するという手法で、すでにプロトタイプの診断装置を開発し、ステージ0の初期口腔がんの発見にも成功している。

      (日本歯科新聞 3月5日より)

オハヨー乳業「ロイテリヨーグルト」販売エリア全国へ拡大 口腔内フローラに着目した機能性表示食品

オハヨー乳業は、日本で初めて口内フローラに着目した機能性表示食品「ロイテリヨーグルト」の販売エリアを、3月5日から全国へ拡大する。

 「ロイテリヨーグルト」は2017年9月に関東エリア1都8県で発売。機能性表示は「本品にはロイテリ菌(L.reuteri DSM 17938株)が含まれる。口腔内フローラを良好にするL.reuteri DSM 17938株は歯ぐきを丈夫で健康に保つ機能が報告されています」となっている。

(食品産業新聞社 ニュースWeb 3月3日より)

自撮りで歯周病リスク検出-東北大×ドコモ

 スマホで口腔(歯肉)を自撮りすると、AIが歯周病リスクを検出して、歯科医院への受診を勧める。そんな技術の確立に向けて東北大学が、NTTドコモと共同研究を進めている。

 4月から病院等で得た知見をAIに取り込んでいき、歯科医療現場で使えるレベルまで精度を高めた後、実証実験を経て、2022年をめどに実用化を目指したいとしている。

(日本歯科新聞 2月26日より)

堀ちえみさんが退院 手術で「生まれ変わった」

ステージ4の舌がんを公表し、手術を受けたタレントの堀(ほり)ちえみさん(52)が26日、公式ブログを更新し、同日退院したことを明らかにした。「がんは全て取り切れた」と説明を受けたと報告し「痛かった腫瘍も全部なくなりました。生まれ変わった...そんな気持ちです」と喜びをつづった。

 ブログによると、術後の経過は順調で回復が早かった。堀さんは、多くの励ましに感謝した上で「生きている事に感謝をして、これからの人生を大切に過ごしていきたい」と心境を記した。会話はおぼつかない状況でリハビリを続けるという。

 堀さんは2月19日、ステージ4の舌がんで左首のリンパに転移していることと、手術のために入院したことをブログで公表。同22日、頸部(けいぶ)リンパ節や舌を切除する手術と、太ももの組織を取って舌を再建する手術を受けた。

インプラントの相談多数 痛みやしびれ、出血も

国民生活センターは14日、人工の歯を埋め込む「インプラント治療」に関し、手術後に痛みやしびれ、出血などの症状が現れたとの相談が2013年4月~18年12月に409件寄せられたとして注意を呼び掛けた。

 センターによると、骨粗しょう症や糖尿病などの症状がある場合、治療にリスクが伴うが、疾患の有無を確認する検査もなく、いきなり治療を始めたケースも報告されている。

 「体に症状が継続した」とする相談は211件あり、このうち1年以上続いたケースが102件、3年以上続いたケースが44件あった。相談者が治療費を明らかにした240件のうち111件は契約額が100万円以上だった。相談者の半数を50~60代が占めていた。

 センターは、治療後には必ず定期検診を受けるとともに、不具合を感じた場合は他の専門医の診断を受けるべきだとしている。

「笑顔の向こうに」が大盛況。8020運動の大切さを伝える。

日本歯科医師会が8020運動30周年記念事業として製作、歯科医療現場をテーマに若者たちの成長を描いた映画「笑顔の向こうに」が2月15日よりイオンシネマで全国公開され、盛況となっている。歯科医療現場が映画の題材になったのは、洋画・邦画含めてもおそらく初めて。完成披露上映会で、「入れ歯がこんなに出てくる映画はない」と榎本監督が言っているが、「普段、あまり関心を持つことがない歯科技工士や歯科衛生士の現場を垣間見ることができ、面白かった」との観客の声も多かった。口内環境を整えることが高齢者の健康長寿を支えること、8020運動の大切さなどの周知に繋がったようだ。

この口内炎、舌がん?…堀さん公表で相談急増

タレントの堀ちえみさん(52)が舌がんを公表してから間もなく1か月。舌がんに対する関心の高まりで、東京都内の大学が開設したネットの相談窓口には、歯科開業医から患者の口の中の異常について相談が急増している。舌がんは一般的な口内炎と間違えられ、診断が遅れる恐れがあり、患者の遺族からも「この機会に舌がんのことを知って」との声が上がっている。

 堀さんは先月19日、自身のブログで、進行した舌がんが見つかったと明らかにした。当初数か月は舌がんとの診断がつかず、口内炎として治療を受けていたという。22日に手術を受け、今月17日のブログでは医師の許可を得て一時自宅に戻った様子を報告した。「退院まで後少し」などと近況をつづっている。

 「堀さんの公表をきっかけに、多くの人に関心を持ってほしい」。そう呼びかけるのは、千葉県船橋市の男性(55)だ。2017年6月、父親(当時83歳)を舌がんで亡くした。

 前年5月、父親は口内炎がなかなか治らず、近くの歯科医院から紹介された病院の 口腔(こうくう)外科を受診。入れ歯が合っていないためと言われ、数か月通院した。症状は治まらず、別の病院を受診すると、11月末になって進行した舌がんとわかった。父親の死後、最初の病院を提訴した。

 男性は「『治らない口内炎』とネット検索すればよかったと悔やんでいます。他の人には父のような思いをしてほしくない」と語る。

 舌がんは、初期症状の口内炎が見分けられずに放置され、診断がつくまでに進行してしまうことが、以前から問題とされてきた。

 診療には耳鼻咽喉科・頭頸(けい)部外科のほか、口腔外科など複数の診療科がかかわる。早期発見を目指し、日ごろ患者の口の中を診ている歯科開業医と大学病院などの専門医が連携する取り組みも広がりつつある。

 東京歯科大口腔外科などは、歯科開業医が口内の異常を見つけた場合、ネットを通じて画像を共有し、助言する仕組み「オーラルナビシステム」を12年から始めた。今では全国1386の歯科診療所が参加する。堀さんの病気公表後、1週間に4、5件だった相談は1日10~20件に急増した。

 柴原孝彦・同大主任教授は「口内炎のような症状が2週間以上続いたら要注意だ。早期発見には部分的に白いとか赤いとか色調の変化がないかを見る習慣も大切」と話している。

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