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歯周病は隠れた糖尿病のサイン

歯科医から2型糖尿病の疑いがあると言われたら驚くかもしれない。しかし、歯周病は隠れた糖尿病の徴候である可能性が、新しい研究で示された。

 この研究によると、重度な歯周病をもつ人の5人に1人は2型糖尿病をもち、しかも患者はそのことに気づいていなかった。この知見は、歯科クリニックが糖尿病前症や2型糖尿病のスクリーニングに適している可能性を示唆している。

 「口腔内の健康状態が悪化すること、なかでも歯周病の存在は糖尿病などの疾患の徴候になりうる。糖尿病前症や2型糖尿病を早期に発見し治療することは、その後の合併症予防において重要な課題だ」と、研究著者であるオランダAcademic Center Dentistry Amsterdam(ACTA)歯周病学のWijnand Teeuw氏は述べている。

 世界中で増加が著しい糖尿病患者は、2010年には世界で2億8500万人と推定され、2030年には5億5200万人に達するとみられている。しかし、糖尿病患者の3人に1人は自分が糖尿病であることに気づいていないとされる。

 米国糖尿病協会(ADA)によると、糖尿病を治療せずに放置すると、視力障害や深刻な腎臓病、心臓障害、感染症などさまざまな合併症を引き起こす。同氏は、歯周病は歯茎に炎症を起こし、歯を支える骨をむしばむ感染症で、糖尿病の合併症と考えられることも多いと指摘している。

 今回の研究は、アムステルダムの歯科医院に来院した313人を対象としたもの。参加者のうち126人が軽度~中等度の歯周病を、78人が重度の歯周病をもち、残りの109人には歯周病は認められなかった。参加者全員のHbA1c値を測定し、糖尿病前症や2型糖尿病の有無を判定した。

 その結果、2型糖尿病の診断歴がない人では、重度の歯周病をもつ人の47%が糖尿病前症で、18.1%が2型糖尿病であることがわかった。軽度~中等度の歯周病をもつ人では46%が糖尿病前症で、9.9%が2型糖尿病であったほか、歯周病をもたない人でも37%が糖尿病前症、8.5%が2型糖尿病であることが判明した。

 歯周病専門医でADAのスポークスパーソンを務めるSally Cram氏は、自身の臨床経験でも多くの患者が糖尿病の存在に気づいていないことを実感しているとしつつ、「治療しても歯周病が治らない患者には糖尿病の検査を勧めるべきだ」と述べている。同氏によると、血糖コントロールが不良な糖尿病患者でも歯周病を治療すると糖尿病も改善するケースがみられるという。

 米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、感染症によく罹ったり、治るのに時間がかかるのは糖尿病の重要な徴候であるとし、「糖尿病と歯周病の関係は両方向で、どちらか一方が改善すれば、もう一方も改善する」と説明している。なお、同氏は、この研究は因果関係を証明するものではないと付け加えている。

 また、Cram氏は、歯科トラブルのほとんどは歯周病であるが、歯を1日2回磨き、フロスを1回使い、定期的に歯科医の診察を受ければ予防できると、歯周病予防の大切さを強調している。

歯の芽②

乳歯は母親の胎内にいる時にすでにもとになるものが出来上がり、
これを「歯の芽」(歯胚:しはい)といいます。
歯胚は妊娠6~7週目程から出来始め、
10週目くらいには上下に20本の乳歯の元が出来上がります。
その後、4ケ月頃から石灰化(カルシウムの沈着)が起こり、
硬い歯が出来上がっていきます。
この時期に数本の大人の歯(永久歯)の元も出来上がり、
残りは産まれてから作られます。

歯は一生ものであり、からだの健康や見た目にも大きな影響を与えます。
歯はカルシウムだけで出来ているわけではなく、
タンパク質やビタミンなどの栄養素も必要になります。
頑丈な「歯の芽」を作るためには、母親がバランスのいい食事により
必要な栄養素をしっかりと摂るということが大切です。
妊娠がわかる頃には「歯の芽」は出来始めますので、
日頃から食事の栄養バランスに気を付ける必要がありそうですね。

▼参考:歯とお口の発生と育ち方
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h09smys0wt58jbk7rgR8c

歯の芽

赤ちゃんの歯(乳歯)は生後6ヶ月前後から生え始めます。
個人差があるため、早い子では産まれた時にすでに歯が生えている、
1歳を過ぎても歯が生えない…といったこともみられます。

産まれた時にすでに歯が生えている場合、
母乳授乳時に噛まれてしまうなどといったことがありますので、
小児歯科受診をお薦めします。
また、1歳3ヶ月頃を過ぎても歯が生えてこない場合も
欠損歯(もともと歯がない)場合も考えられますので、
歯科医師に相談するようにしましょう。

ちょっと気になる!≪PMTC≫

歯科医院の治療にPMTCというのがあるのをご存知ですか?
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaning の略で、
専用の機器を使った自費診療の歯面清掃です。

PMTCの目的は、口腔疾患の予防、口臭予防などです。
器具を使って歯石を取ったり、歯の表面の細菌や着色を
取り除くことにより、見た目も良くなります。
自費診療になるので、時間はかかりますが、
一回の通院で終わらせることも可能です。

料金は歯科医院によって異なり、
3,000円から20,000円くらいと価格帯に幅があります。
診療内容の違いもありますので、
事前にしっかりと確認をすることが大切です。

歯の表面や細部の汚れや歯垢・歯石を一度しっかりと取り除き、
見た目&歯と口の健康を見直してみるのもいいかもしれませんね。

▼参考;自費で受ける歯のクリーニング、PMTCのメリットは?
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h0l479t0xtxcx12072lEE

「のどちんこ」の役割

口を大きく開けると奥に見える「のどちんこ」。
この「のどちんこ」はなんのためにあると思いますか?

「のどちんこ」の奥には鼻に通じる道があります。
口と鼻が仕切られているのは哺乳類の特徴で、
垂れ下がった部分は哺乳類では人間だけにあります。
鼻と口が仕切られているおかげで
人間は息をしながら食事を摂ることができます。
他の哺乳類は呼吸をしながら食事ができないので、
丸飲み状態で、できるだけ早く食事を済まさなければ苦しくなります。

言葉を話すときも肺から出された息を
「のどちんこ」が鼻側、口側と振り分けることにより、
いろいろな音を出すことができるようになっています。
例えば、パパとママ。
同じ口の動きでも、鼻の方に抜けるとママになり、
口の方に抜けるとパパになります。

飲み込みのときにも大きな役割を担っていて、
しっかりと鼻に通じる穴を防げないと飲み込みの力が弱くなったり、
鼻に食べ物が入ってしまうこともあります。

からだにウイルスなどが侵入しないように
最前線で守ってくれているのも、実は「のどちんこ」なのです。

▼参考書籍『のどちんこの話』
摂食嚥下・呼吸・発声との微妙な関係 著/松矢篤三・古郷幹彦
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h0l469t0xtxcx12072x7a

新たな技工士像「臨床義歯管理工学士」を提案

新たな歯科技工士像として多職種が連携する高齢者医療に、より積極的に参加できる「臨床義歯管理工学士」を4年制の教育機関で育ててはどうかー。5日に開催された厚労省の第2回「歯科技工の養成・確保に関する検討会」で東京医科歯科大学教授の鈴木 哲 氏が提言した。

 同校の4年制歯科技工教育機関―歯学部口腔保健工学専攻の現状と進路先について報告し、臨床としての歯科技工に従事すると4年生大学を卒業したという評価が反映されないことが背景にあるとして「4年制大学は歯科技工士の需給対策にすぐにはならない」との考えを示した。

(歯科通信より)

「災害時の口腔ケアが大事」日歯

西日本を襲った記録的豪雨で、被災地では断水が続く。水不足で歯みがきなどの口腔ケアができない状態が続くと、口の中の細菌が増殖し肺炎などになる可能性があり、日本歯科医師会は「災害時こそ口腔ケアをしてほしい」と注意を呼びかけている。

 日本歯科医師会によると、歯ブラシがない場合は、食後に少量の水やお茶でうがいしたり、ハンカチやティッシュで歯の汚れをとったりする。

 歯ブラシはあるが水が少ない時は、約30ミリリットルの水を入れたコップを用意し、歯ブラシを水でぬらして歯を磨く。そして、コップに入っている水を少しずつ口に含んで、2~3回に分けてすすぐ。うがい薬も口を清潔に保つには効果的。

 また、口の中をきれいに保つ唾液を出しやすくするために、耳の下、頬、あごの下を手でもんだり、温めたりする。入れ歯も菌が繁殖しやすいので、できるだけ、毎食後に掃除する。

(毎日新聞 7月12日より)

 日本歯科医師会では、「お口のケア」に関わる情報を、ホームページおよびfacebookページなどで動画や資料を用いて分かりやすく紹介しています。

https://www.jda.or.jp/disaster/
https://www.facebook.com/Japan.Dental.Association/

アルツハイマー病の発症に2種類のヒトヘルペスウイルスが関与している可能性

米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のJoel Dudley氏らは、アルツハイマー病患者の脳では、そうでない人の脳と比べてヒトヘルペスウイルス6A(HHV-6A)とヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)が約2倍に増加しているいう研究結果を「Neuron」6月21日オンライン版に発表した。

 また、これらのウイルスは、アルツハイマー病のリスクを高める遺伝子と相互に作用することも示した。

 HHV-6(HHV-6AとHHV-6B)やHHV-7は、ほとんどの人が主に乳幼児期に感染する身近なウイルスで、特にHHV-6は乳児期の突発性発疹の原因となることが知られている。

 また、これらのウイルスは他のヘルペスウイルスと同様に、感染後には体内で休眠状態となり、その後、ある時点で再活性化する可能性がある。

(医療NEWS 7月5日より)

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