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旭川市、集中予約1万人分 コロナワクチン、1日から7日まで

旭川市の西川将人市長は31日、定例記者会見を開き、高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種について、1~7日に約1万人分の予約を集中的に受け付けると発表した。対象はかかりつけ医がいない75歳以上で、市のワクチンコールセンターかホームページ(HP)で予約する人。予約枠は毎回千人前後と少なく、すぐに上限に達していたため、接種日程を直近ではなく7、8月まで広げることで枠を大幅に増やした。これとは別に、土日だけでなく平日も集団接種を行い、ペースを早める考えだ。

 市のワクチン接種は、かかりつけ医(毎月~3カ月に1回通院する病院)がいる人は、各医療機関で直接予約するのがルール。かかりつけ医がいない人は、コールセンター(電)0166・25・3501か、市HP内の「予約システム」で申し込むことになっている。

 今回設けた1万人の予約枠は、受け付け方法によってコールセンター、市HPに約5千人分ずつ振り分けた。枠は接種会場別でも異なり、土日(祝日)の集団接種は約6千人分、医療機関での接種に4千人分を割り当てた。今月8日からは65歳以上の予約が始まるため、西川市長は「75歳以上の方はこの機会に予約を」と呼びかける。

 ただ今回の「集中予約枠」は早く申し込める利点はあるが、実際の接種日は7、8月にずれ込む見通し。今後受け付ける予約に向け、西川市長は「集団接種会場の平日開設や、町内会単位での団体接種も準備している」と表明。このため市保健所は、タイミングによって「集中予約」よりも早く接種できる逆転現象が起きかねないことを認める。

 また、市内では約100カ所の医療機関が接種を担っているが、今月中に約120カ所に拡大する見込み。コールセンターは現在27回線だが、今月中旬をめどにさらに約30回線を増やす。市HPでの予約希望者向けに、市内のドコモショップ9店に電話予約して来店すれば、予約方法を無料で教えてくれるという。

 西川市長は「予約に関する問い合わせが集中し、ご迷惑をおかけして大変申し訳ない。状況によってはさらなる予約枠の拡大を図りたい」と述べた。(小林史明)

旭医大、病院長解任撤回せず 役員会で審議なし 患者家族「署名の思い踏みにじる」

【旭川】旭川医科大病院長を1月に解任された古川博之教授(66)について、旭医大が解任を撤回しない方針であることが29日、関係者への取材で分かった。吉田晃敏学長がトップを務める同大役員会に古川氏の解任撤回を求める署名が出ているが、同日開かれた役員会で審議されなかった。また、吉田学長が古川氏を大学に残さない意向も示したとされ、古川氏の今月末の定年退職が確実となった。

 同大教授の定年は65歳。古川氏も昨年3月末で退職予定だったが、病院長任期(2年)が今年6月末まで残っていたため、定年は同3月末まで延長されていた。定年は4月以降も1年延長の見込みだったが、情報の漏えいなどを理由に役員会が1月に解任を決定。3月末で退職の可能性が出たため、手術を受けた患者家族らが今月3日、約1万5千筆の解任撤回を求める署名を役員会に提出していた。古川氏は漏えいを否定している。

 長男が手術を受け、今回の署名集めも行った旭川市の自営業佐々木香苗さん(39)は「1万5千人の思いを踏みにじる対応」と憤りを語った。

旭川市が医療チーム4月発足 クラスター教訓踏まえ

】旭川市は新年度、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した市内の施設の支援に駆けつける医療チームを発足させる。4月に市議会に関連予算案を提出する。昨秋以降に市内の医療機関や福祉施設で大規模なクラスターが相次いだ教訓を踏まえた。当時、クラスター施設の応援に入った市内の基幹病院の医師や感染管理認定看護師ら10~15人で構成し、早期の感染封じ込めを目指す。

 チームは施設に入って感染者を治療するほか、感染者と非感染者の利用場所を分ける「ゾーニング」や防護服の着脱指導を行う。クラスターに発展しそうな施設にも赴き、感染対策を主導する。市はあらかじめ登録した人から派遣者を決め、日当を支給する。

院長解任、広揺 コロがる動ナ禍「連携水差す」 「旭川医科大」

新型コロナウイルス感染拡大で昨年12月に医療崩壊寸前にまで追い込まれた北海道旭川市で、地域医療の中心的役割を担う旭川医科大病院の院長がコロナ患者の受け入れを巡り学長と対立し、解任される事態に発展した。「連携に水を差す」。コロナ禍の中で表面化した"お家騒動"に、患者の受け入れに追われてきた市内の病院関係者の間で動揺が広がっている。

 ▽受け入れ却下

 「学長に軽症のコロナ患者を受け入れるよう求めたが断られた」。昨年11月、市庁舎で開かれた医療対策連絡会。旭川医科大病院の院長だった古川博之(ふるかわ・ひろゆき)氏は、力ない様子で市内の基幹病院の院長らにこう打ち明けた。

 事前の取り決めで旭川医科大病院は重症者を受け入れる役割だったが、市内の慶友会吉田病院でクラスター(感染者集団)が発生しコロナ専用病床が逼迫(ひっぱく)。古川氏の直談判に吉田晃敏(よしだ・あきとし)学長が軽症者の受け入れを却下したことで2人の関係にひびが入った。

 対立が決定的になったのは昨年12月。学長が学内会議で吉田病院について「ぐちゅぐちゅとコロナをまき散らしている」「なくなるしかない」などと述べた音声が外部に流出し、学長は釈明に追われた。大学側は音声が外部に漏れたことを問題視。古川氏は漏えいを否定したが、大学側は音声を流出させたとして今年1月25日付で病院長職を電撃的に解任した。

 ▽混乱拡大

 大学側は古川氏の解任に吉田学長は関与していないと強調するが、処分を決めた役員会のメンバーは学長と長年連れ添った側近で固められている。大学幹部は「解任は学長の意向が反映されていたのではないか」と処分の正当性を疑問視する。

 旭川医科大は2009年に学長任期の上限を撤廃、吉田学長は約14年に及ぶ長期政権を維持してきた。大学経営の黒字化など手腕に定評があるが、学内では教授人事を握り反対派を排除する「恐怖政治」との声も上がる。大学関係者は「一連の問題は長期政権の弊害。ガバナンスが崩壊しており、立て直すにはトップが代わるしかない」と批判する。今月9日には教授ら有志が、吉田学長の辞職を求める署名活動を始めた。

 旭川医科大で拡大する混乱に、市内の医療関係者は危機感を募らせる。保健所幹部は「リーダーシップを発揮してきた古川氏が抜けた。市のコロナ対策に響く」と懸念。旭川医療センターの西村英夫(にしむら・ひでお)院長は「次の感染拡大にも備えなければならない中、内部でごたごたしている場合か」といら立ちをあらわにした。

道立旭川子ども総合療育センターリニューアル、障害児支援を強化

道は、道東・道北地域における障害児の地域支援や療育機能を強化するため、旭川市の道立旭川肢体不自由児総合療育センター(田中肇院長)の全面改築を終え、「道立旭川子ども総合療育センター」に改称してリニューアルオープンした。

 旧センター北東側のグラウンドにRC造2階建て延べ約5900平方メートルで建設。診療科目は小児科、整形外科、歯科、眼科、泌尿器科、麻酔科。病床数(入所定員)は一般入院45床(15床減)、親子入院15床(5床減)の計60床耐性にダウンサイジングし、児童1人当たり床面積を広げた。

 1階は外来診療部門、リハビリテーション・保育部門など、2階に一般病棟と親子棟、手術部門を配置した。一般病棟はプライバシー保護や個別支援充実を図り、4床室と2床室の割合を増やし、多動性障害のある子どもの受け入れが可能な専用個室は2室。親子棟は同伴児童のいる親子が3人以上でも利用できる居室も設けた。

 隣接する旭川養護学校とは引き続き接続。リハビリ機能を充実するため大型屋内広場を設け、作業療法室と言語聴覚療法室を増室し、退所後の日常生活動作訓練のためのADL室や専用の感覚統合療法室も整備した。

 同センターは、18歳未満の肢体不自由児や発達障害児を対象に医療型障害児入所施設として療育サービスを提供しているほか、道東・道北の障害児の地域支援や在宅支援も担っている。

道北でもワクチン接種開始へ 5日にも5病院で医療従事者対象

道は医療従事者対象の新型コロナウイルスワクチンの「優先接種」について、道北では市立旭川病院、名寄市立総合病院、富良野協会病院、留萌市立病院、市立稚内病院の感染症指定医療機関5カ所などで行うと明らかにした。ワクチンは5日に25箱(2万4375回分)が道内に到着予定で、各施設に届き次第、早ければ5日に接種が始まる。

 道北では感染症指定医療機関の5カ所以外にも対象施設はあるが、道は非公表とした。ただ、コロナ患者を受け入れている施設も対象となるため、旭川赤十字病院や旭川医科大病院、旭川厚生病院、旭川医療センターなどでも接種が行われる見通しだ。

 安全性確認を兼ねた医療従事者対象の「先行接種」は、道央と道南、道東の7医療機関で2月17日から始まっていたが、道北は対象外だった。

 ワクチンは3月8日の週に、さらに25箱が道内に到着予定で、まずは計50箱が道内の81医療機関で使われる。

旭川医大学長の職務停止を要請 全教職員の過半数が署名

 旭川医科大学(北海道旭川市)の吉田晃敏学長の辞任を求めている、学内の教授らによる「旭川医科大学の正常化を求める会」は1日、全教職員数(2083人)の半数以上の1106人から学長の辞任を求める署名が集まり、新学長が決まるまで吉田学長の学長職務を停止するよう学長選考会議に要請したと発表した。

 学長の解任請求を行うには、専任の教員ら「意向聴取対象者」(393人)のうち過半数の請求が必要。会は2月24日までに過半数の207人の署名を集め、学長選考会議に提出した。意向聴取対象者の署名は28日までに226人に上ったという。

 会は「署名数が全教職員の過半数に至っている現状を考えると、吉田学長が現状のまま職務執行を続行することには極めて問題がある」と指摘している。

院内感染「まるで戦場」 初動の検査と対応が鍵 「検証 コロナ時代」「医療の現場」

医療機関で院内感染が発生すると、診療がまひし医療崩壊に直結する。200人以上のクラスター(感染者集団)が発生した北海道旭川市の慶友会吉田病院には陸上自衛隊が看護官を派遣した。

 「まるで戦場のようだった」。北海道医療大(当別町)の塚本容子(つかもと・ようこ)教授(公衆衛生学)は昨年11月、感染抑制のため支援に入った。目に飛び込んできたのは、気力や体力の限界に達した医療従事者の姿。医師や看護師は感染の不安を抱えながら「患者が亡くならないように、どうにか診療と食事の提供をしていた」。

 感染者と非感染者の活動領域を分ける「ゾーニング」を実施したが、感染者が増えるたびに範囲の変更を余儀なくされた。長期の入院者は大型スーツケース3個分の荷物を持参しており「(個人の持ち物の)消毒に時間を要する上に、作業中に感染が広がっている可能性もあった」という。

 徐々に適切な手指衛生のタイミングや防護具の着脱方法が看護師に浸透し始めた。陸上自衛隊の支援も受け、12月に入り状況が落ち着いてきた。塚本教授は院内感染の抑制は「徹底した検査とゾーニングといった初動にかかっている」と指摘。「人手のわりに業務量が多くなれば、防護具の着脱がずさんになったり、換気を忘れたりと、院内感染のリスクが高まる可能性がある」と、全国でも増えている院内感染の背景を分析する。

 昨年4月の院内感染の発生で、患者や職員ら43人が感染、そのうち4人が死亡した東京都立墨東病院(墨田区)。中村(なかむら)ふくみ感染症科部長によると、感染の可能性は低いものの、経過を観察する必要のある人向けの専用病棟を設けた。さらに、全スタッフに休憩時や日常生活でも密集を避けるよう呼び掛けたことが奏功。速やかに院内感染を終息させることができた。

 現在は「(全身を覆う)防護服は脱ぐのが難しく、過剰な装備で働くのはむしろ危ない」と、マスク、フェースシールド、エプロンの軽装で業務に当たっている。

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