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体が硬いと死亡リスク高い 「医療新世紀」

関節が動きにくく体が硬い人は、柔軟な人より死亡リスクが高いとの研究結果を、ブラジルなどの国際チームがスポーツ医学専門誌に発表した。

 46~65歳の男女約3100人に、膝や肩など7関節の可動域の広さをみる計20種類の動作をしてもらい、柔軟性を点数化した。男女別に点数の高さで3群に分けた上で、平均13年近く追跡した。

 その結果、男女とも点数が低く体が硬い群は、点数が高く柔軟な群に比べ死亡リスクが高く、女性は4・78倍、男性は1・87倍だった。

 今回柔軟性を評価したのは、特別な運動などをする前だったため、チームは「訓練で体の柔軟性を高めると長生きできるかどうかの研究が必要だ」としている。

百歳以上、9万5119人 54年連続増、女性が88% 最高齢は116歳、厚労省

敬老の日」(今年は16日)に合わせ、厚生労働省は17日、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の9万5119人になったと発表した。昨年から2980人増え54年連続で増加。全体のうち女性が8万3958人と88・3%を占めた。男性は1万1161人。最高齢は兵庫県芦屋市の116歳女性だった。

 老人福祉法で「老人の日」と定めた9月15日時点で100歳以上の高齢者の数を、1日時点の住民基本台帳を基に集計した。昨年からの増加数は男性が625人、女性は2355人。2024年度中に100歳になる人の人数は4万7888人(前年度比781人増)だった。

 女性の最高齢は芦屋市の糸岡富子(いとおか・とみこ)さんで、1908(明治41)年5月23日生まれの116歳。男性は静岡県磐田市の水野清隆(みずの・きよたか)さんで、1914(大正3)年3月14日生まれの110歳。

 人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は76・49人。都道府県別では島根が12年連続最多で159・54人。次いで高知が154・20人、鹿児島が130・73人だった。埼玉が45・81人で最も少なかった。

 100歳以上の高齢者は調査を始めた63年は153人で、81年に千人を突破。98年に1万人を超えた。

 厚労省によると、23年の日本人の平均寿命は女性が87・14歳、男性が81・09歳となり、3年ぶりに延びた。新型コロナウイルス感染症による死亡数が減少したことなどが影響したとみられる。

次世代の電池「全固体電池」

世界で電気自動車が普及し、EV化が加速する中、長い航続距離・高い安全性を実現し、低コストで生産可能な電池開発が大きな進歩を遂げています。その中心が次世代の電池と目されている「全固体電池」です。一般的に使われている電池に様々な種類があります。リモコンや置き時計、懐中電灯などでよく使われているのはアルカリ乾電池で、スマホやタブレット、ノートパソコンなどをはじめとする電子機器類及び電気自動車のバッテリーなどには、小さくて大容量のリチウムイオン電池が広く使用されています。ただし、リチウムイオン電池は、正極と負極の間でイオンを伝達させる電解質に液体の有機溶剤を使用しているため、液漏れによるショートによる発火や破裂などのリスクがあります。その点、全固体電池は電解質が固体のため高温に強く、発熱量も小さいため、スマホの突然発火などのリスクが低減され、リチウムイオン電池より安全であるとされています。さらに劣化しにくいのが特徴で、携帯であれば充電が長持ちし、電気自動車に搭載すれば、航続距離を伸ばすことや充電時間を短縮することも可能となります。他にも全固体電池はリチウムイオン電池と比べて大容量で、作動温度範囲が広く高温や低温でも問題が生じないことも大きなメリットです。しかし、低コストで生産するための技術という点においては、安定した製品化・量産化への課題も残されています。

 日本政府は2050年のカーボンニュートラルを実現すべく、経済産業省のグリーンイノベーション基金事業を通じて、グリーン成長戦略の重点14分野を支援していますが、そこには自動車・蓄電池産業も含まれおり、全固体電池も研究開発も支援の対象となっています。電池に関する特許出願数を見ると、日本は世界でもトップクラス。全固体電池の量産技術を確立した企業は、世界のEV市場の覇権を握るとされています。すでに日産自動車では、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」において、2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEVの市場投入を目指すことを発表しています。EV普及の起爆剤、カーボンニュートラル実現のゲームチェンジャーとなる可能性を秘める全固体電池。日本政府の今後の後押しと技術革新にぜひ注目したいと思います。

春とは言えない降雪

北海道では、未だ雪が降り春とは言えない季節です。一方 「春眠、暁を覚えず」― 春は桜、そして睡眠の季節。そんな睡眠について、
国立循環器病研究センターから驚くべき研究内容が発表されました。それは
枕との関係。高くて硬い枕が「特発性椎骨動脈解離」を誘発し、脳卒中の
リスクを高めるというものです。
 この病気は首の後ろ側にある椎骨動脈が裂けてしまうもので、若い世代(15~
45歳)で発症する脳卒中のうち8~10%を占めています。研究チームは特発性
椎骨動脈解離の患者の一部が極端に高い枕を使うことに着目。2018~23年の間、
この病気と診断された53人(26~79歳)と年齢と性別が同じ他の病気の患者53人
について、枕の高さや硬さを調査しました。普通の枕(高さ12cm未満)と高い枕
(高さ12cm以上)と極端に高い枕(高さ15cm以上)で見ると、高い枕では特発性
椎骨動脈解離患者は他の病気の患者と比べ約2倍、極端に高い枕では約9倍と枕の
使用比率に顕著な差がありました。枕が高いほど発症割合が高くなり、枕が硬い
ほど発症との関連が強くなるという結果でした。
 国立循環器病研究センターでは、この症状を「殿様枕症候群」と名付け、
若い人がスマートフォンやタブレット、テレビなどを見るため枕を高くする睡眠
習慣を指摘。現代病として警鐘を鳴らしています。江戸時代の随筆に「寿命三寸
楽四寸(約12cmの枕は楽だが約9cmの方が長生きするという意味)」という言葉が
残っています。先人たちは、枕の高さが健康に関わると自然と気づいていたのか
もしれません。

「座りすぎ」が及ぼす身体への悪影響

 昨年の12月、京都府立医大の富田仁美研究員(内分泌・乳腺外科)などの研究
チームが行った大規模疫学調査結果から、驚くべき事実が発表されました。それは
座っている時間が1日7時間以上の女性は、7時間未満の女性に比べて乳がんを
発症するリスクが36%も上昇するというものです。筋肉を動かさないことで、
血行が悪くなることなどが影響していると考えられています。座りっぱなしに
よる運動不足の解消には、余暇にまとめて運動するよりも普段から座っている
時間を短くし、こまめに運動することが効果的であると富田氏は話しています。
 また、オーストラリアのシドニー大学の研究グループが、約2年10ヵ月に渡って
座っている時間の違いによる死亡率を調査した結果(45歳以上の22万人を対象)、
1日トータルで11時間以上の人は、4時間未満の人に比べて、死亡率が1.4倍も
高くなることが分かりました。座っている時間が長い人ほど、血行不良と代謝の
低下などにより死亡リスクが増加すると推察されています。重要なポイントは、
例えば1週間で150分程度、普通のスピードで歩く以上の運動を行ったとしても、
座りすぎを継続していれば、このような健康への悪影響は十分に減らないという点
です。とにかく座りすぎを意識してやめることが、最善の対処法であると示して
います。
 そもそも日本人は世界的にも座っている時間が長く、成人では1日平均7時間
(中央値)と言われています。世界保健機関(WHO)の健康づくりの指針である
「身体活動ガイドライン」にも座位行動がタイトルに新たに加えられ、座りすぎ
対策に積極的に取り組む重要性を強調しています。日本でも厚生労働省によって
まとめられた「身体活動・座位行動ガイドライン」においても、座りっぱなしに
対して積極的な対策を呼びかけています。職場でも学校でも座り過ぎによる健康
リスクを十分に理解し、行動変容を促すことこそ、いま社会に求められています。

男性はビールロング缶2本、女性は1本以上で生活習慣病のリスク高める…厚労省の飲酒指針案

過度な飲酒で健康を害する人を減らそうと、厚生労働省は飲酒についてのガイドライン(指針)案を初めてまとめた。生活習慣病のリスクを高める飲酒量(純アルコール量)を「男性で1日あたり40グラム以上、女性で20グラム以上」と示した。

 純アルコール量20グラムは、ビールで500ミリ・リットル(ロング缶1本)、日本酒で1合程度に相当する。指針案では、少量であっても、がんや高血圧といった生活習慣病のリスクを高めるとの研究結果を引用し、「飲酒量をできるだけ少なくすることが重要」と強調した。

 国内では高齢化や若者の「酒離れ」などを背景に、成人1人あたりの酒の消費量は減り続けている。一方で、2022年にアルコール性肝疾患で死亡した人は1996年の2・6倍に上り、飲酒習慣がある女性の割合は増えている。

 欧米などでは、体質や文化などを踏まえて健康を害さない飲み方を具体的に示した指針を設けている。このため、厚労省は国内でも性別や年齢、体質などに応じた指針を作る必要があると判断し、有識者による検討会で策定を進めてきた。

 指針案では、女性や高齢者は体内の水分量が少ないため、アルコールの影響を受けやすいと指摘。女性は男性より少量かつ短期間でアルコール性肝硬変になる場合があり、高齢者は一定量を超えると認知症の発症の可能性が高まるとした。

 「飲酒時に顔が赤くなりやすい」など、体内の分解酵素の働きが弱い人は国内に約41%いるとするデータを紹介し、「(飲酒に慣れたとしても)口の中や食道のがんのリスクが非常に高くなる」と警告した。

 避けるべき飲酒として、純アルコール量60グラム以上の大量摂取や、不安や不眠の解消目的などを例示。「その日の体調によっても体に与える影響は変わる。飲めない人に無理に飲酒を勧めることも避けるべきだ」と注意を呼びかけている。

老化抑制に効果が期待される「NMN」

いま老化抑制、アンチエイジングに効果があるのではと巷で大いに話題と
なっているのがNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)です。NMNは体内に
おいてはビタミンB3から生成される物質で、母乳に含まれているほか、ブロッ
コリーやアボガド、トマトや枝豆などの野菜にも含まれています。その存在は
1960年代から知られておりましたが、近年、抗老化研究の第一人者である今井
眞一郎教授(米ワシントン大学医学部)の大発見により、機能性食品素材とし
て一躍ブームとなりました。研究から長寿遺伝子とも呼ばれている酵素サー
チュインの活性化が、老化防止や寿命の制御に重要であることが解明され、そ
の活性化のカギとなるのがNMNなのです。酵素サーチュインはNAD(ニコチン
アミド・アデニン・ジヌクレオチド)という物質によって活性化されますが、
NADは体内においてNMNから生成されます。NADは10代後半をピークに減少に
転じ、40代でピーク時の半分まで減少してしまうため、サプリメント等でNMN
を摂取しNADを増加させることで、様々な効能を促すという仕組みです。
 今井教授の行った臨床実験によれば、老化に伴い2型糖尿病となったマウス
にNMNを投与したところ症状に改善が見られ、さらに健康な大人のマウスへの
投与では、中年太りの抑制、目の網膜機能や骨密度の低下抑制など、顕著な抗
老化作用が確認されたそうです。
 このような効能を示すNMNですが、今井教授は同時にNMNの日本での急速な
広まりに対して警鐘も鳴らしています。人間に対して適切な摂取量がまだ明確
でないため、高用量の摂取を長く続けると「肝機能の障害を起こす恐れがある」
と指摘。また、医薬品として認められていない点滴での投与を勧める
クリニックも増えていること、ネット等で売られているサプリメントに偽物が
多い点にも注意が必要だとしています。「人生100年時代」の“切り札”として
期待される若返り物質「NMN」。その効能を得るには、科学に基づいた確かな
情報、信頼できるエビデンスこそ、欠くことのできない前提となりそうです。

忘年会は午後9時まで? 働く20~50代の意識調査

忘年会は午後9時には帰りたい―。シチズン時計(東京)が全国の働く20~50代の男女計400人を対象に、生活のさまざまな場面における時間に関するイメージ調査をした結果、社会人の約40%が忘年会など会社での飲み会は午後9時までの1次会で終わらせてほしいと思っている実態が浮かんだ。

 一方で同社の2019年調査では「忘年会で帰りを気にする時間」を9時までと回答したのは約56%だった。質問が異なるので単純比較はできないが、新型コロナウイルス感染症の5類移行後初めての年末年始を控え、久しぶりの忘年会へ期待感が高まっている側面もありそうだ。

 調査は今年10月4~6日にインターネットで実施。現実の出来事や仮想世界に関してイメージする時間を尋ねた。「会社の飲み会で帰りたくなる時間」は午後9時が23・8%、8時が17・0%、10時が13・3%だった。年代別では、20代の最多は10時で、全年代を通じて最も遅かった。

 また、「(大みそかに)年越しそばを食べる時間」は午後11時が30・8%で最多。次いで午前0時と午後7時は13・8%だった。「サンタクロースが家にプレゼントを持ってくる時間」は午前0時が43・5%と最多で、次いで午後11時が24・5%だった。

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